心のこと・声かけ

歌で子どもの自信を育てる。ほめ方とことばかけ

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「子どもが歌っているとき、どんなふうに声をかけたらいいのかな」 「ほめているつもりなのに、なんだか子どもの反応がうすい」

歌が好きなお子様を見ていると、もっと自信をもって、のびのび歌ってほしいと思いますよね。そのために、ふだんどんなことばをかけたらいいのか、迷うお父様・お母様も多いと思います。

わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。そのなかで、ほかのご家族のようすを見たり、話を聞いたりする機会もたくさんありました。そこで感じたのは、本番の前の特別なことばよりも、毎日のなにげない声かけのほうが、お子様の自信の土台になっているということです。

この記事では、本番の前ではなく、ふだんの生活の中でできる、歌を通したほめ方とことばかけにしぼってお話しします。むずかしいことではなく、今日からすぐにできることばかりです。

歌は、自信を育てやすい

「できた」を感じやすい

歌は、1曲を歌いきる、新しい歌詞をおぼえる、前より高い声が出るなど、小さな「できた」を感じやすい習い事です。この小さな「できた」をつみかさねることが、「やればできる」という気持ちにつながっていきます。

自分の気持ちを表に出す練習になる

歌うことは、自分の声で、自分の気持ちを表にあらわすことです。「歌ってもいいんだ」「聞いてもらえるとうれしい」という経験は、ほかの場面で自分の思いを伝えるときの、小さな自信にもなります。

お父様・お母様のことばが、いちばん近くにある

お子様の歌を、いちばんたくさん聞いているのは、おうちの方です。だからこそ、ふだんのことばかけが、お子様の気持ちに大きくひびきます。

自信を育てるほめ方のコツ

結果より、がんばった過程をほめる

「上手だね」「すごいね」ということばも、もちろんうれしいものです。でも、それだけだと、お子様は「上手じゃないとほめてもらえない」と感じてしまうことがあります。

それよりも、がんばったことや、つづけてきたことに目を向けてみてください。

  • 「毎日少しずつ練習していたね」
  • 「むずかしいところ、何回もやってみたね」
  • 「さいごまで歌いきったね」

こうしたことばは、うまくいった日も、うまくいかなかった日も、かけてあげることができます。

具体的に伝える

「よかったよ」と言うだけでなく、どこがよかったのかを、具体的に伝えると、お子様にしっかりとどきます。

  • 「さいごの長くのばすところ、きれいだったね」
  • 「ことばがはっきり聞こえて、お話がよくわかったよ」
  • 「楽しそうに歌っていて、聞いていてうれしくなったよ」

具体的にほめてもらうと、お子様は「ちゃんと聞いてくれている」と感じます。そして、自分のよいところを知ることができます。

前とくらべて、変化を伝える

ほかのお子様とくらべるのではなく、そのお子様の前のようすとくらべて、変化を伝えてみましょう。

  • 「先週より、声がのびのび出ているね」
  • 「前は歌詞を見ていたのに、もうおぼえたんだね」

自分の成長に気づけると、「もっとやってみたい」という気持ちが生まれやすくなります。

気持ちを伝える「わたしメッセージ」

「あなたは上手」という言い方のほかに、「わたしはこう感じた」という伝え方もあります。

  • 「お母さん、この歌、聞いていて元気が出たよ」
  • 「お父さん、もう一回聞きたいな」

評価ではなく、気持ちを伝えることばは、お子様にとって、うれしいおくりものになります。

ふだんの生活の中でできることばかけ

歌っている声に、気づいてあげる

お子様が、遊びながら、お風呂で、なにげなく歌っていることがありますよね。そんなとき、

  • 「いい歌だね、なんていう歌?」
  • 「その歌、お母さんも好きだよ」

と、ひとこと声をかけるだけでも、「歌っている自分を見てもらえている」と感じられます。

「歌って」とリクエストする

ときどき、「あの歌、歌ってくれる?」とお願いしてみるのもおすすめです。自分の歌を聞きたいと思ってもらえるのは、お子様にとって大きな喜びです。

ただ、気分がのらないときは、むりに歌わせないようにしましょう。「また今度聞かせてね」と、さらっと引いてあげることも大切です。

歌の話をいっしょに楽しむ

歌の上手さだけでなく、歌そのものについて話すのもよいですね。

  • 「この歌は、どんなお話だと思う?」
  • 「どこがいちばん好き?」

お子様なりの感じ方を聞いて、「そう感じたんだね」と受けとめてあげると、自分の考えに自信をもてるようになります。

言いかえたいことば

よかれと思ってかけたことばが、お子様の自信をそこねてしまうこともあります。ここでは、言いかえの例をしょうかいします。

「なんでできないの?」

→「どこがむずかしい?いっしょに考えてみようか」

できないことをせめるより、どこでつまずいているかを、いっしょにさがすほうが、お子様は前向きになれます。

「〇〇ちゃんは上手なのに」

→「前より、ここがよくなったね」

ほかの子とのくらべは、お子様の自信を小さくしてしまいます。くらべるなら、そのお子様の前のようすとだけにしましょう。

「もっと大きな声で」

→「おなかから声が出ると、もっとひびくかもね」

注意するときは、どうすればよいかを、やさしく伝えるのがおすすめです。声の大きさは、お子様によってちがうので、むりに大きな声を出させないようにしてください。

「ちがう、そうじゃない」

→「ここはこう歌ってみたらどうかな」

まちがいを指摘するときも、否定のことばからはじめず、やり方を提案する形にすると、お子様は受け入れやすくなります。

注意したいときの伝え方

ほめることと、直すことの順番

直してほしいところがあるときは、まずよかったところを伝えてから、「つぎはここをやってみよう」と、1つだけ伝えるのがよいと思います。

  • よかったところを1つか2つ伝える
  • 直したいところを1つだけ伝える
  • 「できるよ」と、期待の気持ちをそえる

一度にたくさん言われると、お子様は何をすればいいのかわからなくなってしまいます。

先生の役わりと、おうちの役わり

歌の技術的なことは、先生にまかせてもだいじょうぶです。おうちでは、「歌うことが楽しい」「聞いてもらえるとうれしい」という気持ちを守る役わりを大切にしてみてください。

練習をいやがるときの声かけについては、こちらの記事にまとめています。子どもが歌の練習をいやがるとき。お父様・お母様の声かけと、楽しくつづける工夫

家族で歌を楽しむ工夫

いっしょに歌う

お父様・お母様もいっしょに歌うと、お子様は「歌うのは楽しいこと」と感じやすくなります。上手に歌えなくても、まったく問題ありません。楽しそうに歌う姿を見せることが、いちばんのはげましになります。

小さな「おうち発表会」をひらく

家族の前で、1曲歌う時間をつくってみましょう。拍手をして、「すてきだったね」と伝えるだけで、お子様にとってはりっぱな発表の場になります。人前で歌う経験を、安心できる場所で重ねていけるのも、よいところです。

好きな歌を、いっしょに聞く

歌うだけでなく、好きな歌をいっしょに聞く時間も大切です。お子様が「この歌、好き」と言ったら、「どんなところが好き?」と聞いてみてください。自分の「好き」を受けとめてもらえると、お子様は自分の感じ方に自信をもてるようになります。

録音や動画をのこす

お子様の歌を、ときどき録音や動画にのこしておくのもおすすめです。あとで見かえして、「このころより、こんなに上手になったね」といっしょにふりかえると、お子様は自分の成長を実感できます。

結果が出なかったときこそ、ふだんのことばが大切

コンクールや発表会で、思うような結果が出ないこともあります。そんなとき、お子様を支えるのは、ふだんから「結果ではなく、あなたががんばっていることを見ているよ」と伝えてきたことばです。

結果が出なかったときの声かけについては、こちらの記事にくわしくまとめています。コンクールで思うような結果が出なかったとき。親子でのふりかえり方

まとめ

  • 歌は、小さな「できた」を感じやすく、自信を育てやすい
  • 結果より、がんばった過程やつづけてきたことをほめる
  • どこがよかったのかを、具体的に伝える
  • ほかの子ではなく、そのお子様の前のようすとくらべる
  • 「聞いていてうれしかった」など、気持ちを伝えることばもおくる
  • 否定のことばは、やり方を提案することばに言いかえる
  • 家族でいっしょに歌い、小さな発表の場をつくる

ふだんのことばかけは、すぐに目に見える変化があるものではないかもしれません。でも、毎日の小さなことばのつみかさねが、お子様の「歌うのが好き」「自分の歌に自信がある」という気持ちを育てていきます。おうちでつけた自信を、少し外の世界でもためしてみたくなったら、こどもの歌声グランプリをのぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、ご家族以外の人からも歌のよいところを伝えてもらえる、うれしいきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

幼児小学生

つぎの一歩を さがす

あわせて読みたい