心のこと・声かけ

夏の歌、高齢者の方とみんなで歌いたい曲。暑い時期の歌の会の工夫

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「夏の歌で、高齢者の方といっしょに歌える曲はあるかな」 「暑い時期の歌の会、どんな童謡や唱歌をえらべばいいだろう」

夏は、海や川、夏まつり、ほたるがり、夕すずみなど、思い出の場面がたくさんうかぶ季節です。夏の童謡や唱歌を歌うと、子どものころの夏休みや、ふるさとの景色を思い出す方もいらっしゃいます。いっぽうで、暑さで体がつかれやすい時期でもあるので、歌の会の進め方にも少し工夫がいります。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、高齢者の方とみんなで歌いたい夏の歌を、夏の行事や場面ごとに紹介します。あわせて、思い出話のきっかけになる声かけ、暑い時期の歌い方の工夫、手あそびや体を動かす楽しみ方もまとめます。春夏秋冬の歌をまとめて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ

ここでは曲名だけを紹介します。歌詞は、歌の本などでたしかめてから使ってください。

夏の歌が、高齢者の方の歌の会に向いている理由

夏の思い出は、場面がはっきりうかびやすい

夏休み、海水浴、夏まつり、すいか、かやり線香。夏には、目に見える場面や、においや音と結びついた思い出がたくさんあります。夏の歌は、そうした思い出のとびらをひらくきっかけになります。

元気な歌と、すずしげな歌がある

夏の歌には、海や子どもたちを歌った元気な歌もあれば、夏の夜や水辺を歌った、すずしげな歌もあります。暑い日には、ゆったりとした歌で気持ちをすずしくし、元気が出てきたら明るい歌で声を出す、というように、その日のようすに合わせてえらべます。

初夏に歌いたい歌

夏のはじまりは、新緑がまぶしく、さわやかな季節です。

  • 夏は来ぬ(なつはきぬ):初夏の花や鳥、田植えのころの風景を歌った歌
  • 茶摘(ちゃつみ):茶つみのころの、のどかな風景を歌った唱歌

「茶摘」は、ふたりで向かい合って手を合わせる手あそびで歌われてきた歌でもあります。歌のあとに「この歌で手あそびをしたことはありますか」と聞くと、子どものころの遊びのお話につながることがあります。「夏は来ぬ」は、昔のことばが入った歌なので、歌う前にどんな景色の歌かを、かんたんにお話ししておくと歌いやすくなります。

梅雨のころに歌いたい歌

雨の日が続くころは、雨にまつわる歌もおすすめです。

  • あめふり:雨の日に、おかあさんがむかえに来てくれるうれしさを歌った童謡
  • かたつむり:雨の日に見かける、かたつむりを歌った童謡
  • てるてる坊主:晴れてほしい気持ちをこめた、てるてる坊主の童謡

「あめふり」は、ことばのくりかえしがあり、みんなで声を合わせやすい歌です。「てるてる坊主」は、歌のあとに「遠足や運動会の前の日に、てるてる坊主をつくりましたか」と聞いてみると、お話がひろがります。雨の日の歌の会は、外に出られないぶん、こうした歌で気持ちを明るくするのもよいものです。

七夕のころに歌いたい歌

  • たなばたさま:ささかざりと、星空を歌った七夕の歌

七夕のころは、短冊に願いごとを書いて、ささにかざってから歌うと、行事らしさが出ます。

  • 子どものころ、どんな願いごとを書いたか
  • ささかざりを、どこにかざったか
  • ふるさとの七夕まつりは、どんなようすだったか

こんな問いかけから、ふるさとのお話につながることもあります。願いごとを書くのがむずかしい方は、ほかの方の短冊を読み上げて、いっしょに楽しむだけでもじゅうぶんです。

海や水辺を思い出す歌

  • うみ:広い海のようすを歌った、短くてやさしい童謡
  • 我は海の子(われはうみのこ):海辺で育った子どもの、元気な唱歌
  • かもめの水兵さん:かもめを水兵さんに見立てた、明るい童謡
  • 浜辺の歌:朝や夕方の浜辺を、ゆったりと歌った歌
  • 夏の思い出:山あいの湿原の夏を歌った、しっとりとした歌

海の歌は、「海の近くで育ちましたか、山の近くで育ちましたか」という問いかけと相性がよい歌です。海の近くで育った方からは海水浴や漁のお話が、山の近くで育った方からは川遊びのお話が出てくることもあります。

「浜辺の歌」や「夏の思い出」は、ゆったりとしたテンポで、ことばを味わうように歌うと、すずしげな雰囲気が出ます。「我は海の子」や「かもめの水兵さん」は、手びょうしを入れながら、元気に歌うのがおすすめです。

夏の夜や、夏の生きものを思い出す歌

  • ほたるこい:ほたるをよぶ、昔から歌いつがれてきたわらべうた
  • 金魚の昼寝:金魚のようすを歌った、かわいらしい童謡

「ほたるこい」は、短いことばをくりかえす歌なので、歌詞をおぼえていなくても、すぐにいっしょに歌えます。「ほたるがりに行ったことはありますか」と聞くと、夏の夜の川辺の思い出が出てくることがあります。

夏まつりや盆おどりのころには、地域の盆おどりの歌を取り入れるのも楽しみ方のひとつです。盆おどりの歌の楽しみ方は、こちらの記事にまとめています。盆踊りの歌を楽しむ。おどりながら歌うコツと、地域の夏の楽しみ方

暑い時期の、歌い方の工夫

歌う曲の数は、少なめに

暑い時期は、ふだんより体がつかれやすくなります。歌う曲の数は少なめにして、一曲ずつ、ゆっくり楽しむくらいがちょうどよいかもしれません。

元気な歌と、ゆったりした歌を交互に

元気な歌ばかり続けると、息が上がってつかれてしまうことがあります。「我は海の子」のような元気な歌のあとには、「浜辺の歌」のようなゆったりした歌をはさむなど、交互にならべると、むりなく歌い続けやすくなります。

高さは、らくに出るところで

夏の歌にも、昔習った高さのままだと高すぎる歌があります。伴奏をするときは少し低めにして、らくに声が出る高さで歌ってください。大きな声を出すことより、みんなで声を合わせることを大切にしましょう。

歌の会の時間帯をえらぶ

暑い時期は、日中の暑さがきびしい時間をさけて、すずしい時間に歌の会をひらくのも工夫のひとつです。食事のすぐあとや、おふろのあとなど、体がつかれやすい時間も、できればさけるとよいでしょう。

歌のあとのお話の時間を、休けいにする

一曲歌ったら、思い出話の時間をとるようにすると、それが自然と休けいになります。声を出し続けなくてよいので、のども体も休まります。「海水浴に行きましたか」「すいかはどこで食べましたか」など、答えやすい問いかけをすると、お話がひろがりやすくなります。

手あそびや、体を動かす工夫

茶摘の手あそび

となりの方と向かい合い、歌に合わせて手を合わせます。むずかしい方は、自分のひざと手をかわりばんこにたたくだけでも大丈夫です。

波の動き

両うでを前にのばし、海の波のように、ゆっくり左右にゆらします。「うみ」や「浜辺の歌」のような、ゆったりした歌に合います。

うちわをつかった動き

うちわを手に持ち、歌のリズムに合わせて、ゆっくり左右にあおぎます。すずしい風も感じられて、夏らしい楽しみ方です。

体を動かすときは、むりのない範囲で、できる動きだけで大丈夫です。歌に合わせたやさしい体操は、こちらの記事でも紹介しています。シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方

夏を感じる場づくり

  • うちわや風鈴を置いて、音や風で夏を感じる
  • ささかざりや、朝顔の絵をかざる
  • 青や水色の紙で、歌詞カードのまわりをかざる

風鈴の音や、うちわの風は、耳や肌からも夏を感じるきっかけになります。

暑い時期の歌の会で、気をつけたいこと

夏の歌の会では、暑さに気をつけることが大切です。

  • 部屋の温度をこまめにたしかめ、暑すぎないようにする
  • 冷房の風が、直接からだに当たらないようにする
  • 歌う前や、曲と曲のあいだに、こまめに水分をとる
  • 何曲か続けたら、少し休む時間をとる
  • 体調がすぐれない方は、むりに歌わず、聞いて楽しむ

冷房でのどがかわきやすいこともあります。声のかすれや、のどのいたみが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

まとめ

  • 夏の歌は、夏休みやふるさとの景色など、場面のはっきりした思い出につながる
  • 初夏、梅雨、七夕、海や水辺、夏の夜と、季節の場面に合わせて歌をえらぶ
  • 歌のあとに、思い出をたずねる声かけをすると、お話がひろがる
  • 暑い時期は曲を少なめにし、元気な歌とゆったりした歌を交互にならべる
  • 茶摘の手あそび、波の動き、うちわをつかった動きなどを合わせる
  • 水分や部屋の温度に気をつけて、むりなく楽しむ

夏の歌を、みんなで声を合わせて歌う時間は、暑い季節のすずしいひとときになります。夏の歌をもっと楽しみたい方は、近くの歌の教室をさがしてみるのもよいかもしれません。歌の教室さがし 歌うことを、ひとつの目標にしてみたい方には、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ

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