リハーサル・会場練習のつかい方。短い時間で歌の何を確かめる?
「リハーサルの時間が数分しかないけれど、何をすればいいの?」 「会場練習では、通して歌うだけでいいのかな」
発表会やコンクールの前に、本番と同じ会場で歌えるリハーサルや会場練習の時間が用意されることがあります。ただ、その時間はとても短いことが多く、あっというまにおわってしまった、という声もよく聞きます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。リハーサルは、うまく歌うための時間というより、本番の場所に「なれる」ための時間だと考えると、すごしやすくなります。
この記事では、歌のリハーサルで確認したいことと、会場練習を短い時間で生かすコツをまとめます。お子様にも大人の方にもつかえる内容です。リハーサルがあるかどうか、時間がどのくらいかは、会やコンクールによってちがうので、案内を確かめてください。
リハーサル・会場練習は「確かめる時間」
ふだんの練習とのちがい
ふだんの練習は、歌を上手にするための時間です。いっぽうで、リハーサルや会場練習は、つぎのようなことを確かめる時間です。
- 会場で、自分の声がどう聞こえるか
- 舞台の広さや、立つ位置
- 伴奏との合わせ方
- 入場から退場までの動き
リハーサルの日に、新しい歌い方をためしたり、苦手なところを何回もくりかえしたりするのは、あまりおすすめしません。その時間は、本番と同じように歌って、場所になれることにつかいましょう。
時間が短いことを前もって知っておく
会場練習は、ひとり数分ほどのことも多いです。1曲を通して歌うと、それだけでおわってしまうこともあります。「何をするか」を前もって決めておかないと、気がついたら時間がすぎていた、ということになりがちです。
リハーサルの前に決めておくこと
確かめたいことを3つまでにしぼる
短い時間で、あれもこれも確かめるのはむずかしいです。リハーサルの前に、先生と相談して、確かめたいことを3つくらいにしぼっておきましょう。
たとえば、つぎのような形です。
- 曲のはじまりの入り方
- いちばん高い音のところのひびき
- 最後ののばす音と、おわり方
紙に書いて、お子様といっしょに見ておくと、当日もあわてずにすみます。
通して歌うか、部分だけにするか
時間が短いときは、1曲を通して歌うか、気になるところだけを歌うかを、前もって決めておきます。
- 時間に余裕があるなら、まず1回通して歌う
- 時間が足りないなら、はじまりとおわり、気になるところだけを歌う
どちらがよいかは、曲の長さや時間によってかわります。先生や伴奏者と相談しておきましょう。
伴奏者とテンポの確認
ピアノの伴奏者がいる場合は、リハーサルの前に、テンポや合図のしかたをもう一度確かめておくと安心です。会場で合わせられる時間は短いので、事前の合わせ練習をしっかりしておくことが大切です。伴奏者との合わせ方は、こちらの記事にまとめています。ピアノ伴奏者との合わせ方|はじめての伴奏合わせで気をつけることと、当日までの準備
会場練習で確かめたいこと
声のひびき方と、聞こえ方
会場は、ふだんの練習の部屋よりずっと広いことが多いです。広い場所では、自分の声が小さく聞こえたり、ひびきがもどってくるまでに少し時間がかかったりします。
- 自分の声が小さく聞こえても、むりに大きな声を出さない
- いつもの練習と同じ声の出し方をこころがける
- 先生や家族に、客席のうしろで聞いてもらう
舞台の上では自分の声が聞こえにくくても、客席にはちゃんととどいていることがよくあります。客席にいる人に「うしろまで聞こえていたか」「ことばはわかったか」を聞いておくと、本番で安心して歌えます。
立つ位置と目線
舞台に立つ位置が、テープなどでしるされていることもあります。ピアノとのきょり、客席とのきょりを、実際に立って確かめておきましょう。
目線は、客席のまんなかから、少しうしろのほうに向けると、顔がしっかり前を向いて見えます。目印にできるもの(客席のかべのあかりや、時計など)をひとつ見つけておくと、本番でも目線が安定しやすくなります。
入場から退場までの動き
リハーサルで、入場、おじぎ、歌いはじめ、歌いおわり、おじぎ、退場という一連の流れを、一度やってみることができれば、本番の不安がぐっとへります。
- どちらから入って、どちらに出るのか
- おじぎをする場所
- 伴奏者への合図のしかた
時間がないときは、立つ位置まで歩いてみるだけでもかまいません。ステージでのマナーは、こちらの記事でもくわしくお話ししています。ステージでのおじぎ・入場・退場のマナー。子どものはじめての本番に
足もとと照明
舞台の上は、ライトがあたってまぶしかったり、暑かったりすることがあります。また、ゆかの段差や、すべりやすさも確かめておきたいところです。本番用のくつをはいてリハーサルができるなら、そのほうが安心です。
時間の配分の例
たとえば、ひとり5分の会場練習があるときは、つぎのような配分にすると、むだなく確かめやすくなります。
- 立つ位置まで歩いて、おじぎをしてみる(30秒ほど)
- 曲のはじまりを歌って、伴奏とのテンポを確かめる(1分ほど)
- 気になるところを1〜2か所歌う(2分ほど)
- 最後のおわり方と、退場のしかたを確かめる(1分ほど)
- 客席で聞いていた人に、ひとこと聞く(30秒ほど)
これはあくまで一例です。時間の長さや、会場での決まりに合わせて、先生と相談してかえてください。時計を見る係を、付きそいのご家族がうけもつと、歌う人は歌に集中できます。
リハーサルの日のすごし方
リハーサルの前に、体を温めておく
会場練習の時間に、いきなり声を出すのはむずかしいものです。リハーサルの前に、体をほぐしたり、小さな声で声出しをしたりして、準備をしておきましょう。歌う前の準備運動は、こちらの記事が参考になると思います。歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチ
うまくいかなくても、気にしすぎない
リハーサルで声がうまく出なかったり、まちがえたりすることもあります。でも、リハーサルは本番ではありません。「ここに気をつければいい」とわかったことは、むしろよいことです。
お子様がリハーサルで失敗して落ちこんでいるときは、「本番の前にわかってよかったね」と声をかけてあげてください。
声をつかいすぎない
リハーサルと本番が同じ日にある場合は、リハーサルで全力を出しすぎないようにすることも大切です。本番のために、声と体力をのこしておきましょう。のどに痛みやかすれがあるときはむりをせず、先生に相談してください。痛みやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談しましょう。
リハーサルや会場練習がないときは
コンクールによっては、リハーサルや会場練習の時間がないこともあります。そのときは、つぎのような工夫で、少しでも本番に近い形をつくっておくと安心です。
- 家や教室で、入場からおじぎ、退場までを通してやってみる
- 部屋のいちばん遠いところに家族に立ってもらい、そこにとどける気持ちで歌う
- 本番の衣装とくつで、一度歌ってみる
- 会場のホームページなどで、舞台の写真を見ておく
当日、ほかの人の歌を客席で聞けるときは、ひびき方や舞台の広さを感じておくのもよい方法です。
リハーサルのあとにすること
気づいたことを、すぐメモする
リハーサルがおわったら、気づいたことを、わすれないうちにメモしておきましょう。
- 声のひびき方で気づいたこと
- 立つ位置や目線の目印
- 伴奏とのテンポで気になったところ
- 先生や家族から言われたこと
本番の前に、そのメモを見返すだけで、落ちついて舞台に立てます。
本番までに直すことは、ひとつだけ
リハーサルのあとに、直したいところがたくさん見つかることがあります。でも、本番までの時間が短いときは、あれもこれも直そうとすると、かえって歌がまとまらなくなることがあります。
先生と相談して、本番までに気をつけることをひとつだけ決めましょう。そのほかは、いつもどおりで十分です。
まとめ
- リハーサル・会場練習は、上手にするより「確かめる」「なれる」ための時間
- 時間が短いので、確かめたいことを3つまでにしぼっておく
- 伴奏者とのテンポや合図は、事前の合わせ練習で確かめておく
- 会場では、声のひびき方、立つ位置と目線、入場から退場の動き、足もとを確かめる
- 舞台で声が小さく聞こえても、むりに大きな声を出さない
- リハーサルのあとはメモをのこし、本番までに直すことはひとつにしぼる
リハーサルで場所になれておくと、本番では歌そのものに集中しやすくなります。会場で歌う前に、まずは家で落ちついて歌ってみたいときは、こどもの歌声グランプリもつかってみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、本番に向けた練習の目安にもなります。こどもの歌声グランプリ