大人が童謡を歌う楽しみ。なつかしい歌を、もう一度ていねいに歌うコツ
「ふるさと」「赤とんぼ」「七つの子」。子どものころに歌った童謡や唱歌を、ふと口ずさむことはありませんか。大人になってから歌う童謡は、子どものころとはちがったひびき方をすることがあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、大人が童謡を歌う楽しみと、なつかしい歌をもう一度ていねいに歌うためのコツをまとめました。歌詞の味わい方、声の出し方、ひとりで楽しむ方法、仲間と楽しむ方法まで、大人の方に向けてお伝えします。
童謡と唱歌は、どうちがうのか気になる方は、こちらの記事もどうぞ。童謡と唱歌のちがいとは?かんたんにわかる歴史と、歌い方のちがい
大人が童謡を歌う楽しみとは
子どものころとはちがう景色が見えてくる
子どものころは、なんとなく歌っていた歌詞も、大人になって読みかえすと、ことばのひとつひとつに深い気持ちがこめられていることに気づくことがあります。ふるさとをはなれた人の思い、夕ぐれのさみしさ、季節のうつりかわり。いろいろな経験をしてきた大人だからこそ、歌の景色がよりはっきりと見えてくることもあります。
短い歌だから、ていねいに向き合える
童謡や唱歌には、短い歌もあります。短い歌は、すぐに歌いおわってしまうぶん、ひとつのことば、ひとつの音を、じっくり大切にすることができます。どこで息をすうか、どのことばをやさしく歌うか、と考えながら歌うのは、大人ならではの楽しみです。
気持ちがほっとする
なつかしい歌を歌うと、子どものころの思い出がよみがえり、気持ちがやわらぐことがあります。いそがしい毎日のなかで、少しのあいだ歌に気持ちをあずけてみると、ほっとひと息つける時間になるかもしれません。
世代をこえて歌える
童謡や唱歌は、お子様やお孫さんといっしょに歌える歌でもあります。大人が楽しそうに歌っている姿は、まわりの人にも歌の楽しさを伝えてくれます。
なつかしい童謡を、もう一度歌うための準備
歌いたい歌をえらぶ
まずは、自分が歌いたいと思う歌をえらんでみてください。
- 子どものころに歌った思い出のある歌
- 今の季節に合った歌(春なら「春の小川」や「朧月夜」、秋なら「紅葉」や「赤とんぼ」など)
- メロディーがすきで、ずっと心に残っている歌
「上手に歌えそうかどうか」より、「歌いたいかどうか」を大切にすると、練習が楽しくなります。
歌詞を、声に出して読んでみる
歌う前に、歌詞を声に出して、ゆっくり読んでみてください。
- 知らないことばや、昔のことばがあれば、意味を調べる
- 歌詞の場面を、頭の中で思いうかべる
- だれが、どんな気持ちで歌っているのかを考える
ことばの意味がわかると、自然と歌い方がかわってくることがあります。歌詞をおぼえるのが不安な方は、こちらの記事のコツも参考にしてみてください。大人が歌詞を早くおぼえるコツ。覚えられないときに、仕事や家事のあいまにできる方法
歌の情景を、自分のことばで書いてみる
歌詞を読んで、うかんだ景色や気持ちを、ノートに自分のことばで書いてみるのもよい方法です。
- どんな季節の、どんな時間の場面か
- まわりには、どんな音やにおいがありそうか
- 歌っている人は、うれしいのか、さみしいのか
むずかしく考えなくてかまいません。思いついたことをひとことずつ書いておくだけでも、歌うときに、その景色を思い出しやすくなります。同じ歌でも、人によって思いうかべる景色がちがうのも、童謡のおもしろいところです。
メロディーを、あらためて聞く
なつかしい歌は、おぼえているつもりでも、メロディーやリズムがいつのまにか自分流にかわっていることがあります。楽譜や音源で、あらためてメロディーをたしかめてみると、新しい発見があるかもしれません。
なつかしい歌を、ていねいに歌うコツ
ことばを、はっきり、やさしく
童謡は、ことばがとても大切な歌です。ひとつひとつのことばが、聞いている人に届くように歌ってみてください。
- 口をしっかり動かして、母音(あいうえお)をはっきり出す
- ことばの終わりを、ぽいっと投げださず、ていねいにおさめる
- 小さな「っ」や、のばす音の長さに気をつける
大きな声で歌わなくても、ことばがはっきりしていれば、歌の気持ちは伝わります。
息つぎの場所を決めておく
大人が歌うときは、ことばのまとまりで息つぎをすると、歌の意味が伝わりやすくなります。歌詞を読みながら、「ここで息をすう」という場所に、えんぴつでしるしをつけておくのもよい方法です。
息がもたないところは、無理をせず、少し前で息をすっておくと、あわてずに歌えます。
声を、ふわっと上にのせる
童謡や唱歌には、高い音でゆったりのばすところがある歌もあります。高いところで、のどに力を入れて声をおしだそうとすると、声がかたくなることがあります。
- 背すじを、楽にのばす
- 肩の力をぬく
- 高い音ほど、声を前に、ふわっとのせるイメージで歌う
高いところがつらいときは、音の高さ(キー)を下げて歌ってもかまいません。自分の声が気持ちよく出る高さで歌うことが大切です。
強弱をつけて、歌に表情を
同じ大きさで最後まで歌うより、少しだけ強弱をつけると、歌に表情が出てきます。たとえば、歌のはじまりはやさしく、気持ちが高まるところは少しふくらませて、さいごはしずかにおさめる、といった工夫です。
楽譜に強弱の記号があれば、それを参考にしてもよいですし、歌詞の気持ちから自分で考えてもかまいません。
だれかに語りかけるように歌う
童謡は、もともと子どもに語りかけるように作られた歌でもあります。目の前に小さな子がいて、その子にお話を聞かせるようなつもりで歌ってみてください。
声を大きく出そうとするより、やわらかく、ゆっくり伝えようとすると、ことばに自然な表情がついてくることがあります。早口にならないよう、ことばとことばのあいだを、ていねいにつなぐことも意識してみてください。
自分の声を録音して聞いてみる
歌ったあとに録音を聞いてみると、ことばの聞こえ方や、息つぎの場所など、歌っているときには気づかなかったことがわかることがあります。はじめは自分の声に照れてしまうかもしれませんが、何回か聞くうちになれてきます。
大人が童謡を楽しむ、いろいろな方法
ひとりで、自分のペースで楽しむ
家で、好きな歌をひとりで歌うのも、すてきな楽しみ方です。
- 朝や夕方など、気持ちのよい時間に、短く歌う
- 季節ごとに、その季節の歌を一曲えらんで歌う
- 歌った日のことを、ノートにひとことメモしておく
ひとりなら、まわりを気にせず、自分のペースで歌えます。
仲間といっしょに歌う
童謡や唱歌は、みんなで声を合わせて歌うのにも向いている歌です。
- 地域の歌の会や合唱のサークルに参加する
- 家族やお友だちと、なつかしい歌を歌う時間をつくる
- 歌の教室で、先生といっしょに歌い方を見なおす
だれかと声を合わせると、ひとりで歌うときとはちがう楽しさがあります。
歌の先生に習ってみる
「ていねいに歌いたい」と思ったら、歌の先生に習ってみるのもひとつの方法です。声の出し方や、ことばの歌い方を、自分の声に合わせて教えてもらえます。教室によって、レッスンの内容や雰囲気はちがいますので、体験レッスンで、自分に合うかどうかをたしかめてみてください。
目標をつくって歌う
歌うことになれてきたら、発表会や、大人が出られる童謡のコンクールを目標にしてみるのもよいですね。大人の童謡・唱歌のコンクールについては、こちらの記事で紹介しています。おとなのための童謡・唱歌コンクールとは?部門・日程・参加費・課題曲と、動画で出るときの準備
歌うときに気をつけたいこと
のどに無理をさせない
ひさしぶりに歌うときは、いきなり長い時間歌わず、短い時間からはじめてみてください。歌う前に、首や肩をゆっくり回したり、ハミングをしたりして、体と声をほぐしておくと、歌いやすくなります。
歌ったあとに、のどの痛みや声のかすれがしばらく続くときは、無理をせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
上手に歌おうとしすぎない
「昔のように声が出ない」「思ったように歌えない」と感じることもあるかもしれません。でも、大人の童謡の楽しみは、上手かどうかだけではありません。今の自分の声で、ことばを大切に歌うことに、大人ならではの味わいがあります。
まとめ
- 大人が童謡を歌うと、子どものころとはちがう景色が見えてくることがある
- 歌いたい歌をえらび、歌詞を声に出して読んで、意味や場面を味わう
- ことばをはっきり、やさしく歌い、息つぎの場所を決めておく
- 高い音は無理をせず、キーを下げてもよい
- 強弱をつけたり、録音して聞いたりすると、歌に表情が出てくる
- ひとりでも、仲間とでも、先生に習っても楽しめる
- のどに痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
なつかしい童謡を、もう一度ていねいに歌ってみたいと思ったら、近くの歌の教室をさがしてみるのもよいかもしれません。歌の教室さがしまた、目標をもって歌を楽しむ場として、こんなコンクールもあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ