歌が上手くなる本のえらび方。練習本・楽譜集・読みもの、自分に合う1冊の見つけ方
「歌が上手くなる本って、どれを買えばいいのかな」 「ボイトレの本がたくさんあって、おすすめがわからない」
本屋さんの音楽のたなを見ると、歌の本がたくさんならんでいます。表紙には「すぐ上手くなる」「これ1冊で」など、気になることばも書いてあって、どれをえらべばいいのか、まよってしまいますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。歌の本は、教室のレッスンとはまたちがう形で、歌の練習をささえてくれるものだと感じています。
この記事では、歌が上手くなる本のえらび方を、本のタイプと、見ておきたいポイントに分けてお話しします。ボイトレの本のおすすめは、人によってちがいます。だからこそ、特定の本の名前ではなく、「自分に合う1冊」を見つけるための見方をまとめました。
歌の本には、大きく3つのタイプがある
練習本(ボイトレの本)
いちばん多いのが、声の出し方を練習するための本です。姿勢、息のつかい方、発声の練習などが、順番にのっています。
- 1日ごとや1週ごとに、練習のメニューが組まれている
- 図やイラストで、体のつかい方を説明している
- 練習用の音源がついていることが多い
「何から練習したらいいかわからない」という方には、まずこのタイプが入りやすいと思います。
楽譜集・曲集
歌いたい曲の楽譜がまとまっている本です。童謡や唱歌、日本の歌曲、イタリア歌曲、合唱曲、ポップスなど、ジャンルごとに分かれています。
- 曲の練習をしたい人向け
- 歌の高さ(キー)が、いくつか用意されているものもある
- 伴奏の楽譜がついているものと、ついていないものがある
楽譜集は、練習本とはちがって、「どう練習するか」より「何を歌うか」をささえてくれる本です。子ども向けの楽譜集のえらび方は、こちらの記事でくわしく書いています。子どもの歌の楽譜はどこで手に入る?楽譜集のえらび方と、コピーのきまり
読みもの
声のしくみ、歌の歴史、歌う人の考え方などを、文章で読む本です。練習のメニューはあまりのっていませんが、「なぜそうするのか」がわかると、レッスンで言われたことが、すっと入ってくることがあります。
- 声が出るしくみを、やさしく説明した本
- 作曲者や曲の時代について書いた本
- 歌う人や先生が、自分の考えを書いた本
すぐに声がかわるわけではありませんが、歌を長く楽しむための「土台」になってくれるタイプです。
本をえらぶ前に考えておきたいこと
何のために歌が上手くなりたいのか
本をえらぶ前に、まず自分の目的を考えてみましょう。
- カラオケで気持ちよく歌いたい
- 合唱でまわりと声を合わせたい
- 声楽をきちんと学びたい
- お子様の練習を、家でみてあげたい
- 話し声もととのえたい
目的がちがうと、合う本もかわります。たとえば、カラオケが目的なら、ポップスの歌い方を中心にした練習本が合いやすく、声楽が目的なら、クラシックの発声をあつかった本のほうが、教室のレッスンとつながりやすいです。
いまの自分のレベル
はじめて歌を練習する方が、いきなりむずかしい本をえらぶと、ことばの意味がわからず、とちゅうでやめてしまうことがあります。反対に、長く歌っている方には、入門の本ではものたりないかもしれません。
「はじめての方へ」「初心者向け」などと書いてあっても、中身のむずかしさは本によってちがいます。かならず中を少し読んでから決めましょう。
本屋さんや図書館で見ておきたいポイント
1. 音源がついているか
歌の練習は、耳で聞くことがとても大切です。文字だけで「こんな声で」と書かれても、なかなかイメージがわきません。
- 練習用の音源があるか
- 見本の歌があるか
- 伴奏だけの音源があるか
- 音源はディスクか、ネットで聞く形か
ネットで聞く形のものは、スマホですぐに聞けて便利です。ただ、聞ける期間が決まっていることもあるので、本の説明をよく見ておきましょう。
2. 説明が、自分にとってわかりやすいか
同じことを説明していても、本によって書き方はさまざまです。
- 図やイラストが多い本
- 写真で体の動きを見せる本
- 文章でていねいに説明する本
どれがよいかは、人それぞれです。ぱらぱらとめくってみて、「これなら読めそう」と思える本をえらぶのがいちばんです。
3. 練習の量が、むりのない長さか
1日に何十分も練習するメニューがのっている本もあります。でも、仕事や学校、家のことでいそがしいと、なかなか続きません。
1回5分や10分からできるメニューがあるか、自分の生活に合わせて組みかえやすいかも、見ておきたいところです。家での練習の組み方は、こちらの記事も参考になると思います。自宅でできるボイトレメニュー。10分・30分の練習の組み方を、初心者向けにまとめました
4. 対象の年れいやジャンルが合っているか
大人向けの本を、そのまま小さなお子様にやらせるのは、おすすめしません。子どもの声はまだ育っているとちゅうなので、むりのない練習が大切です。
- 子ども向けか、大人向けか、シニア向けか
- 声楽か、ポップスか、合唱か
- 男性向け、女性向けで分かれているか
表紙や帯だけでなく、「はじめに」のページを読むと、どんな人に向けた本なのかがわかりやすいです。
5. 書いた人のプロフィール
本のはじめやおわりには、書いた人のプロフィールがのっていることが多いです。どんなジャンルで歌ってきた人か、どんな人に教えてきた人かを見ると、その本の考え方が、少しわかります。
声楽の先生が書いた本と、ポップスの歌い手が書いた本では、同じ「発声」でも、説明のしかたがちがうことがあります。どちらが正しいというより、自分の目的に近い人の本をえらぶと、まよいにくくなります。
6. 文字の大きさや、本の開きやすさ
意外と大切なのが、本そのものの使いやすさです。
- 文字が小さすぎないか
- 練習中に、本が開いたままにしやすいか
- 楽譜が見やすい大きさか
シニアの方や、お子様といっしょに使う場合は、とくに文字の大きさを見ておくと安心です。
買う前にできること
図書館でかりてみる
図書館の音楽のたなには、歌の本がおいてあることも多いです。まずかりて読んでみて、「これはずっと手元においておきたい」と思えたら買う、という方法もあります。
いくつかの本を、少しずつ読みくらべる
1冊だけ見て決めるより、2冊か3冊、同じテーマの本を読みくらべると、自分に合う書き方が見えてきます。
ネットの感想は、参考ていどに
ネットの感想は、とても参考になります。ただ、合う・合わないは人それぞれです。「わかりやすい」と書かれていても、自分にはむずかしく感じることもあります。感想は参考にしながら、最後は自分の目で中身を見て決めましょう。
本を使って練習するときのコツ
1冊を、さいごまで通してみる
いろいろな本を少しずつ読むより、まずは1冊を、さいごまで通してみるのがおすすめです。本の多くは、はじめから順番に練習すると身につきやすいように作られています。
習ったことを、本に書きこむ
自分の本なら、気づいたことや、うまくできたことを、ページに書きこんでおきましょう。あとで見返したときに、自分の変化がわかります。
教室の先生に見せてみる
教室に通っている方は、使っている本を先生に見せてみるのもよい方法です。「このページの練習は、いまのあなたに合っている」「ここは、まだ先でいいよ」など、アドバイスをもらえることがあります。
本と先生の言うことがちがうと感じたときは、まず先生に聞いてみてください。声は人によってちがうので、目の前で声を聞いている先生のほうが、いまのあなたに合ったことを伝えやすいからです。
録音して、たしかめる
本を見ながら練習していると、「できているつもり」になりやすいものです。ときどきスマホで録音して、自分の声を聞いてみましょう。本の見本の音源と聞きくらべると、ちがいに気づきやすくなります。
本で練習するときに気をつけたいこと
むりに大きな声や高い声を出さない
本にのっている練習を、いきなり全部やろうとすると、のどがつかれてしまうことがあります。とくに高い声や大きな声の練習は、少しずつすすめましょう。
のどに痛みを感じたら、その日の練習はやめて、声を休めてください。痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
本だけでは、わかりにくいこともある
本は、とても心強い道具です。でも、自分の声を聞いてもらい、その場でアドバイスをもらえるのは、先生のレッスンならではのよさです。本でひとりで練習するよさと、先生にならうよさについては、こちらの記事でもくわしく書いています。ボイトレは独学でできる?家でできることと、先生にならうよさ
まとめ
- 歌の本には、練習本、楽譜集、読みものの3つのタイプがある
- えらぶ前に、自分の目的といまのレベルを考えておく
- 音源のあり・なし、説明のわかりやすさ、練習の量を見る
- 対象の年れいやジャンル、書いた人のプロフィールもたしかめる
- 図書館でかりたり、何冊か読みくらべたりしてから決める
- まずは1冊をさいごまで通し、ときどき録音してたしかめる
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
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