歌の練習、やる気が出ない日はどうする?大人のための、気持ちが乗らない日のすごし方
「今日は歌の練習をしようと思っていたのに、どうしても気持ちが乗らない」 「ボイトレを始めたのに、続かない自分がいやになる」 「歌はすきなはずなのに、練習となると腰が重い」
大人になってから歌を習っていると、こんな日があると思います。仕事や家のこと、体の調子など、大人には歌のほかにも考えることがたくさんあります。やる気が出ない日があるのは、ふしぎなことではありません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、「歌の練習でやる気が出ない」と感じる大人の方に向けて、その日をどうすごすかにしぼってお話しします。うまくいかない時期が長く続くときのすごし方や、練習しても上手くならないと感じるときの見直し方は、べつの記事にまとめています。ここでは、もっと身近な「今日、なんとなく歌う気になれない」という日のための考え方と、小さな工夫をお伝えします。
やる気が出ないのは、なまけているからではない
大人の毎日は、それだけでつかれている
大人の歌の練習は、仕事や家事、家族の用事などをすませたあとの時間になることがあります。体も頭もつかれているときに、「さあ、声を出そう」と思うのは、それだけで大きな力がいります。
やる気が出ないのは、気持ちが弱いからではなく、すでにほかのことに力をつかっているからかもしれません。まずは「今日もよくがんばったな」と、自分をねぎらってあげてください。
歌は、体と気持ちの両方をつかう
歌は、息をすって、体をひびかせて、気持ちをこめる活動です。ただ座ってできることとはちがい、体と気持ちの両方が「よし」とならないと、始めにくいものです。
ねむい、肩がこっている、気分がしずんでいる。そんな日は、歌う気持ちになれなくても当たり前です。
「練習しなきゃ」が、重くなっていることもある
歌を習い始めたころは、楽しくて自然に歌っていたのに、いつのまにか「練習しなきゃ」「次のレッスンまでに仕上げなきゃ」と、義務のように感じていることがあります。
「しなきゃ」という気持ちが強くなるほど、歌うことがつらくなってしまうこともあります。やる気が出ないのは、そのサインかもしれません。
今日、やる気が出ない理由を見てみる
やる気が出ない日には、その日なりの理由がかくれていることがあります。むりに答えを出さなくてかまいませんが、少しだけ自分に聞いてみてください。
体の理由
- ねむい、つかれている
- おなかがすいている、または食べたばかり
- 肩や首がこっている
- のどが少しかわいている
体の理由のときは、気持ちでがんばるよりも、まず体をととのえるほうが近道です。お水を飲む、少し横になる、軽くのびをするなど、体が楽になることを先にしてみてください。
のどに痛みやかすれが続くときは、練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
気持ちの理由
- 前のレッスンで、うまくできなかったことが気になっている
- 録音した自分の声を聞いて、がっかりした
- 何を練習すればいいのか、わからなくなっている
- ほかに気になることがあって、集中できない
気持ちの理由のときは、「何を練習するか」がぼんやりしていると、さらに始めにくくなります。あとでお話しする「とても小さな練習」が、助けになることがあります。
時間や場所の理由
- 時間がおそくて、声を出しにくい
- 家族がいて、歌うのがはずかしい
- 練習する場所が決まっていない
こうした理由のときは、その日の練習の形をかえてみるのもひとつの方法です。声を出さない練習や、短い時間でできることにきりかえると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
気持ちが乗らない日にできる、とても小さな練習
やる気が出ない日は、「ちゃんと練習する」か「まったくしない」かの二つだけで考えなくてもだいじょうぶです。そのあいだに、とても小さな練習があります。
声を出さない練習
- 好きな歌手の歌を、ただ聞く
- 練習中の曲を流して、歌詞を目で追う
- 楽譜を見ながら、心の中で歌う
- 曲の気持ちや、歌っている場面を思いうかべる
声を出さなくても、曲にふれることで、次に歌うときのじゅんびになります。「今日は聞く日」と決めるだけでも、歌とのつながりはとぎれません。
ほんの少しだけ声を出す練習
- ハミングで、好きなメロディーをなぞる
- 「あー」と、楽な高さで長めに声を出してみる
- お風呂で、鼻歌を歌う
- 曲の中で、いちばん好きなところだけ歌う
「少しだけ」と決めて始めると、思ったより気持ちが乗ってきて、そのまま続けられることもあります。もちろん、少しだけでおしまいにしてもかまいません。
体をほぐすだけでもいい
肩を回す、首をゆっくりかたむける、深く息をはく。こうした体ほぐしだけでも、歌の練習につながる大切な時間です。体がほぐれると、気持ちも少しやわらいで、「ちょっと歌ってみようかな」と思えることがあります。
「今日はお休み」と決めてもいい
お休みも、練習のうち
やる気が出ない日に、むりをして歌っても、楽しくなかったり、のどに力が入ってしまったりすることがあります。そんな日は、思いきって「今日はお休み」と決めるのも、ひとつの考え方です。
歌は、一日休んだからといって、それまでの練習がなくなるものではありません。休んだぶん、次に歌うときに気持ちよく声が出ることもあります。
お休みした自分を、せめない
お休みしたあとに「また練習できなかった」と自分をせめてしまうと、歌うことそのものが重くなってしまいます。
「今日はお休みの日だった」「明日またやってみよう」と、さらっと流すくらいがちょうどよいかもしれません。歌は、だれかにやらされているものではなく、自分のためのたのしみです。
休む日を、前もって決めておく
練習する日と休む日を、ゆるく決めておくのも一つの方法です。「この曜日はお休み」と決めておけば、休んでも「さぼった」と感じにくくなります。
また歌いたくなるための工夫
練習のハードルを下げておく
- 楽譜や歌詞を、すぐ手にとれる場所においておく
- スマホに、練習用の曲をまとめておく
- 「歌う前にお水を一ぱい」など、始める合図を決めておく
始めるまでの手間が少ないほど、気持ちが乗らない日でも、ふっと歌いやすくなります。
練習の「やることリスト」を短くする
「発声をして、曲を通して、苦手なところを直して…」と、やることが長いと、始める前からつかれてしまいます。その日にやることを、一つだけ決めてみてください。
「今日はサビの出だしだけ」「今日は息のつかい方だけ」のように小さく決めると、終わったときに「できた」と感じやすくなります。
歌が好きになった気持ちを思い出す
どうして歌を習おうと思ったのか、どんな歌が歌いたかったのか。少し思い出してみてください。習い始めたころに好きだった曲を、練習とは関係なく歌ってみるのもおすすめです。
「上手に歌う」ことよりも、「歌って気持ちいい」という感覚をとりもどすと、また練習したい気持ちがわいてくることがあります。気分を切りかえるための歌の楽しみ方は、こちらでも紹介しています。歌で気分転換。大人がひとりでも楽しめる、歌の時間のつくり方
小さな目標や発表の場をもつ
目標がはっきりしないと、何のために練習しているのかわからなくなることがあります。
- 次のレッスンで、先生に聞いてほしい一曲を決める
- 家族や友だちに聞いてもらう日を決める
- 自分の歌を録音して、少し前とくらべてみる
大きな目標でなくてかまいません。「この日までに、この曲を歌えるようにしたい」という小さな目印があると、気持ちが前を向きやすくなります。
やる気が出ない日が続くときは
先生に、正直に話してみる
やる気が出ない日が続くときは、教室の先生に「最近、練習する気になれなくて」と話してみてください。先生は、練習の量を調整したり、曲をかえたり、レッスンの内容を工夫したりしてくれることがあります。
上手くならないと感じて気持ちが落ちているときの考え方は、こちらの記事も参考にしてください。歌は練習しても上手くならない?伸びないと感じるときの見直し方
歌い方や教室を見直してみる
いまの曲がむずかしすぎる、レッスンの雰囲気が合わない、通う時間がしんどいなど、やる気が出ない理由が、練習のしかたや教室にあることもあります。
ひとりで練習するのがつらいなら、合唱やサークルなど、なかまと歌える場にかえてみるのも一つの方法です。いまの自分に合う教室をさがしたいときは、こちらから見てみてください。歌の教室さがし
気持ちのしずみが続くときは
歌のことだけでなく、何をしても気持ちが乗らない、ねむれないなどの日が続くときは、ひとりでかかえこまず、家族や身近な人、お医者さんや相談窓口に話してみてください。
まとめ
- 歌の練習でやる気が出ないのは、なまけているからとはかぎらない。大人の毎日がそれだけでつかれていることもある
- やる気が出ない日は、体・気持ち・時間や場所のどれが理由か、少しだけ見てみる
- 声を出さない練習、ほんの少しだけの練習、体ほぐしだけでもよい
- 「今日はお休み」と決めてもいい。休んだ自分をせめない
- 始めるハードルを下げ、その日にやることを一つにしぼる
- 歌が好きになった気持ちを思い出し、小さな目標をもつ
- やる気が出ない日が続くときは、先生に相談したり、教室を見直したりする
やる気が出ない日があっても、また歌いたくなる日はきっときます。自分のペースで歌を楽しむ目印として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ