歌の先生が変わったとき。習い事の先生交代のあと、あたらしい先生となれていくコツ
「来月から、先生が変わりますというお知らせが来た」 「前の先生が大好きだったから、子どもががっかりしている」
歌の習い事をつづけていると、先生が変わることがあります。先生の引っこしや、お仕事の都合、教室の体制が変わるときなど、理由はさまざまです。生徒の側からは決められないことなので、とつぜんのお知らせに、気持ちがついていかないこともあると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌のレッスンで先生が交代になったときに、とまどいやすいことと、あたらしい先生となれていくためのコツをまとめます。自分から教室や先生を変えたいときの話ではなく、教室の都合で先生が変わるときにしぼってお話しします。自分から変えたいと思ったときのことは、こちらの記事に書いています。歌の教室をやめたい・かえたいと思ったとき。考えることと、先生への伝え方
習い事の先生が変わるのは、よくあること
先生が変わる理由はいろいろ
歌の教室で先生が変わる理由には、たとえばこんなものがあります。
- 先生の引っこしや、家庭の事情
- 先生がほかの教室や仕事に移る
- 教室の時間わりや体制が変わる
- 生徒の人数のバランスを見なおす
- 先生のお休み(産休など)のあいだの交代
どれも、生徒やご家族が何かをしたから、というわけではありません。まずは「よくあることなんだ」と、少し肩の力をぬいて受けとめてみてください。
とまどうのは、しぜんなこと
前の先生と長くいっしょに歌ってきたほど、さみしさやとまどいは大きくなります。大人の方でも、「せっかくなれてきたのに」と感じるのは、しぜんなことです。お子様が「いやだ」「前の先生がいい」と言っても、まずはその気持ちをそのまま聞いてあげましょう。
先生が変わる前にしておきたいこと
前の先生にお礼を伝える
最後のレッスンがわかっているときは、これまでのお礼を伝えておくと、気持ちよく区切りをつけられます。
- レッスンのおわりに、ことばでお礼を言う
- お子様が手紙やカードを書いてわたす
- 大人の方なら、短いメッセージをそえる
むずかしく考えなくてもだいじょうぶです。「これまでありがとうございました。歌がもっと好きになりました」という、ひとことでも気持ちは伝わります。品物をわたすかどうかは、教室のきまりもあるので、むりにする必要はありません。
前の先生に聞いておけるとよいこと
もし時間があれば、前の先生に次のようなことを聞いておくと、あたらしい先生にバトンをわたしやすくなります。
- いま練習している曲と、そのとちゅうのところ
- 先生から見た、よいところと、これからの課題
- 家での練習で気をつけてほしいこと
教室の中で、先生どうしが引きつぎをしてくれることも多いです。それでも、生徒の側でもメモを残しておくと安心です。
これまでの記録を見なおしておく
楽譜への書きこみや、レッスンのメモ、録音などがあれば、ひととおり見なおしておきましょう。あたらしい先生に「前はこんなことを習っていました」と伝えるときの手がかりになります。
あたらしい先生とのはじめのレッスン
自分のことを、短く伝える
はじめてのレッスンでは、自分のことを少し伝えておくと、先生もすすめやすくなります。
- 歌を習いはじめて、どのくらいか
- いま練習している曲
- 歌でやってみたいこと(発表会、コンクール、好きな歌を歌いたい、など)
- のどや体で気をつけていること
お子様の場合は、お父様・お母様がとなりで少しおぎなってあげると安心です。でも、できれば、お子様が自分のことばで伝える時間もつくってあげてください。
はじめから「前と同じ」をもとめない
あたらしい先生には、あたらしい先生のやり方があります。はじめのレッスンから「前の先生はこうしていました」と何度も言うと、先生もやりにくくなってしまいます。
もちろん、前に習ったことを伝えるのは大切です。ただ、「前はこう習いました。先生はどう考えますか」と、たずねる形にすると、話がしやすくなります。
教え方がちがって、とまどうとき
ちがう言い方でも、めざすところは同じことが多い
先生によって、説明のことばはかなりちがいます。たとえば、ある先生は「おなかをささえて」と言い、べつの先生は「息をゆっくり送って」と言うかもしれません。言い方はちがっても、めざしている声は、にていることも多いです。
ちがう言い方にふれることで、「そういうことだったのか」と、前よりわかるようになることもあります。
わからないことは、その場で聞く
前の先生とちがうことを言われて、まよったときは、そのままにせず、聞いてみましょう。
- 「いまのところを、もう一度見せていただけますか」
- 「家で練習するときは、どこに気をつければよいですか」
- 「前は息をたくさんすうように習ったのですが、今日のやり方とどうちがいますか」
聞くことは、失礼なことではありません。先生も、生徒が何にまよっているかがわかると、説明しやすくなります。
すぐに合う・合わないを決めない
あたらしい先生と、ぴったり合うまでには、少し時間がかかります。1回か2回のレッスンで「合わない」と決めてしまうのは、少しもったいないかもしれません。
1か月から3か月くらい、ようすを見ながら通ってみると、先生のよさが見えてくることも多いです。そのうえで、どうしても気になることがあるときは、教室に相談してみましょう。
お子様がなかなかなれないとき
気持ちを聞く時間をつくる
お子様が「前の先生がよかった」と言うときは、すぐに「そんなこと言わないの」と止めずに、どんなところが好きだったのかを聞いてみましょう。
- 「前の先生の、どんなところが好きだった?」
- 「あたらしい先生とのレッスンで、楽しかったことはあった?」
- 「何か、こまっていることはある?」
話しているうちに、お子様の中で気持ちが少しずつ整理されていくことがあります。
小さな「よかった」を見つける
レッスンのあとに、「今日はあたらしい歌を教えてもらったね」「先生にほめてもらえたね」など、小さなよかったことを、いっしょにさがしてみてください。くらべるのではなく、あたらしい先生とのレッスンにも楽しいことがある、と気づけるようにするのが大切です。
お父様・お母様が先生と話しておく
お子様がなれるまでのあいだ、お父様・お母様が先生と少し話しておくと、先生もお子様のことをわかりやすくなります。「人見知りなので、はじめは声が小さいかもしれません」「前の先生のことが大好きでした」など、ひとこと伝えておくだけでもちがいます。
大人の方が先生交代になれるコツ
大人の方は、自分の中に「前のやり方」がしっかり残っているぶん、あたらしいやり方を受け入れるのに時間がかかることがあります。
- レッスンのたびに、あたらしく気づいたことを1つメモする
- 前の先生と今の先生のアドバイスを、どちらも大切にする
- 自分の歌を録音して、少しずつの変化をたしかめる
- 「もう一度はじめから教わる」くらいの気持ちで向き合う
講評やアドバイスを、どう練習に生かすかについては、こちらの記事も参考にしてみてください。コンクールの講評の読み方と、つぎの練習への生かし方。お父様・お母様ができること
気になることがあるときの、教室への相談のしかた
まずは、あたらしい先生に話してみる
レッスンのすすめ方や、練習の量など、気になることがあるときは、まずあたらしい先生に話してみましょう。「前は毎回ここまでやっていたのですが、これからはどんなすすめ方になりますか」のように、たずねる形で伝えると、先生も答えやすくなります。
それでもむずかしいときは、教室の受付へ
先生と話しても、どうしても気持ちがおちつかないときは、教室の受付や運営の方に相談できることもあります。曜日や時間を変えると、ほかの先生のレッスンを受けられる教室もあります。ただ、どこまで相談にのってもらえるかは、教室によってちがいます。
相談するときに気をつけたいこと
- あたらしい先生をせめるような言い方はさける
- 「何にこまっているか」を、短く具体的に伝える
- 前の先生との連絡のとり方は、教室のきまりにしたがう
前の先生に、教室を通さずにレッスンをたのむことを、きまりで止めている教室もあります。まよったときは、教室にたしかめてから動きましょう。
まとめ
- 先生が変わるのは、教室ではよくあること。とまどうのはしぜんなこと
- 前の先生には、ことばや手紙でお礼を伝えて区切りをつける
- いまの曲や課題などをメモにして、あたらしい先生にバトンをわたす
- はじめのレッスンでは、自分のことを短く伝える
- 教え方がちがうときは、くらべるより、たずねる形で話す
- 合う・合わないは、1か月から3か月ほどようすを見てから考える
- お子様には、気持ちを聞く時間と、小さなよかったさがしを
先生が変わることは、あたらしい歌い方や考え方に出会えるきっかけにもなります。あたらしい先生といっしょにつくってきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、先生とつぎの目標を話し合うきっかけにもなると思います。こどもの歌声グランプリ