ボイトレは独学でできる?家でできることと、先生にならうよさ
「ボイトレに興味はあるけれど、教室に通う時間がない」 「動画を見ながら、ひとりで練習してもいいのかな」
歌がうまくなりたいと思ったとき、まず「独学でできるかどうか」を考える方は多いと思います。いまは、動画やアプリ、本など、家で練習できるものがたくさんあります。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。そのあいだ、教室に通っている方も、家での練習を中心にしている方も見てきました。そこで感じたのは、独学でできることはたくさんある一方で、ひとりでは気づきにくいこともある、ということです。
この記事では、ボイトレを独学でするときにできること、つまずきやすいところ、先生にならうよさ、そして独学と教室を組み合わせる方法をまとめます。中学生・高校生の方や大人の方はもちろん、お子様の練習を見ているお父様・お母様にも読んでいただけたらと思います。
ボイトレは、独学でもできる?
結論から言うと、独学でもできることはたくさんあります。
- 姿勢をととのえる
- 呼吸の練習をする
- 体やのどをほぐす
- ハミングやリップロールなどの声ならし
- 歌詞やメロディーをおぼえる
- 自分の歌を録音して聞く
こうした練習は、毎日少しずつつづけることが大切です。教室に通っている方も、家でこうした練習をしていることが多いです。つまり、独学か教室か、ではなく、「家でできることは家でする」という考え方が、どちらにも役立ちます。
ただし、ひとりでは、自分の声やくせに気づきにくいことがあります。そこが独学のむずかしいところです。
家でできる、基本のボイトレ
1. 姿勢をととのえる
- 足を肩はばくらいに開いて立つ
- ひざの力をぬく
- 頭が上から糸で引っぱられているイメージをもつ
- 肩の力をストンとぬく
- あごは前に出さない
鏡の前で、横向きの姿も見てみましょう。首が前に出ていないか、背中がまるくなっていないかをたしかめます。
2. 呼吸の練習
歌は、息にのせて声を出します。息をすうと、おなかのまわりがふわっと広がる。はくときは、細く、長く、一定にはく。この感じをつかむ練習は、家でも十分にできます。
腹式呼吸のくわしいやり方は、こちらの記事にまとめています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
3. 体とのどをほぐす
- 首をゆっくり回す
- 肩を上げて、ストンと落とす
- 口を大きく開けたり、とじたりする
- あくびのはじまりのように、のどのおくをゆったりさせる(むりに広げない)
歌う前に1〜2分ほぐすだけでも、声が出しやすくなることがあります。
4. 声ならし
- ハミング:口をとじて「んー」と声を出す
- リップロール:くちびるを「ぶるぶる」ふるわせながら声を出す
- サイレン:「うー」と言いながら、低い声から高い声へすべらせる
どれも、小さな声で、らくに出せるはんいで行います。大きな声で長くつづける必要はありません。
5. 曲で練習する
声ならしのあとは、好きな曲で練習します。むずかしいところは、ゆっくり歌ったり、「ら」や「う」など、ひとつの音で歌ったりしてみると、メロディーをたしかめやすくなります。
独学でつまずきやすいところ
自分の声は、自分では正しく聞こえない
自分が歌っているときに聞こえる声と、まわりの人に聞こえている声は、ちがって聞こえることが多いです。そのため、ひとりで練習していると、音程がずれていたり、声がこもっていたりしても、気づきにくいことがあります。
力みに気づきにくい
高い音や大きな声を出そうとして、のどや肩に力が入っていても、自分ではわかりにくいものです。力んだまま練習をつづけると、のどがつかれやすくなります。
情報が多すぎて、まよってしまう
動画や本には、いろいろなやり方がのっています。人によって言うことがちがうこともあり、「どれが自分に合っているのか」とまよってしまうことがあります。あれもこれもためして、どれも中途半端になってしまうこともあります。
つづけるのがむずかしい
ひとりの練習は、自分のペースでできる一方で、「今日はいいか」となりやすいものです。目標や、聞いてくれる人がいないと、つづけるのがむずかしくなることもあります。
独学をうまくすすめるコツ
録音・録画をする
自分の声に気づくためには、録音や録画がいちばんの助けになります。スマホで歌をとって、少し時間をおいてから聞いてみましょう。
- 音程がずれているところはないか
- ことばがはっきり聞こえるか
- 息つぎのところで、あわてていないか
- 歌っているときの顔や肩に、力が入っていないか
動画をつかった練習のしかたは、こちらの記事にもまとめています。動画をつかった歌の練習のしかた。お子様が楽しくつづけられるコツと注意点
やり方を、しぼる
いろいろなやり方をためすより、ひとつのやり方を、しばらくつづけてみるほうが、変化に気づきやすいです。2〜3週間ほどつづけて、録音でくらべてみるとよいと思います。
練習は短く、毎日
1回に長く練習するより、短い時間を毎日つづけるほうが、のどへの負担も少なく、体もおぼえやすいことが多いです。
- 声ならしは5分くらい
- 曲の練習は10〜15分くらい
- のどがつかれたら、その日はおしまい
目標をきめる
「この曲を、さいごまでらくに歌えるようになる」「発表会で歌う」「動画で応募してみる」など、小さな目標をきめると、練習がつづきやすくなります。
先生にならうよさ
自分では気づかないくせを、見つけてもらえる
先生は、外から声と体を見てくれます。あごが前に出ている、息をすうときに肩が上がっている、のどで声をおしている。自分ではわからないくせを、その場で教えてもらえるのは、先生にならう大きなよさです。
自分に合った練習を、えらんでもらえる
声の高さ、年れい、目標は人によってちがいます。先生は、その人に合った練習を考えてくれます。たくさんの情報の中から、自分に合うものをえらぶ手間がへります。
のどをいためにくい
むりな声の出し方をしていると、先生が気づいて止めてくれます。とくに、中学生・高校生の声がかわる時期や、年をかさねて声が出にくくなってきた方は、先生にみてもらうと安心です。
つづけやすい
レッスンの日がきまっていると、「次のレッスンまでに練習しよう」という気持ちになりやすいです。ほめてもらえたり、上手になったところを伝えてもらえたりすると、やる気にもつながります。
独学と教室を、組み合わせる方法
独学か教室か、どちらかひとつにきめる必要はありません。
ときどきレッスンを受ける
毎週通うのがむずかしいときは、月に1〜2回など、ときどきレッスンを受ける方法もあります。先生に今の声をみてもらい、家で何を練習するとよいかを聞いて、あとは家で練習する。そんなすすめ方もできます。通い方や回数は、教室によってちがいます。
オンラインのレッスンをつかう
近くに教室がない方や、時間がとりにくい方は、オンラインのレッスンもひとつの方法です。家にいながら、先生にみてもらえます。
体験レッスンで、今の声をみてもらう
まずは体験レッスンで、今の自分の声をみてもらうのもおすすめです。自分のくせや、家での練習のしかたについて聞いてみると、独学のヒントにもなります。体験レッスンで見ておきたいことは、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
近くの教室や、オンラインでならえる教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
むりをしないための注意
ひとりで練習するときこそ、のどを大切にしてください。
- いたみやくるしさを感じたら、すぐにやめる
- 声がかすれたら、その日はお休みする
- かぜのときや、のどが赤いときは歌わない
- さけぶような声で、長く歌いつづけない
- 練習のあとは、水をのんでのどを休める
のどのいたみや声のかすれが何日もつづくときは、ひとりでなやまずに、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- ボイトレは、独学でもできることがたくさんある
- 姿勢、呼吸、体をほぐす、声ならし、曲の練習は家でできる
- 自分の声やくせには、ひとりでは気づきにくい
- 録音・録画をして、自分の歌を外から聞いてみる
- やり方をしぼり、短い練習を毎日つづける
- 先生にならうと、くせを見つけてもらえ、自分に合った練習がわかる
- 独学と、ときどきのレッスンやオンラインを組み合わせる方法もある
- いたみやかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
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