練習・発声のコツ

女の子にも声がわりはある?小学校高学年〜中学生の声の変化と、むりのない歌い方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「さいきん、娘の声がかすれやすくなった気がする」 「前はらくに出ていた高い声が、なんだか出しにくそう」

小学校の高学年から中学生くらいの女の子のお父様・お母様から、こんな声を聞くことがあります。声がわりというと、男の子の話だと思われることが多いですよね。でも、女の子の声も、この時期に少しずつかわっていくといわれています。

わたしは、息子といっしょにたくさんの歌のコンクールに出てきました。会場では、小学生から中学生まで、いろいろな年齢の女の子が歌う姿を見てきました。同じ子でも、学年が上がるにつれて、声のひびき方がかわっていくのを感じることがありました。

この記事では、女の子の声の変化に話をしぼって、どんなことが起こりやすいのか、この時期にどんなふうに歌えばいいのか、お父様・お母様ができることをまとめます。男の子の声がわりについては、こちらの記事にくわしく書いています。声がわりの時期の男の子と歌。続けていい?気をつけたいこと

なお、声や体のかわり方は、一人ひとりちがいます。ここに書くのは、あくまで一般的なお話です。気になることがあるときは、お医者さんや歌の先生に相談してください。

女の子にも声の変化はある

男の子ほど目立たないだけ

男の子の声がわりは、話し声がぐっと低くなるので、まわりの人もすぐに気づきます。いっぽう、女の子の声の変化は、話し声の高さが大きくかわることは少ないといわれています。そのため、「女の子には声がわりがない」と思われやすいのです。

でも、体が大きくなる時期には、のどのまわりも少しずつそだっていきます。そのため、女の子でも、声の出し方や、ひびき方に変化を感じることがあります。

いつごろ起こりやすい?

時期には大きな個人差があります。小学校の高学年ごろから、中学生のあいだくらいに変化を感じる子が多いようです。早い子もいれば、ゆっくりの子もいます。「まわりの子はかわっていないのに」とくらべる必要はありません。

女の子の声に見られやすい変化

女の子の声の変化として、よく聞かれるのは、たとえばこんなことです。

  • 声がかすれやすくなる
  • 息がまじったような声になる
  • 高い声が、前より出しにくくなる
  • 声がうらがえりやすくなる
  • 歌っていると、すぐにのどがつかれる
  • 声の高さが、日によってちがう気がする

どれも、この時期にはめずらしくないことです。ただ、「声がかわったから」と決めつけずに、かぜや声のつかいすぎではないかも、あわせて見てあげてください。

「前のように歌えない」と感じやすい時期

小さなころから歌が好きだった女の子ほど、「前は出ていた音が出ない」ことに、とまどうことがあります。合唱で高いパートを歌っていた子が、急に歌いにくそうにすることもあります。

本人は、「下手になった」と感じてしまうかもしれません。でも、それは下手になったのではなく、声がそだっているとちゅうなのだと、伝えてあげることが大切です。

この時期のむりのない歌い方

出しにくい音は、むりに出さない

いちばん大切なのは、出しにくい高い音を、力ずくで出そうとしないことです。のどをしめつけるように歌うと、つかれやすくなります。

  • 曲のキー(音の高さ)を少し下げてみる
  • 高いところは、声を小さめにしてみる
  • 出しにくい日は、ハミングだけにする

カラオケや伴奏の音源なら、キーをかえられることも多いです。コンクールや発表会で曲をえらぶときも、いまの声で、らくに歌える高さかどうかを見てあげてください。

声をつかいすぎない

学校の部活、合唱の練習、習い事、友だちとのカラオケと、この時期は声をつかう場面がふえやすいです。1日のうちで、歌う時間が長くなりすぎていないか、ときどきふりかえってみましょう。

  • 長く歌ったあとは、声を休める時間をつくる
  • 水をこまめにのむ
  • 大きな声で話しつづけない
  • ねむる時間をしっかりとる

のどを守るための生活の工夫は、こちらの記事にもまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア

声の高さをくらべすぎない

同じ学年の女の子でも、声の高さやひびきは、みんなちがいます。「あの子は高い声が出るのに」とくらべてしまうと、むりをしやすくなります。いまの自分の声の中で、いちばんらくに出る高さを知ることが、この時期にはとても大切です。

息のつかい方に目をむける

高い声が出しにくい時期は、歌の土台になる息のつかい方を、ていねいに練習するよい時期でもあります。

  • 肩を上げずに、ゆっくり息をすう
  • 「スー」と、長く細く息をはく
  • 口をとじて「んー」とハミングする

どれも、大きな声を出さずにできる練習です。むりなくつづけられる、短い時間でじゅうぶんです。

習い事やコンクールとのつきあい方

先生に、いまの声のようすを伝える

歌を習っている場合は、「さいきん高い声が出しにくそう」「かすれることがふえた」など、気づいたことを先生に伝えておくと安心です。先生も、曲えらびやレッスンのすすめ方を考えやすくなります。

本人が言いにくそうなときは、お父様・お母様から、そっと伝えてあげてもよいと思います。

曲えらびを見なおしてみる

前にえらんだ曲が、いまの声に合わなくなることもあります。そんなときは、曲をかえたり、キーをかえたりするのも、ひとつの方法です。

この時期の女の子には、たとえばこんな曲が歌いやすいことがあります。

  • 音の上がり下がりが大きすぎない曲
  • 高い音が長くつづかない曲
  • ことばをていねいに伝えるタイプの曲

どんな曲が合うかは、一人ひとりちがいます。先生と相談しながら決めてみてください。

「お休み」もひとつの選択

声のようすが落ちつかない時期は、コンクールや発表会に出るのを、少し先にのばすのもひとつの方法です。お休みしても、歌が好きな気持ちがあれば、またいつでも歌いはじめられます。

本人が出たい気持ちをもっているなら、いまの声で歌える曲をえらんで、楽しむことを大切にしましょう。

お父様・お母様ができること

気持ちに目をむける

この時期の女の子は、体だけでなく、気持ちもゆれやすくなります。声のことで落ちこんでいるときは、上手かどうかより、気持ちによりそうことばをかけてあげてください。

  • 「いまは声がそだっている時期なんだって」
  • 「むりしないで、らくに歌えばいいよ」
  • 「前とちがう声も、すてきだね」

「前のほうが上手だった」「もっと高い声を出して」といったことばは、本人を追いつめてしまうことがあります。

歌う場所をのこしてあげる

声がかわる時期は、人前で歌うのをいやがることもあります。そんなときも、家で好きな歌を口ずさめる時間や、ひとりで歌える場所をのこしておいてあげると、歌から気持ちがはなれにくくなります。

記録をのこしておく

ときどき、スマホで歌を録音しておくのもおすすめです。数か月たってから聞きくらべると、声のかわり方に気づきやすくなります。「この時期はこうだったね」とあとから話せるのも、よい思い出になります。

この時期に歌をつづけるよさ

声がかわる時期は、「いまは歌をやめたほうがいいのかな」と考えるお父様・お母様もいらっしゃると思います。でも、むりをしなければ、この時期に歌をつづけることには、よいところもたくさんあります。

  • 自分の声の変化に、気づく力がそだつ
  • 息のつかい方や姿勢など、土台をじっくり見なおせる
  • いまの声に合う曲をさがすことで、新しいジャンルに出会える
  • 好きな歌を歌う時間が、気持ちを落ちつかせてくれる

大切なのは、「前と同じように歌うこと」を目ざさないことです。いまの声で、いまできる歌い方を楽しめるように、そっと見守ってあげてください。

こんなときは、お医者さんに相談を

声の変化の多くは、この時期によくあることです。ただ、次のようなときは、ひとりでなやまずに、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

  • 声のかすれが、何週間もつづく
  • のどの痛みがつづく
  • 声がほとんど出ない日がある
  • 話すだけでも、のどがつらそう

ここに書いたことは、医療の判断ではありません。気になるときは、早めにお医者さんに見てもらうと安心です。

まとめ

  • 女の子にも、小学校高学年から中学生ごろに、声の変化を感じることがある
  • 話し声が大きく低くならないので、男の子より気づかれにくい
  • かすれやすい、高い声が出しにくいなどの変化が見られることがある
  • 出しにくい音はむりに出さず、キーを下げたり、声を休めたりする
  • 先生にいまの声のようすを伝え、曲えらびを見なおす
  • お父様・お母様は、気持ちによりそうことばをかける
  • かすれや痛みがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する

声がかわる時期は、歌をやめる理由ではなく、新しい声と出会う時間でもあります。いまの声で歌った記録をのこしておきたいときは、こどもの歌声グランプリをのぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、いまの声のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

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