お子様が「先生がこわい」と言うとき。話の聞き方と、教室への相談のしかた
「先生がこわいから、もう行きたくない」
歌の教室から帰ってきたお子様に、こう言われたら、お父様・お母様はどきっとしますよね。何があったのか心配になったり、先生にどう伝えたらよいのかなやんだりすると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、習い事の先生がこわいとお子様が言ったときに、お父様・お母様ができることをまとめます。お子様の話の聞き方、こわいと感じる理由の見つけ方、そして教室への相談のしかたについてお話しします。
「先生がこわい」ということばの中には、いろいろな気持ちがかくれています。あわてて答えを出さず、まずはお子様の気持ちをていねいに受けとめるところからはじめましょう。
「先生がこわい」ということばの中にあるもの
子供の「こわい」は、いろいろな意味がある
小さなお子様は、自分の気持ちをぴったりのことばで言うのが、まだむずかしいことがあります。「こわい」ということばの中には、たとえばこんな気持ちがふくまれていることがあります。
- 声が大きくて、びっくりした
- 注意されて、はずかしかった
- うまくできなくて、しかられた気がした
- 先生の顔が真剣で、おこっているように見えた
- まだ先生になれていなくて、きんちょうする
大人から見るとふつうのことでも、お子様にとっては大きなできごとに感じられることもあります。
先生がわるいとは限らない
歌のレッスンでは、先生がお手本で大きな声を出したり、姿勢をなおすために体にふれたりすることがあります。お子様がそれにおどろいて「こわい」と感じることもあります。
だからこそ、お子様のことばだけで「先生がひどい」と決めつけず、何があったのかを落ちついて知ることが大切です。お子様の前で先生をわるく言うと、お子様が教室に行きにくくなったり、先生との関係がさらにぎこちなくなったりすることもあります。
お子様の話の聞き方
まずは、気持ちを受けとめる
お子様が「こわい」と言ったときは、すぐに「そんなことないよ」「がんばって行こう」と言うのではなく、まずは気持ちを受けとめてあげてください。
- 「そうか、こわいと思ったんだね」
- 「話してくれて、ありがとう」
- 「どんなところが、こわかったのかな」
気持ちをわかってもらえたと感じると、お子様は少しずつ話してくれるようになります。
聞くタイミングをえらぶ
レッスンのすぐあとは、お子様もつかれていたり、気持ちが高ぶっていたりします。おふろの時間や、ねる前のゆったりした時間など、お子様がリラックスしているときのほうが、話しやすいこともあります。
問いつめるように何度も聞くと、お子様は話すのがいやになってしまいます。その日に全部聞き出そうとしなくてもだいじょうぶです。
具体的に聞いてみる
「なにがこわかったの」と聞いても、うまく答えられないお子様もいます。そんなときは、少し具体的に聞いてみるとよいと思います。
- 「先生の声が、大きかったのかな」
- 「何か言われたのかな」
- 「歌っているとき?お話ししているとき?」
- 「先生のどんな顔が、こわかったのかな」
ただし、お父様・お母様が答えを決めて聞くと、お子様がそれに合わせてしまうことがあります。「こうだったんでしょう」ではなく、いくつかの中からえらべるように聞くのがおすすめです。
いつから、どのくらいかを知る
- はじめからこわいと感じていたのか
- ある日を境に、こわいと言いはじめたのか
- レッスン全体がこわいのか、ある場面だけなのか
こうしたことがわかると、先生に相談するときにも伝えやすくなります。
こわいと感じる理由の見つけ方
レッスンを見学させてもらう
見学ができる教室なら、一度レッスンのようすを見せてもらうのもよい方法です。先生の話し方や、お子様へのかかわり方、お子様の表情などを、自分の目でたしかめることができます。
見学するときは、先生を見はるような気持ちではなく、「お子様がどんなときにきんちょうしているか」を知るつもりで見ると、落ちついて見ることができます。
お子様のようすの変化を見る
- 教室に行く前に、おなかが痛いと言う
- レッスンの日が近づくと、元気がなくなる
- 家で歌わなくなった
- 先生の話をしなくなった
こうしたようすが続くときは、お子様が思っている以上に、つらく感じているのかもしれません。
先生とお子様の相性
先生にはそれぞれの教え方があります。てきぱきとすすめる先生、じっくり待つ先生、明るくもり上げる先生など、さまざまです。どれがよい、わるいではなく、お子様との相性があります。
元気な声で引っぱってくれる先生が合うお子様もいれば、静かにやさしく話してくれる先生のほうが安心するお子様もいます。
教室への相談のしかた
相談するときの心がまえ
お子様が「こわい」と言っていることを、先生に伝えるのは気がひけるかもしれません。でも、先生もお子様が楽しく通えることをねがっています。お子様の気持ちを知ることは、先生にとっても大切な情報です。
相談するときは、先生をせめるのではなく、「お子様のために、いっしょに考えてほしい」という気持ちで伝えるとよいと思います。
伝え方の例
「いつもありがとうございます。最近、娘がレッスンの前に少しきんちょうしているようです。本人に聞くと、注意されたときに、はずかしくなってしまったようです。家ではこんなふうに声をかけているのですが、教室でのようすはいかがでしょうか」
このように、お子様のようすと、おうちでの声かけを伝えると、先生もかかわり方を考えやすくなります。
先生に直接言いにくいときは
先生に直接話すのがむずかしいときは、教室の受付や事務の方、教室の責任者の方に相談する方法もあります。大きな教室では、相談の窓口があるところもあります。
先生への聞き方や、質問しにくいときのコツは、こちらの記事にもまとめています。歌の先生に質問しにくいときは?ボイトレや習い事の先生への聞き方のコツと、聞いておきたいこと
相談したあとは、しばらく様子を見る
先生に相談したあとは、すぐに変化がなくても、しばらくお子様のようすを見守りましょう。先生がかかわり方を工夫してくれたり、お子様が先生になれてきたりして、「こわい」という気持ちが少しずつ小さくなっていくこともあります。
おうちでできるサポート
先生のよいところを話題にする
お子様の前で、先生のよいところを話題にしてみるのもよいと思います。
- 「先生、あの歌すごく上手だったね」
- 「先生、ほめてくれていたね」
- 「先生のお手本の歌、きれいだったね」
お子様が先生を身近に感じられると、こわさが少しやわらぐことがあります。
注意されることになれていく
レッスンでは、先生から「ここをこうしてみよう」と言われることもあります。お子様の中には、それを「しかられた」と感じてしまう子もいます。
「先生がアドバイスしてくれるのは、もっと上手になってほしいからだよ」と、注意の意味をやさしく伝えてあげるとよいと思います。
教室での「安心できるもの」をつくる
教室の中に、お子様が安心できるものがあると、こわさがやわらぐことがあります。
- 先生にあいさつするときに、いっしょに言うことばを決めておく
- お気に入りのハンカチを持っていく
- 教室に着いたら、まず好きな歌を口ずさむ
「これがあれば、だいじょうぶ」と思えるものがあると、気持ちを落ちつけやすくなります。
それでも、こわさがなくならないときは
相談しても、しばらく様子を見ても、お子様のこわさがなくならないこともあります。
- 先生をかえてもらえるか、教室に聞いてみる
- レッスンの形(個人・グループ・オンライン)をかえてみる
- しばらくお休みして、気持ちを落ちつける
- ほかの教室の体験レッスンを受けてみる
先生をかえたいときの伝え方は、こちらの記事でまとめています。習い事の先生を変えたいとき、どう伝える?気まずくならない伝え方と例文
また、お子様の体や心に気になる変化があるとき、レッスンの中で行きすぎたことがあったと感じるときは、ひとりでかかえず、教室の責任者の方や、まわりの信頼できる人に早めに相談してください。
まとめ
- 「先生がこわい」には、いろいろな気持ちがふくまれている
- お子様の前で先生をわるく言わず、まず気持ちを受けとめる
- 落ちついた時間に、具体的に、えらべる形で聞いてみる
- 見学やお子様のようすから、こわいと感じる理由を知る
- 教室には、せめるのではなく「いっしょに考えてほしい」と相談する
- 言いにくいときは、受付や責任者の方に相談してもよい
- なかなかよくならないときは、先生やレッスンの形をかえることも考える
お子様が安心して歌える場所は、ひとつではありません。教室のレッスンとはべつに、おうちのなれた場所で歌う機会をつくるのもよいと思います。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様が「歌ってよかった」と思えるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ