コンクールの講評の読み方と、つぎの練習への生かし方。お父様・お母様ができること
「講評をもらったけれど、どう受けとめればいいのかわからない」 「書いてあることは大切そうなのに、練習にどう生かせばいいのかな」
歌のコンクールに出ると、審査員の先生から講評をいただけることがあります。せっかくもらった講評も、読んで終わりにしてしまうのは、もったいないですよね。かといって、きびしいことばに落ちこんでしまったり、どこから手をつければいいかわからなかったりすることもあると思います。
わたしは、息子といっしょにたくさんの歌のコンクールに出てきました。
この記事では、お父様・お母様に向けて、コンクールの講評の読み方と、つぎの練習への生かし方をまとめます。審査員の先生がどんなところを見ているかについては、こちらの記事にくわしく書いています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
講評は「通知表」ではなく「地図」
講評は、つぎに進むためのヒント
講評は、点数や順位をつけるためだけのものではありません。審査員の先生が、お子様の歌を聞いて感じたことを、ことばにしてくれたものです。
「ここができていない」という指摘も、「ここをのばすと、もっとよくなる」というヒントだと考えると、受けとめやすくなります。講評は、いまいる場所と、つぎに進む方向を教えてくれる地図のようなものです。
審査員によって、書き方はちがう
講評の書き方は、審査員の先生によってさまざまです。
- よいところを中心に書く先生
- 改善するところを、具体的に書く先生
- 短いことばで、ポイントだけを書く先生
- 歌い方だけでなく、表情や姿勢にもふれる先生
同じ歌でも、先生によって気になるところがちがうこともあります。ひとつの講評だけで、お子様の歌のすべてが決まるわけではありません。
講評を読むときの順番
1. まずは、よいところをさがす
講評を読むときは、まず、ほめられているところに線を引いてみてください。
- 「声がよくひびいています」
- 「ことばがはっきり聞こえます」
- 「楽しそうに歌っているのが伝わります」
こうしたことばは、お子様の歌のつよみです。つよみを知ることは、自信につながります。
2. つぎに、アドバイスを読む
よいところをたしかめてから、アドバイスの部分を読みます。いちどに全部を直そうとしなくてだいじょうぶです。
3. 気になることばに、しるしをつける
意味がわかりにくいことばや、どう練習すればいいかわからないところには、しるしをつけておきましょう。あとで先生に聞いたり、しらべたりするときに役立ちます。
講評によく出てくることばと、その受けとめ方
講評には、歌の専門的なことばが出てくることがあります。よく見かけることばを、かんたんにまとめました。ただし、先生によって意味のこめ方がちがうこともあるので、あくまでめやすとして読んでください。
「音程」について
「音程がやや不安定」などと書かれていたら、音の高さが少しずれて聞こえるところがあった、ということです。とくに、高い音や、音がとぶところで起こりやすいです。
「ブレス」「息つぎ」について
「ブレスの位置を見なおしましょう」とあれば、息をすう場所を考えなおすとよい、というヒントです。ことばのとちゅうで息をすっていないか、楽譜を見ながらたしかめてみましょう。
「ひびき」「響き」について
「もっとひびきがほしい」は、声がのどの近くにとどまって、まわりに広がりにくい感じがする、という意味で書かれることが多いです。
「表現」「気持ち」について
「表現がもう少しほしい」は、歌詞の気持ちや、曲の場面が、もっと伝わるとよい、ということです。
「発音」「ことば」について
「ことばがききとりにくい」は、歌詞の一部が聞こえにくかったという意味です。口の開け方や、ことばの最初の音を意識すると、かわってくることがあります。
「姿勢」「表情」について
動画審査では、歌っているときの姿勢や表情も見られていることがあります。「表情がかたい」とあれば、緊張が伝わっていたのかもしれません。
お子様といっしょに講評を読むコツ
読むタイミングを考える
結果が思ったとおりでなかったときは、すぐに講評を読むと、お子様が落ちこんでしまうことがあります。気持ちが落ちついてから、いっしょに読むのもひとつの方法です。
結果が出なかったときの気持ちの立てなおし方は、こちらの記事にまとめています。コンクールで思うような結果が出なかったとき。親子でのふりかえり方
お父様・お母様が先に読んでおく
お子様に見せる前に、お父様・お母様がひととおり読んでおくと安心です。むずかしいことばを、お子様にわかることばにかえて伝えることもできます。
「よいところ」から話す
お子様と読むときは、かならずよいところから話してあげてください。
- 「声がきれいって書いてあるよ」
- 「楽しそうって伝わったんだね」
そのあとで、「つぎは、ここをやってみようか」と、アドバイスを一つだけえらんで話すと、お子様も前向きに受けとめやすくなります。
お子様の考えも聞く
「自分ではどう思った?」と聞いてみるのもおすすめです。お子様が自分で気づいていたことと、講評が同じだったら、それは大きな自信になります。
つぎの練習への生かし方
アドバイスを1つか2つにしぼる
講評にたくさんのアドバイスが書かれていても、いちどに全部を練習するのはむずかしいものです。まずは、1つか2つにしぼりましょう。
えらぶときのめやす
- いくつかの講評で、同じことを言われている
- お子様が、自分でも気になっている
- 短い期間で、とりくみやすい
目標を「できたかどうか」がわかる形にする
「音程をよくする」より、「サビの高い音を、ピアノの音と合わせて3回歌う」のように、できたかどうかがわかる形にすると、練習しやすくなります。
講評のことばと、練習の目標の例
- 「ブレスの位置を見なおしましょう」→ 楽譜に息つぎのしるしを書き、そのとおりに歌う
- 「ことばがききとりにくい」→ 歌詞をゆっくり読んでから、歌う
- 「表情がかたい」→ 鏡の前で、歌いはじめの表情をたしかめる
- 「もっとひびきがほしい」→ 先生に、ひびきを出す練習を教えてもらう
先生に講評を見せる
歌を習っている場合は、講評を先生に見せて、「どんな練習をすればいいですか」と相談してみてください。先生は、お子様の声をよく知っているので、講評をもとに、合った練習を考えてくれることが多いです。
講評をファイルにまとめておく
もらった講評は、日づけと曲名をつけて、1つのファイルにまとめておくのがおすすめです。何回かのコンクールの講評をならべて読むと、
- いつも言われていること
- 前は言われていたけれど、言われなくなったこと
が見えてきます。言われなくなったことは、お子様ががんばって直せたところです。ぜひ、いっしょによろこんであげてください。
つぎのコンクールまでの流れを考える
講評をもとに練習するときは、つぎのコンクールや発表会までの時間も考えておくと、あせらずにすみます。
- はじめの数週間は、えらんだアドバイスだけに集中する
- なれてきたら、曲全体を通して歌ってみる
- ときどき録音して、講評のことばと聞きくらべる
同じ曲でもう一度出るのか、新しい曲にするのかも、お子様や先生と話してみてください。同じ曲なら、講評をもとにした変化がわかりやすくなります。
気をつけたいこと
- 講評をもとに、お子様を責めない
- 1つの講評だけで、「才能がない」と決めつけない
- アドバイスを直そうとして、のどにむりをさせない
- 練習の時間を、急にふやしすぎない
のどの痛みやかすれがつづくときは、練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 講評は、つぎに進むためのヒントがつまった地図のようなもの
- 読むときは、まずよいところ、つぎにアドバイスの順で
- むずかしいことばは、お父様・お母様がかみくだいて伝える
- お子様と読むときは、よいところから話し、アドバイスは1つにしぼる
- 練習の目標は、できたかどうかがわかる形にする
- 講評を先生に見せたり、ファイルにまとめたりして、変化をたしかめる
講評をていねいに読んで練習を重ねると、お子様の歌が少しずつかわっていくのを、いっしょに感じられると思います。講評をもらえるコンクールをさがしているときは、こどもの歌声グランプリをのぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出場した方には講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの練習のヒントにしていただけると思います。こどもの歌声グランプリ