大人が歌詞を早くおぼえるコツ。覚えられないときに、仕事や家事のあいまにできる方法
「歌はすきなのに、歌詞がなかなか覚えられない」 「若いころは、すぐに覚えられた気がするのに」
大人になってから歌を習ったり、合唱や発表会で歌ったりするようになると、こんなふうに感じる方は多いと思います。仕事や家のことでいそがしく、ゆっくり練習する時間がとれないと、なおさらですよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、大人の方が日本語の歌の歌詞を覚えるときのコツを、まとめてお話しします。歌詞の覚え方は、大人ならではの工夫があります。まとまった時間がなくても、通勤や家事のあいまにできる方法を中心にえらびました。
歌詞が覚えられないのは、やる気がないからでも、年のせいだけでもありません。覚え方を少しかえるだけで、ぐっとらくになることがあります。
大人が歌詞を覚えられないと感じるわけ
まとまった時間がとりにくい
大人は、毎日の予定がつまっていることが多いです。「休みの日にまとめて覚えよう」と思っても、なかなかその時間がとれません。そして、あいだがあくと、せっかく覚えたところも、うすれていきます。
「見ればわかる」ので、つい見てしまう
大人は字を読むのが早いので、歌詞カードを見ればすらすら歌えます。そのため、「覚えたつもり」になりやすいのです。見ないで歌ってみてはじめて、「あれ、出てこない」と気づくことがよくあります。
にた歌詞が何回も出てくる
歌には、1番と2番で、ことばが少しだけちがうところがよくあります。メロディは同じなのに、ことばだけがちがうので、まざりやすくなります。これは、大人でも子どもでも、多くの人がつまずくところです。
「まちがえたらどうしよう」というあせり
大人は、まちがえることをはずかしく感じやすいものです。あせる気持ちが強いと、かえって頭に入りにくくなることがあります。
歌詞を覚える前にしておきたいこと
曲の流れを、地図のようにつかむ
いきなり1行めから覚えはじめる前に、曲ぜんたいの流れを見てみましょう。
- 1番、2番、3番と、何番まであるか
- サビ(いちばんもり上がるところ)はどこか
- 同じことばがくりかえされるところはどこか
- 1番と2番で、ちがうところはどこか
このように、曲の「地図」を先に頭に入れておくと、いま自分がどのあたりを歌っているのかがわかりやすくなります。
歌詞を、自分の手で書きうつす
歌詞をノートや紙に、自分の手で書きうつしてみましょう。手を動かすと、目で見るだけのときより、ことばにじっくり向き合えます。
書きうつすときは、1番と2番をとなりにならべて書くのもおすすめです。ちがうところが、ひと目でわかります。
ことばの意味と場面を思いうかべる
歌詞には、ものがたりや景色があります。「どんな季節かな」「だれに向けたことばかな」と、場面を思いうかべながら読んでみてください。
意味がわかると、ことばの順番が自然につながります。「なぜここで、このことばが来るのか」がわかれば、まちがえにくくなります。わからない古いことばがあれば、辞書でしらべておくと安心です。
歌詞の読みこみ方は、こちらの記事にもまとめています。歌に気持ちをこめるには?歌詞の読みこみ方と、表情・声の色のつけ方
すきま時間でできる歌詞の覚え方
通勤や移動の時間は「聞く」と「心の中で歌う」
電車やバスに乗っている時間は、歌詞を覚えるのにぴったりです。イヤホンで曲を聞きながら、心の中でいっしょに歌ってみましょう。声を出さなくても、頭の中でことばを追うだけで練習になります。
なれてきたら、歌詞カードを見ずに、曲だけを聞いて、つぎのことばを思い出してみてください。思い出せないところがあったら、そこが「にがてなところ」です。
家事をしながら口ずさむ
おさらあらいや、せんたくものをたたむ時間、料理をしている時間など、手は動いていても、口や頭は空いていることがあります。そんなときに、小さな声で口ずさんでみましょう。
大きな声で歌わなくてもだいじょうぶです。ことばを口に出すことで、目で見るだけよりも、体に入っていきやすくなります。
ねる前に「思い出すだけ」の時間をつくる
ねる前に、ふとんの中で、その日に練習したところを思い出してみましょう。歌詞カードは見ずに、頭の中で歌うだけです。
出てこないところがあっても、気にしなくてだいじょうぶです。あしたの朝、そこだけ歌詞カードでたしかめれば、それでじゅうぶんです。
スマホの画面に「はじめの文字」だけおく
歌詞をぜんぶ書くのではなく、それぞれの行のはじめの1文字か2文字だけを、スマホのメモに書いておく方法もあります。
ちょっとした待ち時間に、そのメモを見て、つづきのことばを思い出してみましょう。ぜんぶ書いてあると、ただ読むだけになってしまいますが、はじめの文字だけなら、自分で思い出す練習になります。
覚えにくいところの工夫
1番と2番のちがいに、しるしをつける
まざりやすいところは、歌詞カードに色ペンでしるしをつけておきましょう。たとえば、1番は青、2番は赤のように、色を分けておくと、頭の中でも区別しやすくなります。
「1番は春のことば、2番は夏のことば」のように、自分なりのちがいを見つけておくのもよい方法です。
小さく区切って、少しずつ
1曲を一度に覚えようとすると、たいへんです。まずは1番のはじめの2行、つぎの2行、というように、小さく区切って覚えていきましょう。
区切ったところが覚えられたら、前のところとつなげて歌ってみます。少しずつつなげていくと、さいごには1曲が通して歌えるようになります。
うしろから覚えるのもひとつの方法
はじめから順番に練習すると、さいしょのほうばかり何回も歌うことになり、うしろのほうがうすくなりがちです。
そこで、さいごの部分から先に覚えて、だんだん前にもどっていく方法もあります。こうすると、曲のさいごまで、同じくらい練習できます。
「聞く」「口に出す」「書く」を組み合わせる
1つの方法だけでなく、いくつかを組み合わせると、覚えやすくなります。
- 通勤中に聞く
- 家事をしながら口に出す
- 週に一度、何も見ずに書き出してみる
書き出してみると、思いこみでちがうことばを覚えていたことに気づくこともあります。
覚えたかどうかをたしかめる
何も見ずに歌って、録音してみる
覚えたと思ったら、歌詞カードをとじて、さいごまで歌ってみましょう。スマホで録音しておくと、あとで歌詞カードと聞きくらべて、まちがえたところがわかります。
止まってしまったところや、ことばがあいまいになったところには、しるしをつけておき、つぎの練習で重点的にくりかえします。
人に聞いてもらう
家族や友だち、教室の先生に聞いてもらうのも、よいたしかめ方です。人の前で歌うと、ひとりのときより少し緊張します。その中でも歌えるかどうかを知っておくと、本番の安心につながります。
本番前に気をつけたいこと
前の日につめこみすぎない
本番の前の日に、あわてて何回も歌いこむと、のどがつかれてしまうことがあります。歌詞の確認は、声を出さずに頭の中で歌うだけでもできます。のどを休めながら、ことばだけをたしかめてみてください。
ことばが出てこなかったときのことも考えておく
どんなに覚えても、本番で緊張して、ことばがとんでしまうことはあります。そうなったときに、あわてずに歌いつづけるための準備をしておくと、気持ちがらくになります。くわしくは、こちらの記事にまとめています。本番で歌詞を忘れた・まちがえたとき。あわてないための準備と、その場での立て直し方
楽譜を見て歌ってよい場もある
合唱や歌の会など、楽譜や歌詞を見ながら歌ってよい場もあります。暗記することがきまりかどうかは、本番の内容によってちがいます。先に主催の方や先生にたしかめておくと、むだにあせらずにすみます。
まとめ
- 大人が歌詞を覚えられないのは、時間のなさや「見ればわかる」ことなど、大人ならではのわけがある
- 覚える前に、曲の流れをつかみ、歌詞を書きうつし、意味と場面を思いうかべる
- 通勤中は聞いて心の中で歌う、家事のあいまは口ずさむ、ねる前は思い出すだけ
- まざりやすいところは色でしるしをつけ、小さく区切って少しずつ覚える
- 何も見ずに歌って録音し、まちがえたところをくりかえす
- 本番の前の日はのどを休め、頭の中でことばをたしかめる
歌詞が覚えられないと感じても、毎日のすきま時間を少しずつ使えば、だんだん歌えるところがふえていきます。ひとりでの練習がむずかしいと感じたら、先生にみてもらうのもひとつの方法です。通いやすい教室は、こちらでさがせます。歌の教室さがし練習した歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ