小学校高学年のお子様と歌。4〜6年生の歌の習い事と、「はずかしい」気持ちへのよりそい方
「低学年のころは、家でも大きな声で歌っていたのに、最近は歌わなくなった」 「歌の習い事はつづけたいと言うけれど、人前で歌うのはいやがる」 「小学生の高学年になって、歌うのがはずかしいと言いはじめた」
小学校高学年のお子様を見ていて、こんなふうに感じているお父様・お母様もいらっしゃるかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、小学校高学年のお子様と歌について、気持ちの変化へのよりそい方と、歌の習い事のえらび方・つづけ方をまとめました。声がわりのくわしいことではなく、高学年という時期の全体にしぼってお伝えします。
はじめにお伝えしたいのは、高学年のお子様の気持ちや声の変わり方は、お子様によってちがう、ということです。「高学年だからこうなる」「この年れいだからできない」と決めつけずに、目の前のお子様のようすを大切にしながら読んでいただけたらうれしいです。
小学校高学年は、歌への気持ちがゆれやすい時期
まわりの目が気になりはじめる
高学年になると、友だちからどう見られているかが、気になりはじめるお子様もいます。低学年のころは平気だったことでも、「みんなの前で目立つのはいや」「へんだと思われたくない」と感じることがあります。
歌がきらいになったとはかぎりません。
自分の声や歌い方を、よく聞くようになる
自分の歌を、まわりとくらべて聞くようになるお子様もいます。「自分の声は好きじゃない」「上手な子とくらべると、はずかしい」と思うこともあるかもしれません。
自分の歌をきちんと聞けるようになるのは、歌が上手になっていくためにも大切なことです。ただ、そのぶん、心が少しきゅうくつになることもあります。
好きな歌が変わっていく
小さいころに歌っていた童謡よりも、テレビや動画で聞く歌、友だちと話題になる歌に、心がうつっていくお子様もいます。「子どもっぽい歌は歌いたくない」と言うこともあるでしょう。
好きな歌が変わるのは、自然なことです。どんな歌が好きかは、お子様によってちがいます。
「歌がはずかしい」と言われたとき
まずは、気持ちをそのまま受けとめる
お子様が「歌うのがはずかしい」と言ったときは、まず「そう感じるんだね」と、気持ちをそのまま受けとめてみてください。
「はずかしくないよ」「気にしすぎだよ」と打ち消したくなるかもしれません。でも、お子様にとっては、本当にそう感じているのです。わかってもらえたと思えると、お子様も少しずつ話しやすくなります。
はずかしさの中身を、少しずつ聞いてみる
ひとことで「はずかしい」と言っても、その中身はいろいろです。
- 友だちに見られたり、聞かれたりするのがいや
- 自分の声や歌い方が、好きになれない
- 歌っている歌が、子どもっぽく感じる
- まちがえたり、失敗したりするのがこわい
- 家族に聞かれるのも、なんとなくいや
どれにあてはまるかで、できることも変わってきます。ただ、むりに聞き出そうとすると、お子様は口をとじてしまうこともあります。車の中や、ねる前など、お子様が話したくなったときに、ゆっくり聞いてみてください。
歌から少しはなれる時期があってもいい
はずかしさが強いときは、しばらく歌から気持ちがはなれることもあります。それは、歌をやめるということではありません。
また歌いたくなったときに、すぐにもどれるように、「歌いたくなったら、いつでも歌っていいよ」と、ドアをあけておくくらいの気持ちで見守ってみてください。
高学年からの歌の習い事のえらび方
個人レッスンか、グループレッスンか
人前がはずかしいと感じているお子様には、先生とふたりだけの個人レッスンのほうが、安心して声を出せることもあります。
いっぽうで、友だちといっしょだと楽しめるお子様には、合唱団やグループのレッスンが合うこともあります。どちらがよいかは、お子様の性格や、そのときの気持ちによってちがいます。
歌いたい歌を大切にしてくれる教室
高学年のお子様は、「この歌を歌いたい」という思いが、はっきりしてくることもあります。
- お子様の歌いたい歌を、レッスンにとり入れてくれるか
- 発声の練習と、歌いたい歌のバランスをどう考えているか
- 発表会やコンクールに出ることを、むりにすすめないか
このようなことを、体験レッスンのときに先生にたずねてみると、教室のようすがわかりやすくなります。高学年からのお教室さがしには、こちらのページも使ってみてください。歌の教室さがし
お子様といっしょにえらぶ
高学年のお子様には、教室えらびから、いっしょにかかわってもらうのもひとつの方法です。見学や体験に行ったあと、「どうだった?」「通ってみたい?」と、お子様の気持ちを聞いてから決めると、「自分でえらんだ」という気持ちが、つづける力になることがあります。
歌とほかの習い事、どちらにするか迷っているときは、こちらの記事も参考になります。歌が好きな子におすすめの習い事6つ。年れいと性格からえらぶ方法
おうちでの声かけのコツ
家族の前で歌うのを、むりにすすめない
親戚が集まったときなどに、「歌ってみて」とすすめたくなることもあるかもしれません。でも、高学年のお子様にとっては、それがとてもはずかしいこともあります。
人前で歌うかどうかは、お子様が決めてよいことにしておくと、お子様も安心できます。
ほめるときは、具体的に、短く
「すごく上手!」と大きくほめられると、かえってはずかしく感じるお子様もいます。
- 「さっきの高いところ、きれいに出ていたね」
- 「前より声がのびてきた気がするよ」
- 「その歌、いい歌だね」
このように、気づいたことを短く伝えるくらいが、ちょうどよいこともあります。
聞いてほしいときに、聞く
お子様が家で歌っているとき、つい、ようすを見に行きたくなるかもしれません。でも、聞かれていると思うと、歌えなくなるお子様もいます。
ドアをしめた部屋で歌いたいときは、そっとしておく。「聞いて」と言われたときは、手をとめて聞く。そんなふうに、お子様のペースに合わせてみてください。
高学年の歌を、むりなくつづける工夫
歌う場を、えらべるようにする
歌の楽しみ方は、人前で歌うことだけではありません。
- 先生とのレッスンだけで、歌を楽しむ
- 録音して、自分だけで聞いてみる
- 好きな歌を、ひとりの部屋で歌う
- 合唱の中で、みんなといっしょに歌う
いろいろな形があることを伝えておくと、お子様が自分に合う楽しみ方を見つけやすくなります。
学校や友だちとの時間も、大切にする
高学年になると、学校の行事やクラブ活動、友だちとの約束など、お子様の毎日もいそがしくなってきます。歌のレッスンや練習が、つらい予定にならないように、ほかの予定とのバランスも見てあげてください。
声の変化は、先生と相談しながら
高学年のころは、声の出し方や、出しやすい高さが変わってくるお子様もいます。どんなふうに変わるか、いつごろ変わるかは、お子様によってちがいます。
声の出しにくさを感じたときは、レッスンの先生に相談しながら、むりのない歌い方を見つけていくと安心です。のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
声の変化について、くわしくはこちらの記事にまとめています。女の子にも声がわりはある?小学校高学年〜中学生の声の変化と、むりのない歌い方男の子のはずかしい気持ちについては、こちらの記事もどうぞ。男の子が歌を習うとき。はずかしい気持ちとのつきあい方と、声がわりまでの楽しみ方
目標は、お子様といっしょに決める
高学年のお子様は、自分で目標を考えられるようになってくることもあります。「この歌を歌えるようになりたい」「発表会に出てみたい」「今年はレッスンを楽しみたい」など、どんな目標でもかまいません。
お父様・お母様が決めた目標より、お子様が自分で決めた目標のほうが、「やってみよう」という気持ちにつながりやすいことがあります。
まとめ
- 小学校高学年は、まわりの目や自分の声が気になり、歌への気持ちがゆれやすい時期
- 気持ちや声の変わり方は、お子様によってちがう
- 「はずかしい」と言われたら、打ち消さずに受けとめ、中身を少しずつ聞いてみる
- 習い事は、個人かグループか、歌いたい歌を大切にしてくれるかを見て、お子様といっしょにえらぶ
- 家では、人前で歌うのをむりにすすめず、ほめるときは具体的に短く
- 歌う場をえらべるようにして、学校や友だちとの時間とのバランスも大切に
- 声の出しにくさは先生に相談し、痛みやかすれが続くときはお医者さんへ
高学年のお子様が、自分のペースで歌と向き合えるように、そっと見守っていけたらすてきですね。人前で歌うのははずかしくても、「自分の歌をだれかに聞いてもらいたい」と思えたときには、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ