歌は何歳からでも上手くなる?年齢と声の変化、のばし方の考え方
「歌が上手くなるのは、子どものうちだけなのかな」 「もう大人だから、今から練習しても、おそいかもしれない」
歌を習ってみたい、もっと上手に歌いたいと思ったとき、年齢のことが気になる方は多いと思います。とくに大人の方は、「歌は何歳から上手くなるの?」「年齢で、のびしろはかわるの?」と、不安に感じることもあるかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。コンクールの会場では、小さなお子様から、大人の方、シニアの方まで、いろいろな年齢の方が歌っています。
この記事では、歌が上手くなることと年齢の関係について、考え方をまとめます。年齢によって声はどうかわるのか、それぞれの年代で何を大切にするとよいのかを、やさしくお話しします。
なお、声のかわり方には一人ひとりちがいがあります。ここに書くのは、あくまで一般的な考え方です。
歌が上手くなるのに、年齢は関係ある?
「上手くなる」にはいろいろな面がある
ひとことで「歌が上手くなる」といっても、その中には、いろいろな力がふくまれています。
- 音の高さを合わせる力
- リズムにのる力
- 息を長くつかう力
- ことばをはっきり伝える力
- 気持ちをこめて歌う力
- 自分の声を聞いて直す力
このうち、どれがのびやすいかは、年齢によって少しずつちがうといわれます。たとえば、小さなお子様は耳でまねをする力がのびやすく、大人の方は、ことばの意味を考えて表現する力を生かしやすい、といった面があります。
年齢ごとに「のびやすいところ」がちがう
つまり、「何歳だから上手くならない」ということではなく、「年齢によって、のびやすいところがちがう」と考えると、わかりやすいと思います。
子どものうちにはじめると、自然に身につくこともあります。一方で、大人になってからはじめても、自分で考えながら練習できるので、のばせるところはたくさんあります。
「もうおそい」と決めてしまう前に、いまの自分の年齢で、のびやすいところに目をむけてみてください。
年齢とともに、声はどうかわる?
幼児期(3〜6歳ごろ)
小さなお子様の声は、のどや体がまだ小さいため、高めで、やわらかい声です。歌える音の広さも、大人よりせまいことが多いです。
この時期は、むずかしい発声の練習よりも、歌うことを楽しむのがいちばんです。耳で聞いて、まねをする力がのびやすいので、いろいろな歌をたくさん聞くことが、歌の土台になります。
小学生のころ
小学生になると、体も大きくなり、少しずつ長いフレーズを歌えるようになってきます。音の高さを合わせる力や、リズム感ものびやすい時期です。
子どものボイトレをはじめる年齢のめやすについては、べつの記事にくわしくまとめています。子どものボイトレは何歳から?年齢別にできることと、教室えらび・家での練習・声の守り方
10代(声がわりの時期)
10代は、多くのお子様に声がわりがある時期です。男の子は声が大きく低くなり、女の子も声の感じがかわることがあります。
この時期は、高い声が出にくくなったり、声がかすれやすくなったりすることもあります。むりに前と同じ高さで歌おうとせず、そのときの声に合った高さで歌うことが大切です。声がおちついてくると、また歌いやすくなることが多いです。
20代〜40代
大人の声は、体が成長しきって、声もおちついてくる時期です。仕事や家のことでいそがしい年代ですが、声そのものは、練習によってのばしやすい年代でもあります。
この年代の方は、自分で練習の計画を立てたり、録音を聞いて直したりできるのが強みです。先生のアドバイスを、ことばで理解して、すぐにためせるのも、大人ならではのよさです。
50代以降
年齢を重ねると、のどまわりの筋肉や、息をすう力が少しずつかわっていくといわれます。高い声が出にくくなった、息が続きにくくなった、と感じる方もいるかもしれません。
ただ、こうした変化は、ゆっくり進むことが多く、体と声をつかいつづけることで、歌いやすさをたもちやすくなるともいわれます。50代・60代の方のボイトレの注意点は、こちらの記事にまとめています。50代・60代からのボイトレ。注意したいことと、むりなくつづけるコツ
年代ごとの、のばし方の考え方
子どもは「楽しむ」と「聞く」を大切に
お子様の場合は、練習をきびしくするより、歌を好きでいられることが、いちばん大切です。
- いろいろなジャンルの歌を聞く
- お父様・お母様といっしょに歌う
- のどに負担のかかる大きな声を、長く出させない
- 声がわりの時期は、むりをさせない
小さいころに「歌うのが楽しい」と感じた気持ちは、大きくなってからも、歌をつづける力になります。
10代は「声の変化を受けとめる」
声がわりの時期は、お子様自身がとまどうこともあります。「前のように歌えない」と落ちこんでいるときは、「いまは声が育っているとき」と伝えてあげてください。
この時期は、高さよりも、リズムや、ことばの伝え方、楽譜の読み方など、声の高さに左右されにくい力をのばすのもよい方法です。
大人は「考えて練習できる」強みを生かす
大人の方は、子どものように耳だけでまねるより、理由を知って練習するほうが、身につきやすいこともあります。
- なぜその練習をするのかを、先生に聞いてみる
- 録音して、自分の声をたしかめる
- 1回の練習で、直すところを1つにしぼる
- 仕事や家のことと両立できる、むりのない回数にする
「時間がないから」とあきらめず、短い時間でも、つづけることを大切にしてみてください。
シニアは「体にやさしく、長く楽しむ」
シニアの方は、体の調子に合わせて、むりなく歌うことがいちばんです。
- 歌う前に、体と首まわりをゆっくりほぐす
- 高すぎる歌は、キーを下げて歌う
- こまめに水分をとる
- つかれたら、すぐに休む
みんなで歌う会や、合唱など、人といっしょに歌う楽しみをもつのも、歌を長くつづけるコツです。
年齢よりも大きく関わること
練習のしかた
歌が上手くなるかどうかには、年齢よりも、練習のしかたが大きく関わるといわれます。たとえば、長い時間を一度にやるより、短い時間でも、くりかえし練習するほうが、身につきやすいことが多いです。
自分の声を聞く習慣
自分の歌を録音して聞く習慣は、どの年齢の方にもおすすめです。歌っているときの感じと、聞こえ方は、ちがうことがよくあります。録音を聞くことで、直したいところに気づきやすくなります。
先生や仲間の存在
ひとりで練習するよりも、先生にみてもらったり、いっしょに歌う仲間がいたりすると、つづけやすくなります。先生は、いまの年齢や声に合った練習を考えてくれることが多いので、「年齢のことが気になっている」と、はじめに伝えておくと安心です。気になる方は、近くの教室をさがしてみるのもよいと思います。
「もうおそい」と感じたときに
歌を習いたい気持ちがあるのに、年齢を理由にまよっている方へ、いくつか考えてみてほしいことがあります。
- 歌は、上手かどうかより、楽しめるかどうかが大切
- いまの声には、いまの年齢だからこそのよさがある
- くらべる相手は、ほかの人ではなく、少し前の自分
- 何歳からはじめても、歌にふれる時間はむだにならない
「上手くなるかどうか」は、だれにも約束できません。でも、練習をつづけることで、歌いやすくなったり、自分の声が好きになったりする方は、たくさんいます。
のどの調子が気になるときは
年齢に関係なく、のどに痛みがある、声のかすれが何日も続く、といったときは、むりに歌わないでください。
- 声を出す時間をへらして、のどを休める
- 水分をこまめにとる
- 痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
声の変化には、年齢だけでなく、体調など、いろいろな理由が考えられます。気になることがあれば、ひとりでなやまずに、お医者さんや先生に相談してみてください。
まとめ
- 歌が上手くなるのに、「何歳だからだめ」ということはない
- 年齢によって、のびやすいところがちがう
- 子どもは楽しむことと、たくさん聞くことを大切に
- 10代は声がわりの変化を受けとめ、むりをしない
- 大人は、考えて練習できる強みを生かす
- シニアは体にやさしく、長く楽しむ
- 年齢よりも、練習のしかたや、自分の声を聞く習慣が大きく関わる
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
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