3連符・8分の6拍子の歌い方。ゆれるリズムを気持ちよく歌うコツ
「楽譜に3連符が出てくると、どう歌えばいいのかわからなくなる」 「8分の6拍子の曲は、なんだかリズムがとりにくい」
歌の楽譜には、ふだんの「1・2・3・4」とはちがう、ゆれるようなリズムが出てくることがあります。その代表が、3連符と8分の6拍子です。どちらも「1つの拍を3つに分ける」リズムで、子守唄や舟の歌、ゆったりしたバラードなどによくつかわれます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。課題曲や自由曲にこうしたリズムが出てきて、楽譜を前に「どう数えるの?」と思うこともあるかもしれません。でも、しくみがわかれば、こわくありません。
この記事では、3連符の歌い方と、8分の6拍子の歌い方にしぼって、リズムの感じ方と練習のしかたをまとめます。リズム感ぜんたいの練習やメトロノームのつかい方は、べつの記事でくわしく紹介しています。
3連符とは
1拍を、3つに同じ長さで分けたもの
ふつう、4分音符1つぶんの長さは、8分音符2つに分けられます。3連符は、それを3つに同じ長さで分けたものです。楽譜では、音符の上や下に「3」という数字が書いてあります。
ことばであらわすと、こんな感じです。
- 8分音符2つ:「タ・タ」
- 3連符:「タ・タ・タ」(同じ時間に3つ)
ポイントは、3つの音が、どれも同じ長さだということです。
よくあるまちがい
3連符でよくあるのは、次のようなずれです。
- はじめの2つが速くなり、さいごの1つが長くなる
- 「タタ・タ」のように、2つと1つに分かれてしまう
- 3連符のあとの音に入るのが、早くなる
どれも、3つの音の長さがそろっていないことが原因です。
3連符の歌い方。3つの練習
練習1 3文字のことばで言ってみる
3連符を感じるには、3文字のことばをつかうのがおすすめです。
たとえば「メロン」「みかん」「りんご」などです。手びょうしを1回たたく間に、「み・か・ん」と3つの音を同じ長さで言います。手びょうしは、ゆっくり一定の速さでたたき続けましょう。
なれてきたら、「りんご・りんご・りんご・りんご」と、4回続けて言ってみます。手をたたくタイミングで、いつも「り」が来るようにします。
練習2 2つと3つを入れかえる
歌の中では、ふつうの8分音符と3連符がまざって出てくることが多いです。そこで、2つと3つを入れかえる練習をします。
- 手びょうしに合わせて「タ・タ」(2つ)を4回
- つづけて「タ・タ・タ」(3つ)を4回
- また「タ・タ」にもどる
手びょうしの速さは、ずっと同じです。2つから3つにかわるときに、手びょうしがつられて速くならないように気をつけましょう。
練習3 歌のメロディを「ラ」で歌う
ことばをつける前に、3連符が出てくるメロディを、「ラ」だけで歌ってみます。ことばがないぶん、リズムに集中しやすくなります。
「ラ」で3つの音が同じ長さで歌えたら、つぎに本当のことばをのせます。ことばをつけたとたんにずれるときは、その部分だけ、ことばをゆっくり言う練習にもどりましょう。
8分の6拍子とは
1小節に、8分音符が6つ
8分の6拍子は、1小節の中に8分音符が6つ入るリズムです。数字だけ見ると「6つ数える」ように思えますが、歌うときは、6つを3つずつ2つのかたまりに分けて感じることが多いです。
- 1・2・3・4・5・6
- 「1」と「4」が、強いところ
つまり、大きく見ると「1・2」の2拍子で、その1拍1拍が3つに分かれている、と考えるとわかりやすくなります。
3連符とにているところ
8分の6拍子は、大きな拍が3つに分かれているので、3連符がずっと続いているような感じになります。そのため、ゆらゆらとゆれるような、やさしいリズムに聞こえます。
4分の3拍子とのちがい
同じ「3」でも、4分の3拍子は「1・2・3」と、1小節が3拍のワルツのリズムです。8分の6拍子は「1・2・3・4・5・6」を2つのかたまりで感じます。楽譜の数字を見て、どちらなのかをたしかめておきましょう。楽譜の数字の読み方は、こちらの記事にまとめています。楽譜が読めなくても歌える?楽譜のよみ方のはじめの一歩
8分の6拍子の歌い方。3つの練習
練習1 体を左右にゆらして感じる
8分の6拍子は、体でゆれを感じるのが近道です。
- 足を少し開いて立つ
- 「1」で右に、「4」で左に、体重をゆっくり移す
- 口で「1・2・3・4・5・6」と数えながら、ゆれ続ける
ゆりかごや、ぶらんこのようなイメージで、大きくゆったりゆれましょう。
練習2 「1」と「4」だけ手をたたく
6つ全部で手をたたくと、せかせかしたリズムになりがちです。「1」と「4」のところだけ手をたたき、あいだの「2・3」「5・6」は、口で小さく数えます。
こうすると、2つの大きなかたまりを感じやすくなり、歌もゆったり聞こえます。
練習3 ことばの強いところを合わせる
8分の6拍子の曲では、ことばの大切な音が「1」や「4」に来ることが多いです。歌詞を見ながら、どのことばが「1」と「4」に来るのかを、えんぴつでしるしをつけておきましょう。
しるしをつけたことばを、少しだけ大切に歌うと、ゆれるリズムが自然に出てきます。
楽譜で、ゆれるリズムを見つけるには
楽譜のはじめの数字を見る
曲のはじめに書いてある「8分の6」という数字は、その曲がずっと8分の6拍子だというしるしです。歌いはじめる前に、まず拍子の数字をたしかめるくせをつけましょう。とちゅうで拍子がかわる曲もあるので、楽譜のとちゅうに新しい数字が出てきていないかも見ておきます。
「3」の数字に、しるしをつける
3連符は、楽譜の中にときどき出てくることが多いので、見おとしやすいです。「3」の数字が書いてあるところを、色えんぴつでかこんでおくと、歌うときに気づきやすくなります。
よく出てくる曲のふんいき
3連符や8分の6拍子は、次のような曲によく出てきます。
- 子守唄や、ゆりかごをイメージした曲
- 舟や波など、水のゆれをえがいた曲
- ゆったりしたバラード
- おどりのような、はずむ感じの曲
曲のふんいきから「ゆれるリズムかな」と考えておくと、楽譜を読むときのヒントになります。
ゆれるリズムを気持ちよく歌うコツ
あいだの音を、強くしすぎない
3連符も8分の6拍子も、3つのうちの1つめが少し強く、あとの2つは軽めになります。全部の音を同じ強さで歌うと、ゴツゴツした感じになります。1つめは少ししっかり、2つめと3つめは、ふわっとつなぐイメージで歌いましょう。
のばす音の長さを数える
8分の6拍子では、付点4分音符(8分音符3つぶん)の長さの音がよく出てきます。のばしているあいだも、心の中で「1・2・3」と数え、短くなりすぎないようにしましょう。
息つぎで、ゆれを止めない
息をすうときに、リズムが止まってしまうと、ゆれがとぎれます。息つぎの場所を前もって決めておき、ゆれを感じたまま、すっとすうようにしましょう。
録音してたしかめる
自分ではそろっているつもりでも、録音を聞くと、3つの音の長さがちがっていることがあります。気になったところは、ゆっくりの速さにもどして、手びょうしといっしょに練習しなおしましょう。
のどの調子も大切に
リズムに集中すると、つい力が入りやすくなります。肩やのどの力をぬいて、らくに声を出しましょう。痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お子様と練習するときは
小さなお子様には、数字で数えるより、体をゆらしたり、手をつないでいっしょにゆれたりするほうが、伝わりやすいです。「ゆらゆら、ゆらゆら」と声をかけながら歌ったり、3文字のことばあそびをしたりと、遊びの中でリズムを感じられるようにしてあげてください。
お父様やお母様が、いっしょに楽しそうにゆれてあげるだけでも、お子様はリズムを感じやすくなります。
まとめ
- 3連符は、1拍を3つに同じ長さで分けたリズム
- 3文字のことばと手びょうしで、3つの長さをそろえる練習をする
- 8分の6拍子は、6つを3つずつ2つのかたまりで感じる
- 体を左右にゆらしたり、「1」と「4」だけ手をたたいたりして、ゆれを感じる
- 1つめを少ししっかり、あとの2つは軽めに歌うと、気持ちよくゆれる
- 録音して、3つの音の長さがそろっているかをたしかめる
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
リズムぜんたいの感じ方をきたえたい方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。リズム感をよくする歌の練習。子どもも大人もできる手拍子・メトロノーム練習ゆれるリズムの曲を気持ちよく歌えるようになったら、だれかに聞いてもらうのもよい目標になります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ