ボイスパーカッション(ボイパ)とは?初心者のやり方と、はじめての音の出し方
「アカペラのグループで、口だけでドラムのような音を出している人がいて、おどろいた」 「ボイパのやり方を知りたい。初心者でもできるのかな」
ボイスパーカッション、略してボイパは、口や息をつかって、ドラムやシンバルのような音を出す表現です。楽器がなくても、自分の体ひとつでリズムをきざめるのが魅力です。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、ボイスパーカッションとは何か、初心者の方がはじめに練習したい基本の音の出し方、リズムの組み方、そして口やのどに無理をさせない練習のコツをお話しします。アカペラ全体の練習方法ではなく、ボイパにしぼってまとめました。
ボイスパーカッション(ボイパ)とは?
口で打楽器の音をまねる表現
ボイスパーカッションとは、くちびる、舌、息などをつかって、打楽器の音をまねる表現のことです。とくに、ドラムセットの音をまねすることが多いです。
ドラムセットには、低く「ドン」とひびく大きな太鼓(バスドラム)、「パン」「タン」とはじけるような音の太鼓(スネア)、「チッ」「ツッ」とこまかくきざむシンバル(ハイハット)などがあります。ボイパでは、こうした音を口でまねして、リズムをつくっていきます。
アカペラでの役わり
ボイパは、伴奏のない合唱、つまりアカペラのグループでよくつかわれます。アカペラでは、メロディを歌う人、ハーモニーを歌う人、低い音をうけもつ人などがいますが、ボイパの人は、リズムをささえる役わりです。ボイパが入ると、曲にノリが生まれ、バンドで演奏しているような感じが出ます。
アカペラの練習全体については、こちらの記事でまとめています。アカペラの練習のしかた。少人数で声を合わせるコツと、伴奏なしで歌う練習方法
ビートボックスとのちがい
口でリズムをつくる表現には、ビートボックスとよばれるものもあります。ボイパとビートボックスは、にているところが多く、はっきり分けられないこともあります。一般には、アカペラの中で曲をささえるものをボイパ、ひとりでいろいろな音を組み合わせて聞かせるものをビートボックスとよぶことが多いようです。この記事では、アカペラでつかうボイパを中心にお話しします。
はじめる前に知っておきたいこと
声ではなく「息」と「口」で音をつくる
ボイパの音の多くは、のどで声を出すのではなく、くちびるや舌で息をはじいてつくります。のどに力を入れて大きな音を出そうとすると、のどがつかれやすくなります。息と口の形で音をつくる、という意識をもっておきましょう。
はじめは小さな音でいい
はじめから大きな音を出す必要はありません。小さな音でも、リズムが正しくきざめていれば、ボイパらしく聞こえます。マイクをつかうことが多い表現なので、本番では音を大きくしてもらえることもあります。
鏡と録音を用意する
くちびるや舌の動きを見るために、鏡があると便利です。また、自分の音は、口の中で聞くのと、外で聞くのとでは、ちがって聞こえます。スマホで録音して聞いてみると、音のちがいがわかりやすくなります。
初心者が練習したい基本の音の出し方
ここでは、ボイパのやり方として、初心者の方がはじめに練習したい基本の音を紹介します。音の出し方には、人によっていろいろな工夫があるので、ここで紹介するのは、ひとつの例として考えてください。
バスドラムの音「ブッ」「ドゥン」
低く「ドン」とひびく音です。くちびるを軽くとじて、息でぽんとはじくようにして「ブッ」と音を出します。口をとじたまま、くちびるの間から短く息を出すイメージです。
- くちびるに力を入れすぎない
- 息を短く、すばやく出す
- 声を出さずに、くちびるの音だけでやってみる
なれてきたら、「ドゥン」と少し低いひびきをくわえる人もいます。まずは「ブッ」と軽く出せればじゅうぶんです。
スネアの音「プシッ」「カッ」
はじけるような、するどい音です。初心者の方には、「プシッ」がやりやすいことが多いです。「プ」でくちびるをはじき、すぐに「シッ」と息をすべらせます。
- 「プ」と「シ」をくっつけて、すばやく言う
- 息を強くしすぎず、歯切れよく
- 「カッ」は、舌のおくを上あごにあてて、はじくようにして出す
ハイハットの音「ツ」「チ」
こまかくきざむ、シンバルの音です。舌の先を上の歯のうら近くにあてて、「ツ」「チ」と短く息を出します。声は出さず、息の音だけにするのがコツです。
- 「ツ、ツ、ツ」と、同じ長さでくり返す
- 「ツー」とのばすと、シンバルをならしっぱなしにしたような音になる
- 舌の動きを小さくすると、速いリズムもきざみやすい
音を組み合わせてリズムをつくる
いちばん基本の形から
基本の音が出せるようになったら、組み合わせてリズムにしてみましょう。はじめは、とてもゆっくりでかまいません。
まずは、「ブッ」と「プシッ」を交互にくり返します。「ブッ、プシッ、ブッ、プシッ」。これだけでも、ドラムのリズムのように聞こえてきます。
ハイハットを間に入れる
次に、「ブッ」と「プシッ」の間に「ツ」を入れてみましょう。「ブッ、ツ、プシッ、ツ」。音の数がふえるので、少しむずかしくなります。口がこんがらがったら、テンポをおとしてください。
メトロノームや好きな曲に合わせる
ひとりで練習していると、だんだん速くなったり、おそくなったりしがちです。メトロノームのアプリや、テンポがゆったりした好きな曲に合わせて練習すると、リズムが安定しやすくなります。
リズムをきざむ力は、歌全体にも役立ちます。リズム感のつけ方は、こちらの記事でもふれています。リズム感をよくする歌の練習。子どもも大人もできる手拍子・メトロノーム練習
のどや口に無理をさせない練習のコツ
短い時間でこまめに
ボイパは、くちびるや舌、息をたくさんつかいます。長い時間つづけると、くちびるがしびれたり、口のまわりがつかれたりすることがあります。短い時間の練習を、こまめにくり返すほうが、体にやさしいです。
水をのみながら
息をたくさん出すので、口の中がかわきやすくなります。練習の合間に、水をのんで口とのどをうるおしましょう。
頭がくらくらしたら休む
息を何回も強く出していると、頭がくらくらすることがあります。そんなときは、すぐに練習をやめて、ゆっくり呼吸をととのえてください。
のどで音を出そうとしない
低い音を出そうとして、のどをしめつけたり、うなるような声を出したりすると、のどをいためることがあります。音が出にくいときは、無理に力を入れず、口の形や息の出し方を見なおしましょう。のどの痛みやかすれが続くときは、練習を休み、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お子様がやってみるとき
お子様もボイパに興味をもつことがあります。口で音を出す遊びは楽しいものですが、夢中になって長く続けてしまうこともあります。お父様・お母様が「少し休もうか」と声をかけてあげると安心です。強く息を出しすぎないよう、遊びの延長として楽しんでください。
上達のためにできること
たくさん聞いて、まねをする
アカペラの演奏を聞くときに、ボイパの音だけに耳をすませてみましょう。どんな音をつかっているか、どこで音を休んでいるかを聞いて、まねしてみるのが上達の近道です。
歌の人と合わせてみる
ボイパは、ほかの人の歌をささえる役わりです。家族や友だちに歌ってもらい、それに合わせてリズムをきざんでみると、本番に近い練習になります。自分の音を目立たせるより、歌が気持ちよく聞こえるかどうかを大切にしましょう。
教室やサークルで相談する
アカペラのサークルや、ボイパを教えている教室もあります。音の出し方は、まわりで見て教えてもらうと、わかりやすいことが多いです。どこまで教えてもらえるかは、教室によってちがうので、問い合わせてみてください。
まとめ
- ボイスパーカッション(ボイパ)とは、口や息でドラムのような音を出す表現
- アカペラでは、リズムをささえる役わり
- 初心者は「ブッ」(バスドラム)、「プシッ」(スネア)、「ツ」(ハイハット)から
- のどではなく、くちびる・舌・息で音をつくる
- ゆっくりのテンポで、音を組み合わせてリズムにする
- 短い時間でこまめに練習し、水をのみながら、無理をしない
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
ボイパは、楽器がなくてもはじめられる、楽しいリズムの表現です。アカペラや歌をもっと楽しみたくなったら、近くの教室をさがしてみてください。歌の教室さがし歌の動画をだれかに見てもらいたくなったときは、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、練習のはげみにしてみてください。こどもの歌声グランプリ