タバコと歌声。歌を楽しみたい大人が知っておきたいこと
「タバコをすっていると、歌の声に影響はあるのかな」 「最近、高い声が出にくい気がする。タバコのせいだろうか」 「歌の教室に通いたいけれど、タバコをすっていても大丈夫?」
歌を楽しんでいる大人の方の中には、こんなことが気になっている方もいらっしゃると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、タバコと歌の声について、歌を楽しみたい大人の方に知っておいてほしいことをまとめます。はじめにお伝えしておくと、この記事は、タバコをすう方を責めるためのものではありません。タバコをすう方も、すわない方も、歌を楽しむ気持ちは同じです。
また、からだやのどのことは、人によってちがいます。ここでお伝えするのは、一般的に言われていることと、歌の練習の中でできる工夫です。声やのど、からだのことで気になることがあるときは、お医者さんに相談してください。
タバコと歌の声について、言われていること
のどや声への影響が気になる理由
歌の声は、肺から出た息が、のどにある声帯をふるわせることで生まれます。そして、口や鼻の中でひびいて、歌声になります。
タバコのけむりは、口からのど、肺へと通っていきます。そのため、喫煙が、のどや声、息に何らかの影響をあたえることがあると言われています。ただ、どのくらい影響があるか、どんな変化が出るかは、人によってちがいます。
歌う人が気にしていること
タバコと歌について、次のようなことが気になると言われることがあります。
- のどがかわきやすい、いがらっぽく感じる
- せきやたんが出やすく、歌の途中で気になる
- 声がかすれる、ガラガラする感じがある
- 息が長く続かない気がする
- 高い声が出にくくなった気がする
ただし、こうした変化は、タバコだけが理由とはかぎりません。年齢、かぜ、乾燥、話しすぎ、歌い方のくせなど、いろいろなことが重なって起こることもあります。「タバコをすっているから、きっとこうだ」と自分で決めつけず、気になることはお医者さんに相談するのが安心です。
声のかすれや痛みが続くときは
声のかすれ、のどの痛みや違和感、せきなどが続くときは、歌の練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。タバコをすっていることも、ありのままに伝えておくと、お医者さんも見立てがしやすくなります。
大人の声のかすれについては、こちらの記事でもまとめています。大人の声がかすれる・出にくいとき|話し声と歌声の見直し方
自分の声の変化に気づくために
録音して、ときどき聞きくらべる
声の変化は、自分ではなかなか気づきにくいものです。いつも歌っている曲を、ときどきスマホなどで録音しておくと、前の自分の声と聞きくらべることができます。
- 声のひびきや明るさ
- 高い音、低い音の出しやすさ
- 息が続く長さ
- かすれやガラガラした感じがないか
聞きくらべて「前とちがうな」と感じることがあれば、歌の先生やお医者さんに相談するきっかけになります。
話し声にも目を向ける
声の変化は、歌うときだけでなく、ふだんの話し声にあらわれることもあります。朝おきたときの声、電話で話すときの声、長く話したあとの声など、ふだんの声のようすにも、ときどき耳をかたむけてみてください。
「話し声がかすれやすい」「話していると、のどがつかれやすい」と感じるときは、歌の練習も軽めにしておくと安心です。気になる状態が続くときは、お医者さんに相談しましょう。
歌う前の「のどの調子」をたしかめる
歌う前に、軽くハミングをしたり、話す声で「あー」と言ってみたりして、その日ののどの調子をたしかめる習慣をつけてみましょう。いがらっぽい、声が出にくいと感じる日は、むりをしないで軽めの練習にするなど、調子に合わせて決めることができます。
歌う前・練習中にできる、のどのいたわり方
のどをうるおす
歌う前や練習の合間に、お水を少しずつのんで、のどをうるおしておきましょう。部屋が乾燥しているときは、加湿をするのもよい方法です。
乾燥からのどを守るすごし方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
歌う前後の時間を、少し気にしてみる
歌う直前や、歌い終わってすぐにタバコをすうと、のどが気になるという方もいらっしゃいます。どう感じるかは人によってちがいますが、レッスンや本番の前後は、のどを休める時間をとってみるのもひとつの考え方です。
どのくらい時間をあけたほうがよいかなど、からだに関わることは、お医者さんに相談してください。
のどに力を入れずに歌う
のどが気になるときほど、声を出そうとして、のどに力が入ってしまうことがあります。
- 肩や首の力をぬいて、らくな姿勢で立つ
- 息をたくさんすおうとせず、自然にすう
- 大きな声を出すより、らくに出る声で歌う
- 高い音は、むりに出さず、キーを下げてもよい
歌うとのどが痛いと感じるときの見直し方は、こちらの記事も参考にしてください。歌うとのどが痛いのはなぜ?大人の歌い方の見直しとケア
歌の先生に相談する
ボイトレや声楽の先生に、タバコをすっていることを伝えておくのもよい方法です。先生は、その方の声のようすを聞きながら、むりのない練習を考えてくれます。
言いにくいと感じるかもしれませんが、先生にとっては、声のことを考えるための大切な手がかりのひとつです。
タバコを減らしたい、やめたいと思ったら
自分ひとりでかかえこまない
歌をきっかけに、「タバコを減らしてみようかな」「やめてみたいな」と考える方もいらっしゃるかもしれません。そう思ったときは、お医者さんや禁煙外来に相談してみてください。
タバコの種類について
タバコには、けむりの出るものだけでなく、いろいろなタイプのものがあります。どのタイプでも、声やのどへの影響が気になるときは、自分で判断せず、お医者さんに相談してください。
決めるのは、ご自身
タバコをどうするかは、ご自身が決めることです。まわりの人から言われてするものではありません。歌を楽しむ気持ちを大切にしながら、ご自分のペースで考えていけばよいと思います。
まわりの人への気くばり
お子様や家族のそばでは
タバコのけむりは、すう本人だけでなく、まわりの人にも影響があると言われています。お子様や家族のそばでは、すわないようにするなど、けむりがとどかないように気をくばりましょう。歌を習っているお子様がいるご家庭では、なおさら気をつけたいところです。
教室や合唱の練習の場では
歌の教室や合唱団、カラオケの部屋などは、決まりがある場合もあります。それぞれの場所の決まりにしたがいましょう。
また、歌の練習では、近くの人と向き合ったり、となりにならんだりします。タバコのにおいが気になる方もいらっしゃるので、練習の前には、うがいをする、においが残りにくいようにするなど、ちょっとした気くばりがあると、おたがいに気持ちよく歌えます。
発表会やコンサートの会場では
発表会やコンサート、コンクールの会場では、すってよい場所が決められていることもあります。会場の決まりを前もってたしかめておくと、あわてずにすみます。
出番の前は、緊張から気持ちを落ちつけたくなることもあるかもしれません。そんなときは、ゆっくり息をはく、お水をのむ、肩を回すなど、のどにやさしい落ちつき方も、ひとつ用意しておくと安心です。
歌を長く楽しむために
声は、ふだんのくらし全体とつながっている
歌の声は、のどだけでなく、ねむり、食事、つかれ、気持ちなど、ふだんのくらし全体とつながっています。タバコのことだけを気にするのではなく、よくねむる、からだを冷やさない、のどを使いすぎないなど、全体をいたわることが、歌を長く楽しむことにつながるかもしれません。
できることから、ひとつずつ
のどをうるおす、歌う前に調子をたしかめる、録音して声の変化に気づく、先生に相談する。どれも、今日からはじめられることです。全部をいっぺんにしようとしなくても大丈夫です。
まとめ
- 喫煙が、のどや声、息に影響することがあると言われているが、人によってちがう
- のどのかわき、かすれ、息の続きにくさなどは、タバコだけが理由とはかぎらない
- 声のかすれや痛み、せきなどが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
- 録音で声の変化に気づき、歌う前にのどの調子をたしかめる
- のどをうるおし、のどに力を入れずに、むりのない声で歌う
- 歌の先生にも伝えておくと、むりのない練習を考えてもらいやすい
- 減らしたい、やめたいと思ったら、お医者さんや禁煙外来に相談する
- お子様や家族のそば、教室や合唱の場では、まわりへの気くばりを
タバコをすう方も、すわない方も、歌を楽しむ気持ちは同じです。ご自分の声に合った練習を、いっしょに考えてくれる先生をさがしたいときは、こちらから教室をさがせます。歌の教室さがし
大人の方が歌声を聞いてもらう場としては、こんなコンクールもあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ