声で音あそび。高い声・低い声・大きい声・小さい声で、幼児と楽しむ工夫
声は、いつでもどこでも使える、とても身近な「楽器」のようなものです。高くしたり、低くしたり、大きくしたり、小さくしたり。声をかえるだけで、お子様とたくさんの音あそびが楽しめます。
声の遊びは、幼児でもすぐに入れるあそびです。おもちゃも楽器もいらないので、おうちでも、保育の中でも、思いついたときにとり入れられます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、発声の練習としてではなく、あそびとしての声の音あそびにしぼって、家や園でできる工夫をまとめました。あわせて、のどに無理をさせないための気くばりもお伝えします。
おうちでできる発声の練習については、こちらの記事にまとめています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
声で音あそびをするよさ
声のちがいに、気づくきっかけになる
高い声と低い声、大きい声と小さい声。ふだんはあまり意識しない声のちがいも、あそびの中でくらべてみると、お子様は「ちがうね」「おもしろいね」と気づいていきます。
音のちがいを感じることは、歌を楽しむ土台にもなります。でも、むずかしく考えず、「声って、いろいろかえられるんだね」と親子で楽しむことを大切にしてください。
自分の声を楽しめるようになる
声をかえてあそぶうちに、お子様は自分の声でいろいろなことができると知っていきます。「こんな声も出せた」という小さな発見が、声を出すことへの楽しさにつながっていきます。
どこでも、すぐにできる
声の音あそびは、道具がいりません。おうちの中、お散歩のとちゅう、園の集まりの時間など、場所をえらばずに楽しめます。
高い声・低い声であそぶ
小鳥の声と、くまさんの声
高い声と低い声のちがいは、生きものの声にたとえると、わかりやすくなります。
- 小鳥のような、高くてかわいい声
- くまさんのような、低くてのんびりした声
- ねずみのような、小さくて高い声
- ぞうのような、ゆったりした低い声
お父様・お母様が「小鳥さんの声で、こんにちは」「くまさんの声で、こんにちは」と言ってみせると、お子様もまねしやすくなります。
すべり台の声
声を、すべり台のように、高いところから低いところへ、すーっとすべらせてみましょう。手を上から下へ動かしながら声を出すと、お子様にもイメージしやすくなります。
反対に、下から上へのぼっていく「かいだんの声」や、上がったり下がったりする「ジェットコースターの声」も楽しいです。高すぎる声や低すぎる声を、むりに出そうとしなくてだいじょうぶです。お子様が楽に出せるはんいで楽しんでください。
手の高さで声をかえる
お父様・お母様が手を上にあげたら高い声、下にさげたら低い声、というように、手の高さに合わせて声をかえるあそびもあります。手の動きを見ながら声をかえるので、見ることと声を出すことをいっしょに楽しめます。
役を交代して、お子様が手を動かし、お父様・お母様が声を出すのも楽しいです。
大きい声・小さい声であそぶ
大きい声は「ほどほど」まで
大きい声・小さい声のあそびでは、大きい声を出しすぎないことが大切です。さけぶような声は、のどに負担がかかることがあります。
ここでいう「大きい声」は、元気にはっきり出す声くらいのつもりで楽しんでください。小さい声との「ちがい」がわかれば、それでじゅうぶんです。
ないしょ話の声
小さい声のあそびとして、ないしょ話ごっこがあります。お父様・お母様がお子様の耳もとで、小さな声で「ないしょだよ」とささやき、お子様も小さな声でこたえます。
小さい声で話すときは、しぜんと耳をすませることになります。声を小さくすることも、りっぱな音あそびです。
だんだん大きく、だんだん小さく
ひとつのことばを、だんだん大きくしたり、だんだん小さくしたりして言ってみましょう。手をひろげながら声を大きく、手をとじながら声を小さく、のように動きをつけると、わかりやすくなります。
「大きなたいこ・小さなたいこ」ごっこ
大きなたいこは、ゆったりした声で「どーん」。小さなたいこは、軽い声で「とん」。このように、ものの大きさに合わせて声をかえるあそびもできます。童謡の「おおきなたいこ」は、大きなたいこと小さなたいこの音をくらべて楽しめる歌です。歌に合わせて手で大きい丸、小さい丸を作ると、もっとわかりやすくなります。
歌を使った声の音あそび
昔から歌われている童謡にも、声の音あそびにつかえる歌があります。
「大きな栗の木の下で」
手あそびといっしょに楽しめる童謡です。ふつうの声で歌ったあとに、小さな声で、手の動きも小さくして歌ってみると、ちがった楽しさがあります。大きく歌うときも、さけぶ声にならないように気をつけてください。
「ぶんぶんぶん」
はちが飛ぶようすを歌った歌です。歌の前やあとに、口をとじて「んー」とはちの羽の音をまねしてみると、声の音あそびになります。高いはち、低いはち、と声の高さをかえてみるのも楽しいです。
「かえるの合唱」
かえるの鳴き声が出てくる歌です。小さいかえるは高い声で、大きいかえるは低い声で、のように、かえるの大きさに合わせて声をかえて歌ってみてください。
速さをかえて歌う
知っている歌を、ゆっくり歌ったり、少し速く歌ったりするのも、音あそびのひとつです。声の高さや大きさだけでなく、速さがかわるだけでも、歌の感じがかわることに、お子様は気づいていきます。
音を感じるおうちあそびは、こちらの記事でもたくさん紹介しています。幼児の音感をそだてるおうち遊び。たのしく音に親しむアイデア集
おうちで楽しむ工夫
おふろで、声のひびきを楽しむ
おふろ場は、声がよくひびく場所です。小さな声で「あー」と言っても、ふだんとちがう聞こえ方がして、お子様がおもしろがることがあります。高い声、低い声を出して、ひびき方のちがいをくらべてみてください。ひびくぶん、小さな声でもじゅうぶん楽しめます。
紙コップの電話ごっこ
紙コップを口にあてて声を出すと、声の聞こえ方がかわります。紙コップを糸でつないだ電話を作れば、ないしょ話の声でやりとりするあそびもできます。小さい声で話しても、相手にとどく楽しさを味わえます。
声で、お話に音をつける
絵本を読むときに、出てくる人や生きものに合わせて声をかえてみましょう。おじいさんは低い声、小さな女の子は高い声、おばけはないしょ話の声、のように、お父様・お母様が声をかえて読むと、お子様も声のちがいに気づきやすくなります。
なれてきたら、お子様にも、ひとりの役の声をまかせてみてください。お話の中で声をかえることも、立派な声の音あそびです。
声の色あそび
「赤い声って、どんな声?」「青い声は?」のように、色やようすを声であらわしてみるあそびもあります。答えはひとつではありません。お子様が出した声を、「元気な赤だね」「しずかな青だね」と、そのまま受けとめてあげてください。
保育や園で楽しむ工夫
みんなで声をまねっこ
園での音あそびでは、先生が出した声を、子供たちがまねする形がとり入れやすいです。高い声、低い声、小さい声を順番にまねっこすると、みんなで声のちがいを楽しめます。
音のクイズ
先生が高い声か低い声で何かを言い、子供たちが「高い」「低い」とこたえる、音のクイズもできます。こたえるときは、手を上や下に動かすだけでもかまいません。声を出すのがはずかしい子でも、参加しやすくなります。
声を出さない子も、あそびの仲間
声を出さずに、見ているだけの子もいます。それでも、その子は耳で声のちがいを感じています。むりに声を出させようとせず、その子のペースを大切にしてください。
のどに無理をさせないために
さけぶ声は、あそびに入れない
声の音あそびは楽しいので、だんだん声が大きくなっていくことがあります。さけぶような声になってきたら、ないしょ話の声にきりかえるなど、静かなあそびにうつってみてください。
長く続けすぎない
声のあそびは、短い時間でも十分に楽しめます。お子様が楽しいうちに、ほかのあそびにうつるくらいがちょうどよいです。こまめにお水をのむ時間もとってください。
かすれや痛みに気をつける
声がかすれる、のどが痛いと言う、などのようすがあれば、その日はお休みにしましょう。声のかすれや、のどの痛みが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
のどを守るための毎日の工夫は、こちらの記事にまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
まとめ
- 声の高さや大きさをかえるだけで、お子様とたくさんの音あそびができる
- 高い声・低い声は、生きものの声や、すべり台、手の高さにたとえると楽しめる
- 大きい声はほどほどに。ないしょ話の声など、小さい声のあそびも大切にする
- 「おおきなたいこ」「大きな栗の木の下で」「ぶんぶんぶん」「かえるの合唱」など、昔からの歌でも声の音あそびができる
- 園では、まねっこや音のクイズで、みんなで声のちがいを楽しむ
- さけぶ声は入れず、長く続けすぎない。かすれや痛みが続くときはお医者さんに相談する
声であそぶ楽しさを知ったお子様は、歌うことも、もっと楽しめるようになるかもしれません。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ