リズム感をよくする歌の練習。子どもも大人もできる手拍子・メトロノーム練習
「歌っていると、だんだん速くなってしまう」 「伴奏とずれていると言われるけれど、自分ではよくわからない」
歌の練習をしていて、リズムのことでなやむ方は多いと思います。音程は気にしていても、リズムは「なんとなく」で歌っていることもありますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。そのあいだ、先生から「リズムをしっかり」と言われる場面を何度も見てきました。リズムがととのうと、歌全体が聞きやすくなり、ことばも伝わりやすくなると感じています。
この記事では、リズム感とは何か、リズムがずれてしまうわけ、家でできる手拍子やメトロノームの練習、お子様とあそびながらできる練習をまとめます。お子様にも大人の方にもできる内容です。
リズム感ってなに?
「一定の速さ」を感じる力
リズム感ということばには、いろいろな意味がありますが、歌の練習では、まず「一定の速さを感じて、それに合わせる力」と考えるとわかりやすいと思います。
音楽には、時計のように、同じ間かくでくりかえす「拍(はく)」があります。手拍子をしたくなる、あの「1、2、3、4」のことです。この拍を体で感じながら歌えると、伴奏や、いっしょに歌う人と合わせやすくなります。
音の長さを守る力
もうひとつは、音の長さを守る力です。長くのばす音、短く切る音、休む部分(休符)。これらを、楽譜や伴奏に合わせて歌えると、リズムがととのって聞こえます。
リズム感は、練習で育つことが多い
「リズム感は生まれつき」と思われることもありますが、練習によって育っていくことが多いと言われています。お子様も大人の方も、少しずつ体で感じる練習をつづけてみてください。
歌のリズムがずれてしまうのは、なぜ?
だんだん速くなる
気持ちが高まるところや、高い音の前で、だんだん速くなってしまうことがあります。緊張しているときにも、速くなりやすいです。
長い音を、短くしてしまう
長くのばす音の途中で息が苦しくなって、早めに切ってしまうことがあります。すると、次のことばが早く入ってしまい、伴奏とずれてしまいます。
休符をとばしてしまう
休符は「音がない」ところなので、つい短くしてしまいがちです。でも、休符も音楽の一部です。休符の長さがずれると、そのあとの歌い出しがずれてしまいます。
ことばに引っぱられる
歌詞の言いやすさに引っぱられて、ことばを早く言ってしまったり、ためすぎてしまったりすることもあります。
家でできる練習1 手拍子と足ぶみ
拍に合わせて手をたたく
好きな曲をかけて、「1、2、3、4」と拍に合わせて手をたたきます。はじめは、ゆっくりした曲がおすすめです。たたきながら、曲とずれていないかを感じてみてください。
足ぶみしながら手拍子
なれてきたら、足ぶみで拍をとりながら、手で別のリズムをたたいてみます。
- 足:1、2、3、4と、同じ速さで足ぶみ
- 手:「タン、タン、タタタン」など、かんたんなリズム
体の中に一定の速さがあると、ほかのリズムに引っぱられにくくなります。
2拍目と4拍目でたたく
ポップスなどでは、「1、2、3、4」の2と4で手をたたくと、のりやすい曲が多いです。いつもとちがうところでたたいてみると、リズムの感じ方が広がります。
歌いながら手をたたく
さいごは、歌いながら拍に合わせて手をたたきます。歌に気をとられて手がずれてしまうときは、歌う速さをゆっくりにしてみましょう。
家でできる練習2 メトロノーム
メトロノームは、一定の速さで「カチ、カチ」と音を鳴らしてくれる道具です。いまは、スマホの無料アプリでもつかえるものがあります。
速さの目安
メトロノームの速さは、1分間に何回鳴るかの数字であらわします。
- 60:1秒に1回。ゆっくり
- 80〜100:歩くくらいの速さ
- 120:少し速め
はじめは、60〜80くらいのゆっくりした速さがおすすめです。
練習のすすめ方
- メトロノームに合わせて、手をたたく
- メトロノームに合わせて、「タ、タ、タ、タ」と声に出す
- メトロノームに合わせて、歌の1フレーズを歌う
- できたら、少しだけ速くする
「カチ」という音と、自分の手や声がぴったり重なって、メトロノームの音が聞こえにくくなるくらいが、合っているサインです。
曲の速さで練習する
曲の速さがわかるときは、少しおそい速さから始めて、だんだん曲の速さに近づけていきます。いきなり本番の速さで歌うより、ゆっくりからのほうが、リズムをたしかめやすいです。
つかいすぎない
メトロノームはとても便利ですが、いつもメトロノームに合わせるだけになると、歌の自然な流れを感じにくくなることもあります。リズムをたしかめたいところで、ときどきつかうくらいがよいと思います。
お子様とあそびながらできる練習
小さなお子様は、あそびの中でリズムを感じるのがいちばんです。
歩きながら歌う
お散歩のときに、歩く足に合わせて歌を歌ってみましょう。「1、2、1、2」と歩く速さが、そのまま拍になります。
まねっこ手拍子
お父様・お母様が「タン、タン、タタタン」と手をたたいたら、お子様が同じようにまねします。なれてきたら、お子様が出したリズムを、お父様・お母様がまねするのも楽しいです。
ことばのリズムあそび
「いちご」「バナナ」「かぶとむし」など、ことばに合わせて手をたたきます。「い・ち・ご」は3回、「か・ぶ・と・む・し」は5回。ことばのリズムを感じる練習になります。
おもちゃの楽器をつかう
カスタネットやタンバリン、すずなど、おもちゃの楽器をつかって、歌に合わせて鳴らしてみましょう。家にない場合は、ペットボトルにお米やビーズを少し入れて、ふたをしっかりしめると、手づくりのマラカスになります。小さなものを口に入れないよう、お父様・お母様がそばで見ていてください。
音楽に合わせて止まる
音楽を流して、止まったらピタッと止まる「ストップゲーム」も、音をよく聞く練習になります。
どのあそびも、5〜10分くらいでじゅうぶんです。お子様が楽しめているうちに、おしまいにしましょう。
曲で練習するときのコツ
伴奏をよく聞く
歌うときは、自分の声だけでなく、伴奏をよく聞くことが大切です。とくに、伴奏の低い音や、くりかえすリズムを聞くと、拍を感じやすくなります。伴奏音源のえらび方やつかい方は、こちらの記事にまとめています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
むずかしいところは、ことばだけで
リズムがずれるところは、メロディーをつけずに、ことばだけをリズムに合わせて言ってみます。ことばのリズムがととのってから、メロディーをつけて歌うと、ずれにくくなります。
長い音と休符を数える
長くのばす音は、心の中で「1、2、3」と数えながらのばします。休符も同じように数えます。楽譜や歌詞カードに、のばす長さを書きこんでおくのもおすすめです。
録音して聞く
自分の歌と伴奏を録音して聞くと、どこでずれているかがわかりやすくなります。走っているところ、おくれているところに、しるしをつけてみましょう。
音程もいっしょに気になるときは
リズムだけでなく、音程もずれてしまうとなやんでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。音痴は直る?大人も子どもも、音程が合うようになる練習のしかた
むりをしないために
リズムの練習は、手拍子や声に出すことが中心なので、のどへの負担は少なめです。それでも、歌いながらの練習を長くつづけると、のどがつかれることがあります。
- 歌う練習は、10〜15分くらいを目安にする
- のどがつかれたら、手拍子だけの練習にかえる
- かぜのときは、歌わずにリズムあそびだけにする
のどのいたみや声のかすれが何日もつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- リズム感は、一定の速さを感じて合わせる力と、音の長さを守る力
- リズム感は、練習で育つことが多い
- 速くなる、長い音を短くする、休符をとばすことで、リズムがずれやすい
- 手拍子や足ぶみで、体に拍を感じる
- メトロノームは、ゆっくりから。ときどきつかうくらいがよい
- お子様は、歩きながら歌う、まねっこ手拍子など、あそびの中で練習する
- 曲では、伴奏をよく聞き、ことばだけでリズムをたしかめる
- 長い音と休符は、心の中で数える
リズムがととのってくると、歌うことがもっと気持ちよく、楽しくなると思います。練習してきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られるので、おうちで伴奏に合わせて歌った動画で応募できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、リズムや歌い方をふりかえるきっかけにもなります。こどもの歌声グランプリ