ロックの歌い方のコツ。力強い声の出し方と、のどを守るための注意
「ロックを歌ってみたいけれど、どうしても声が弱々しくなってしまう」 「力強く歌おうとすると、すぐにのどが痛くなる」
ロックは、声の力強さやかっこよさが魅力のジャンルです。カラオケで歌ったり、バンドを組んで歌ったりしてみたい方も多いと思います。でも、いきおいだけで大きな声を出しつづけると、のどに負担がかかってしまうこともあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、ロックの歌い方のコツにしぼって、力強い声の出し方、リズムの乗り方、ことばの伝え方、そして、のどを守るための注意をまとめました。
ロックの歌の特ちょう
ビートがはっきりしている
ロックの曲は、ドラムやベースがつくる、はっきりしたビートが特ちょうです。とくに、拍の「うら」や、二拍目と四拍目に強いアクセントがくることが多く、そのビートに声を乗せていくことが大切になります。
ことばを、まっすぐぶつける
ロックの歌は、ことばを飾るよりも、まっすぐ聞いている人にぶつけるような歌い方が多いです。きれいに整えるよりも、気持ちや思いを、そのまま声にのせることが大切にされます。
バンドの音が大きい
ロックは、ギターやドラムなど、大きな音の楽器といっしょに歌うことが多いジャンルです。そのため、楽器の音に負けない声の通り方が求められます。ただし、音に負けないことと、むりに大声を出すことは、ちがいます。
ロックらしい力強い声の出し方
体全体で声をささえる
ロックの力強い声は、のどだけで出すものではありません。足を軽く開いてしっかり立ち、おなかのまわりや背中で息をささえることで、声に芯が生まれます。ひざをかたくのばしきらず、少しゆるめておくと、体の力みがとれて、声が出しやすくなります。
地声を中心に、まっすぐな声で
ロックでは、話し声に近い地声を中心にした、まっすぐな声がよくつかわれます。裏声やひびきの多い声より、ことばがはっきり聞こえる声が合いやすいジャンルです。
まずは、話すときと同じくらいの高さで、少し大きめの声を出してみましょう。そのまま、遠くにいる人に呼びかけるようなイメージで声を前に出すと、力強さが出やすくなります。
大きさより「芯」を意識する
力強い声というと、大きな声を思いうかべがちです。でも、本当に大切なのは、声の芯(しん)です。芯とは、声のまん中にある、はっきりとした部分のことです。芯がある声は、大声でなくても、まわりの音の中でよく通ります。
声を出したときに、口の前にまっすぐ線がのびていくイメージを持つと、芯のある声に近づきやすくなります。
声にざらつきを加えるときは注意
ロックでは、声に少しざらざらした感じを加える歌い方もあります。かっこよく聞こえますが、やり方をまちがえると、のどに大きな負担がかかります。とくに、のどをしめつけて声をわざとにごらせるのは、さけましょう。こうした声の出し方は、先生について少しずつ練習するのがおすすめです。くわしくは、こちらの記事も参考にしてください。がなり声・シャウトの出し方と、のどを守るための注意
ビートに乗るリズムの感じ方
ドラムの音をよく聞く
ロックの歌い方で、声の出し方と同じくらい大切なのが、リズムです。まずは、曲のドラムの音をよく聞いてみましょう。とくに、ドラムの「タン」という強い音がどこに来るかを感じると、ロックのノリがつかみやすくなります。
体でビートをとる
歌いながら、首を軽くふったり、足でリズムをとったりしてみてください。ロックのビートは、頭で数えるより、体で感じるほうが合いやすいです。体がビートに乗ると、声も自然にリズムに乗りやすくなります。
ことばの頭を、ビートにそろえる
ロックでは、ことばの頭をビートにぴたっとそろえると、歌がしまって聞こえます。歌い出しがおくれたり、もたついたりすると、ロックらしいいきおいが弱くなってしまいます。少しだけ前のめりの気持ちで、ことばの頭をはっきり出すようにしましょう。
音を短く切るところと、のばすところ
ロックの曲では、ことばを短く切って歌うところと、長くのばすところがはっきり分かれていることが多いです。短く切るところは、ことばをはじくように、のばすところは、声の芯を保ったまま、まっすぐのばすようにすると、メリハリのある歌になります。
ことばの伝え方
子音を強めに出す
ロックでは、子音を少し強めに出すと、ことばにいきおいが出ます。「か」「た」「ぱ」などの音は、くちびるや舌をしっかりつかって、はじくように出してみましょう。ことばが立って聞こえ、バンドの音の中でも聞きとりやすくなります。
気持ちをまっすぐに
ロックの歌は、きれいに歌うことより、思いをまっすぐ伝えることが大切にされることが多いです。歌詞の中で、いちばん伝えたいことばはどれかを考え、そこに気持ちを集めて歌ってみてください。
叫ぶのではなく、歌う
ロックの歌は、ときに叫んでいるように聞こえることがあります。でも、多くの場合、歌い手は音程やリズムをしっかり保ったうえで、いきおいのある声を出しています。思いをこめるあまり、音程がくずれたり、ことばが聞きとれなくなったりしないように、録音して聞きながら、気持ちと歌のバランスをたしかめてみてください。
表情や姿も歌の一部
ロックでは、表情や立ち姿も、歌の印象を大きく左右します。うつむいて歌うより、顔を上げて、前を見て歌うほうが、声も前に出やすくなります。
バンドの音に負けないための工夫
自分の声が聞こえる環境をつくる
バンドで歌うとき、楽器の音が大きすぎて自分の声が聞こえないと、どんどん大きな声を出してしまいがちです。これは、のどをいためる原因になります。練習のときは、楽器の音量を少し下げてもらったり、自分の声を返してくれるスピーカーの位置を調整したりして、自分の声が聞こえる環境をつくりましょう。
マイクをじょうずにつかう
マイクは、声を大きくしてくれる道具です。むりに大声を出さなくても、マイクを口の近くで正しくつかえば、声はしっかりとどきます。マイクの向きが口からずれていないか、ときどきたしかめてみてください。
高い音で力まない
ロックのサビには、高い音が多く出てきます。高い音で、首に力を入れて声をおし上げると、のどに負担がかかります。高い音の前に、しっかり息をすって、体でささえるようにしましょう。力強い高い声の出し方については、こちらの記事でもふれています。ベルティングとは?ミュージカルやポップスの力強い声と、のどを守る注意
のどを守るための注意
ロックは、のどに負担がかかりやすいジャンルです。長く楽しく歌いつづけるために、次のことに気をつけてください。
- 歌う前に、首や肩をほぐし、軽くハミングをしてから声を出す
- 練習は、こまめに休みを入れながらおこなう
- 水分をこまめにとる
- のどがつかれたと感じたら、その日はそれ以上むりをしない
- 大きな声の練習ばかりでなく、小さな声やハミングの練習もとり入れる
歌ったあとに、のどの痛みや声のかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お子様がロックを歌いたいとき
お子様がロックを歌いたいと言ったら、ぜひ楽しませてあげてください。ただ、お子様ののどをいためないように気をつけてあげたいものです。大人の歌手の声をそのまままねして、ざらついた声や大きすぎる声を出しつづけるのはさけましょう。
お子様の場合は、声の大きさより、リズムに乗ることや、ことばをはっきり伝えることを楽しむと、ロックらしさを出しやすくなります。体を動かしながら歌うのも、ロックの楽しさのひとつです。
ロックやポップスを習える教室をさがしたいときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
まとめ
- ロックは、はっきりしたビートと、ことばをまっすぐぶつける歌い方が特ちょう
- 力強い声は、のどではなく、体全体でささえて出す
- 大きさより、声の芯を意識する
- ざらつきを加える声は、のどをしめずに、先生について少しずつ練習する
- ドラムを聞き、体でビートをとり、ことばの頭をビートにそろえる
- 子音を強めに出して、ことばにいきおいをつける
- 自分の声が聞こえる環境をつくり、マイクをじょうずにつかう
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
ロックは、歌う人の思いや元気が、そのまま聞いている人にとどくジャンルです。練習してきた歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリにもチャレンジしてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。ロックの曲でも出られます。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ