詩吟とは?はじめての方への、詩吟の楽しみ方と習い方
「詩吟ということばは聞いたことがあるけれど、どんなものかよく知らない」 「声を出す趣味をはじめたい。詩吟は初心者でも習えるのかな」
詩吟は、日本で長く親しまれてきた、声で詩をあじわう芸能です。年配の方の趣味というイメージをもつ方もいるかもしれませんが、お子様から大人まで、いろいろな年代の方が楽しんでいます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、詩吟とはどんなものか、その楽しみ方と、はじめての方が詩吟を習うときに知っておきたいことを、やさしくまとめます。流派や教室によって、教え方や考え方がちがうこともありますので、ここでは広く知られている、一般的なお話にとどめます。
詩吟とは?
詩に節をつけて、声で表す
詩吟とは、詩に節(ふし)をつけて、声に出してうたいあげるものです。おもに漢詩を、日本語の読み方に直して吟じます。「吟じる」とは、詩を声に出して、節をつけてうたうことをいいます。
漢詩のほかに、和歌や俳句、新しく作られた詩などを吟じることもあります。
歌とのちがい
ふだんの歌とくらべると、詩吟にはこんな特ちょうがあります。
- 一文字ずつのことばを、ゆっくり、はっきりと声に出す
- ことばの終わりを長くのばして、節をつける
- 声をゆらすような、独特の節まわしがある
- 伴奏がなくても吟じられる
メロディーにことばをのせる歌とはちがい、詩のことばそのものを、声の力で伝えるのが詩吟のよさです。
吟じられることが多い詩
詩吟では、むかしの中国の詩人や、日本の人が作った漢詩がよく吟じられます。たとえば、杜甫の「春望」や、頼山陽の「川中島」など、学校の授業や本で名前を見たことがある詩も多くあります。どの詩をどう吟じるかは、流派や教室によってちがいます。
詩吟の楽しみ方
声を出す気持ちよさ
詩吟では、おなかから、まっすぐ声を出します。大きな声で詩を吟じると、すっきりした気持ちになると感じる方も多いようです。
詩の意味を知る楽しさ
漢詩には、季節のうつりかわり、ふるさとへの思い、友だちとの別れなど、いまの人にも通じる気持ちがえがかれています。一つの詩を吟じるうちに、その意味や、作った人の気持ちを知っていけるのも、詩吟の楽しみです。
人前で吟じる楽しさ
教室によっては、発表会や大会があります。また、詩吟にあわせて剣や扇をもって舞う「剣詩舞(けんしぶ)」という芸能もあり、吟じる人と舞う人がいっしょに舞台に立つこともあります。
ひとりでも、仲間とでも
詩吟は、ひとりで吟じることも、何人かで声をそろえて吟じることもあります。教室の仲間と声を合わせる時間を、楽しみにしている方も多いと思います。
詩吟は初心者でも習える?
何歳からでもはじめられる
詩吟は、ピアノなどの楽器がなくてもはじめられ、楽譜が読めなくても、先生のお手本をまねしながら覚えていけることが多いです。そのため、大人になってから、またシニアになってからはじめる方もいます。
お子様向けのクラスがある教室もあります。漢字や詩にふれるきっかけとして、お父様・お母様といっしょにはじめるご家庭もあるようです。
声に自信がなくてもだいじょうぶ
「声が小さい」「歌は苦手」という方でも、詩吟はゆっくりしたテンポで、ことばを一つずつ声にしていくので、はじめやすいと感じる方もいます。声の高さは、ひとりひとりの声に合わせて決めることが多いです。
詩吟の習い方
教室のさがし方
- 地域の公民館やカルチャーセンターの講座をさがす
- 詩吟の教室のホームページやチラシを見る
- 知り合いに、通っている人がいないか聞いてみる
- 教室さがしのサイトで、近くの教室をしらべる
詩吟にはいくつもの流派があり、節まわしや、使う教本がちがうことがあります。はじめのうちは、流派のちがいを気にしすぎず、通いやすさや、先生や教室のふんいきでえらんでもよいと思います。
体験や見学でたしかめたいこと
- 月に何回、1回どれくらいの時間か
- 個人の稽古か、みんなでいっしょに習うのか
- 教本や会費など、ほかにかかるものはあるか
- 発表会や大会に、出なくてもよいか
- 正座がつらいとき、いすに座ってもよいか
料金や会のしくみは、教室によって大きくちがいます。気になることは、はじめに聞いておくと安心です。
稽古のすすみ方
詩吟の稽古では、先生が吟じたお手本を聞き、そのあとに生徒さんがまねをして吟じる、という形がよく見られます。はじめは短い詩や、詩の一部から練習することが多いです。
詩吟には、節の上げ下げなどを書きこんだ、楽譜のようなものを使う流派もあります。読み方は、先生がていねいに教えてくれるので、心配しなくてだいじょうぶです。
はじめのころの流れ
教室によってちがいますが、はじめのころは、こんな流れで進むことが多いようです。
- 姿勢や息のつかい方、声の出し方のきほんを知る
- 短い詩を一つえらび、読み方と意味を知る
- 先生のお手本をまねしながら、少しずつ節をつけて吟じる
- 一つの詩を最後まで吟じられるようになったら、つぎの詩にすすむ
はじめから上手に節をつけようとしなくても、だいじょうぶです。まずは、ことばを大きな声ではっきり出すことから、ゆっくりなれていきましょう。
続けるための工夫
- 稽古で教わったことを、ひとことメモにのこす
- 吟じた詩の名前と日にちを、ノートに書いておく
- 行けない日があっても、自分をせめない
一つずつ吟じられる詩がふえていくと、それが自分の記録にもなります。
詩吟の練習のコツ
姿勢をととのえる
詩吟は、正座で吟じることも、立って吟じることもあります。どちらの場合も、背すじをのばし、肩の力をぬくと、声が出しやすくなります。
おなかから息を出す
長くのばす声が多い詩吟では、息のつかい方が大切です。肩を上げずに、おなかのまわりがふくらむように息をすい、少しずつはくように意識してみてください。息のつかい方のきほんは、こちらの記事でもまとめています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
ことばをはっきり言う
詩吟は、詩のことばを伝えるものです。一つ一つのことばを、口をしっかり動かして、はっきり声に出しましょう。意味を知ったうえで吟じると、声の出し方もかわってきます。
お手本を録音して聞く
先生にゆるしてもらえるなら、稽古のお手本を録音しておくと、家での練習に役立ちます。自分の吟も録音して聞きくらべると、節まわしのちがいに気づきやすくなります。
おうちでの練習
- 吟じる詩を、まずはふつうに声に出して読む
- 詩の意味を、本などでしらべておく
- お手本を聞きながら、小さな声でまねをする
- 1日に数分でも、続けて声を出す
大きな声を出しにくいおうちでは、小さめの声で節まわしをたしかめるだけでも、練習になります。
のどと体への気づかい
詩吟は、強く長い声を出すことが多いので、のどにむりをさせないことが大切です。
- 稽古の前に、首や肩をかるくほぐす
- 水をこまめに飲む
- 高すぎる声を、むりに出そうとしない
- のどがつかれたら、その日は休む
長く正座をするのがつらいときは、むりをせず、先生に相談してみてください。のどの痛みやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談しましょう。
ほかの日本の歌との関係
日本には、詩吟のほかにも、民謡や謡(うたい)など、声で伝えてきた芸能がたくさんあります。ことばを大切にする、声を長くのばす、節をつける、といったところに、にたよさを感じる方もいるかもしれません。民謡については、こちらの記事でまとめています。民謡をはじめたい。民謡の歌い方の特ちょうと、習い方
まとめ
- 詩吟とは、おもに漢詩に節をつけて、声で吟じるもの
- ことばをゆっくり、はっきり出し、終わりを長くのばすのが特ちょう
- 声を出す気持ちよさ、詩の意味を知る楽しさなどがある
- 楽器がなくてもはじめられ、大人やシニアになってからはじめる方もいる
- 流派によって節まわしや教本がちがうので、体験や見学でたしかめる
- 姿勢、息のつかい方、ことばのはっきりさを大切に練習する
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
詩吟は、声とことばを、じっくりあじわえる習い事です。近くで習える場所をさがしてみたい方は、まずは教室さがしから、はじめてみてください。歌の教室さがし練習してきた声をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの目標を見つけるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ