市民オペラに参加したい。オペラの合唱にはじめて参加する方のための準備
「市民オペラの合唱団員を募集していると聞いて、参加してみたくなった」 「オペラの合唱に参加したいけれど、初心者でもだいじょうぶかな」
市民オペラは、地域の人たちが集まって、プロの歌手や指揮者といっしょにオペラを作りあげる活動です。合唱として参加すれば、オペラの舞台に立つという、ふだんはなかなかできない体験ができます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、市民オペラにオペラの合唱として参加することにしぼって、はじめての方が知っておきたい流れと準備をまとめます。ソロのアリアを歌うための話ではなく、合唱の一員として舞台に立つための話です。
市民オペラとは
地域の人とつくるオペラ
市民オペラは、地域の人たちが中心になってつくるオペラの公演です。主役などのソロは、プロの歌手がつとめることが多く、合唱には市民の方が参加する形がよく見られます。オーケストラや、演出をする人、衣装や大道具をつくる人など、たくさんの人がかかわります。
合唱の役わり
オペラの合唱は、ただ歌うだけではありません。村の人、兵士、お祭りに集まった人など、物語の中の人物として舞台に立ちます。歌いながら歩いたり、おどろいたり、よろこんだりと、演技をすることも多いのが、ふつうの合唱とのちがいです。
参加するまでの流れ
募集を見つける
市民オペラの合唱団員の募集は、公演よりかなり前に、早めに出ることが多いです。地域の広報紙、ホールのお知らせ、合唱団のつながりなどで知らされることがあります。募集の時期や条件は、公演によってちがいます。
説明会やオーディション
募集のあとに、説明会がひらかれることがあります。また、声の高さ(パート)を決めたり、かんたんに歌ってもらったりするオーディションがある場合もあります。どんなことをするのかは、募集の案内に書かれていることが多いので、よく読んでおきましょう。合唱団の入団テストのようすは、こちらの記事でもまとめています。大人の合唱団のオーディション・入団テストって何をする?当日の流れと準備のしかた
参加の前にたしかめたいこと
- 練習の日にちと時間、回数
- 練習の場所
- 参加費や、衣装などにかかるお金
- 楽譜を自分で用意するかどうか
- 本番の前の、集中して練習する日の予定
とくに本番が近づくと、練習の回数がふえたり、長い時間になったりすることがあります。仕事や家のことと両立できるか、前もって考えておくと安心です。
練習の流れを知っておこう
市民オペラの練習は、いくつかの段階にわかれていることが多いです。よく使われることばといっしょに、ざっくりとした流れを知っておきましょう。
音とり・合唱練習
さいしょは、楽譜を見ながら自分のパートの音をおぼえます。合唱の指導者といっしょに、少しずつ曲を仕上げていきます。音とりのコツは、こちらの記事でまとめています。合唱の音取りのやり方。自分のパートを早くおぼえる練習のコツ
立ち稽古
歌がある程度おぼえられたら、舞台での動きをつけた練習がはじまります。これを「立ち稽古」とよびます。演出をする人から、どこに立つか、いつ動くか、どんな表情をするかを教わります。
指揮者との練習
本番で指揮をする方と合わせる練習もあります。テンポや、ことばのそろえ方など、細かいところを仕上げていきます。
オーケストラとの練習と、通し稽古
本番が近づくと、オーケストラといっしょの練習や、はじめから終わりまでを通す練習があります。本番とほとんど同じ形で行う、さいごの通し稽古を「ゲネプロ」とよぶこともあります。
初心者がしておきたい準備
楽譜をよめなくても、あきらめない
楽譜をすらすらよめなくても、参加できる市民オペラは多いです。練習用の音源が用意されることもあります。ただ、ドレミの位置や、休みの長さなど、かんたんなことがわかると、練習がずっと楽になります。
ことばの準備
オペラは、イタリア語やドイツ語、フランス語などの原語で歌うことも、日本語にした歌詞で歌うこともあります。原語で歌う場合は、まずは読み方をカタカナでメモし、意味を1語ずつしらべていきましょう。外国語の歌詞のおぼえ方は、こちらの記事でもまとめています。外国語の歌詞を暗譜するコツ。イタリア語・ドイツ語の歌をおぼえる方法
暗譜をはやめに
オペラの合唱は、舞台の上で動きながら歌うので、楽譜を持たずに歌うことがほとんどです。立ち稽古がはじまるころまでに、だいたい歌えるようにしておくと、動きをおぼえることに集中できます。
- 毎日少しずつ、練習用の音源を聞く
- 家事や移動の時間に、口ずさんでみる
- 歌詞を書きだして、意味といっしょにおぼえる
物語を知っておく
自分が出る場面だけでなく、オペラ全体の物語を知っておくと、演技がしやすくなります。あらすじを読んだり、映像を見たりして、「いま、この人たちはどんな気持ちなのか」を考えてみましょう。
演技をしながら歌うコツ
歌と動きを分けて練習する
はじめのうちは、歌いながら動くのはむずかしく感じると思います。まずは歌だけ、つぎに動きだけ、さいごに両方を合わせる、という順番で練習すると、少しずつなれていきます。
指揮者が見える位置を知っておく
舞台の上では、客席側に指揮者がいることが多いです。動いていても、指揮者が目に入る位置を知っておくと、入りのタイミングがそろいやすくなります。
表情も「歌の一部」
合唱の一員でも、客席からは表情がよく見えます。よろこぶ場面、悲しむ場面など、物語に合わせた表情をつくると、舞台全体がいきいきします。
衣装・メイク・本番のこと
衣装とメイク
市民オペラでは、時代や役に合わせた衣装を着ることが多いです。衣装を用意してもらえる場合もあれば、一部を自分で用意する場合もあります。メイクのしかたも、案内があることが多いので、指示にしたがいましょう。
本番の日のすごし方
- 集合時間には、よゆうをもって着く
- のどをうるおす水を持っていく
- 出番の前は、静かに体と声をほぐす
- 舞台そでや楽屋では、話し声を小さくする
本番の日は、舞台の裏もとてもいそがしくなります。係の人の指示をよく聞き、まわりの人とたすけ合いながら動きましょう。
のどを大切に
練習がふえる時期は、のどがつかれやすくなります。歌わない日は、のどを休める時間をとりましょう。痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
はじめての方がよく感じるなやみ
まわりの人がみんな上手に見える
合唱の経験が長い方の中に入ると、自分だけついていけないように感じることがあるかもしれません。でも、市民オペラには、はじめて参加する方もたくさんいます。わからないところは、同じパートの人や指導者に聞いてみましょう。少しずつなれていけば、だいじょうぶです。
練習を休んでしまったとき
仕事や家の事情で、練習を休まなければならない日もあると思います。休んだ日の内容は、同じパートの人に聞いたり、連絡の仕組みがあればそれを見たりして、つぎの練習までにたしかめておきましょう。とくに立ち稽古では、動きがかわっていることもあるので、たしかめておくと安心です。
声の高さが合わない
自分のパートの音が高すぎたり、低すぎたりして、歌いにくいと感じることもあります。むりに声を出しつづけると、のどをいためることがあるので、早めに指導者に相談しましょう。パートをかえたり、出し方を教えてもらえたりすることもあります。
家族の協力も大切
本番が近づくと、夜や週末の練習がふえることがあります。家族に予定を早めに伝えて、協力してもらえるようにしておくと、気持ちよく練習に参加できます。
市民オペラに参加するよろこび
市民オペラの合唱では、年れいも、ふだんの仕事もちがう人たちが、ひとつの舞台をめざして集まります。プロの歌手の声を近くで聞けること、オーケストラの音の中で歌えること、たくさんの人と舞台をつくりあげること。どれも、市民オペラならではの体験です。
まとめ
- 市民オペラの合唱は、物語の中の人物として、演技をしながら歌う
- 募集は早めに出ることが多く、説明会やオーディションがある場合もある
- 練習は、音とり、立ち稽古、指揮者やオーケストラとの練習へとすすむ
- 初心者は、ことばの準備と、はやめの暗譜を心がける
- 歌と動きを分けて練習し、表情も大切にする
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
市民オペラに参加する前に、発声の基礎をしっかり身につけたい方は、近くの歌の教室で、体験レッスンを受けてみるのもよいと思います。練習してきた歌をひとりで歌ってみたくなったら、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の声を知るきっかけにもなると思います。こどもの歌声グランプリ