声楽のコンサートの聴き方とマナー。はじめての方とお子様づれの方へ
「声楽のコンサートに行ってみたいけれど、マナーがよくわからなくて不安」 「子連れでクラシックのコンサートに行っても、だいじょうぶかな」
声楽のコンサートは、マイクをつかわずに、歌い手の声がそのまま会場にひびく、とてもぜいたくな時間です。でも、はじめての方にとっては、「いつ拍手をすればいいの?」「どんな服で行けばいいの?」など、気になることが多いと思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌を聞く側になる時間も、歌う力を育ててくれる、大切な時間だと感じています。
この記事では、声楽のコンサートのマナーと、楽しい聴き方をまとめました。後半では、お子様づれでクラシックのコンサートに行きたいお父様・お母様に向けて、会場えらびや準備のポイントもお話しします。
声楽のコンサートとは
マイクをつかわない歌を、生で聞く
声楽のコンサートでは、歌い手がピアノなどの伴奏に合わせて、オペラのアリアや、外国の歌曲、日本の歌などを歌います。
マイクをとおさない声が、会場いっぱいにひびくのが、いちばんの魅力です。小さな声の、ささやくような歌も、ちゃんと客席までとどきます。そのぶん、客席の小さな音も、思った以上にひびいてしまうことがあります。
いろいろな形のコンサートがある
- ひとりの歌い手が歌う「リサイタル」
- 何人かの歌い手が順番に歌うコンサート
- オーケストラといっしょに歌うコンサート
- 子ども向け、家族向けのコンサート
はじめての方は、知っている曲が入っているコンサートや、時間が短めのコンサートからえらぶと、楽しみやすいと思います。
声楽のコンサートのきほんのマナー
服そうは、きれいめなふだん着でだいじょうぶ
声楽のコンサートだからといって、ドレスやスーツで行かなければいけない、ということはほとんどありません。清潔感のある、きれいめなふだん着でじゅうぶんです。
ただし、次のことには気をつけましょう。
- 動くと音が出るアクセサリーや、かさかさ鳴る服はさける
- 大きなぼうしは、うしろの人が見えにくくなるので、会場ではぬぐ
- 香水は、まわりの人のことを考えて、ひかえめに
会場には、少し早めに着く
開演ぎりぎりに着くと、あわててしまいます。少し早めに着いて、お手洗いをすませ、席をたしかめておきましょう。
演奏がはじまってから会場に入ると、まわりの人の集中をさまたげてしまいます。おくれてしまったときは、係の人の案内にしたがい、曲の切れ目で入るようにしましょう。
演奏中の音に気をつける
声楽のコンサートでは、しずかな場面がとても大切です。
- スマホは、音が出ないように電源を切る
- 演奏中に、話をしない
- あめやお菓子の袋をあける音に気をつける
- せきが出そうなときは、ハンカチで口をおさえる
せきが続きそうなときは、曲と曲のあいだに、そっと外に出てもだいじょうぶです。
写真や録音は、決まりにしたがう
多くのコンサートでは、演奏中の写真や動画、録音は禁止されています。カーテンコールのときだけ写真がOKな会場もあるので、会場のアナウンスや案内をたしかめましょう。
拍手のタイミング
いちばんまよいやすいところ
声楽のコンサートのマナーで、いちばんまよいやすいのが、拍手のタイミングだと思います。
何曲かまとめて歌うときは、最後に拍手
声楽のコンサートでは、同じ作曲家の歌を何曲か続けて歌うことがよくあります。そのときは、1曲ごとではなく、まとまりの最後に拍手をすることが多いです。
プログラムを見ると、曲がまとまりごとに書かれていることがあるので、先に見ておくと安心です。
まよったら、まわりに合わせる
わからないときは、まわりの人が拍手をはじめてから、合わせればだいじょうぶです。曲が終わっても、歌い手やピアニストが手をおろして、ひと息つくまでは、少しだけ待つと、ひびきの余韻を楽しめます。
アリアのあとは、拍手が起こることも
オペラのアリアを歌うコンサートでは、1曲ごとに拍手が起こることもあります。とても心にのこる歌だったときは、「ブラボー」と声がかかることもありますが、むりに声を出す必要はありません。拍手で、じゅうぶん気持ちは伝わります。
声楽のコンサートを楽しむ聴き方
プログラムを読んでおく
当日にもらうプログラムには、曲の名前や、曲の説明、歌詞の訳がのっていることがあります。始まる前に読んでおくと、外国語の歌でも、どんな気持ちを歌っているのかがわかり、楽しみがふえます。
声の「ひびき」に耳をすます
声楽のコンサートでは、ぜひ声のひびきに耳をすませてみてください。
- 小さな声でも、遠くまでとどいていること
- 高い音と低い音で、声の色がかわること
- ことばの最後の音が、会場にのこる感じ
マイクをつかわない声ならではのよさを、感じられると思います。
歌い手の表情や体にも注目する
声楽の歌い手は、顔の表情や、立ち方、目線でも、歌の気持ちをあらわしています。歌っていないときの表情や、ピアノの前奏を聞いているときの様子にも注目すると、また別の楽しみがあります。
休けい時間の楽しみ方
コンサートのとちゅうには、休けい時間があることが多いです。お手洗いに行ったり、飲み物を飲んだりして、ひと息つきましょう。プログラムの後半の曲を、ここで読んでおくのもおすすめです。
休けいのあとは、開演のベルやアナウンスが鳴ったら、早めに席にもどるようにしましょう。
聞いたあとに、感じたことをメモする
「あの歌がよかった」「あの高い音にびっくりした」など、感じたことをメモしておくと、あとで思い出しやすくなります。自分で歌を習っている方は、練習のヒントになることもあります。
お子様づれでクラシックのコンサートに行くとき
年れいの制限をたしかめる
クラシックのコンサートの中には、小学生以上、6歳以上など、入場できる年れいが決まっているものがあります。チケットを買う前に、かならずたしかめましょう。
小さなお子様といっしょなら、「0歳から」「親子で楽しめる」などと書かれた、子連れOKのコンサートをえらぶと安心です。
はじめは、短めのコンサートから
お子様にとって、長い時間しずかにすわっているのは、むずかしいことです。はじめは、1時間くらいの短めのコンサートや、休けいのあるコンサートをえらぶのがおすすめです。
出入りしやすい席をえらぶ
通路に近い席や、うしろのほうの席だと、お子様がぐずったときに、さっと外に出やすくなります。自由席のときは、少し早めに行って、出入りしやすい席をさがしましょう。
行く前に、おうちで準備する
- コンサートで歌われる曲を、家でいっしょに聞いておく
- 「歌っているときは、しずかに聞こうね」と、前もって話しておく
- 拍手のタイミングを、あそびのように練習しておく
- 当日は、お手洗いをすませてから会場に入る
知っている曲が出てくると、お子様も楽しみに聞いてくれることが多いです。
とちゅうで出ても、だいじょうぶ
お子様が泣いてしまったり、がまんできなくなったりしたら、曲の切れ目で、そっと外に出てだいじょうぶです。むりにがまんさせるより、「また来ようね」と、楽しい思い出で終わらせるほうが、次につながります。
お子様と本番を見に行くときのマナーは、こちらの記事でもまとめています。お子様の歌の本番を見に行くときの、家族のマナーと応援のしかた
歌を習っているお子様には、よいお手本に
歌を習っているお子様にとって、声楽のコンサートは、生の声を聞けるよい機会です。歌い手のおじぎや、ステージでの立ち方を見ることも、自分が発表会やコンクールに出るときの参考になります。ステージでのマナーについては、こちらの記事も読んでみてください。ステージでのおじぎ・入場・退場のマナー。子どものはじめての本番に
まとめ
- 声楽のコンサートは、マイクをつかわない声を生で楽しめる場所
- 服そうは、きれいめなふだん着でだいじょうぶ。音の出るものや香水には気をつける
- 演奏中は、スマホの電源を切り、話し声やお菓子の袋の音に気をつける
- 拍手は、何曲かまとめて歌うときは最後に。まよったら、まわりに合わせる
- プログラムを読み、声のひびきや歌い手の表情にも注目すると、楽しみがふえる
- お子様づれのときは、年れいの制限をたしかめ、短めで出入りしやすいコンサートから
コンサートで歌を聞いて、「わたしも歌ってみたい」と感じたお子様には、人前で歌う楽しさを知るきっかけをつくってあげてください。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるので、おうちでとった歌で参加できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ