練習・発声のコツ

合唱で英語の曲を歌うときの発音のきほん。カタカナにたよりすぎず、ことばをそろえるコツ

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「合唱で英語の曲を歌うことになったけれど、発音に自信がない」 「楽譜にカタカナを書いてもいいのかな」 「みんなで歌うと、ことばがバラバラに聞こえてしまう」

合唱で英語の曲にとり組むとき、こんななやみが出てくることがあります。ひとりで歌う英語の歌とちがい、合唱では、自分がきれいに発音できるかどうかだけでなく、みんなのことばがそろって聞こえるかどうかも大切になります。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、合唱で英語の曲を歌うときの発音のきほんと、カタカナとの上手な付き合い方、そしてみんなでことばをそろえるコツをまとめました。英語がとくいでなくても大丈夫です。ポイントをおさえて、少しずつ練習していきましょう。

ひとりで英語の歌や洋楽を歌うときのコツは、こちらの記事でまとめています。洋楽を上手に歌うコツ。英語の発音・リズム・ことばのつながり

合唱で英語の曲を歌うときに、まず知っておきたいこと

合唱では「そろうこと」がとても大切

ソロで歌うときは、歌う人それぞれの発音のくせも、その人の味になることがあります。でも合唱では、ひとりひとりの発音が少しずつちがうと、ことばがにじんで聞こえてしまいます。

たとえば、ことばの終わりの音を、ある人は早く切り、ある人は長くのばすと、聞いている人には音がバラバラに届きます。英語の曲では、こうしたずれが目立ちやすいことがあります。

だからこそ、合唱の英語の発音では「正しく言う」ことと同じくらい、「みんなで同じように言う」ことを大事にしたいのです。

発音の決まりは、指揮者や先生に合わせる

英語には、地域によって読み方が少しちがうことばもあります。合唱団やクラスで歌うときは、ひとりひとりがばらばらに調べた発音で歌うより、指揮者や先生が決めた読み方に合わせるほうが、まとまりやすくなります。

わからない読み方があったら、自分だけで決めずに、練習のときに聞いてみてください。同じところでまよっている人が、ほかにもいることがあります。

合唱で英語を歌うときの、カタカナとの付き合い方

カタカナは「はじめの手がかり」

英語の曲を練習しはじめたころは、楽譜にカタカナでふりがなを書くと、ことばを追いやすくなります。カタカナを使うこと自体は、悪いことではありません。

ただ、カタカナは日本語の音でできているので、英語の音をそのままあらわすことはできません。カタカナどおりに歌うと、日本語のような、のっぺりした英語に聞こえてしまうことがあります。

カタカナだけで歌うと起こりやすいこと

  • ことばの終わりに、よけいな母音がついてしまう(たとえば「and」が「アンド」になる)
  • 英語にある強い音と弱い音の差が、なくなってしまう
  • 日本語にない音が、ちがう音におきかわってしまう

「アンド」と書くと、さいごに「ド」という音がはっきり出てしまいます。英語の「and」では、さいごの d に母音をつけず、舌を上の歯ぐきに軽くあててとめるような音になります。

カタカナを使うときの工夫

カタカナを書くときは、次のような工夫をすると、英語の音に近づけやすくなります。

  • 母音をつけない子音は、小さい文字で書く(「アン」のあとに小さく「ド」など)
  • 強く言うところに、しるしをつける
  • お手本の音をよく聞き、カタカナとちがうところに気づいたら書きなおす

楽譜への書きこみは、えんぴつでうすく書いておくと、あとでなおしやすくなります。練習が進んで口がなれてきたら、少しずつカタカナを見ないで歌えるようにしていきましょう。

母音をそろえるコツ

英語の母音は、日本語より種類が多様

日本語の母音は「あ・い・う・え・お」ですが、英語には、そのあいだのような音や、二つの音がつながった音があります。たとえば「light」の「ライ」の母音の部分は、「ア」から「イ」へうつっていくような音です。

合唱では、この「うつっていく音」をどのタイミングでうつすかを、みんなでそろえることが大切です。

二つの母音がつながる音は、はじめの音を長めに

「light」や「day」「go」のように、二つの母音がつながる音を歌うときは、はじめの音を長めにたもち、さいごに軽くうつるようにすると、合唱ではきれいにそろいやすくなります。

たとえば「day」を長くのばす場所なら、「デー」と「エ」をのばしてから、音の終わりにだけ軽く「イ」をそえます。早く「イ」にうつってしまう人と、ずっと「エ」の人がまじると、ひびきがにごって聞こえることがあります。

どこでうつるかは、指揮者の方針で決まることもあります。練習のときに、みんなで確認しておきましょう。

口の形を、みんなで見せあう

母音をそろえるには、口の形をそろえるのが近道です。

  • 鏡を見ながら、同じことばを言ってみる
  • となりの人と、口の形を見せあう
  • パートごとに前に出て、ほかのパートに見てもらう

口の形がそろうと、声のひびきもそろいやすくなります。合唱の発声練習で母音をそろえる練習をしておくと、英語の曲にもつながります。合唱の発声練習メニュー。合唱部やクラス合唱で、みんなの声をそろえる練習

子音をそろえるコツ

ことばのはじめの子音は、少し早めに

英語は、子音がはっきりしていることばです。合唱で英語を歌うときは、ことばのはじめの子音を、音の頭より少しだけ早めに出し、母音が拍にのるようにすると、リズムがそろって聞こえやすくなります。

たとえば「sing」の s や、「love」の l は、母音より前に準備しておくイメージです。

日本語にない音に気をつける

英語には、日本語にない音があります。合唱でとくにそろえたいのは、次のような音です。

  • th の音:舌の先を上の歯に軽くあてて、息を出す(「the」「think」など)
  • r の音:舌の先を、口の中のどこにもつけずに、少し後ろにひく(「right」など)
  • l の音:舌の先を、上の歯のうらの歯ぐきのあたりにつける(「light」など)
  • v の音:上の歯を下のくちびるに軽くあてる(「voice」など)

「right」と「light」は、カタカナではどちらも「ライト」になってしまいますが、英語では別のことばです。合唱で歌うときも、ちがいがわかるように練習しておくと、歌詞の意味がきちんと伝わります。

子音は強くしすぎない

子音をはっきり言おうとして、強く出しすぎると、声のひびきがとぎれてしまうことがあります。とくに s の音は、全員が強く出すと「スー」という音が目立ってしまいます。

合唱団によっては、s の音を出す人を何人かにしぼったり、短めにしたりして、聞こえ方を調整することもあります。こうした細かい決まりは、指揮者の指示に合わせてください。

ことばの終わりの音をそろえる

終わりの子音の「タイミング」をそろえる

合唱の英語で、とくにばらばらになりやすいのが、ことばの終わりの子音です。「night」の t や、「heart」の t、「and」の d などを、だれがいつ言うかで、聞こえ方が大きくかわります。

指揮者が手でしめすタイミングに合わせて、みんなで同じときに子音を出すと、ことばがすっきりと聞こえます。

終わりの子音に、母音をつけない

さきほどのカタカナの話と同じで、ことばの終わりの子音に母音をつけて、「ト」「ド」「ス」のように歌わないことも大切です。終わりの子音は、息で軽くそえるくらいのイメージにすると、英語らしい音になります。

ことばのつながりも、みんなで決める

英語では、前のことばの終わりと、次のことばのはじめがつながって聞こえることがあります。たとえば「and I」は、つなげて歌うと「アンダイ」のように聞こえます。

つなげるかどうか、どこで息をすうかは、みんなで決めておきましょう。ある人はつなげ、ある人は切って歌うと、ことばがにごってしまいます。

英語の合唱曲を、みんなで練習するときの流れ

ステップ1 ことばの意味を知る

まずは、歌詞が何を言っているのかを知ることからはじめましょう。意味がわかると、強く言うところ、やさしく言うところが見えてきます。訳を配ったり、みんなで意味を話しあったりするのもよい方法です。

ステップ2 ことばだけをゆっくり読む

メロディをつけずに、ことばだけをゆっくり読みます。指揮者や先生のあとに続けて、同じ読み方でまねしていくと、発音がそろいやすくなります。

ステップ3 リズムにのせて読む

次に、曲のリズムにあわせて、ことばを読んでいきます。手びょうしをしながら読むと、子音を出すタイミングがつかみやすくなります。

ステップ4 母音だけで歌ってから、ことばをつける

いきなりことばをつけて歌うのがむずかしいときは、ことばの母音だけでメロディを歌ってから、子音をくわえていく方法もあります。ひびきがそろった状態から、少しずつことばをのせていくイメージです。

自分のパートの音を早くおぼえる練習とあわせると、ことばの練習にも集中しやすくなります。合唱の音取りのやり方。自分のパートを早くおぼえる練習のコツ

お子様が英語の合唱曲を歌うとき

学校や子どもの合唱団で、お子様が英語の曲を歌うこともあります。おうちでは、発音を細かくなおすよりも、お子様が歌っている英語を楽しんで聞いてあげてください。

発音の決まりは、先生や指揮者が合唱全体を見て決めています。おうちでちがう読み方を教えてしまうと、お子様がまよってしまうこともあるので、「先生はどう言っていた?」と聞いてみるくらいがちょうどよいかもしれません。

のどをいたわりながら練習する

英語の子音をはっきり出そうとして、のどに力が入ってしまうことがあります。子音は、おもに舌やくちびる、歯などを使って作る音です。のどがつかれたと感じたら、いったん休みましょう。

痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

まとめ

  • 合唱の英語では、正しく言うことと同じくらい、みんなでそろえることが大切
  • 発音の決まりは、指揮者や先生に合わせる
  • カタカナは、はじめの手がかりとして使い、少しずつはなれていく
  • 二つの母音がつながる音は、はじめの音を長めにたもつ
  • ことばのはじめの子音は少し早めに、終わりの子音はタイミングをそろえる
  • ことばのつながりや息つぎの場所も、みんなで決めておく
  • ことばの意味を知る、ことばだけで読む、リズムにのせる、という順で練習する

英語の合唱曲は、ことばがそろったとき、とても気持ちよくひびきます。合唱や歌をもっと学びたい方は、近くの教室もさがしてみてください。歌の教室さがし

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