入園・進級の時期の歌。新しい園やクラスに、子供が歌でなじむ工夫
「入園してから、朝になると泣いてしまう」 「進級してクラスがかわり、なんだか元気がない」 「新しい園で、子供が楽しくすごせるか心配」
入園や進級の時期は、お子様にとって、まわりのものが大きくかわる時期です。新しい先生、新しいお友だち、新しいお部屋。大人が思う以上に、お子様は、がんばってすごしていることがあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、入園・進級の時期に、歌を使って、お子様が新しい毎日になじんでいくための工夫をまとめました。歌は、お子様の不安な気持ちを、すぐに消してくれる魔法ではありません。それでも、知っている歌や、家族と歌った時間が、お子様の心をそっとささえてくれることがあります。
入園・進級の時期の、子供の気持ち
不安になるのは、ふしぎなことではない
新しい場所に行くと、大人でも、どきどきしたり、つかれたりします。お子様ならなおさらです。
- 朝、園に行きたくないと言う
- 別れぎわに泣いてしまう
- 家に帰ると、いつもより甘えてくる
- 夜、なかなかねつけない
こんなようすが見られることもあります。これは、お子様が新しい場所で、いっしょうけんめいがんばっているしるしかもしれません。
なじむ早さは、子供によってちがう
すぐに園になじむお子様もいれば、しばらく時間がかかるお子様もいます。どちらがよい、ということはありません。
「ほかの子はもう泣いていないのに」と、くらべてしまいたくなることもあるかもしれません。でも、お子様にはお子様のペースがあります。歌も、急いで元気にさせるための道具ではなく、お子様の気持ちに寄りそうための、ひとつの方法として考えてみてください。
歌が、新しい毎日の支えになる理由
知っている歌は、安心できる
新しい場所で、知っている歌が聞こえてくると、お子様は「あ、知ってる」と、ほっとすることがあります。おうちで歌っていた歌が、園でも歌われていると、園とおうちがつながったように感じられるのです。
歌っているあいだは、気持ちが切りかわりやすい
泣いていたお子様も、歌がはじまると、少しずつ顔を上げることがあります。手あそび歌のように、手を動かしながら歌う歌は、気持ちを切りかえるきっかけになりやすい歌です。
お友だちと、ことばがなくてもつながれる
まだ名前も知らないお友だちとも、同じ歌を歌うと、なんとなく仲間になれたような気持ちになれます。歌は、ことばでうまく話せないお子様にとっても、まわりとつながる方法のひとつです。
入園・進級の前に、おうちでできること
園で歌いそうな歌を、おうちでも歌っておく
古くから歌われている童謡や手あそび歌は、園でも歌われることがあります。入園や進級の前に、おうちで少しずつ歌っておくと、園で聞いたときに、お子様が安心しやすくなります。
たとえば、こんな歌があります。
- 「チューリップ」:春の花を歌った、短くて歌いやすい童謡
- 「むすんでひらいて」:手をむすんだり、ひらいたりしながら歌う歌
- 「げんこつやまのたぬきさん」:手の動きが楽しい、わらべうたの手あそび歌
- 「ぶんぶんぶん」:はちが飛ぶようすを歌った、春らしい童謡
どの歌を園で歌うかは、園によってちがいます。園の見学や説明会のときに、ふだん歌っている歌を聞いてみるのもよい方法です。手あそび歌の楽しみ方は、こちらの記事にくわしくまとめています。親子で楽しめる手あそび歌。小さなお子様と、歌うことを好きになる時間
園の話を、歌といっしょにしてみる
「園に行ったら、先生とこんな歌を歌うかもしれないね」と、歌いながら、園でのすごし方を話してみてください。まだ見たことのない場所でも、楽しいことがあると思えると、お子様の気持ちが少し前向きになることがあります。
ただし、「行けば楽しいよ」「泣かないでね」と、気持ちをおしつけないように気をつけてください。「どきどきするね」「ママ(パパ)も、はじめての場所はどきどきするよ」と、お子様の不安な気持ちを、そのまま受けとめてあげることも大切です。
家族で歌う時間を、ふだんから持っておく
入園や進級の時期は、お父様・お母様もいそがしくなりがちです。それでも、ねる前やおふろの時間など、短くても家族で歌う時間があると、お子様にとって安心できる時間になります。おうちでの歌の時間のつくり方は、こちらの記事でも紹介しています。幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方
入園・進級したあとに、歌でできること
朝の別れぎわに、歌の約束をする
朝、園で別れるのがつらいときは、「お迎えに来たら、いっしょにチューリップの歌を歌おうね」と、歌の約束をしてみるのもひとつの方法です。お迎えのあとの楽しみがあると、お子様が気持ちを切りかえやすくなることがあります。
約束したら、お迎えのあとにきちんと歌ってあげてください。「約束が守られた」という安心が、次の日の朝の支えになることがあります。
園でおぼえた歌を、聞かせてもらう
園に通いはじめると、お子様が、園でおぼえた歌を口ずさむことがあります。そんなときは、
- 「その歌、どこでおぼえたの」と聞いてみる
- 「もう一回聞かせて」とお願いする
- 「お母さんにも教えて」と、お子様に先生になってもらう
こうしたやりとりで、お子様は、園でのできごとを話すきっかけにもなります。ことばで「今日は何をしたの」と聞くよりも、歌をきっかけにしたほうが、園のことを話してくれることもあります。
歌わなくても、心配しすぎない
園では歌っていない、おうちでも歌いたがらない、という時期があってもかまいません。新しい場所では、まずまわりのようすを見ることでせいいっぱいのお子様もいます。
歌わないことをせめたり、「どうして歌わないの」と聞いたりするのはさけてください。聞いているだけでも、お子様の中には、ちゃんと歌がしみこんでいることがあります。
帰ってきたら、のんびり歌う
園でがんばってきたお子様は、帰ってくるとつかれていることもあります。歌の練習をする、という気持ちではなく、お父様・お母様がのんびり口ずさむくらいで十分です。
声がかすれる、のどをいたがるといったようすが続くときは、無理に歌わせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
進級の時期ならではの工夫
前のクラスで歌った歌も、大切にする
進級すると、クラスや担任の先生がかわることがあります。前のクラスで歌っていた歌を、おうちで歌ってみると、お子様は、なつかしい気持ちとともに安心できることがあります。
「前のクラスで歌ったね」「新しいクラスでは、どんな歌を歌うのかな」と、前と今をつなぐように話してみてください。
大きくなったことを、歌でいっしょに喜ぶ
進級は、お子様がひとつ大きくなったしるしでもあります。前は手の動きがむずかしかった手あそび歌が、上手にできるようになっていることもあります。
「前よりじょうずになったね」「大きくなったね」と、できるようになったことを、いっしょに喜んであげてください。お子様の自信につながることがあります。歌で自信を育てることについては、こちらの記事でもまとめています。歌で子どもの自信を育てる。ほめ方とことばかけ
下の学年のお友だちと歌う楽しみ
進級して、下の学年のお友だちができると、「教えてあげる」立場になることもあります。おうちで歌っている歌を、園で小さいお友だちに教えてあげられたら、お子様にとって、うれしい経験になるかもしれません。
お父様・お母様の気持ちも、大切に
入園や進級の時期は、お子様だけでなく、お父様・お母様にとっても、気持ちがゆれる時期です。朝、泣いているお子様をおいて行くのは、つらいものです。
お子様といっしょに歌う時間は、お父様・お母様にとっても、ほっとできる時間になることがあります。うまく歌えなくても、歌詞をまちがえても、かまいません。いっしょに声を出すこと自体が、親子の安心につながることもあります。
心配なことがあるときは、ひとりでかかえこまずに、園の先生に相談してみてください。園でのようすを教えてもらえると、お父様・お母様の気持ちも、少し軽くなることがあります。
まとめ
- 入園・進級の時期に、お子様が不安になるのは、ふしぎなことではない
- なじむ早さは、お子様によってちがう。くらべずに見守る
- 知っている歌は、新しい場所での安心につながることがある
- 入園・進級の前に、「チューリップ」「むすんでひらいて」などの歌をおうちで歌っておく
- 朝の別れぎわに歌の約束をしたり、園でおぼえた歌を聞かせてもらったりする
- 歌わない時期があっても、せめずに見守る
- お父様・お母様の気持ちも大切に。心配なときは、園の先生に相談する
新しい毎日に少しずつなじみ、お子様が楽しそうに歌ってくれる日を、ゆっくり待ってあげてください。いつか、お子様の歌を家族で応援する目標がほしくなったときには、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ