コンクールの課題曲の練習のすすめ方。楽譜をもらってから本番までの流れ
「課題曲の楽譜が届いたけれど、何から始めたらいいの?」 「本番までに、どんなふうに練習をすすめればいいのかな」
歌のコンクールに出ることが決まり、課題曲の楽譜を手にしたとき、こんなふうに思うお父様・お母様は多いと思います。とくにはじめてのコンクールだと、本番までの日にちをどう使えばよいのか、わかりにくいですよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。その中で感じたのは、課題曲の練習は、「何を、どの順番でするか」を決めておくと、お子様もお父様・お母様もあわてずにすむ、ということです。
この記事では、課題曲の楽譜をもらってから本番までの流れを、順番にまとめます。レッスンの先生のすすめ方がある場合は、そちらを大切にしてください。この記事は、おうちでの練習の「地図」のようにつかっていただけたらうれしいです。
まずは全体の流れを知っておく
課題曲の練習は、おおまかに、つぎのような流れですすめることが多いです。
| 時期のめやす | すること |
|---|---|
| 楽譜をもらったら | 要項をたしかめる、曲を聞く、歌詞を読む |
| はじめのころ | 音とり、リズム、ことばの練習 |
| なかごろ | 表現を考える、部分練習 |
| 本番の1か月前ごろ | 通し練習、録音・録画でたしかめる |
| 本番の前の週 | 体調を大切にしながら仕上げる |
| 本番の日 | 声をならして、落ちついて歌う |
本番までの日にちは、コンクールによってちがいます。日にちが短いときは、それぞれの時期を少しずつつめて考えてみてください。
楽譜をもらったら、さいしょにすること
要項をよく読む
練習を始める前に、コンクールの要項(きまりが書かれた案内)をもう一度よく読みましょう。課題曲については、たとえばこんなことが決められていることがあります。
- どの楽譜(出版社や版)をつかうか
- 調(キー)を自由にかえてよいか
- くりかえしの部分を歌うか、はぶくか
- 何番まで歌うか
- 伴奏はピアノの人がつくのか、音源をつかうのか
- 歌う時間の長さ
これらは、コンクールによってちがいます。わからないところは、レッスンの先生に聞くか、コンクールの事務局に問い合わせておくと安心です。
楽譜に、名前を書いておく
楽譜は、本番までに何度もつかいます。レッスンにも持っていくので、なくさないように名前を書いておきましょう。先生に言われたことを書きこむための鉛筆と、消しゴムもいっしょに用意しておくと便利です。
楽譜をコピーしてつかいたいときは、気をつけたいことがあります。楽譜のコピーには、きまりがあります。コンクールによっては、本番に楽譜の原本(買った楽譜)を出すように決めているところもあります。コピーしてよいかどうかは、要項や先生にたしかめてください。
ステップ1 曲を知る
音源を聞く
まずは、お子様といっしょに、曲をたくさん聞きましょう。お手本の音源がついている場合は、それを聞きます。
はじめから「歌いましょう」とすすめるより、車の中や、ごはんのあとなど、ふだんの生活の中で、自然に耳に入るようにするのもおすすめです。
歌詞を読む
つぎに、歌詞をお子様といっしょに読みます。
- 読めない漢字に、ふりがなをつける
- わからないことばの意味を、いっしょにしらべる
- どんな場面の歌なのか、話してみる
- 歌の中で、だれが、どんな気持ちでいるのかを考える
小さなお子様なら、「この歌は、どんな絵になると思う?」と聞いて、絵をかいてもらうのも楽しい方法です。歌の気持ちが、ぐっと身近になります。
歌詞や曲を早くおぼえるコツは、こちらの記事にまとめています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
ステップ2 音とりとリズム
メロディを正しくおぼえる
曲になれてきたら、メロディを正しくおぼえていきます。はじめにまちがえておぼえてしまうと、あとから直すのはたいへんです。さいしょの音とりは、ていねいにすすめましょう。
- 「ラララ」でメロディだけを歌ってみる
- むずかしいところは、ピアノやアプリで音をたしかめる
- 先生のレッスンで、音が合っているかみてもらう
リズムをたしかめる
のばす音の長さや、休むところ(休符)は、思っているよりずれやすいところです。手をたたきながら歌ったり、ことばだけをリズムに合わせて読んだりすると、たしかめやすくなります。
ステップ3 ことばをはっきり
歌のコンクールでは、ことばがはっきり聞こえることも大切にされることが多いです。
- 歌詞を、ゆっくり、はっきり読む練習をする
- 口の形を、鏡を見ながらたしかめる
- 小さな「っ」や、のばす音を、ていねいに歌う
ことばがはっきりすると、歌の気持ちも、聞いている人につたわりやすくなります。
ステップ4 表現を考える
音とことばがしっかりしてきたら、どんなふうに歌いたいかを考えていきます。
- 楽譜にある強弱の記号(大きく・小さく)をたしかめる
- やさしく歌うところ、元気に歌うところを決める
- どこで息をすうか、楽譜に印をつける
- 歌の中で、いちばん気持ちをこめたいところを決める
表現は、お父様・お母様が決めてしまうより、お子様に「ここはどんな気持ちで歌いたい?」と聞いてみるのがおすすめです。自分で考えた歌は、本番でも心をこめて歌いやすくなります。先生のアドバイスと合わせながら、すすめてみてください。
部分練習を大切に
むずかしいところは、1曲をとおして歌うより、その部分だけをとり出して練習するほうが、身につきやすいことが多いです。うまくいったら、前後のフレーズとつなげていきます。
ステップ5 通し練習と、録音・録画
本番が近づいてきたら、1曲をとおして歌う練習をふやしていきます。
本番と同じ形で歌ってみる
- 伴奏といっしょに歌う(ピアノ、または音源)
- 立ち位置に立つところから、おじぎまでをやってみる
- 家族の前で、本番のつもりで歌ってみる
伴奏を音源でつかう場合のことは、こちらの記事にまとめています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
録音・録画で見かえす
録音や録画をして、お子様といっしょに見てみましょう。
- 姿勢や顔の向き
- ことばが聞こえるか
- 息つぎで、歌がとぎれていないか
- 表情
このとき、直すところばかりを伝えるのではなく、「ここがすてきだったね」と、よいところをさきに伝えてあげてください。お子様の自信につながります。
練習の時間について
毎日の練習は、長ければよいというものではありません。お子様の年齢や集中できる時間に合わせて、短い時間でも、つづけることを大切にしてください。
のどがつかれているときや、声がかすれているときは、練習をお休みしましょう。のどのいたみや、声のかすれが何日もつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お父様・お母様の関わり方
おうちでの練習では、お父様・お母様がそばにいることが、お子様の大きな支えになります。いっぽうで、本番が近づくほど、つい口を出しすぎてしまうこともあるかもしれません。
- 練習の前に「今日はどこを練習する?」と、お子様といっしょに決める
- 直してほしいところは、1回の練習で1つか2つにしぼる
- できたところは、その場で具体的にほめる
- お子様がつかれているときは、むりにつづけない
- 先生のアドバイスと、ちがうことを言わないように気をつける
お父様・お母様が「先生」になりすぎず、いちばん近くで応援する人でいることが、お子様が歌を楽しみつづけるために大切だと感じています。
レッスンで先生に言われたことは、楽譜にメモしておくと、おうちでの練習でも見かえせて便利です。
本番の前の週にすること
本番の前の週は、新しいことを始めるより、これまで練習してきたことをたしかめる時期です。
- 早めにねて、体調をととのえる
- のどをかんそうさせないように気をつける
- 衣装やくつをきて、一度歌ってみる
- 会場までの行き方や、持ち物をたしかめる
- 歌いすぎて、のどをつかれさせない
お子様が「うまくいかなかったらどうしよう」と不安になることもあると思います。そんなときにかけたいことばは、こちらの記事にまとめています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
本番の日
本番の日は、会場に着いたら、決められた場所で声をならしたり、体をほぐしたりします。声出しができる場所や時間は、コンクールによってちがうので、要項でたしかめておきましょう。
お父様・お母様にできるいちばん大切なことは、お子様を安心させてあげることです。「たくさん練習してきたね」「楽しんできてね」と、笑顔で送り出してあげてください。
歌いおわったら、結果がどうであっても、まずは「よくがんばったね」と声をかけてあげたいですね。
まとめ
- 楽譜をもらったら、まず要項をよく読み、わからないところはたしかめる
- 曲を聞く、歌詞を読む、音とり、ことば、表現の順番ですすめる
- むずかしいところは、部分練習で
- 本番が近づいたら、通し練習と録音・録画でたしかめる
- 練習は短い時間でもつづけ、のどがつかれたら休む
- 本番の前の週は、体調を大切にしながら仕上げる
- 本番では、お子様を安心させて、笑顔で送り出す
課題曲でしっかり練習した経験は、つぎの歌にもきっといきてきます。こどもの歌声グランプリは、おうちでとった動画で、どんなジャンルの歌でも応募でき、出場した全員に講評が届きます。課題曲で身につけたことを、好きな歌でためしてみる場として、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ