本番で歌詞を忘れた・まちがえたとき。あわてないための準備と、その場での立て直し方
「本番で歌詞を忘れたら、どうしよう」 「発表会で歌を間違えたとき、とちゅうで止まってしまった」
歌の本番では、どんなに練習していても、歌詞がとんだり、入るところをまちがえたりすることがあります。これは、お子様でも、大人の方でも、だれにでも起こりうることです。大切なのは、まちがえないことだけではなく、まちがえたあとに、どう立て直すかです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、本番で歌詞を忘れたときや、まちがえたときにしぼって、あわてないための準備と、その場での立て直し方をまとめます。歌詞をおぼえるコツについては、こちらの記事でくわしくお話ししています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
まず知っておきたいこと
まちがいは、思ったより目立たない
歌っている本人は、「大きなまちがいをしてしまった」と感じても、聞いている人は、気づかないことも多いです。とくに、歌詞のことばが1つ入れかわったくらいなら、そのまま歌いつづければ、ほとんどわからないこともあります。
いちばん目立つのは「止まること」
聞いている人にとって、いちばん目立つのは、まちがいそのものより、歌が止まってしまうことや、本人があわてた顔をすることです。だからこそ、「まちがえても、止まらずに続ける」ことを、前もって決めておくと心強くなります。
審査でも、全体を聞いてもらえる
コンクールでは、1か所のまちがいだけで、すべてが決まるわけではないことが多いです。声や、音楽の流れ、表現など、全体を聞いてもらえます。小さなまちがいで、あきらめなくてだいじょうぶです。
まちがえやすいところを、前もって見つける
よくあるのは、こんなところ
- 1番と2番で、ことばがにている場所
- 同じメロディーで、歌詞だけがちがう場所
- 長い前奏や間奏のあとの、歌い出し
- 息つぎが短く、あわてやすい場所
- 曲の後半で、つかれてくる場所
楽譜や歌詞カードにしるしをつける
まちがえやすい場所がわかったら、楽譜や歌詞カードに、色えんぴつでしるしをつけておきましょう。1番と2番のちがうことばだけ、色をかえて書いておくのも、わかりやすい方法です。
「ことばの順番」をストーリーにする
1番、2番、3番のことばの流れを、短いお話のようにして、まとめておくと、どの番を歌っているのかわからなくなることがへります。お子様なら、絵をかいて順番をおぼえるのもよいですね。
もしものときの練習をしておく
1 とちゅうからでも歌い出せるようにする
いつも曲のはじめから練習していると、とちゅうでつまずいたとき、どこから歌えばいいのか、わからなくなります。
- 2番のはじめから
- 間奏のあとから
- さびの部分から
このように、いろいろな場所から歌い出す練習をしておくと、もしものときに戻りやすくなります。
2 「止まらない練習」をする
家での練習のとき、まちがえても、わざと止まらずに最後まで歌いきる練習をしてみましょう。ふだん、まちがえるたびに止まってやりなおしていると、本番でも、つい止まってしまいやすくなります。
3 ことばが出ないときの「つなぎ方」を決めておく
歌詞がとんでしまったときに、どうするかを先に決めておくと、あわてにくくなります。
- 1番の歌詞をもう一度歌う
- 「ラ」などで、メロディーだけ歌う
- 次のフレーズまで、口をとじてメロディーを心で歌い、つぎから入る
どれをえらぶかは、曲や場面によってちがいます。先生とも相談してみてください。
4 伴奏だけを聞いて、今どこかわかるようにする
伴奏を聞いただけで、「今は2番の前だ」とわかるようにしておくと、迷子になりにくくなります。伴奏だけを流して、メロディーを心の中で歌う練習もおすすめです。
その場での立て直し方
歌詞を忘れたとき
- 表情をかえずに、メロディーだけでも続ける
- ことばが思い出せたところから、また歌詞をつける
- 前を向いたまま、伴奏をよく聞く
いちばん大切なのは、顔をあげたままでいることです。下を向いたり、首をかしげたりすると、聞いている人にも、まちがえたことが伝わりやすくなります。
入るところをまちがえたとき
早く入ってしまったり、おくれてしまったりしたときは、むりに合わせようとせず、次のフレーズの頭で、伴奏に合わせなおしましょう。ピアノの先生や伴奏者の方も、合わせてくれることが多いです。
音をはずしたとき
1つの音がはずれても、つぎの音で気持ちを切りかえれば、だいじょうぶです。はずした音を、もう一度歌いなおす必要はありません。
完全に止まってしまったとき
どうしても続けられなくなったときは、深く息をすって、伴奏をよく聞き、入れるところから歌いはじめましょう。発表会などでは、先生や伴奏者の方が、もう一度はじめから弾いてくれることもあります。会のきまりや進め方によってちがうので、前もって先生に聞いておくと安心です。
心の中で言うことばを決めておく
まちがえたときに、心の中で言うことばを決めておくのもよい方法です。
- 「だいじょうぶ、つぎ」
- 「前を向いて」
- 「伴奏を聞こう」
短いことばにしておくと、あわてたときにも思い出しやすくなります。
合唱や、ほかの人と歌うときにまちがえたら
まわりの声を聞いて、合わせなおす
合唱やデュエットでは、ひとりがまちがえても、まわりの人の声が助けになります。歌詞がとんだら、となりの人の声をよく聞いて、つぎのフレーズから入りなおしましょう。むりに大きな声で歌いつづけるより、少し声を小さくして、まわりに合わせるほうが自然です。
指揮者を見る
どこを歌っているのかわからなくなったら、指揮者を見ましょう。指揮の動きを見ると、曲のどこにいるのか、つぎにいつ入ればよいのかが、わかりやすくなります。
ひとりで責めない
みんなで歌うと、「自分のせいで」と気にしてしまう方もいます。でも、合唱は全体でひとつの音楽です。小さなまちがいは、まわりの声がつつんでくれることも多いので、ひとりで気にしすぎないでください。
お父様・お母様ができること
本番前の声かけ
本番の前に「まちがえないでね」と言うと、かえってまちがいが気になってしまうことがあります。
- 「まちがえても、最後まで歌えばいいよ」
- 「止まらずに続けられたら、それがいちばんすごいこと」
こんなふうに、まちがえてもだいじょうぶ、と伝えておくと、お子様の気持ちが楽になります。本番前の声かけについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
本番のあとの声かけ
まちがえてしまったお子様は、本人がいちばんくやしい思いをしています。終わったあとは、まず「よくがんばったね」と、さいごまで歌ったことをみとめてあげてください。まちがいについて話すのは、少し時間をおいてからでもおそくありません。
客席での表情
客席にいるお父様・お母様が、まちがえたしゅんかんに、おどろいた顔や、こまった顔をすると、お子様にも伝わります。にこにこと見守るだけで、お子様の安心につながります。
終わったあとのふりかえり
どこで、なぜまちがえたのかを見る
おちついてから、どこでまちがえたのか、なぜそうなったのかを、ふりかえってみましょう。
- 1番と2番がまざってしまった
- 前奏が長くて、入るところがわからなくなった
- 緊張して、頭がまっしろになった
理由がわかると、つぎの練習ですることが見えてきます。
「立て直せたこと」も、ほめる
まちがえたことだけでなく、そのあと続けられたことにも目を向けてください。「まちがえたけれど、最後まで歌えた」というのは、とても大きな力です。
録音や録画をいっしょに聞く
本番の録音や録画があれば、いっしょに聞いてみましょう。本人が思っていたより、まちがいが目立っていないことに気づくこともあります。
まとめ
- まちがいそのものより、止まることのほうが目立ちやすい
- まちがえやすいところを前もって見つけ、しるしをつけておく
- とちゅうから歌い出す練習、止まらない練習をしておく
- 歌詞がとんだら、顔をあげたまま、メロディーだけでも続ける
- お子様には「まちがえても、最後まで歌えばいい」と伝える
- 終わったあとは、立て直せたことも、きちんとみとめる
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