大人の発表会・ライブにはじめて出るとき。準備、衣装、緊張とのつきあい方
「教室の先生に、発表会に出てみませんかと言われた」 「人前で歌うなんて、学生のとき以来。何を準備したらいいの?」
大人になってから歌を習いはじめると、教室の発表会やライブにさそわれることがあります。出てみたい気持ちと、「失敗したらどうしよう」という気持ちが、半分ずつという方も多いのではないでしょうか。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールや発表の場に出てきました。会場では、子どもだけでなく、大人の方が歌うステージも見てきました。はじめてのステージは、だれにとってもどきどきするものです。それでも、準備をていねいにしておくと、当日の気持ちはずいぶんかわってきます。
この記事では、大人がはじめて歌の発表会やライブに出るときの準備、衣装、当日の流れ、緊張とのつきあい方をまとめます。
発表会とライブ、どうちがう?
歌の教室によって、発表の場のよび方や形はいろいろです。
- ホールで、ピアノ伴奏といっしょに歌う発表会
- ライブハウスやカフェで、音源やバンドといっしょに歌うライブ
- 教室の中で、生徒さんどうしで歌を聞きあう小さな発表会
声楽の教室ではホールでの発表会、ポップスやボイトレの教室ではライブの形が多いことがありますが、教室によってちがいます。参加するときのお金や、出られる人数、1人が歌える曲の数なども、教室によってちがうので、さいしょに先生や教室にたしかめておきましょう。
出るか迷ったときに考えたいこと
「まだ習いはじめたばかりだから」と、出るのをためらう方もいます。でも、発表会は、上手な人だけが出る場ではありません。いまの自分の歌を、だれかに聞いてもらう場です。
迷ったときは、こんなことを考えてみてください。
- 本番までに、練習の時間がどのくらいとれそうか
- 先生は「出てみましょう」と言ってくれているか
- 聞いてほしい人はいるか
- 歌ったあとの自分を想像して、わくわくするか
目標があると、ふだんの練習にもはりあいが出ます。発表会に向けて練習することで、歌がぐっとのびる方もいます。もちろん、出ない、という答えでもだいじょうぶです。ほかの生徒さんの歌を聞きに行くだけでも、つぎの目標が見つかることがあります。
本番までの準備の流れ
ここでは、本番の数か月前から当日までの、準備の流れのめやすをまとめます。期間は、教室や曲によってかわります。
1. 曲をえらぶ
まずは、先生と相談して曲をえらびます。はじめての発表会では、こんなことを大切にするとよいと思います。
- いまの声で、むりなく出せる高さの曲
- 長すぎない曲
- 自分が好きで、気持ちをこめやすい曲
- 歌詞の意味がよくわかる曲
むずかしい曲にちょうせんしたい気持ちもあると思いますが、はじめてのときは「安心して歌える曲」をえらぶと、本番で落ちついて歌いやすくなります。キーを下げられる曲なら、先生に相談してみてください。
2. 歌詞と曲をおぼえる
発表会では、楽譜や歌詞を見ずに歌うことが多いです。見てもよい場合もあるので、教室にたしかめておきましょう。
おぼえるときは、歌詞を声に出して読んだり、紙に書いたりするのがおすすめです。通勤のときに音源を聞くなど、すきま時間もつかえます。歌詞を早くおぼえるコツは、こちらの記事にまとめています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
3. 歌いこむ
歌詞がおぼえられたら、通して歌う練習をふやしていきます。
- ひと息で歌うところ、息つぎをするところを決める
- いちばん気持ちをこめたいところを決める
- むずかしいところだけを、くりかえし練習する
- 自分の歌を録音・録画して聞いてみる
録画すると、歌っているときの表情や、立ち姿もわかります。はじめは自分の姿を見るのがはずかしいかもしれませんが、本番の練習としてとても役に立ちます。
4. 人の前で歌ってみる
本番の前に、家族や友だちの前で歌ってみましょう。たったひとりでも、聞いている人がいると、緊張の感じがわかります。教室でリハーサルの時間があるときは、ぜひ参加してください。
5. 本番の前の週
本番が近づいたら、新しいことを始めるより、いままで練習してきたことをたしかめる時間にします。
- 夜ふかしをせず、よくねる
- のどを休める時間をつくる
- 大きな声でのおしゃべりや、長時間のカラオケはひかえめに
- 当日の持ちものや、会場までの行き方をたしかめる
のどにいたみやかすれがつづくときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
衣装と靴のえらび方
衣装は、教室の決まりをまずたしかめる
衣装について決まりがある教室もあれば、自由な教室もあります。まずは先生や、前に出たことのある生徒さんに聞いてみましょう。
一般的には、こんな服がえらばれることが多いです。
- ホールでの声楽の発表会:ドレスやワンピース、スーツなど、少しあらたまった服
- ライブハウスやカフェでのライブ:ふだんより少しおしゃれな服や、曲のイメージに合わせた服
歌いやすさを大切にする
見た目だけでなく、歌いやすいかどうかがとても大切です。
- おなかまわりや胸まわりが、しめつけられない
- 腕や肩が、自由にうごく
- 首まわりが、きつくない
- 動いたときに、音が出にくい素材
衣装が決まったら、一度その服を着て、通して歌ってみてください。息のすいやすさが、ふだんとちがうことに気づくこともあります。
靴は、はきなれたものを
ステージでは、靴もとても大切です。新しい靴やヒールの高い靴は、立ったときにふらついたり、足がいたくなったりすることがあります。本番で新しい靴をはくときは、何度かはいて練習しておきましょう。足元が安定していると、体がまっすぐにたもてて、歌いやすくなります。
ヘアメイクも、ほどほどに
髪が顔にかかると、歌っているときに気になることがあります。前髪や長い髪は、まとめておくと安心です。ステージのライトの下では顔色が見えにくくなることがあるので、ふだんより少しはっきりめのお化粧にする方もいます。
当日の流れと持ちもの
当日の流れのめやす
- 会場に早めに着く
- 受付をすませ、出番の順番をたしかめる
- リハーサルがあれば、立つ場所や、伴奏の人との合わせ方をたしかめる
- 着がえて、軽く体と声をならす
- 出番を待つ
- 本番
- ほかの方の歌を聞く
あると安心な持ちもの
- 楽譜や歌詞(さいごの確認用)
- 水やお茶
- のどあめ
- タオルやハンカチ
- 着がえ用の服や、はおるもの
- 予備のストッキングや、くつ下
- 軽く食べられるもの
会場の中は、暑かったり寒かったりすることがあります。はおるものがあると、体をひやさずにすみます。
緊張とのつきあい方
緊張するのは、ふつうのこと
本番の前に、手がつめたくなる、胸がどきどきする、声がふるえる。そんなふうになるのは、ふつうのことです。たくさんステージに立っている人でも、緊張すると言います。
「緊張しないようにしよう」と思うほど、気になってしまうものです。「緊張しているな。それだけ大切な場なんだな」と、受けとめてみてください。
出番の前にできること
- ゆっくり息をはく。はく時間を長くすると、気持ちが落ちつきやすいと言われています
- 肩をぎゅっとあげて、ストンと落とす
- 首や肩を、ゆっくりまわす
- 歌いはじめの1フレーズを、心の中で歌ってみる
- 「練習してきたことを出せばいい」と、自分に声をかける
息のつかい方については、腹式呼吸の練習の記事も参考にしてみてください。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
歌っているときに、まちがえたら
歌詞がとんでしまったり、音をはずしてしまったりすることもあるかもしれません。そんなときは、止まらずに、そのまま歌いつづけるのがおすすめです。聞いている人は、こちらが思うほど、小さなまちがいに気づいていないことも多いものです。
伴奏の人がいるときは、伴奏を聞いて、つぎに入れるところから入りなおしましょう。さいごまで歌いきることができたら、それはとても大きな一歩です。
歌いおわったら
歌いおわったら、笑顔でおじぎをして、ステージをおりましょう。そのあとは、ほかの方の歌をゆっくり聞いてみてください。同じように緊張しながら歌っている姿を見ると、気持ちがほっとすることもあります。
家に帰ったら、録画や録音を見なおして、よかったところを書き出してみるのもおすすめです。反省するところより、よかったところを先に見つけると、つぎの練習にも前向きに取り組みやすくなります。
発表会のあとも、歌を楽しむ
はじめての発表会をおえると、「つぎはこの曲を歌いたい」「もう少し練習して、また出たい」と、新しい目標が見えてくる方も多いです。
大人が出られる歌のコンクールについては、こちらの記事でまとめています。発表会のつぎのステップとして、見てみてください。大人が出られる歌のコンクール。会場で歌う大会と動画で応募する大会、自分に合うえらび方
まとめ
- 発表会やライブの形、参加するときのお金や決まりは、教室によってちがう
- はじめての曲は、むりなく歌える「安心できる曲」をえらぶ
- 歌詞をおぼえ、録画し、人の前で歌ってみる
- 衣装は、教室の決まりと歌いやすさを大切に。靴ははきなれたものを
- 本番前の週は、よくねて、のどを休める
- 緊張するのはふつうのこと。まちがえても止まらずに歌いつづける
- 歌いおわったら、よかったところを見つける
発表会で歌う楽しさを知ったら、おうちでとった動画で応募できる、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。お子様の部だけでなく、一般やシニアの方が出られる部もあり、どんなジャンルの歌でも応募できます。出場した全員に講評が届くので、つぎの練習のヒントにもなると思います。こどもの歌声グランプリ