声楽レッスンあるある。はじめての方がおどろきやすいことと、気にしなくていい理由
声楽のレッスンに通いはじめると、思っていたのとちがうことが、いろいろ出てくるものです。
「歌を習いに来たのに、なかなか曲を歌わない」 「鏡にうつった自分の顔に、びっくりした」
こんなふうに、とまどう方はとても多いです。でも、その多くは、声楽のレッスンでは、よくあることです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。声楽のレッスンには、ほかの習い事にはない、少しふしぎな場面がたくさんあります。理由を知っておくと、「わたしだけじゃないんだ」と安心して続けやすくなります。
この記事では、声楽レッスンのあるあるを集めて、それぞれのレッスン内容の意味と、気にしなくていい理由をお話しします。はじめてのレッスンの流れや準備については、こちらの記事にまとめています。はじめての声楽レッスンでは何をする?体験の流れと、持ち物・服装
あるある1 なかなか曲を歌わない
発声練習が思ったより長い
声楽のレッスンでは、はじめに発声練習をすることが多いです。「ア」や「オ」の母音で、音の階段をのぼったりおりたりする練習を、くりかえし行います。人によっては、レッスンの半分近くが発声練習、と感じることもあるかもしれません。
気にしなくていい理由
発声練習は、声を出す準備運動であり、声の土台をつくる時間でもあります。体があたたまり、息と声がつながってくると、曲を歌うときも楽に声が出やすくなります。
また先生は、発声練習のあいだに、その日の声の調子を見ています。「今日は少しつかれているな」と気づけば、曲の練習のしかたを変えてくれることもあります。曲を早く歌いたいときは、「この曲をやりたい」と伝えてみてもよいでしょう。
あるある2 鏡にうつる自分の顔におどろく
口を大きく開けると、ふしぎな顔に
声楽のレッスンでは、口をたてに大きく開けたり、ほほを上げたりすることがあります。鏡にうつった自分の顔を見て、「こんな顔で歌っているの?」とはずかしくなる方は多いです。
気にしなくていい理由
口の中の空間を広くすると、声がひびきやすくなります。はじめは大げさに感じる顔でも、なれてくると、自然な表情で同じひびきが出せるようになっていきます。
先生も、生徒さんがはじめはふしぎな顔になることを、よくわかっています。レッスンの中では、はずかしがらずに、思いきって口を動かしてみてください。
あるある3 同じところを何回も歌う
1つのフレーズで、時間がすぎていく
曲の練習に入ると、ほんの数小節を、何回もくりかえすことがあります。「ここだけで10分たった」と感じることもあるでしょう。
気にしなくていい理由
声楽では、1つのフレーズの中に、息のつかい方、ことばの言い方、ひびきの作り方など、たくさんのことがつまっています。短いところをていねいに直していくと、その考え方を、曲のほかの場所にも生かせるようになります。
何回も言われるからといって、できていないとせめられているわけではありません。少しずつよくなっていくのを、先生といっしょにたしかめている時間です。
あるある4 「力をぬいて」と何回も言われる
ぬこうとすると、もっと力が入る
声楽のレッスンでよく聞くことばの1つが、「力をぬいて」です。でも、ぬこうとすればするほど、かえってかたくなってしまう、というのもよくあるなやみです。
気にしなくていい理由
力のぬき方は、すぐに身につくものではありません。多くの方が、長い時間をかけて少しずつ覚えていきます。先生は、体をゆらす、ため息のように声を出すなど、いろいろな方法で力をぬくきっかけをくれます。自分に合う方法が見つかるまで、ゆっくりかまえてだいじょうぶです。
あるある5 ふしぎなたとえが多い
「頭の上から声を出して」?
声楽の先生は、「頭のうしろから声が出るように」「声をおでこに当てるように」など、たとえを使って説明することがよくあります。はじめて聞くと、意味がよくわからずに、とまどうかもしれません。
気にしなくていい理由
声は、体の中で起きていることなので、目で見ることができません。そのため、感じ方をことばで伝えるたとえが多くなります。たとえがぴんとこないときは、「ほかの言い方で教えてください」と聞いても、まったく失礼ではありません。人によって、わかりやすいたとえはちがいます。
あるある6 自分の声が、思ったより大きい
部屋にひびく声に、びっくり
声楽の発声で歌ってみると、ふだんのカラオケなどとはちがう、大きなひびきが部屋に広がることがあります。自分の声におどろいて、思わず声を小さくしてしまう方もいます。
気にしなくていい理由
声楽の発声は、マイクを使わずに、ひびきでホールに声を届ける歌い方です。大きな声が出るのは、ひびきがうまく体に生まれているしるしでもあります。ただし、むりにどなるような大声を出す必要はありません。らくに出たひびきを、大切にしてください。
あるある7 録音した声を聞いて、落ちこむ
「こんな声だったの?」
レッスンを録音して聞いてみると、自分が思っていた声とちがって、がっかりすることがあります。これも、多くの方が感じることです。
気にしなくていい理由
自分の声は、ふだん、体の中を伝わる音もまざって聞こえています。そのため、録音した声は、自分で思っている声と少しちがって聞こえるものです。録音は、上手か下手かを決めるためではなく、変化をたしかめるための道具です。数か月あとに聞きくらべると、自分の成長に気づけることもあります。録音した自分の声のことは、こちらの記事にもまとめています。録音した自分の声がへんに聞こえるのはなぜ?自分の声とのつきあい方
あるある8 外国語の歌がいきなり出てくる
イタリア語の歌から、はじめることも
声楽のレッスンでは、はじめのころから、イタリア語の歌曲や、練習曲集をつかうことがあります。「日本語の歌を歌いたかったのに」と思う方もいるかもしれません。
気にしなくていい理由
イタリア語は、母音がはっきりしていて、声楽の発声を身につけるのに向いているといわれています。そのため、練習によくつかわれます。もちろん、日本語の歌を歌いたい気持ちは、先生に伝えてかまいません。目的に合わせて曲をえらんでくれる先生も多いです。
あるある9 レッスンのあと、どっとつかれる
体をたくさん使っている
声楽のレッスンのあと、思ったよりつかれたと感じる方も多いです。おなかや背中、足など、体全体をつかって歌っているからです。
気にしなくていい理由
体をつかって歌えている、ということでもあります。レッスンのあとは、水をのんで、話す時間を少しへらすなど、のどを休めましょう。ただ、のどがひりひりする、痛みやかすれが何日も続くなどのときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
あるある10 まわりの生徒さんがみんな上手に見える
発表会で、自分とくらべてしまう
教室の発表会で、ほかの生徒さんの歌を聞くと、「みんな上手で、自分だけできていない」と感じることがあります。
気にしなくていい理由
習いはじめた時期も、声の種類も、目標も、人によってちがいます。上手に見える生徒さんも、はじめは同じようにとまどっていたかもしれません。くらべる相手は、ほかの人より、少し前の自分にすると、気持ちが楽になります。
あるあるを楽しむために
- わからないことは、その場で先生に聞く
- 言われたことを、1行だけでもメモしておく
- はずかしさは、なれとともに少しずつへっていく
- できなかったことより、できたことに目を向ける
あるあるは、それだけ多くの方が同じ道を通ってきた、ということです。とまどいも、続けていくうちに、なつかしい思い出になっていくはずです。
まとめ
- 声楽のレッスンでは、発声練習が長い、同じところをくりかえすなど、おどろく場面が多い
- 口を大きく開ける顔や、ふしぎなたとえにも、ちゃんと理由がある
- 録音の声にがっかりするのは、多くの方が感じること
- わからないときは、先生に聞いてだいじょうぶ
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
自分に合う先生と出会えると、あるあるも楽しく感じられるようになります。声楽の教室や先生をさがすときは、こちらのページをつかってみてください。歌の教室さがしレッスンで練習してきた歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところに気づくきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ