大人が歌の体験レッスンに行くのがこわいとき。行く前の気持ちのととのえ方
「ボイトレの体験に行ってみたいけれど、なんだかこわい」 「先生の前で歌うと思うだけで、緊張してしまう」
歌を習ってみたい気持ちはあるのに、体験レッスンの申しこみボタンを、なかなかおせない。そんな大人の方は、じつはとても多いと思います。子どものころとちがって、大人になると「できない姿を見せたくない」という気持ちが強くなりやすいものです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
歌は、どんな人にとっても、心と近いところにあるものです。だからこそ、人の前で歌うのがこわいと感じるのは、ふしぎなことではありません。
この記事では、大人の方が歌の体験レッスンに行く前の気持ちのととのえ方にしぼって、お話しします。体験レッスンで見ておきたいことや、通いはじめてからのことは、べつの記事にまとめていますので、ここでは「行く前」に目をむけていきます。
なぜ、体験レッスンがこわいと感じるの?
こわい気持ちには、いろいろな理由があります。まずは、自分がどこにこわさを感じているのかを、知ることからはじめてみましょう。
「下手だと思われたらどうしよう」
いちばん多いのは、この気持ちかもしれません。先生に、自分の歌を聞かれるのがはずかしい、うまく歌えなかったらどうしよう、という不安です。
「何をするのか、わからない」
はじめての場所で、何をするのかがわからないと、人はだれでも不安になります。体験レッスンの流れがわからないことが、こわさの理由になっていることもあります。
「強くすすめられたら、断れないかも」
体験のあとに入会をすすめられて、断れなかったらどうしよう、と心配になる方もいます。
「この年で習うなんて、と思われないか」
大人になってから習い事をはじめることに、少し気おくれを感じる方もいます。
どの気持ちも、とても自然なものです。「こわい」と感じている自分を、まずはそのままみとめてあげてください。
こわさをやわらげる考え方
先生は「いまの声」を知りたいだけ
体験レッスンで先生が歌を聞くのは、上手か下手かを決めるためではありません。いまの声の出し方を知って、これからどんな練習をするとよいかを考えるためです。
先生にとって、はじめての方が緊張していたり、うまく声が出なかったりするのは、いつものことです。上手に歌える人だけが行く場所ではない、ということを思い出してみてください。
体験は「ためしてみる日」
体験レッスンは、教室や先生が自分に合うかどうかを、ためしてみる日です。こちらが「えらばれる」日ではなく、こちらが「えらぶ」日でもあります。
そう考えると、少し気持ちがらくになるかもしれません。
歌を習いはじめるのに、年齢は関係ない
教室には、いろいろな年代の大人の方が通っていることが多いです。歌は、何歳からでもはじめられる習い事です。「いまさら」と思わずに、「いまから」と考えてみてください。
断ってもいい
体験したからといって、かならず入会しなければいけないわけではありません。その日に決めなくても、だいじょうぶです。「家で考えてから、ご連絡します」と伝えれば、それでじゅうぶんです。
体験のあとに入会を断るときの伝え方は、こちらの記事に例文つきでまとめています。体験レッスンのあと、入会を断るとき。角が立たない伝え方と例文
申しこむ前にできること
教室のようすを、先に知っておく
何をするかがわからない不安は、先に少し調べておくとやわらぎます。
- 教室のホームページで、体験の流れを読む
- 先生の紹介ページで、ふんいきをたしかめる
- 体験の時間や、持ち物を見ておく
はじめての声楽レッスンの流れや持ち物は、こちらの記事でもくわしく書いています。はじめての声楽レッスンでは何をする?体験の流れと、持ち物・服装
申しこみの方法をえらぶ
電話が苦手な方は、ホームページの申しこみフォームやメールで申しこめる教室をえらぶのも、ひとつの方法です。自分が話しやすい方法をえらんでかまいません。
申しこむときに、ひとこと書いておく
申しこみフォームにメモの欄があれば、こんなふうに書いておくと、先生も気をつかってくれることが多いです。
- 「歌を習うのは、はじめてです」
- 「人前で歌うことに、とても緊張します」
- 「まずは、声の出し方を知りたいです」
先に伝えておくと、当日に自分から説明しなくてすむので、気持ちがらくになります。
オンラインの体験からはじめる
教室に行くこと自体に緊張する方は、オンラインで体験できる教室から、はじめてみるのもよいと思います。家のなれた場所なら、少しリラックスしやすくなります。
行く前の日と、当日の朝にできること
前の日は、早めに休む
前の日は、できるだけ早めに休みましょう。体がつかれていると、緊張もしやすくなります。
持ち物を前の日にそろえておく
- 水やお茶
- 歌いたい曲の歌詞
- メモ帳やスマホ
- らくに動ける服
当日の朝にあわてないように、前の日にそろえておくと安心です。
歌う曲は「歌いなれた曲」にする
「何か歌ってみましょうか」と言われることもあるので、よく知っている曲を1曲えらんでおきましょう。むずかしい曲より、むりなく歌える高さの、歌いなれた曲がおすすめです。歌えそうになければ、「今日は歌わずに、発声だけでもいいですか」と相談してもだいじょうぶです。
当日の朝に、少しだけ声を出す
朝、家で軽くハミングをしたり、ゆっくり話したりしておくと、声が出やすくなります。大きな声で練習する必要はありません。
早めに着くように出かける
時間ぎりぎりだと、あせって緊張が強くなります。少し早めに着くように出かけて、まわりをゆっくり歩くくらいの気持ちでいると、落ちつきやすくなります。
教室に入る前に、気持ちをととのえる
ゆっくり息をはく
緊張すると、息が浅くなりやすいです。教室に入る前に、ゆっくり息をはいてみましょう。すうことよりも、長くはくことを意識すると、体の力がぬけやすくなります。
肩の力をぬく
肩をぐっと上げて、すとんと落とす動きを、何回かくりかえしてみてください。肩の力がぬけると、声も出しやすくなります。
「今日の目標」をひとつだけ決める
「上手に歌う」ではなく、もっと小さな目標を決めておくと、気持ちが軽くなります。
- 教室に行けたら、それでOK
- 先生に、ひとつ質問できたらOK
- 声を出してみる、ができたらOK
目標が小さいほど、「できた」と感じやすくなります。
こまったときに使える、ひとことを用意しておく
体験レッスンの中で、どうしたらいいかわからなくなる場面を思いうかべると、こわさが強くなることがあります。そんなときのために、使えることばを先に決めておくと安心です。
- 声がうまく出ないとき 「緊張していて、いつもより声が出にくいです」
- 説明がよくわからないとき 「もう一度、教えていただけますか」
- 高い声がつらいとき 「少し低くしてもいいですか」
- 入会をすすめられたとき 「家族と相談してから、お返事します」
ことばを用意しておくだけで、「何かあっても、なんとかなる」と思えるようになります。スマホのメモに書いておいて、行く前に一度読んでおくのもおすすめです。
それでも、こわい気持ちが消えないとき
こわい気持ちが、なかなか消えないこともあると思います。そんなときは、むりに行かなくてもだいじょうぶです。
- まずは家で、好きな歌を口ずさむことからはじめる
- 歌の動画を見て、レッスンのふんいきを知る
- 友だちや家族といっしょに、体験に行けるか聞いてみる
- 少し時間をおいて、行けそうな気持ちになったら申しこむ
自分のペースで、一歩ずつすすめばいいのです。
また、歌うとのどが痛む、声がかすれるなど、体のことが心配なときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 体験レッスンがこわいのは、とても自然な気持ち
- 先生は、いまの声を知りたいだけ。体験は「ためしてみる日」
- 入会はその日に決めなくてよく、断ってもいい
- 申しこむときに「はじめてで緊張します」とひとこと伝えておく
- 前の日に準備をして、当日は早めに出かけ、ゆっくり息をはく
- 今日の目標は、小さくひとつだけ
こわい気持ちがあっても、「歌ってみたい」と思えたことは、それだけですてきな一歩です。まずは、通いやすそうな教室をさがして、体験の案内をのぞいてみてください。歌の教室さがしいつか、練習した歌をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られるので、人前で歌うのが苦手な方でも、家で落ちついて歌った動画で参加できます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の声のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ