大人の合唱団・コーラスのはじめ方|見学のしかた、パートの決まり方、長くつづけるコツ
「みんなで声を合わせて歌ってみたい」 「学生のころ合唱をしていたけれど、また歌いたくなった」 「楽譜が読めないけれど、合唱団に入ってもいいのかな」
大人になってから、こんなふうに思う方は少なくありません。ひとりで歌うのとはちがい、合唱には、たくさんの声がひとつにかさなる、とくべつなよろこびがあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。その中で、子どもから大人まで、いろいろな合唱のステージを見てきました。年をかさねてから合唱をはじめ、たのしそうに歌っている方の姿も、たくさん見てきました。
この記事では、大人が合唱団やコーラスをはじめるときに知っておきたいことを、さがし方、見学のしかた、パートの決まり方、つづけるコツの順に、やさしくまとめます。
大人の合唱団には、どんな形があるの?
ひとくちに「合唱団」といっても、いろいろな形があります。
- 市や町の公民館などで活動している、地域の合唱団
- 混声合唱団(男性と女性がいっしょに歌う)
- 女声合唱団・男声合唱団
- ママさんコーラスなど、子育て中の方が多いグループ
- シニアの方が中心のコーラス
- ゴスペルやポップスを歌うクワイア
- 教会の聖歌隊
- 歌の教室が開いているグループレッスン
練習する回数や、歌う曲のジャンル、コンクールに出るかどうかも、合唱団によってちがいます。「コンクールで上をめざしたい」という合唱団もあれば、「みんなで歌うのをたのしみたい」という合唱団もあります。
どちらがいい、ということはありません。自分がどんなふうに歌いたいかを、まず考えてみるとよいと思います。
合唱団のさがし方
身近なところから見てみる
合唱団は、思っているより身近なところで活動していることが多いです。
- 市や町の広報紙、公民館のけいじ板
- 地域の文化センターや、生涯学習のちらし
- 合唱団のホームページやSNS
- 地域の合唱連盟などの、加盟団体の一覧
- 友だちや知り合いからの紹介
地域の演奏会に足をはこんで、気になった合唱団に声をかけてみる方もいます。実際の歌を聞いてから決められるので、安心です。
先に見ておきたいこと
さがすときは、次のようなことを見ておきましょう。
- 練習の曜日と時間(平日の昼か、夜か、週末か)
- 練習する場所と、家からの行きやすさ
- 月にかかる会費や、楽譜代・衣装代など
- メンバーの年代や人数
- 演奏会やコンクールの予定
会費や練習の回数は、合唱団によって大きくちがいます。わからないことは、見学のときに聞いてみてください。
見学に行ってみよう
見学のたのみ方
多くの合唱団では、見学や体験を受け付けています。ホームページの問い合わせや、電話、メールなどで「見学したいです」と伝えてみましょう。
「楽譜があまり読めないのですが」「合唱ははじめてです」と、先に伝えておくと、相手も準備がしやすくなります。
見学の日に見ておきたいこと
- 練習のふんいきが、自分に合いそうか
- 指揮者や先生の教え方が、わかりやすいか
- はじめての人に、声をかけてくれるか
- 練習のペースが、むりなくついていけそうか
- 休けいの時間があるか
見学の日は、ただ聞くだけのこともあれば、いっしょに歌わせてもらえることもあります。歌えなくても、まったく気にしなくてだいじょうぶです。その日のうちに入るかどうか、決めなくてもかまいません。
持っていくとよいもの
- 飲み物(水やお茶)
- えんぴつと消しゴム(楽譜に書きこむため)
- 動きやすい服、つかれにくい靴
- 小さなタオル
パートはどうやって決まるの?
合唱では、声の高さによって、いくつかのパートに分かれて歌います。
主なパート
| パート | 声の高さ | 主に歌う人 |
|---|---|---|
| ソプラノ | 高い声 | 女性 |
| アルト | 低めの声 | 女性 |
| テノール | 高めの声 | 男性 |
| バス | 低い声 | 男性 |
女声合唱では、ソプラノを2つに分けたり、メゾソプラノというまん中のパートがあったりすることもあります。合唱団によって、分け方はちがいます。
決まり方のめやす
パートは、指揮者や先生が、声の高さや声の色を聞いて決めることが多いです。かんたんに音を出してみて、「どのあたりの高さが、らくに出るか」を見てもらいます。
自分の希望を聞いてくれる合唱団もあります。ただ、人数のバランスで、ほかのパートをおねがいされることもあります。
- 高い声がらくに出る方は、ソプラノやテノールになりやすい
- 低い声がらくに出る方は、アルトやバスになりやすい
- しばらく歌ってみてから、パートがかわることもある
「メロディーを歌いたいからソプラノがいい」と思う方もいるかもしれません。でも、アルトやバスなど、ハーモニーをささえるパートにも、とくべつなおもしろさがあります。自分の声が、ほかのパートの声とかさなったときの気持ちよさは、どのパートでも味わえます。
高い声や低い声がむりに出しにくいと感じたら、早めに指揮者や先生に相談しましょう。
楽譜が読めなくてもだいじょうぶ?
「楽譜が読めないから、合唱はむずかしい」と思っている方は多いです。でも、大人の合唱団には、楽譜が読めないまま入って、少しずつなれていく方もたくさんいます。
はじめは「耳」でおぼえてもいい
- パートごとの音を録音して、くり返し聞く
- 練習用の音源を用意している合唱団もある
- となりの人の声を聞きながら歌う
- 歌詞の上に、音の上がり下がりを矢印で書く
くり返し歌っているうちに、「ここで音が上がる」「ここは長くのばす」と、楽譜の見方もわかってきます。わからないところは、えんりょせずに同じパートの方に聞いてみましょう。きっと、やさしく教えてくれるはずです。
長くつづけるためのコツ
むりのないペースで通う
仕事や家のこと、体調で、練習に行けない日もあると思います。毎回かならず出ることより、長くつづけることを大切にしましょう。休んだときは、ほかのメンバーに練習のようすを聞いたり、音源で練習したりするとよいです。
家でも少しだけ声を出す
練習の日以外にも、5分ほど声を出しておくと、次の練習がらくになります。
- 鼻歌(ハミング)で、パートの音をたしかめる
- 楽譜を見ながら、歌詞を声に出して読む
- 深くゆっくり息をすって、はく
合唱で大切な息のつかい方は、こちらの記事でもくわしく書いています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
のどと体をいたわる
合唱の練習は、2時間ほどつづくことも多いです。のどや体にむりをさせないようにしましょう。
- こまめに水分をとる
- 大きな声を出しつづけない
- つかれたら、すわって休む
- かぜのときは、むりに歌わない
声のかすれやのどの痛みが何日もつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
「うまく歌えない日」があってもいい
合唱をはじめたばかりのころは、ほかのパートにつられてしまったり、音がわからなくなったりすることがよくあります。長く歌っている方でも、そういう日はあります。
- つられたときは、いったん小さな声にして、まわりを聞く
- わからないところは、楽譜にしるしをつけておく
- できたところを、ひとつでも見つけて帰る
「今日はここが歌えた」と思えることを、少しずつふやしていきましょう。合唱は、ひとりでがんばるものではなく、みんなでつくっていくものです。
人とのつながりも、たのしみのひとつ
合唱団には、いろいろな年代やくらしの方がいます。練習のあとに話をしたり、演奏会にむけていっしょにがんばったりする時間も、合唱のよいところです。
いっぽうで、人とのかかわりがつかれることもあるかもしれません。合わないと感じたら、ほかの合唱団を見学してみるのもひとつの方法です。
演奏会やコンクールにむけて
多くの合唱団では、年に1回ほど演奏会を開いたり、地域のイベントに出たりします。合唱コンクールに出る合唱団もあります。
本番にむけて練習を重ねる時間は、たいへんですが、ステージで声がひとつになったときのよろこびは、言葉にできないほどです。
大人の発表会での準備や心がまえは、こちらの記事にまとめています。大人の発表会・ライブにはじめて出るとき。準備、衣装、緊張とのつきあい方
まとめ
- 大人の合唱団には、地域の合唱団、女声・男声・混声、シニアのコーラスなど、いろいろな形がある
- 練習の曜日や場所、会費、メンバーの年代を、先に見ておく
- 見学では、ふんいきや教え方、ペースが自分に合うかを見る
- パートは、声の高さを聞いて、指揮者や先生が決めることが多い
- 楽譜が読めなくても、耳でおぼえながら少しずつなれていける
- むりのないペースで、のどと体をいたわりながらつづける
「いきなり合唱団に入るのは不安」という方は、まず歌の教室で、声の出し方を少し習ってみるのもよいと思います。グループレッスンのある教室もあります。近くの教室は、こちらでさがせます。歌の教室さがし また、こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由で、講評とデジタル賞状がとどきます。合唱で練習してきた歌を、ひとりで歌ってみたくなったときに、ぜひのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ