大人の合唱団のオーディション・入団テストって何をする?当日の流れと準備のしかた
「入りたい合唱団を見つけたけれど、入団テストがあると書いてある」 「大人の合唱団のオーディションって、どのくらい歌えたら合格なの?」
合唱団に入ろうと思って調べてみると、「オーディションあり」「入団テストあり」と書かれているところがあります。はじめての方は、ここで少し不安になってしまうかもしれません。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。人前でひとりで歌うことは、大人でも子どもでも、とても緊張するものです。でも、何をするのかを前もって知っておくと、気持ちはぐっと落ちつきます。
この記事では、大人の合唱団のオーディションや入団テストにしぼって、よくある内容、当日の流れ、前もってできる準備、そして当日の心がまえをまとめました。合唱団のさがし方や見学のしかたは、べつの記事でくわしくお話ししています。大人の合唱団・コーラスのはじめ方|見学のしかた、パートの決まり方、長くつづけるコツ
大人の合唱団のオーディションとは
入団テストがある合唱団、ない合唱団
大人の合唱団には、いろいろな形があります。
- 地域の人があつまる、市民合唱団やコーラスサークル
- 演奏会やコンクールに力を入れている合唱団
- 年末の演奏会などに向けて、期間をきめて人をあつめる合唱団
- 教会や会社、学校のOB・OGがつくる合唱団
楽しく歌うことを大切にしているところでは、入団テストがないことも多いです。いっぽうで、むずかしい曲にとりくむ合唱団や、人数をしぼっている合唱団では、オーディションをすることがあります。
「落とすため」だけのテストではない
入団テストと聞くと、「上手な人だけをえらぶ場」と思うかもしれません。でも、多くの合唱団では、次のようなことを知るために行います。
- どのパートが合いそうか
- いまの声の高さや、出しやすい音の広さ
- 楽譜をどのくらい読めるか
- 合唱団の練習についていけそうか
つまり、入ったあとに、あなたが楽しく歌えるようにするための「顔あわせ」に近い場合も多いのです。どんなテストかは、合唱団によってちがいます。気になるときは、先に問い合わせてみるのがいちばん安心です。
入団テストでよくある内容
音域のチェック
ピアノの音に合わせて「あー」と声を出し、少しずつ高く、低くしていきます。どこまで出しやすいかを見て、パートを考えるためのものです。
高い音や低い音を、むりに出しきる必要はありません。「ここまでなら、らくに出せます」と伝えるほうが、先生にとっても役に立ちます。パートのちがいについては、こちらの記事も参考にしてください。合唱のパートのちがい。ソプラノ・アルト・テノール・バスと、自分に合うパートの見つけ方
課題曲や自由曲を歌う
合唱団から曲を指定されることもあれば、「好きな曲を1曲」と言われることもあります。
- 合唱団が決めた曲の一部(自分のパートのところ)
- だれでも知っている、なじみのある歌
- 自分でえらんだ曲
自分でえらぶときは、むずかしい曲より、むりなく気持ちよく歌える曲のほうが、いまの声のよさが伝わりやすいです。
音をとる・まねして歌う
ピアノでひいた短いメロディーを、すぐにまねして歌うテストがあることもあります。いくつかの音を同時にひいて、その中の1つの音を歌う、という形もあります。
合唱では、まわりの声を聞きながら、自分の音をたもつことが大切です。そのため、音をよく聞いて、まねする力を見ることがあります。
楽譜を見て歌う
はじめて見る楽譜を、その場で歌ってみる「初見(しょけん)」のテストをする合唱団もあります。ただ、大人の合唱団では、楽譜が読めなくても入れるところもたくさんあります。
楽譜に自信がないときは、正直に伝えてだいじょうぶです。「入ってから少しずつおぼえたい」という気持ちを伝えると、受けとめてもらえることも多いです。
かんたんな面談
歌のほかに、話を聞く時間があることもあります。
- 合唱の経験はあるか
- 練習にどのくらい参加できるか
- なぜこの合唱団に入りたいと思ったか
かたい面接というより、おたがいを知るための会話と考えてよいと思います。
オーディション当日の流れ
よくある流れの例
合唱団によってちがいますが、たとえば次のような流れが多いです。
- 受付をして、名前や連絡先を書く
- 待っているあいだに、軽く体をほぐす
- 先生(指揮者や指導者)の前で、音域チェック
- 課題曲や自由曲を歌う
- 音とりや、楽譜を見て歌うテスト
- かんたんな面談
- 結果はその場で、または後日に連絡
練習の日にあわせて行い、テストのあとに、そのまま練習を見学できる合唱団もあります。
ひとりで歌うのか、みんなの前なのか
先生とふたりだけで歌う形もあれば、団員の前で歌う形もあります。どちらなのかを先に聞いておくと、心の準備がしやすくなります。
前もってできる準備
合唱団に聞いておきたいこと
申しこむときに、次のことをたしかめておくと安心です。
- テストでは何をするのか
- 課題曲はあるか、楽譜はもらえるか
- 自由曲のときは、伴奏はどうするか(ピアノの先生がいるか、音源か、無伴奏か)
- 楽譜は自分で持っていくか
- 時間はどのくらいかかるか
- 結果はいつ、どのように知らせてもらえるか
聞くのは失礼ではありません。きちんと準備をしたい、という気持ちが伝わります。
課題曲の練習
課題曲があるときは、まず音源や先生の歌をよく聞いて、メロディーとことばを体に入れます。
- はじめは、ゆっくりのテンポで歌う
- 息つぎをするところを、楽譜にえんぴつで書きこむ
- 自分のパートの音を、ピアノやアプリでたしかめる
- スマホで録音して、音がずれていないか聞いてみる
合唱曲は、ほかのパートとあわせてはじめて完成する曲が多いです。ひとりで歌うと、少しさびしく感じるかもしれませんが、自分のパートをしっかり歌えれば、それでじゅうぶんです。
音域を知っておく
ピアノやアプリで、自分の出しやすい高さを、前もってたしかめておきましょう。「どこからどこまで、らくに出るか」を知っておくと、当日のチェックでもあわてません。
毎日の短い発声練習
テストの前に、急にたくさん練習すると、のどがつかれてしまいます。1日10分くらいでよいので、毎日つづけるほうがおすすめです。
- 肩や首をまわして、体をほぐす
- 口をとじて「んー」とハミングする
- 小さめの声で、ゆっくり音階を歌う
- 課題曲を1回、ていねいに歌う
のどに痛みやかすれがあるときは、練習を休みましょう。何日もつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
当日の心がまえ
服そうと持ち物
体をしめつけない、動きやすい服がおすすめです。おなかまわりがきつくない服だと、息をすいやすくなります。
- 水やお茶
- 課題曲の楽譜(書きこみをしたもの)
- 筆記用具
- のどあめやハンカチ
緊張していても、だいじょうぶ
オーディションでは、多くの人が緊張します。先生も、そのことをよく知っています。声が少しふるえたり、まちがえたりしても、そこでとまらずに、さいごまで歌いきることを大切にしてみてください。
歌う前に、ゆっくり息をはいてから、すうと、気持ちが落ちつきやすくなります。
「わからない」と言えることも大切
楽譜を見て歌うテストなどで、わからないところがあったら、むりにごまかさず「ここは読めませんでした」と伝えましょう。正直に話せることは、いっしょに練習する仲間として、大切なことです。
結果が思うようでなかったとき
合う場所は、ほかにもある
もし入団できなかったとしても、それは「歌に向いていない」ということではありません。パートの人数がいっぱいだった、いまの合唱団の曲とレベルが合わなかった、など、いろいろな理由があります。
- 入団テストのない合唱団やサークルから、はじめてみる
- 半年や1年あとに、もう一度申しこんでみる
- 歌の教室で、発声や楽譜の読み方を習ってみる
ひとりで練習するのがむずかしいと感じたら、歌の教室で先生にみてもらうのもひとつの方法です。発声のくせや、楽譜の読み方を、自分のペースで教えてもらえます。
先生からのことばをメモしておく
テストのあとに、先生から声についてのことばをもらえることもあります。「低い音がきれい」「息をもう少しながく」など、聞いたことはメモにのこしておきましょう。つぎに向けた、大切なヒントになります。
まとめ
- 大人の合唱団の入団テストは、パートやいまの声を知るために行うことが多い
- よくある内容は、音域チェック、課題曲や自由曲、音とり、楽譜を見て歌う、面談
- テストの内容や伴奏、楽譜のことは、前もって合唱団に聞いておく
- 練習は、毎日短く。のどの痛みやかすれがつづくときは、お医者さんに相談する
- 緊張しても、さいごまで歌いきることを大切に
- 入れなかったときも、合う場所はほかにある
合唱団に入る前に、まずは歌の基本をみてもらいたいと思ったら、近くの教室やオンラインの教室をさがしてみてください。歌の教室さがしひとりで歌う力をためしてみたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、オーディションの前の腕だめしにもなると思います。こどもの歌声グランプリ