歌の絵本・紙芝居で、歌を楽しむ。お子様と読みながら歌う工夫
「歌の絵本を、子供といっしょに楽しみたい」 「歌える絵本って、どうやって読めばいいの?」 「紙芝居を見せながら、歌も歌ってみたい」
お子様に絵本を読む時間の中で、こんなふうに思うお父様・お母様もいらっしゃると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
歌の絵本は、ページをめくりながら、そこにかかれた歌を歌って楽しむ絵本です。絵を見ることで、歌の中に出てくる場面や生きものが目にうかび、お子様が歌の世界に入りやすくなります。紙芝居も、ひと場面ずつ見せながら歌を入れると、お話と歌の両方を楽しめます。
この記事では、歌の絵本や紙芝居を使って、お子様と歌を楽しむ工夫をまとめました。上手に歌うことよりも、親子で絵を見ながら、ことばと歌をいっしょに味わう時間を大切にしています。
歌の絵本で子供と歌うよさ
絵があると、歌の場面が思いうかぶ
歌のことばだけを聞いていると、小さなお子様には、何を歌っているのかわかりにくいことがあります。絵本の絵があると、「この歌は、うさぎさんのお話なんだ」「ここは海なんだね」と、歌の中の場面が目に見えるようになります。
場面が思いうかぶと、歌に気持ちをこめやすくなります。歌う声にも、自然とやさしさや元気さがあらわれることがあります。
ことばと歌を、いっしょに覚えやすい
絵とことばがならんでいると、歌のことばを思い出す手がかりがふえます。「この絵のところは、こう歌うんだったね」と、ページをめくるたびに思い出せるので、歌のことばが少しずつ身近になっていきます。
歌のことばを早く覚えるコツは、こちらの記事でも紹介しています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
読む時間が、歌の時間にかわる
ふだんの読み聞かせの時間に、歌の絵本を一冊まぜるだけで、そのまま歌の時間になります。「歌の練習をしよう」と身がまえなくても、自然に歌にふれられるのがよいところです。
歌える絵本・紙芝居のえらび方
お子様が知っている歌から
はじめは、お子様がすでに知っている歌や、ふだん口ずさんでいる歌がのっている絵本をえらぶと、楽しみやすくなります。知っている歌だと、絵本を開いたとたんに「この歌、知ってる!」と、うれしそうな顔を見せてくれることもあります。
年れいに合った長さのもの
小さなお子様には、一冊が短く、ひとつのページに少しだけ歌のことばがのっているものが楽しみやすいことがあります。少し大きくなったら、お話の流れがある、少し長めの絵本や紙芝居にも挑戦してみてください。
絵が見やすいもの
絵がはっきりしていて、場面がわかりやすいものをえらぶと、お子様も歌の中身を想像しやすくなります。図書館で、いろいろな歌の絵本を手にとって、お子様が気に入ったものをえらんでみるのもよい方法です。
音が出る絵本も楽しい
ボタンをおすと歌が流れる、音の出る絵本もあります。お父様・お母様が歌に自信がないときでも、いっしょに歌いやすいのがよいところです。音の大きさは、お子様の耳に合わせて、ひかえめにしてください。
歌の絵本・紙芝居と合わせやすい歌
ここでは、むかしから歌われてきた童謡・唱歌の中から、絵本や紙芝居と合わせて楽しみやすい歌をえらびました。歌詞は、歌の本や園の先生などから、ご家庭に合ったものを確かめてみてください。
むかし話をもとにした唱歌
むかし話をもとにした唱歌は、お話の絵本や紙芝居と組み合わせて楽しめます。
- 桃太郎
- 金太郎
- 浦島太郎
- うさぎとかめ
- 花咲爺
まずはお話の絵本や紙芝居を読み、そのあとで歌を歌ってみてください。お話を知っていると、歌のことばの意味がわかりやすくなります。反対に、歌を先に歌ってから、「どんなお話か、見てみようか」と絵本を開くのもよい方法です。
生きものが出てくる童謡
生きものが出てくる童謡は、絵本の絵と合わせると、より楽しくなります。
- ぞうさん
- いぬのおまわりさん
- やぎさんゆうびん
- めだかの学校
生きものの絵を指さしながら歌ったり、出てくる生きものの鳴き声をまねしたりすると、お子様も参加しやすくなります。
自然や季節を歌った童謡
- しゃぼん玉
- 大きな栗の木の下で
- たきび
自然や季節の歌は、絵本の色や景色を見ながら歌うと、歌の世界がいっそう広がります。季節の歌については、こちらの記事でもまとめています。子どもと歌いたい季節の童謡・唱歌|春夏秋冬の歌と、歌い方のコツ
読みながら歌うコツ
はじめは、お父様・お母様がゆっくり歌う
最初は、お父様・お母様がゆっくり歌って聞かせてください。お子様は、絵を見ながら、歌を聞いているだけでもだいじょうぶです。何回か聞くうちに、知っているところから、少しずつ声を合わせてくれることがあります。
ページをめくる「間」を大切にする
歌の区切りでページをめくるとき、少し「間」をとると、お子様が次の絵をじっくり見る時間ができます。「次は、どんな絵かな」と、わくわくしながらページをめくるのも、歌の絵本ならではの楽しさです。
紙芝居のときは、ゆっくり紙をぬきながら歌うと、場面がかわるようすを楽しめます。
絵を指さしながら歌う
歌のことばに合わせて、絵の中のものを指さすと、お子様はことばと絵を結びつけやすくなります。「ここに、ぞうさんがいるね」と声をかけながら歌うと、いっしょに絵をさがす楽しさも生まれます。
お子様に、歌う役をまかせてみる
慣れてきたら、決まったところだけお子様が歌う、という役を作ってみてください。
- くりかえしのところだけ、お子様が歌う
- 生きものの名前のところで、お子様が声を出す
- 最後のことばを、お子様が歌う
「ここは自分の番」とわかっていると、お子様は楽しみに待つようになります。
歌のことばの意味を、いっしょに考える
むかしの歌には、いまではあまり使わないことばが出てくることがあります。絵を見ながら、「これは何だろうね」と、いっしょに考えてみてください。わからないことばは、お父様・お母様がやさしく言いかえて伝えると、歌の中身がわかりやすくなります。
童謡の昔のことばの伝え方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。童謡の昔のことばを子どもに伝える。意味のしらべ方と、気持ちのこめ方
家や園で、歌の絵本を楽しむ工夫
ねる前の、ゆったりした時間に
ねる前の読み聞かせに、歌の絵本を取り入れることもできます。このときは、元気な歌よりも、ゆったりした歌をえらび、小さめの声でやさしく歌ってみてください。
手あそびや体の動きとあわせて
歌の絵本を読んだあとに、同じ歌で手あそびや体の動きをつけて遊ぶと、さらに歌の世界が広がります。絵本で場面を知ってから体を動かすと、「この動きは、絵本のあの場面だね」と、お子様も楽しく思い出せます。
園では、みんなで声をそろえて
園で紙芝居を見せながら歌うときは、みんなで声をそろえる楽しさがあります。先生が歌い、子どもたちがくりかえしのところを歌うなど、役を分けると盛り上がります。歌い終わったあとに、「どの場面が好きだった?」と話し合うのも楽しい時間になります。
お子様が、読み手になってみる
お子様が少し大きくなったら、お子様が絵本を持ち、お父様・お母様に読んで聞かせる役をしてもらうのもよい方法です。絵を見せながら歌うことで、「だれかに歌を届ける」という楽しさを感じられることもあります。
手作りの歌の絵本を作る
好きな歌の場面を、お子様といっしょに絵にかいて、手作りの歌の絵本を作ってみるのも楽しいものです。紙を何枚か重ねてとじるだけで、立派な一冊になります。自分でかいた絵を見ながら歌うと、歌への愛着がさらにわいてきます。
歌の絵本を楽しむときに大切にしたいこと
上手に歌うことより、楽しむことを
音程が合わない、歌のことばをまちがえる、ということがあっても、すぐに直さなくてだいじょうぶです。歌の絵本の時間は、親子でいっしょに楽しむ時間です。お子様が楽しそうに歌っていたら、それでじゅうぶんです。
お子様のペースに合わせる
同じ絵本を何度も読んでほしがることもあれば、途中であきてしまうこともあります。どちらも、自然なことです。お子様のようすを見ながら、読む長さや回数を合わせてあげてください。
のどに無理をさせない
楽しくなって、大きな声を出しすぎてしまうこともあります。お子様が楽に出せる声の大きさで歌い、のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。
まとめ
- 歌の絵本や紙芝居は、絵を見ながら歌えるので、歌の場面が思いうかびやすい
- お子様が知っている歌、年れいに合った長さ、絵が見やすいものからえらぶ
- 桃太郎、金太郎、浦島太郎、うさぎとかめ、花咲爺などのむかし話の唱歌は、お話の絵本や紙芝居と合わせやすい
- ぞうさん、いぬのおまわりさん、やぎさんゆうびん、めだかの学校、しゃぼん玉、大きな栗の木の下で、たきびなども楽しめる
- ゆっくり歌う、ページをめくる間を大切にする、絵を指さす、歌う役をまかせる
- 上手さより、親子で楽しむことを大切にする
絵本といっしょに歌う時間が楽しくなったら、お子様の歌声を、ほかの方に聞いてもらうのもひとつの楽しみ方です。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ