子どもの歌の動画をSNSにのせるときの注意。安全とマナー、「歌ってみた」をはじめる前に
「子どもの歌を、たくさんの人に聞いてもらいたい」 「子どもが『歌ってみた』をやりたいと言っているけれど、だいじょうぶかな」
歌が好きなお子様が、動画をとって楽しむことがふえてきました。上手に歌えた動画は、だれかに見てもらいたくなりますよね。SNSにのせると、遠くの家族や、同じように歌が好きな人に見てもらえることもあります。
いっぽうで、子どもの歌の動画をSNSにのせるときは、注意したいこともあります。一度ネットに出た動画は、思わぬところまで広がることがあるからです。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌の動画は、とても身近なものです。だからこそ、安心して楽しめるように、のせる前にお父様・お母様が知っておきたいことを、この記事でまとめます。
動画のとり方そのものについては、こちらの記事でくわしく書いています。歌の動画をきれいにとるコツ。スマホ・マイク・部屋の音と、安心して公開するための注意点この記事では、SNSにのせるときの安全とマナーにしぼってお話しします。
のせる前に考えたい「公開のはんい」
だれに見てもらいたいのかを決める
SNSには、だれでも見られる「公開」の形と、えらんだ人だけが見られる形があることが多いです。まずは、「だれに見てもらいたいのか」を考えてみましょう。
- おじいちゃん、おばあちゃんなど、家族だけに見てもらいたい
- 仲のよいお友だちの家族に見てもらいたい
- 知らない人もふくめて、たくさんの人に聞いてもらいたい
家族だけに見せたいなら、公開にしなくても、見られる人をしぼる形でじゅうぶんです。はじめは小さなはんいからはじめて、なれてきたら考えなおす、という順番もあります。
一度のせたものは、のこるかもしれない
動画を消しても、だれかが保存していたり、画面をうつしていたりすると、ネットのどこかにのこることがあります。「あとで消せばいい」と考えず、「ずっとのこっても、だいじょうぶかな」と考えてから、のせるようにしましょう。
お子様が大きくなったとき、本人がその動画をどう思うかも、大切なポイントです。
顔・名前・学校がわかる情報に気をつける
うつりこみやすいもの
子どもの歌の動画では、知らないうちに、いろいろな情報がうつりこむことがあります。のせる前に、もう一度見なおしてみましょう。
- 本名がわかる名札や、持ちもののなまえ
- 学校や幼稚園の制服、体そう服、ぼうし
- 家の外がわかる窓の景色や、近くの建物
- 家のポストや表札、車のナンバー
- 部屋にはってある賞状やカレンダー、プリント
とくに、学校名や家の場所がわかる情報は、のせないほうが安心です。
名前や年れいの書き方
動画のタイトルや説明に、お子様の本名、くわしい年れい、住んでいる町、通っている学校などを書くのはさけましょう。名前をのせたいときは、ニックネームにする、名前は書かない、などの工夫ができます。
「3年生」のような学年や、コンクールの結果を書くときも、ほかの情報と組み合わせると、だれなのか見当がつくことがあります。少しでも気になる情報は、書かないほうが安心です。
顔をうつすかどうか
顔を出すかどうかは、家庭ごとに考え方がちがいます。顔を出さない形にしたいときは、たとえばこんな方法があります。
- 口もとから下だけをうつす
- うしろすがたや、手もとだけをうつす
- 動画ではなく、声だけをのせる
- 絵やイラストを画面に出して、歌を流す
顔を出すときは、見られる人をしぼる、公開する期間をみじかくするなど、ほかの部分で安全を考えるとよいと思います。
撮影した場所の情報
スマホでとった動画や写真には、とった場所の情報がのこる設定になっていることがあります。SNSにのせる前に、スマホの設定を一度たしかめておきましょう。また、のせるタイミングも、少しずらすと安心です。「いま、ここにいる」とわかってしまうのをふせぐためです。
コメントへの向き合い方
よいコメントも、こまったコメントもある
公開して動画をのせると、知らない人からコメントがつくことがあります。「すてきな声ですね」というあたたかいことばがとどくこともあれば、心ないことばが書かれることもあります。
小さなお子様が、きびしいことばを目にすると、歌うことそのものがいやになってしまうかもしれません。コメントは、まずお父様・お母様が先に見るようにしましょう。
コメントの設定を考える
SNSによっては、コメントを受けつけない、決まった人だけがコメントできる、などの設定ができることが多いです。はじめは、コメントを止めておくのも一つの方法です。
- コメントを受けつけない
- 知り合いだけがコメントできるようにする
- 気になることばをふくむコメントを、見えなくする
知らない人からの連絡に注意する
コメントやメッセージで、「会いたい」「ほかの写真も見せて」など、気になる連絡がくることもあります。お子様には、「知らない人から連絡がきたら、返事をしないで、すぐに家の人に見せてね」と伝えておきましょう。
こまったことがあったら、SNSの通報のしくみをつかったり、まわりの大人に相談したりして、ひとりでかかえこまないことが大切です。
音源と曲のきまりの考え方
曲には作った人の権利がある
歌には、歌詞やメロディを作った人の権利があります。また、CDや配信の音源には、曲を作った人とは別に、その音を録音した人や会社の権利があることが多いです。
そのため、市販の音源やカラオケの音源をそのまま流して歌い、SNSにのせると、きまりに合わないことがあります。動画がとめられたり、消されたりすることもあります。
どんな音源なら安心か
伴奏をつかいたいときは、次のような方法が考えられます。
- お父様・お母様や先生に、ピアノなどで伴奏してもらう
- 「動画にのせてもよい」と書かれている伴奏音源をつかう
- 伴奏なしで、アカペラで歌う
ただし、伴奏を自分たちでひいても、曲そのものの権利は作った人にあります。SNSによっては、曲の権利について、ルールを決めていることもあります。のせる前に、つかうSNSのきまりをたしかめてみてください。
昔から歌われている童謡や唱歌の中には、作った人の権利がすでに切れている曲もあります。でも、新しく編曲された楽譜や、録音された音源には、別の権利があることもあります。「古い曲だからだいじょうぶ」と決めつけず、つかう音源や楽譜のきまりを見ておきましょう。
伴奏音源のえらび方は、こちらの記事でもふれています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
のせる前に、親子で話しておきたいこと
お子様の気持ちをたしかめる
「SNSにのせてもいい?」と、お子様本人に聞いてみましょう。小さなお子様でも、「はずかしいからいや」と思っていることがあります。また、そのときはよくても、あとから「消してほしい」と言うこともあります。そのときは、気持ちを大切にしてあげてください。
家のきまりを決めておく
- 動画をのせるのは、家の人といっしょのときだけ
- 名前や学校、家の場所がわかることは書かない
- コメントは、まず家の人が見る
- こわいことやいやなことがあったら、すぐに話す
SNSには、つかえる年れいが決められていることが多いです。お子様がまだ小さいうちは、お父様・お母様のアカウントで管理するようにしましょう。
「いいね」の数で歌をはからない
SNSでは、見てくれた人の数や「いいね」の数が目に入ります。数が多いとうれしいですが、少なくても、歌の価値が下がるわけではありません。「今日は前よりのびのび歌えたね」と、お子様の歌そのものをほめてあげてください。
SNSのほかにも、歌を聞いてもらう方法はある
歌を聞いてもらいたいときは、SNSのほかにも方法があります。
- 家族だけで動画を見る会をひらく
- おうち発表会をして、家族に聞いてもらう
- 動画で出られるコンクールに応募する
動画で出られるコンクールは、応募した動画を審査員が見る形のものもあり、そうしたコンクールなら、SNSで広く公開しなくても歌を聞いてもらえます。応募のきまりは、コンクールごとにたしかめてください。歌についての感想をもらえることもあるので、お子様の歌のよいところを知るきっかけにもなります。くわしくは、こちらの記事も読んでみてください。オンライン・動画で出られる歌のコンクール。よさと注意点
まとめ
- のせる前に、だれに見てもらいたいのかを決める
- 一度のせた動画は、ずっとのこるかもしれないと考える
- 顔、名前、学校、家の場所がわかる情報は、うつさない・書かない
- コメントは、まずお父様・お母様が見る。設定でしぼることもできる
- 市販の音源をそのまま流すと、きまりに合わないことがある
- お子様の気持ちをたしかめ、家のきまりを決めておく
歌の動画は、お子様の成長をのこせる、すてきなものです。安全に気をつけながら、楽しく歌える場をえらんでいきましょう。SNSのほかに歌を聞いてもらう場をさがしているときは、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ