歌が上手い人の特徴とは?生まれつき?練習でのばせることと、のばし方
「あの人みたいに歌えたらいいのに」 「歌が上手い人って、生まれつきなのかな」
カラオケや学校の音楽の時間、合唱の練習などで、だれかの歌声を聞いて、そう感じたことがある方は多いと思います。自分の歌と、上手な人の歌は、いったい何がちがうのでしょうか。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。そのなかで、いろいろな年れいの方の歌を聞いてきて感じるのは、歌が上手い人の特徴には、生まれつきの部分もありますが、練習でのばせる部分がとても多い、ということです。
この記事では、歌が上手い人の特徴を7つにわけて、それぞれ「生まれつき?それとも練習でのばせる?」という目線でお話しします。大人の方にも、お子様にも、そのままつかえる練習のしかたもまとめました。
歌が上手い人は生まれつき?まず知っておきたいこと
生まれつきの部分は、たしかにある
声の高さや、声の色(音色)は、体のつくりによって、ある程度きまっています。のどの大きさや、顔や口の中の形は、人それぞれちがいます。だから、「高くてすんだ声」「ひくくてあたたかい声」など、もともとの声の感じには、生まれつきの部分があります。
また、小さいころから音楽をたくさん聞いてきた人は、音のちがいに気づきやすいことがあります。これも、本人がえらんだわけではない、育ってきた環境のちがいです。
でも、上手さの多くは「くせ」と「なれ」
一方で、音程がとれる、リズムがそろう、息がつづく、ことばがはっきり聞こえる。こうしたことは、多くの場合、練習や毎日のくせでかわっていきます。
歌が上手いと言われる人の多くは、知らないうちに、歌いやすい体のつかい方や、よく聞くくせを身につけています。つまり、上手い人の特徴を知ることは、自分がのばせるところを知ることにもつながります。
「わたしは生まれつき、歌がにがてだから」と、はじめからあきらめなくても、だいじょうぶです。音程のことでなやんでいる方は、こちらの記事も読んでみてください。音痴は直る?大人も子どもも、音程が合うようになる練習のしかた
歌が上手い人の特徴7つ
特徴1 音程が安定している
歌が上手い人は、音の高さがずれにくく、のばしている音もゆれにくいです。聞いている人は、音程が合っていると、安心して歌を聞くことができます。
これは、生まれつきというより、「正しい音を聞いて、まねする」練習でのびる力です。ピアノやアプリで1つの音を鳴らし、同じ高さで「あー」と出してみる。こんな小さな練習のつみかさねで、音程は少しずつ安定していきます。
特徴2 リズムがそろっている
歌が上手い人は、伴奏や手びょうしとずれずに歌えます。とくに、歌い出しや、ことばのつなぎめがぴったり合っていると、聞いていて気持ちのよい歌になります。
リズムは、体でとるとのびやすい力です。足ぶみをしたり、ひざを軽くたたいたりしながら歌うと、はくを感じやすくなります。
特徴3 息のつかい方が上手
歌が上手い人は、息つぎの場所がきまっていて、フレーズのさいごまで声がとぎれにくいです。むりに大きく息をすうのではなく、ちょうどよい量の息を、少しずつはいています。
息のつかい方も、練習でかわる部分です。「どこで息をすうか」を楽譜や歌詞に書きこんでおくだけでも、歌いやすさがかわります。
特徴4 のどに力が入っていない
上手い人の歌は、聞いていて苦しそうに感じにくいです。高い音でも、首や肩に力が入りすぎず、らくに声を出しているように見えます。
のどの力みは、くせになっていることが多いです。歌う前に肩を回したり、首をゆっくりのばしたりするだけでも、体がゆるみやすくなります。歌うとのどが痛い日がつづくときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
特徴5 ことばがはっきり聞こえる
歌が上手い人は、歌詞がききとりやすいです。声がきれいでも、ことばがぼやけていると、何を歌っているのかが伝わりにくくなります。
口をしっかり動かす、文のはじめの音をていねいに出す、といった工夫で、ことばは聞こえやすくなります。これも、練習でのびる部分です。
特徴6 強弱や表情がある
上手い人の歌には、大きくなるところ、小さくなるところ、やさしく歌うところなど、波があります。ずっと同じ強さで歌うより、聞いている人の心にのこりやすくなります。
歌詞の意味を考えて、「ここは語りかけるように」「ここはうれしそうに」と、自分なりに決めてみるだけでも、歌の表情はかわってきます。
特徴7 よく聞いている
さいごの特徴は、少し意外かもしれませんが、「よく聞いている」ことです。上手い人は、伴奏の音、まわりの声、そして自分の声を、歌いながらよく聞いています。
聞く力は、練習でとてものびやすい力です。好きな歌を、ただ流して聞くのではなく、「この人はどこで息をすっているかな」「どこで声を小さくしているかな」と、少しだけ気にして聞いてみてください。
生まれつきと練習、それぞれの考え方
生まれつきの声は「くらべる」より「生かす」
自分の声の高さや音色は、人とくらべると、気になってしまうことがあります。でも、ひくい声には、ひくい声のよさがあります。高い声には、高い声のよさがあります。
大切なのは、自分の声に合った曲や高さをえらぶことです。カラオケなら、キーを上げ下げするだけで、ぐっと歌いやすくなることもあります。
歌が上手い人は、自分の声に合う高さをよく知っていることが多いです。むりに高い曲を原曲のまま歌おうとせず、「この高さなら、らくに気持ちよく歌える」というところをえらんでいます。これも、生まれつきではなく、いろいろためしてみるなかで身についていく力です。
「耳がいい」も、育てられる
「あの人は耳がいいから」と言われることがあります。たしかに、小さいころから音楽にふれてきた人は、音のちがいに気づきやすいことがあります。でも、大人になってからでも、意識して聞く時間をふやすことで、音の高さやリズムのずれに気づく力はのびていくことが多いです。
練習でのびる部分から、手をつける
7つの特徴のうち、ほとんどは練習でのばせる部分です。ぜんぶを一度にがんばる必要はありません。まずは1つか2つ、「これならできそう」と思うものからはじめてみてください。
- 音程が気になる人は、1つの音をまねする練習から
- リズムが気になる人は、手びょうしをしながら歌う練習から
- 息がつづかない人は、息つぎの場所を決めるところから
- 歌詞が伝わりにくい人は、ゆっくり読む練習から
今日からできる、上手い人に近づく練習
歌詞を声に出して読む
メロディをつけずに、歌詞を声に出して読んでみましょう。ことばのリズムや、意味の切れめがわかりやすくなります。お子様といっしょに読むのもおすすめです。
小さめの声で、ていねいに歌う
大きな声でいきなり歌うより、小さめの声でていねいに歌うほうが、音程やことばに気をくばりやすくなります。家で大きな声が出しにくい方にも、やりやすい練習です。
録音して、1か所だけ聞きなおす
スマホで自分の歌を録音して、聞きなおしてみましょう。ぜんぶを直そうとしなくても、だいじょうぶです。「ここの音がずれているかも」「ここで息が足りないかも」と、1か所だけ気づければ、じゅうぶんな一歩です。
1日5分でもつづける
歌の練習は、長い時間をたまにやるより、短い時間を何回もつづけるほうが、体になじみやすいと言われることが多いです。1日5分、好きな歌を1曲歌う時間をつくってみてください。
練習してもなかなか上手くならないと感じるときは、こちらの記事も参考になると思います。歌は練習しても上手くならない?伸びないと感じるときの見直し方
お子様の「歌が上手くなりたい」を応援するとき
お子様が「もっと上手に歌いたい」と言ったときは、お父様・お母様が先に「この子は生まれつきだから」と決めてしまわないことが大切です。
- 「リズムがそろってきたね」など、のびたところを具体的にほめる
- 人とくらべず、前の自分とくらべる
- のどが痛そうなときは、すぐに休ませる
- 楽しく歌える時間を、いちばん大事にする
上手さは、楽しくつづけるなかで、少しずつ育っていくものです。
まとめ
- 歌が上手い人の特徴には、生まれつきの部分と、練習でのばせる部分がある
- 声の高さや音色は生まれつきの部分が大きいが、くらべるより生かすことが大切
- 音程・リズム・息・力みのなさ・ことば・表情・聞く力は、練習でのびやすい
- 全部を一度にがんばらず、1つか2つからはじめる
- 録音して1か所だけ聞きなおす、1日5分つづける、などの小さな練習が近道
- のどの痛みやかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
歌が上手い人の特徴は、だれでも少しずつ近づいていけるものです。練習してきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところや、つぎにのばせるところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ