心のこと・声かけ

ソロに選ばれなかった子供の気持ちの受けとめ方。お父様・お母様ができることと、つぎへの一歩

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「ソロ、選ばれなかった……」

学校の音楽会や学芸会、合唱団の発表会などで、ソロのオーディションがあったあと、お子様がしょんぼりして帰ってくることがあります。とくに、家でたくさん練習していた子ほど、くやしさや悲しさは大きいものです。

そんなとき、お父様・お母様も「なんと声をかければいいのだろう」と、まよってしまいますよね。はげましたい気持ちと、そっとしておきたい気持ちのあいだで、ゆれる方も多いと思います。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、ソロに選ばれなかった子供の気持ちの受けとめ方にしぼって、お話しします。帰ってきたその日にできること、さけたいことば、少し時間がたってからの話し方、そして、つぎへの一歩のふみ出し方までをまとめました。

ソロに選ばれるための準備については、べつの記事でまとめています。この記事は「選ばれなかったあと」のための記事です。

ソロに選ばれなかった子供の心の中

気持ちは、ひとつではない

ソロに選ばれなかったとき、お子様の心の中には、いろいろな気持ちがまざっていることが多いです。

  • くやしい
  • 悲しい
  • はずかしい
  • 友だちがうらやましい
  • がんばったのに、と思う
  • もう歌いたくない、と感じる

小さなお子様だと、こうした気持ちをうまくことばにできません。だまってしまったり、いつもよりイライラしたり、反対に「べつに気にしてない」と明るくふるまったりすることもあります。

「気にしてない」も、ひとつの守り方

「ぜんぜん平気」と言っていても、心の中では気にしていることがあります。それは、自分の気持ちを守るための、ひとつのやり方です。むりに本当の気持ちを聞き出そうとしなくてだいじょうぶです。「そっか」と受けとめて、話したくなったときに聞ける場所をつくっておきましょう。

選ばれた子への気持ちも、自然なもの

選ばれた友だちに対して、「いいなあ」「なんであの子なの」と思うこともあります。これは、だれにでもある自然な気持ちです。その気持ちをしからずに、「そう思うくらい、やりたかったんだね」と受けとめてあげると、お子様は少しずつ落ちつきやすくなります。

帰ってきたその日にできること

まずは、聞くことから

その日は、アドバイスや反省より、まず聞くことを大切にしてみてください。

  • 「そっか、選ばれなかったんだね」
  • 「くやしかったね」
  • 「たくさん練習していたもんね」

お子様のことばを、そのままくりかえすだけでもかまいません。「わかってもらえた」と感じることが、心を落ちつかせる第一歩になります。

話さないときは、そばにいるだけでいい

話したくないようすなら、むりに話をさせなくてだいじょうぶです。いっしょにおやつを食べる、好きなテレビを見る、ゆっくりおふろに入るなど、いつもどおりの時間をすごすことも、大切な受けとめ方です。

体を休める時間をつくる

がっかりした日は、心だけでなく、体もつかれています。その日は早めにねるなど、ゆっくり休めるようにしてあげましょう。つぎの日になると、気持ちが少しかるくなっていることもあります。

さけたいことば

お父様・お母様は、はげますつもりで声をかけます。でも、ことばによっては、お子様をよけいにつらくさせてしまうことがあります。

「つぎがあるよ」をすぐに言う

「つぎがあるから、だいじょうぶ」は、よく使うことばです。ただ、くやしい気持ちのまっただ中では、「いまの気持ちはわかってもらえていない」と感じる子もいます。つぎの話は、気持ちが落ちついてからでもおそくありません。

選ばれた子とくらべる

「あの子は声が大きいからね」「あの子はピアノも習っているし」など、選ばれた子とくらべることばは、お子様の自信をへらしてしまうことがあります。くらべる相手は、ほかの子ではなく、前のお子様自身です。

先生や選び方をわるく言う

「先生の見る目がない」「えこひいきだ」と言いたくなる気持ちも、わかります。でも、お子様の前で先生をわるく言うと、そのあとの学校や教室での時間がすごしにくくなることがあります。気になることがあるときは、お子様のいないところで、落ちついて考えるようにしましょう。

「だから言ったでしょ」

「もっと練習しなさいと言ったでしょ」など、責めることばは、お子様の心を閉じさせてしまいます。その日は、がんばったことだけを見てあげてください。

気持ちが落ちついてから話したいこと

がんばったことを、ことばにする

何日かたって、お子様の気持ちが落ちついてきたら、オーディションまでのことを、いっしょにふりかえってみましょう。

  • 毎日、家で歌っていたこと
  • 人前で歌うのに、手をあげたこと
  • オーディションの場で、さいごまで歌いきったこと

選ばれたかどうかとはべつに、お子様がやりとげたことは、たくさんあります。それを、ひとつずつことばにして伝えてあげてください。

「どう思った?」と聞いてみる

お父様・お母様が先に答えを言うのではなく、お子様に聞いてみるのがおすすめです。

  • 「オーディションのとき、どんな気持ちだった?」
  • 「自分では、どこがよかったと思う?」
  • 「もし、またやるとしたら、何をしてみたい?」

お子様が自分で考えたことは、つぎにつながりやすくなります。答えが出なくても、それでかまいません。

先生のことばがあれば、いっしょに読む

先生から、ひとことでもことばをもらっていたら、いっしょに読んでみましょう。よかったところが書いてあれば、まずそこを伝えます。「つぎはこうするといいね」という点は、少しずつとり入れていけばじゅうぶんです。

お子様の自信を育てるほめ方は、こちらの記事にもまとめています。歌で子どもの自信を育てる。ほめ方とことばかけ

ソロに選ばれなかったあとも、できること

合唱の中での役わりを見つける

ソロに選ばれなくても、音楽会や発表会には、たくさんの役わりがあります。合唱の中でまわりの声をよく聞くこと、みんなの声をささえること、きれいなハーモニーをつくることも、とても大切な役わりです。

「ソロではないけれど、みんなの歌をささえる大事な声だよ」と伝えると、本番にむけた気持ちを切りかえやすくなる子もいます。

選ばれた友だちを応援できたら

気持ちが落ちついてきて、お子様が自分から「あの子、がんばってほしいな」と言えたら、それはとてもすてきなことです。ただ、むりに「応援しなさい」と言う必要はありません。自分の気持ちを大切にしたうえで、自然にそう思えるのを待ってあげましょう。

本番の日は、お子様の歌を見る

本番の日、お父様・お母様は、ソロの子ではなく、お子様の姿をしっかり見てあげてください。帰ってきたら、「みんなの声の中で、ちゃんと歌っていたね」「顔が見えたよ」など、見ていたことを伝えると、お子様の心にのこりやすくなります。

つぎへの一歩のふみ出し方

「また歌いたい」と思えるまで待つ

つぎへの一歩は、お子様の気持ちがもどってからで、じゅうぶんです。すぐに練習をはじめるより、まずは歌を好きな気持ちをとりもどすことを大切にしましょう。

  • 好きな歌を、家でいっしょに歌う
  • 楽しい音楽を聞く
  • 歌とは関係のない遊びで、気分をかえる

小さな目標を立ててみる

お子様が「またやってみたい」と言いはじめたら、小さな目標をいっしょに考えてみましょう。

  • 毎日、好きな歌を1曲歌う
  • 家族の前で歌ってみる
  • 自分の歌を録音して聞いてみる

「つぎはソロに選ばれる」という目標だけだと、また選ばれなかったときに、つらくなってしまうことがあります。自分でできたかどうかをたしかめられる目標にすると、つづけやすくなります。

歌う場は、ひとつではない

学校のソロは、歌う場のひとつにすぎません。家族の前で歌うおうち発表会、歌の教室の発表会、動画で出られるコンクールなど、歌を聞いてもらえる場は、ほかにもあります。

学校とはちがう場で歌ってみると、「やっぱり歌が好き」と思えるきっかけになることもあります。

つぎのオーディションにむけて

また、ソロのオーディションにちょうせんしたいと言ったときは、準備のしかたを知っておくと安心です。こちらの記事も参考にしてみてください。音楽会・学芸会のソロに選ばれるには?オーディションの準備と心がまえ

お父様・お母様の気持ちも大切に

親もがっかりしていい

お子様ががんばっていたのを近くで見ていたからこそ、お父様・お母様もがっかりすることがあります。その気持ちは、とても自然なものです。

ただ、お子様の前では、親のがっかりした気持ちを大きく見せすぎないようにしましょう。お子様は「お父さんやお母さんをがっかりさせた」と感じてしまうことがあるからです。

だれかに話して、気持ちをかるくする

自分の気持ちは、パートナーや家族、友だちなどに話してみるのもひとつの方法です。お父様・お母様の心がかるくなると、お子様にもやさしく向き合いやすくなります。

まとめ

  • ソロに選ばれなかったとき、子供の心には、いろいろな気持ちがまざっている
  • その日は、アドバイスより、まず聞いて受けとめる
  • 「つぎがあるよ」をすぐに言う、ほかの子とくらべる、先生をわるく言うことはさける
  • 落ちついてから、がんばったことをことばにして、お子様の考えを聞いてみる
  • 合唱の中の役わりや、学校以外の歌う場にも目をむける
  • つぎへの一歩は、「また歌いたい」と思えるまで待ってからでよい

ソロに選ばれなかった経験も、歌を好きな気持ちがあれば、つぎにつながっていきます。学校とはちがう場で歌ってみたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

小学生中学生

つぎの一歩を さがす

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