練習・発声のコツ

歌の練習、やる気が出ない日はどうする?大人のための、気持ちが乗らない日のすごし方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「今日は歌の練習をしようと思っていたのに、どうしても気持ちが乗らない」 「ボイトレを始めたのに、続かない自分がいやになる」 「歌はすきなはずなのに、練習となると腰が重い」

大人になってから歌を習っていると、こんな日があると思います。仕事や家のこと、体の調子など、大人には歌のほかにも考えることがたくさんあります。やる気が出ない日があるのは、ふしぎなことではありません。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、「歌の練習でやる気が出ない」と感じる大人の方に向けて、その日をどうすごすかにしぼってお話しします。うまくいかない時期が長く続くときのすごし方や、練習しても上手くならないと感じるときの見直し方は、べつの記事にまとめています。ここでは、もっと身近な「今日、なんとなく歌う気になれない」という日のための考え方と、小さな工夫をお伝えします。

やる気が出ないのは、なまけているからではない

大人の毎日は、それだけでつかれている

大人の歌の練習は、仕事や家事、家族の用事などをすませたあとの時間になることがあります。体も頭もつかれているときに、「さあ、声を出そう」と思うのは、それだけで大きな力がいります。

やる気が出ないのは、気持ちが弱いからではなく、すでにほかのことに力をつかっているからかもしれません。まずは「今日もよくがんばったな」と、自分をねぎらってあげてください。

歌は、体と気持ちの両方をつかう

歌は、息をすって、体をひびかせて、気持ちをこめる活動です。ただ座ってできることとはちがい、体と気持ちの両方が「よし」とならないと、始めにくいものです。

ねむい、肩がこっている、気分がしずんでいる。そんな日は、歌う気持ちになれなくても当たり前です。

「練習しなきゃ」が、重くなっていることもある

歌を習い始めたころは、楽しくて自然に歌っていたのに、いつのまにか「練習しなきゃ」「次のレッスンまでに仕上げなきゃ」と、義務のように感じていることがあります。

「しなきゃ」という気持ちが強くなるほど、歌うことがつらくなってしまうこともあります。やる気が出ないのは、そのサインかもしれません。

今日、やる気が出ない理由を見てみる

やる気が出ない日には、その日なりの理由がかくれていることがあります。むりに答えを出さなくてかまいませんが、少しだけ自分に聞いてみてください。

体の理由

  • ねむい、つかれている
  • おなかがすいている、または食べたばかり
  • 肩や首がこっている
  • のどが少しかわいている

体の理由のときは、気持ちでがんばるよりも、まず体をととのえるほうが近道です。お水を飲む、少し横になる、軽くのびをするなど、体が楽になることを先にしてみてください。

のどに痛みやかすれが続くときは、練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

気持ちの理由

  • 前のレッスンで、うまくできなかったことが気になっている
  • 録音した自分の声を聞いて、がっかりした
  • 何を練習すればいいのか、わからなくなっている
  • ほかに気になることがあって、集中できない

気持ちの理由のときは、「何を練習するか」がぼんやりしていると、さらに始めにくくなります。あとでお話しする「とても小さな練習」が、助けになることがあります。

時間や場所の理由

  • 時間がおそくて、声を出しにくい
  • 家族がいて、歌うのがはずかしい
  • 練習する場所が決まっていない

こうした理由のときは、その日の練習の形をかえてみるのもひとつの方法です。声を出さない練習や、短い時間でできることにきりかえると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。

気持ちが乗らない日にできる、とても小さな練習

やる気が出ない日は、「ちゃんと練習する」か「まったくしない」かの二つだけで考えなくてもだいじょうぶです。そのあいだに、とても小さな練習があります。

声を出さない練習

  • 好きな歌手の歌を、ただ聞く
  • 練習中の曲を流して、歌詞を目で追う
  • 楽譜を見ながら、心の中で歌う
  • 曲の気持ちや、歌っている場面を思いうかべる

声を出さなくても、曲にふれることで、次に歌うときのじゅんびになります。「今日は聞く日」と決めるだけでも、歌とのつながりはとぎれません。

ほんの少しだけ声を出す練習

  • ハミングで、好きなメロディーをなぞる
  • 「あー」と、楽な高さで長めに声を出してみる
  • お風呂で、鼻歌を歌う
  • 曲の中で、いちばん好きなところだけ歌う

「少しだけ」と決めて始めると、思ったより気持ちが乗ってきて、そのまま続けられることもあります。もちろん、少しだけでおしまいにしてもかまいません。

体をほぐすだけでもいい

肩を回す、首をゆっくりかたむける、深く息をはく。こうした体ほぐしだけでも、歌の練習につながる大切な時間です。体がほぐれると、気持ちも少しやわらいで、「ちょっと歌ってみようかな」と思えることがあります。

「今日はお休み」と決めてもいい

お休みも、練習のうち

やる気が出ない日に、むりをして歌っても、楽しくなかったり、のどに力が入ってしまったりすることがあります。そんな日は、思いきって「今日はお休み」と決めるのも、ひとつの考え方です。

歌は、一日休んだからといって、それまでの練習がなくなるものではありません。休んだぶん、次に歌うときに気持ちよく声が出ることもあります。

お休みした自分を、せめない

お休みしたあとに「また練習できなかった」と自分をせめてしまうと、歌うことそのものが重くなってしまいます。

「今日はお休みの日だった」「明日またやってみよう」と、さらっと流すくらいがちょうどよいかもしれません。歌は、だれかにやらされているものではなく、自分のためのたのしみです。

休む日を、前もって決めておく

練習する日と休む日を、ゆるく決めておくのも一つの方法です。「この曜日はお休み」と決めておけば、休んでも「さぼった」と感じにくくなります。

また歌いたくなるための工夫

練習のハードルを下げておく

  • 楽譜や歌詞を、すぐ手にとれる場所においておく
  • スマホに、練習用の曲をまとめておく
  • 「歌う前にお水を一ぱい」など、始める合図を決めておく

始めるまでの手間が少ないほど、気持ちが乗らない日でも、ふっと歌いやすくなります。

練習の「やることリスト」を短くする

「発声をして、曲を通して、苦手なところを直して…」と、やることが長いと、始める前からつかれてしまいます。その日にやることを、一つだけ決めてみてください。

「今日はサビの出だしだけ」「今日は息のつかい方だけ」のように小さく決めると、終わったときに「できた」と感じやすくなります。

歌が好きになった気持ちを思い出す

どうして歌を習おうと思ったのか、どんな歌が歌いたかったのか。少し思い出してみてください。習い始めたころに好きだった曲を、練習とは関係なく歌ってみるのもおすすめです。

「上手に歌う」ことよりも、「歌って気持ちいい」という感覚をとりもどすと、また練習したい気持ちがわいてくることがあります。気分を切りかえるための歌の楽しみ方は、こちらでも紹介しています。歌で気分転換。大人がひとりでも楽しめる、歌の時間のつくり方

小さな目標や発表の場をもつ

目標がはっきりしないと、何のために練習しているのかわからなくなることがあります。

  • 次のレッスンで、先生に聞いてほしい一曲を決める
  • 家族や友だちに聞いてもらう日を決める
  • 自分の歌を録音して、少し前とくらべてみる

大きな目標でなくてかまいません。「この日までに、この曲を歌えるようにしたい」という小さな目印があると、気持ちが前を向きやすくなります。

やる気が出ない日が続くときは

先生に、正直に話してみる

やる気が出ない日が続くときは、教室の先生に「最近、練習する気になれなくて」と話してみてください。先生は、練習の量を調整したり、曲をかえたり、レッスンの内容を工夫したりしてくれることがあります。

上手くならないと感じて気持ちが落ちているときの考え方は、こちらの記事も参考にしてください。歌は練習しても上手くならない?伸びないと感じるときの見直し方

歌い方や教室を見直してみる

いまの曲がむずかしすぎる、レッスンの雰囲気が合わない、通う時間がしんどいなど、やる気が出ない理由が、練習のしかたや教室にあることもあります。

ひとりで練習するのがつらいなら、合唱やサークルなど、なかまと歌える場にかえてみるのも一つの方法です。いまの自分に合う教室をさがしたいときは、こちらから見てみてください。歌の教室さがし

気持ちのしずみが続くときは

歌のことだけでなく、何をしても気持ちが乗らない、ねむれないなどの日が続くときは、ひとりでかかえこまず、家族や身近な人、お医者さんや相談窓口に話してみてください。

まとめ

  • 歌の練習でやる気が出ないのは、なまけているからとはかぎらない。大人の毎日がそれだけでつかれていることもある
  • やる気が出ない日は、体・気持ち・時間や場所のどれが理由か、少しだけ見てみる
  • 声を出さない練習、ほんの少しだけの練習、体ほぐしだけでもよい
  • 「今日はお休み」と決めてもいい。休んだ自分をせめない
  • 始めるハードルを下げ、その日にやることを一つにしぼる
  • 歌が好きになった気持ちを思い出し、小さな目標をもつ
  • やる気が出ない日が続くときは、先生に相談したり、教室を見直したりする

やる気が出ない日があっても、また歌いたくなる日はきっときます。自分のペースで歌を楽しむ目印として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ

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