コンクールで思うような結果が出なかったとき。親子でのふりかえり方
「あんなにがんばったのに、賞に入れなかった」 「帰り道、子どもがずっとだまっている。何と言えばいいんだろう」
歌のコンクールに出ると、うれしい結果のときもあれば、思うような結果が出ないときもあります。お子様ががっかりしている姿を見ると、お父様・お母様もつらい気持ちになりますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。会場では、結果を見て笑顔になる親子も、なみだをこらえる親子も、たくさん見てきました。
この記事では、コンクールで思うような結果が出なかったときに、親子でどう気持ちを整理して、どうふりかえればいいのかをまとめます。結果が出る前の心の準備についても、少しふれます。
結果が出る前にしておきたいこと
出る前に「目標」を話しておく
コンクールに出る前に、親子で「今回は何をがんばるか」を話しておくと、結果が出たあとのふりかえりがしやすくなります。
- 最後まで、大きな声で歌いきる
- 練習した息つぎの場所を守る
- 歌いはじめの音を、ていねいに出す
- 笑顔で歌う
賞に入ることだけを目標にすると、結果しだいで「全部だめだった」と感じてしまいがちです。自分でたしかめられる目標をいくつか持っておくと、賞とは別に「ここはできた」と思えるところが見つかります。
結果は「その日の審査」だと伝えておく
コンクールの結果は、その日の歌を、その日の審査員が聞いて決めるものです。同じ歌でも、日や会場、ほかの参加者によって、結果がかわることはめずらしくありません。
出る前に、「結果は、その日のひとつの見方なんだよ」と、やさしく伝えておくのもよいと思います。審査員がどこを見ているかについては、こちらの記事にまとめています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
結果が出た、その日の声かけ
まずは「おつかれさま」
結果を見たすぐあとは、お子様の心がいちばんゆれているときです。ふりかえりや反省は、その日にしなくてだいじょうぶです。
- 「おつかれさま。よくがんばったね」
- 「最後まで歌えたね」
- 「ステージに立てたこと自体がすごいよ」
まずは、ここまでがんばってきたことを、そのままねぎらってください。
気持ちを言わせようとしない
くやしいとき、お子様はうまくことばにできないことがあります。「どう思った?」と何度も聞くより、そばにいて、話したくなるのを待つほうがよいことが多いです。
なみだが出たら、思いきりないてもいいのです。「くやしいのは、がんばったからだね」と、ひとこと伝えるだけで、お子様は安心します。
他の子とくらべない
「〇〇ちゃんは賞に入ったのにね」「あの子より上手だったのに」など、他の子とくらべることばは、さけたほうがよいと思います。くらべる相手は、ほかの子ではなく、前の自分です。
お父様・お母様の気持ちも、だいじにする
お子様と同じように、お父様・お母様もがっかりするのは自然なことです。ただ、その気持ちが顔やことばに強く出ると、お子様は「自分のせいで悲しませた」と感じてしまうこともあります。
お父様・お母様のくやしい気持ちは、家族や友だちに話すなど、お子様とは別の場所で整理できるとよいと思います。
帰り道は、好きなことをして
結果が出た日の帰り道は、歌の話からはなれてもかまいません。好きなものを食べる、ゆっくりおふろに入る、早めにねるなど、いつもより少しほっとできる時間にしてあげてください。
がんばった日の夜を、あたたかい気持ちで終えられると、お子様は「また歌いたい」と思いやすくなります。
気持ちが落ちこんだままのとき
何日もしずんでいるとき
多くのお子様は、数日たつと少しずつ元気をとりもどします。ただ、何日たっても元気がない、歌の話をすると泣いてしまう、という場合もあります。
そんなときは、ふりかえりをいそがず、しばらく歌の練習をお休みしてもだいじょうぶです。好きな歌を聞くだけ、口ずさむだけ、という時間から、少しずつもどっていきましょう。
「自分は下手なんだ」と言うとき
くやしい結果のあと、「自分は歌が下手なんだ」と言うお子様もいます。そんなときは、「下手だから賞に入れなかった」のではなく、「その日の審査では、ほかの人が選ばれた」ということを、やさしく伝えてみてください。
あわせて、前の録音とくらべて上手になったところや、先生にほめられたところなど、具体的なことを話してあげると、お子様は自分ののびに気づきやすくなります。
数日たってからの、親子のふりかえり
少し時間をおいてから
気持ちが落ち着いてから、ふりかえりをしてみましょう。数日から1週間くらいたつと、お子様も冷静に話せるようになることが多いです。
ふりかえりは、「反省会」ではなく、「次にむけたおしゃべり」くらいの気持ちですすめるのがおすすめです。
「できたこと」から話す
ふりかえりは、できたことから話すと、前向きな気持ちで続けやすくなります。
- 出る前に決めた目標の中で、できたことは何か
- 練習のときより、よくなったところはどこか
- 本番で、自分なりにがんばったところはどこか
お子様の口から「ここはできた」ということばが出てきたら、「本当だね」と、しっかり受けとめてください。
「次にやってみたいこと」を1つか2つ
できたことを話したあとで、「次はどこをがんばってみたい?」と聞いてみましょう。
ここで大切なのは、お父様・お母様が答えを決めないことです。お子様が自分で「ここをもう少し」と思えたところを、1つか2つえらべれば、じゅうぶんです。たくさん直そうとすると、つかれてしまいます。
録画や講評をいっしょに見る
本番の動画があれば、お子様の気持ちが落ち着いたころに、いっしょに見てみるのもよいと思います。見るのがいやなときは、むりに見せなくてだいじょうぶです。
審査員の講評がもらえるコンクールでは、講評も大切な手がかりになります。よかったところと、これからのびそうなところを、親子で読んでみましょう。講評はきびしく感じることもありますが、お子様のためを思って書かれたことばです。
次の練習へのつなげ方
先生にも相談する
教室の先生には、結果だけでなく、本番のようすや講評を伝えてみてください。先生は、いつものお子様の歌を知っているので、次に何をすればよいか、いっしょに考えてくれることが多いです。
小さな目標をつくる
次のコンクールまで時間がある場合は、1か月ごとなどの小さな目標を立てるのもよい方法です。
- 1か月目 歌いはじめの音を、ていねいに出す練習
- 2か月目 ことばをはっきり伝える練習
- 3か月目 通して歌って、録音でたしかめる
課題曲の練習のすすめ方は、こちらの記事にもまとめています。コンクールの課題曲の練習のすすめ方。楽譜をもらってから本番までの流れ
記録をのこして、のびを見る
練習のようすや本番の動画を、ときどき記録しておくと、数か月あとに見くらべたときに、自分ののびに気づきやすくなります。結果には出なくても、声や歌い方はちゃんとかわっていることが多いのです。
上達の記録ののこし方は、こちらの記事にまとめています。歌の上達を記録しよう|録音・録画・練習ノートのつけ方と、成長の見つけ方
「もう出たくない」と言われたら
くやしい結果のあと、「もうコンクールには出たくない」と言うお子様もいます。そんなときは、むりに次のコンクールをすすめなくてだいじょうぶです。
- 歌そのものが、いやになったのか
- 人前で歌うのが、こわくなったのか
- ほかにやりたいことができたのか
理由を聞いてみると、「歌は好きだけど、コンクールは少しお休みしたい」という気持ちのこともあります。そのときは、発表会や家族の前など、結果のない場で歌う時間をつくるのもよいと思います。
しばらくして、また「出てみたい」と言ったら、そのときにいっしょにえらべばだいじょうぶです。
次のコンクールをえらぶときのヒント
また出てみたくなったときは、次のようなことを考えて、コンクールをえらんでみてください。
- 講評がもらえるコンクールか
- お子様の年れいやジャンルに合った部門があるか
- 会場に行くか、動画でおくるか、お子様が出やすい形か
- 練習の時間が、むりなくとれる日程か
前回とはちがう形のコンクールに出てみると、気持ちが新しくなって、楽しく歌えることもあります。
まとめ
- 出る前に、賞とは別の「自分でたしかめられる目標」を話しておく
- 結果が出た日は、ふりかえりより「おつかれさま」を大切に
- 他の子とくらべず、気持ちを言わせようとしない
- 数日たってから、「できたこと」から親子でふりかえる
- 次にがんばることは、お子様が自分でえらんだ1つか2つで
- 講評や録画、先生の意見を、次の練習の手がかりにする
コンクールの結果は、その日のひとつの見方にすぎません。歌が好きな気持ちを大切にしながら、また歌いたくなったときに出られる場があると安心です。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、次の練習の手がかりにもなると思います。こどもの歌声グランプリ