オンライン・動画で出られる歌のコンクール。よさと注意点
「コンクールに出てみたいけれど、会場が遠くて行けない」 「人の前で歌うのは、まだ少しこわい」
そんなお子様やご家族、そして大人の方にも、オンラインや動画で出られる歌のコンクールは、新しい出場の形として広がってきています。家でとった歌の動画をおくって、審査をしてもらうしくみです。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。会場で歌うコンクールにも、動画でおくるコンクールにも、それぞれのよさがあると感じています。
この記事では、オンライン・動画で出られる歌のコンクールについて、どんなよさがあるのか、どんなところに気をつけたらよいのか、応募の前にたしかめておきたいことをまとめます。
オンライン・動画のコンクールとは
オンラインのコンクールでは、多くの場合、次のような流れで参加します。
- 募集のページで、部門や応募のきまりをたしかめる
- 家や教室などで、歌の動画をとる
- 決められた方法で、動画と申しこみの内容をおくる
- 審査のあと、結果や講評がとどく
動画のおくり方や、結果の伝え方は、コンクールによってちがいます。動画サイトに限定公開でアップしてURLをおくる形や、ファイルをそのままおくる形などがあります。
オンラインのコンクールのよさ
遠くに住んでいても出られる
会場で歌うコンクールは、大きな町で開かれることが多く、遠くに住んでいると、移動や宿の準備がたいへんです。オンラインなら、家にいながら出られるので、住んでいる場所にかかわらず、ちょうせんしやすくなります。
時間や体の負担が少ない
会場のコンクールでは、朝早く出かけて、長い時間待つこともあります。小さなお子様やシニアの方にとっては、それだけでつかれてしまうこともあります。
オンラインなら、体調のよい日、声の出しやすい時間をえらんでとることができます。
いちばんよい歌をえらべる
会場では、本番は一度きりです。動画なら、何回かとった中から、いちばん気に入ったものをえらんでおくれるコンクールも多いです。
緊張しやすいお子様でも、なれた場所で、いつもの力を出しやすくなります。
人前が苦手でも、はじめの一歩になる
人の前で歌うのがはずかしい、こわいと感じる方にとって、動画のコンクールは、はじめの一歩としてちょうどよいことがあります。オンラインで出てみて、自信がついたら、会場のコンクールにもちょうせんする、という順番もあります。
講評がのこる
講評を文章でおくってくれるコンクールでは、あとから何度でも読みかえすことができます。動画といっしょに見かえすと、どこをほめられたのか、どこをのばせばよいのかが分かりやすくなります。
オンラインのコンクールで気をつけたいこと
動画の音や画面で、伝わり方がかわる
動画の審査では、とり方によって、歌の伝わり方がかわることがあります。
- まわりの音が入って、歌が聞きとりにくい
- 伴奏が大きすぎて、声がうもれてしまう
- 画面が暗くて、表情が見えにくい
- スマホがゆれて、見ていてつかれる
高い機材がなくても、スマホで工夫すれば、じゅうぶんきれいにとれます。とり方のコツは、こちらの記事にくわしくまとめています。歌の動画審査、スマホでのきれいなとり方。おうちでできる10のコツ歌の動画をきれいにとるコツ。スマホ・マイク・部屋の音と、安心して公開するための注意点
何回もとりなおして、つかれてしまう
何回でもとれるのはよいところですが、「もっといいものを」と思って、何十回もとりなおすと、のどもつかれてしまいます。お子様の場合、気持ちもつかれて、歌がいやになってしまうこともあります。
- 1日にとる回数を決めておく
- 声がかすれてきたら、その日はおしまいにする
- 「完ぺき」をめざしすぎない
のどの痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
応募のきまりをよく読む
オンラインのコンクールには、それぞれ細かいきまりがあります。読みおとすと、審査を受けられないこともあるので、注意しましょう。
- 動画の長さ(何分以内か)
- 編集してよいか(切りはりや音の加工はだめなことが多い)
- 伴奏の形(ピアノの生演奏か、音源でもよいか)
- 顔がうつっている必要があるか
- 動画のファイルの形や、おくり方
- しめきりの日と時間
伴奏音源のえらび方は、こちらの記事にもまとめています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
会場の空気は感じにくい
オンラインのコンクールでは、ほかの人の歌を生で聞いたり、ステージに立つ緊張を味わったりする体験はありません。会場ならではの学びもあるので、目的に合わせて、えらんだり組み合わせたりするのがおすすめです。
応募の前にたしかめたいこと
主催や連絡先が分かるか
オンラインのコンクールは、だれでも開きやすい分、内容がよく分からないものもあるかもしれません。応募する前に、次のようなことをたしかめておくと安心です。
- 主催しているところの名前と連絡先がのっているか
- 審査員がどんな人か書いてあるか
- 参加費と、何がふくまれているかが分かるか
- 結果や講評が、いつ、どんな形でとどくか
- 動画がどうつかわれるか(公開されるかどうか)
分からないことは、申しこむ前に問い合わせてみてください。
お子様の動画のあつかい
お子様の動画をおくるときは、とくに、動画がどこまで公開されるのかをたしかめましょう。動画サイトにアップするときは、だれでも見られる設定ではなく、URLを知っている人だけが見られる設定にできるかも見ておくと安心です。
部門と曲の時間が合っているか
年れいや、声楽・童謡・ポップスなどのジャンルで、部門が分かれていることがあります。どの部門に出るか、曲の長さがきまりに合っているかも、早めにたしかめておきましょう。
動画をとる日の、かんたんな流れ
はじめてのときは、とる日の流れを決めておくと、あわてずにすみます。
とる前
- 部屋をかたづけて、うしろにうつるものをシンプルにする
- スマホを台などにおいて、ゆれないようにする
- ためしに少しとって、音の大きさと明るさをたしかめる
- 体をほぐして、軽く声を出しておく
とるとき
- 歌いはじめる前に、2〜3秒しずかな時間をつくる
- 1回目から「本番」と思いすぎず、気楽に歌ってみる
- 3〜5回くらいとったら、一度休む
とったあと
- 家族といっしょに、全部をとおして見る
- 音が切れていないか、顔が見えているかをたしかめる
- きまりに合った長さか、もう一度見ておく
その日のうちにえらべなくても、だいじょうぶです。次の日に見かえすと、落ち着いてえらべることもあります。
会場のコンクールとの組み合わせ方
オンラインと会場のコンクールは、どちらがよい、というものではありません。たとえば、次のような組み合わせ方があります。
- はじめはオンラインで出てみて、なれてきたら会場にもちょうせんする
- 会場のコンクールの前に、オンラインで一度ためしてみる
- 遠くの大きな会場には行けないので、オンラインを中心にする
お子様やご自分の目的、体調、くらしに合わせて、むりのない出方をえらんでみてください。
オンラインのコンクールを、練習にいかす
動画をとる準備は、それだけでよい練習になります。とった動画を親子で見かえすと、姿勢や表情、口の開け方など、ふだん気づかないことが見えてきます。
講評がとどいたら、よかったところと、これからのびそうなところをメモして、次の練習にいかしてみてください。
結果がとどいたら、出る前の動画と、数か月あとに練習した動画を見くらべてみるのもおすすめです。声の出し方や表情、歌いはじめの落ち着き方など、自分ではなかなか気づけない変化が見えてきます。
また、オンラインのコンクールは、年に何回か開かれるものや、季節ごとに募集があるものもあります。ひとつのコンクールを、練習のくぎりや目標にするのもよい方法です。「次の募集までに、この曲を歌えるようにしよう」と決めると、ふだんの練習にもはりあいが出てきます。
お子様の場合は、結果だけを見るのではなく、動画をとるまでにがんばったことを、ご家族でたくさんほめてあげてください。審査員がどこを見ているかは、こちらの記事にまとめています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
まとめ
- オンラインのコンクールは、遠くに住んでいても、家から出られる
- 体調のよい日にとれて、いちばんよい歌をえらべる
- 人前が苦手な方の、はじめの一歩にもなる
- 動画の音や画面で伝わり方がかわるので、とり方を工夫する
- とりなおしすぎて、のどや気持ちがつかれないように気をつける
- 応募のきまり、主催や連絡先、動画のあつかいを、前もってたしかめる
オンラインのコンクールは、歌が好きなすべての人に、ちょうせんのきっかけをくれる場です。こどもの歌声グランプリも、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。はじめての動画のコンクールに、ぜひちょうせんしてみてください。こどもの歌声グランプリ