合唱団に新しい団員をむかえるとき。新人さんになじんでもらう工夫
「合唱団に新しい団員が入ってくれることになった。どうむかえたらいいのかな」 「せっかく入ってくれた新人さんが、なじめずにやめてしまわないか心配」
合唱団に新入団員を迎えるのは、とてもうれしいことです。でも、むかえる側も、どんなふうに声をかけたらよいか、何を伝えたらよいか、まようこともありますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、合唱団に新しい団員をむかえる側にしぼって、新人さんになじんでもらう工夫をお話しします。はじめての練習日の準備、声のかけ方、楽譜や音源のわたし方、パートでのささえ方、そして、しばらくたってからの気づかいまでをまとめました。新人さんが「この合唱団に入ってよかった」と思えるように、むかえる側にできることは、たくさんあります。
新人さんの気持ちを、想像してみる
はじめての場所は、だれでも不安
新しく合唱団に入る人は、こんな気持ちでいるかもしれません。
- 知っている人がいなくて、緊張する
- みんなについていけるか、心配
- 楽譜がよめないことを、知られたくない
- 団の決まりや、ふつうのことがわからない
- 自分の声が、まわりに合うか不安
むかえる側にとっては、いつもの練習でも、新人さんにとっては、何もかもがはじめてです。この気持ちを想像するだけで、かける声や、ふるまいがかわってくると思います。
「わからないこと」がわからない
新人さんは、何がわからないのかさえ、わからないことがあります。だから、「何か聞きたいことがあったら言ってね」だけでは、なかなか質問できません。むかえる側から、先回りして伝えてあげることが大切です。
はじめての練習日の前に、準備しておきたいこと
世話係を決めておく
新入団員をむかえるときは、世話係を決めておくと安心です。同じパートの団員が担当すると、練習中もとなりでささえやすくなります。
- 練習の日に、入り口でむかえる
- 団員に紹介する
- 練習中に、となりにすわる
- わからないことに答える
世話係がいるだけで、新人さんは「この人に聞けばいい」と安心できます。
伝えたいことを、紙にまとめる
団の決まりや、練習の流れは、口で一度にたくさん伝えても、なかなかおぼえられません。かんたんな紙にまとめて、わたしてあげましょう。
- 練習の日と時間、場所
- 練習の流れ
- 持ち物(楽譜、筆記用具、飲み物など)
- 連絡のしかた
- 団費や、本番の衣装のこと
- 困ったときに相談する人
楽譜と音源を用意しておく
いま練習している曲の楽譜を、はじめての練習日にわたせるよう準備しておきましょう。パートの音源もあわせてわたすと、家でも練習しやすくなります。音とりのしかたは、こちらの記事も参考になります。合唱の音取りのやり方。自分のパートを早くおぼえる練習のコツ
はじめての練習日の、むかえ方
名前を呼んで、あいさつする
はじめての練習日には、まず名前を呼んで、あたたかくあいさつしましょう。「お待ちしていました」のひとことがあるだけで、新人さんの緊張はずいぶんやわらぎます。
みんなに紹介する
練習のはじめに、団員みんなに新人さんを紹介しましょう。ただし、長いあいさつや、みんなの前での自己紹介をもとめすぎると、負担に感じる人もいます。名前と、入るパートくらいの、かんたんな紹介で十分です。
団員のほうも、一度に全員が名乗るより、まずは同じパートの人から、少しずつ名前をおぼえてもらうほうが、むりがありません。
となりで歌って、ささえる
練習中は、世話係や同じパートの団員が、新人さんのとなりで歌いましょう。となりから声が聞こえると、音がとりやすくなり、安心して声を出せます。
- 楽譜のどこを歌っているか、そっと指でさしてあげる
- くり返しや、とばすところを教えてあげる
- 楽譜に書きこむ記号や、ことばを教えてあげる
いきなりひとりで歌わせない
パートの確認などで、新人さんがひとりで歌う形にならないよう、気をつけましょう。はじめのうちは、みんなの声の中で歌えることが、安心につながります。
新人さんが早くなじむための工夫
団の「ふつう」を教えてあげる
団には、長くいる人には当たり前でも、新人さんにはわからないことがたくさんあります。
- 練習のはじめにすること
- 休けいのすごし方
- 片づけの手つだい方
- 楽譜への書きこみのしかた
- 団の中でよくつかうことば
こうしたことを、そのつど教えてあげると、新人さんは団の中で動きやすくなります。
古くからの団員の輪に、とけこめるように
長くつづいている合唱団では、古くからの団員どうしが、なかよく話していることもあります。新人さんは、その輪に入りにくいと感じることがあります。
休けい中に話しかける、帰り道にいっしょに歩くなど、ちょっとしたことで、新人さんは輪に入りやすくなります。内輪の話ばかりにならないよう、気をつけましょう。
よいところを伝える
新人さんの声や、がんばっているところに気づいたら、ことばにして伝えましょう。「声がきれいですね」「音をとるのが早いですね」というひとことが、自信につながります。
反対に、はじめのうちから、こまかい注意をたくさんするのはひかえましょう。
パートの中で、新人さんをささえる
パートの音とりに、少し時間をとる
新人さんは、いま練習している曲を、はじめから知っているわけではありません。ほかの団員がすでに歌えるところでも、新人さんには、はじめての音です。パートごとの練習のときに、少しだけ時間をとって、音をたしかめる時間をつくってあげましょう。
「おいていかれている」と感じさせない
練習がどんどんすすむと、新人さんは楽譜のどこを歌っているのかわからなくなり、だまってしまうことがあります。とちゅうで止まったときに「いま、ここですよ」とそっと伝えるだけで、安心して歌いつづけられます。
パートの中に、話せる人をつくる
世話係のほかにも、パートの中に、気軽に話せる人ができると、新人さんはぐっとなじみやすくなります。練習のあとに、「今日はどうでしたか」と、ちがう団員が声をかけてみるのもよい方法です。
声の大きさを気にしすぎないように
新人さんの中には、まわりより声が小さいことを気にする人もいます。「はじめは小さい声でもだいじょうぶですよ」と伝えてあげると、むりをせずに歌えます。なれてくると、自然と声が出るようになることもあります。
しばらくたってからの気づかい
少したったころに、声をかける
入ってすぐは、まわりも気をつかってくれますが、しばらくたつと、世話をする人もへってきます。じつはこのころに、新人さんがつまずくこともあります。
- 練習についていけているか
- 困っていることはないか
- 団の中で話せる人がいるか
少したったころに、「どうですか」と声をかけてみましょう。
役わりを少しずつ
なれてきたら、かんたんな役わりを少しずつお願いしてみるのもよい方法です。片づけの手つだいや、連絡のお手つだいなど、団の一員として役に立てると、「ここにいていい」と感じやすくなります。ただし、いきなり大きな役わりをまかせすぎないよう、気をつけましょう。
本番に向けて、ささえる
新人さんにとって、はじめての本番は大きな不安があります。衣装のこと、当日の集合や流れ、ステージでの並び方など、早めにくわしく伝えてあげましょう。
のどや体を気づかう
新しい環境で、新人さんががんばりすぎてしまうこともあります。休けいをとるよう声をかけ、むりをさせないようにしましょう。痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談するよう、すすめてください。
むかえる側も、楽しむ気持ちで
新しい団員をむかえることは、合唱団にとっても、新しい風が入るよい機会です。新人さんの新鮮な気持ちにふれて、むかえる側も、歌うよろこびを思い出すことがあるかもしれません。
大人の合唱団のはじめ方や、見学のポイントは、こちらの記事にもまとめています。新人さんの立場から読んでみるのもおすすめです。大人の合唱団・コーラスのはじめ方|見学のしかた、パートの決まり方、長くつづけるコツ
まとめ
- 新人さんは、知らない人ばかりの場所で不安を感じている
- 世話係を決め、伝えたいことは紙にまとめておく
- 楽譜と音源は、はじめての練習日にわたせるよう準備する
- 名前を呼んであいさつし、かんたんに紹介して、となりで歌ってささえる
- 団の「ふつう」を教え、古くからの団員の輪に入りやすくする
- 少したったころにも声をかけ、役わりは少しずつお願いする
新人さんがなじめるかどうかは、むかえる側のちょっとした気づかいで大きくかわります。新しく入った方が、個人でも歌を学んでみたいと話していたら、近くの教室をさがしてみるのもおすすめです。歌の教室さがしまた、こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ