レッスン中に集中できないお子様。小さな子の歌のレッスンで知っておきたいこと
「レッスン中にすぐ立ち歩いてしまって、先生にもうしわけない」 「習い事で集中できないのは、うちの子だけなのかな」
小さなお子様を歌の教室に通わせていると、こんななやみを持つお父様・お母様は多いと思います。とくに幼児のレッスンでは、ずっとすわって先生の話を聞くのは、なかなかむずかしいものです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、習い事で集中できない子供について、小さな子のレッスンで知っておきたいことをまとめます。レッスンで集中が続かない理由として考えられること、教室でできる工夫、おうちでのかかわり方、先生への相談のしかたまでお話しします。
先に大切なことをお伝えすると、小さなお子様が長い時間集中できないのは、めずらしいことではありません。あせらず、お子様に合ったやり方をいっしょにさがしていきましょう。
幼児のレッスンで、集中が続かないのはよくあること
小さな子にとって、じっとしているのはむずかしい
大人でも、同じことをずっと続けるのはつかれますよね。小さなお子様は、なおさらです。興味がほかにうつったり、体を動かしたくなったりするのは、小さなお子様にはよくあることです。
幼児のレッスンで、先生が歌あそびや手あそびをこまめに入れるのは、そのためでもあります。ひとつのことを短く区切って、次々にかえていくことで、お子様が楽しく参加しやすくなります。
「集中できない」の中身はいろいろ
ひとくちに「集中できない」といっても、お子様のようすはさまざまです。
- 立ち歩いたり、部屋の中のものをさわったりする
- 先生の話の途中で、関係のない話をはじめる
- ぼんやりして、声を出さない
- ふざけて、わざとちがう声を出す
- 少しやると「もうやらない」と言う
どんなときに、どんなようすになるのかを見ておくと、工夫のしかたも見えてきます。
発達のことが気になるときは
集中のしかたには、ひとりひとりちがいがあります。ほかの場面でも気になることが多く、心配が大きいときは、ひとりでかかえこまず、園の先生や、地域の子育て相談の窓口、かかりつけの小児科などに相談してみるのもひとつの方法です。この記事では、ふだんのレッスンでできる工夫を中心にお話しします。
レッスンで集中できない理由として考えられること
体の調子やタイミング
おなかがすいている、ねむい、つかれている、というときは、だれでも集中しにくくなります。
- お昼寝の時間とレッスンの時間が重なっていないか
- 園のあとで、つかれがたまっていないか
- レッスンの前に、少し何か食べておけるか
レッスンの曜日や時間をかえるだけで、ようすがかわることもあります。
内容がむずかしすぎる、かんたんすぎる
できないことが続くと、お子様はいやになってしまいます。反対に、かんたんすぎても、たいくつしてしまいます。いまのお子様にちょうどよい内容かどうかは、先生と話しながらたしかめていくとよいと思います。
まわりのものが気になる
部屋の中に楽器やおもちゃ、窓の外の景色など、気になるものがあると、そちらに目がいってしまいます。とくにオンラインのレッスンでは、おうちの中に気になるものがたくさんあることが多いです。
気持ちがのっていない
その日、お友だちとけんかをした、行く前にしかられた、など、気持ちがもやもやしていると、歌どころではないこともあります。レッスンの前の時間を、おだやかにすごせるようにするのも大切です。
教室・レッスンでできる工夫
レッスンの長さを見なおす
小さなお子様には、短めのレッスンのほうが合うこともあります。レッスンの時間は教室によってちがうので、えらぶときにたしかめておくとよいと思います。レッスンの長さについては、こちらの記事でもまとめています。ボイトレのレッスンは30分で短い?時間と回数(頻度)の考え方
体を動かす時間を入れてもらう
歌のレッスンでも、体を動かしながら声を出すことはよくあります。
- 歌に合わせて手をたたく
- リズムに合わせて歩く
- 動物になりきって声を出す
- 高い音で背のびをし、低い音でしゃがむ
じっとしているのが苦手なお子様には、こうした動きが入ると参加しやすくなります。先生に「体を動かすと集中しやすいようです」と伝えてみるのもよいと思います。
「次に何をするか」を見えるようにする
小さなお子様は、いつおわるのかわからないと、ふあんになったり、あきてしまったりすることがあります。
- 「この歌がおわったら、休けいしようね」と先に伝える
- 今日やることを、絵や順番で見せてもらう
- おわりの合図の歌を決めておく
先の見通しが立つと、気持ちを向けやすくなるお子様もいます。
できたことを、すぐに伝える
小さなお子様は、ほめられるとがんばる気持ちがわいてきます。少しでも声を出せたら「いい声だね」、先生のまねができたら「上手にまねできたね」と、すぐに伝えることが、次のやる気につながります。
オンラインのレッスンでの工夫
おうちでレッスンを受けるときは、まわりの環境をととのえるだけで、ようすがかわることがあります。
- 画面のまわりから、おもちゃやテレビのリモコンをかたづける
- 兄弟姉妹が近くであそんでいないか、気をくばる
- 画面の高さを、お子様の目の高さに合わせる
- お父様・お母様がとなりにすわって、いっしょに参加する
画面の中の先生とのやりとりは、小さなお子様にはむずかしいこともあります。はじめのうちは、おうちの方がそばでサポートしてあげると安心です。
お父様・お母様のかかわり方
見学中の声かけは、少なめに
レッスンを見学していると、「ちゃんと聞いて」「すわって」と声をかけたくなりますよね。でも、うしろから何度も声をかけると、お子様は先生とおうちの方の両方に気をとられてしまいます。レッスン中は、なるべく先生にまかせて、見守るようにするとよいと思います。
レッスンのあとに、しからない
帰り道に「今日は全然できなかったね」と言われると、お子様は教室に行くことが楽しくなくなってしまいます。
- 「先生とあの歌を歌ったね」
- 「手をたたくところ、楽しそうだったね」
- 「最後の歌、元気だったね」
できなかったことより、できたことや楽しそうだったところを見つけて、伝えてあげてください。
おうちでも、短い歌あそびを
おうちで長い時間練習する必要はありません。短い歌あそびを、生活の中にとり入れるだけでじゅうぶんです。
- おふろで、習った歌をいっしょに歌う
- 歯みがきのときに、歌をくちずさむ
- 歌に合わせて、かんたんなふりをつける
小さな子が楽しめる歌あそびは、こちらの記事でもしょうかいしています。幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方
先生への相談のしかた
先生に聞いてみたいこと
お子様のようすが気になるときは、先生に相談してみましょう。
- レッスン中、どんなときに集中しやすいか
- どんなときに、気がそれやすいか
- おうちでできることはあるか
- レッスンの内容や時間を、かえることはできるか
先生は、ほかにもたくさんの小さなお子様を見てきています。お子様に合ったやり方を、いっしょに考えてくれることが多いです。
伝え方の例
「いつもレッスン中にうろうろしてしまって、もうしわけありません。家ではこんなふうにすると集中しやすいのですが、教室でのようすはいかがでしょうか」
このように、あやまるだけでなく、おうちでのようすも伝えると、先生も工夫のヒントにしやすくなります。
しばらく様子を見るという考え方も
いろいろ工夫しても、なかなか集中できないときは、いまはまだ時期ではないのかもしれません。少しお休みして、おうちで歌あそびを楽しみながら、時期を見てもう一度はじめるのも、ひとつの方法です。
お子様のようすは、時間がたつとかわっていくこともあります。いまの姿だけを見て、「この子には向いていない」と決めてしまわなくてもだいじょうぶです。
まとめ
- 小さなお子様が長い時間集中しにくいのは、よくあること
- 「集中できない」のようすを見て、理由を考えてみる
- 体調や時間帯、内容のむずかしさ、まわりの環境を見なおす
- 体を動かす時間や、先の見通しを入れると参加しやすくなる
- 見学中の声かけは少なめにして、帰り道はできたことを伝える
- 気になるときは、先生に相談していっしょに工夫する
- 心配が大きいときは、園や地域の相談窓口などに相談してもよい
集中できる時間は短くても、歌うことが好きな気持ちは、とても大切な力です。短い時間でもお子様らしく歌えたら、その姿を動画にのこしておくのもおすすめです。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるので、お子様の調子がよいときに、おうちで撮った動画で参加できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様のはげみになると思います。こどもの歌声グランプリ