練習・発声のコツ

幼児の音感をそだてるおうち遊び。たのしく音に親しむアイデア集

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌が好きな子だから、音感もそだててあげたい」 「でも、むずかしい練習ではなく、遊びの中でできることはないかな」

小さなお子様が歌ったり、音楽に合わせて体をゆらしたりしているのを見ると、こんなふうに思うお父様・お母様も多いと思います。

わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌は、音を「よく聞く」ことからはじまると感じています。

この記事では、幼児の音感をそだてることにつながる、おうちでできる音感遊びをしょうかいします。特別な道具は、ほとんどいりません。「何歳までにやらないと」とあせる必要もありません。お子様のペースで、たのしく音に親しむことを大切にしてみてください。

幼児の音感って、どんなこと?

音感は「音をよく聞く力」

音感ということばを聞くと、「ピアノの音を聞いて、ドレミを当てる力」を思いうかべるかもしれません。でも、それだけではありません。

  • 高い音と低い音のちがいがわかる
  • 大きい音と小さい音のちがいがわかる
  • 速い・おそいのちがいがわかる
  • 聞いたメロディーを、まねして歌える
  • リズムに合わせて、手をたたいたり体を動かしたりできる

こうした「音をよく聞いて、感じる力」も、ひろい意味での音感です。絶対音感と相対音感のちがいは、べつの記事でお話ししているので、ここでは遊びにしぼってお話しします。

遊びの中で、少しずつそだつもの

小さなお子様は、たのしいと感じることを、何度もくりかえします。その中で、少しずつ音に気づく力がそだっていきます。

音感遊びで大切なのは、「正解を当てること」よりも「音に気づくことをたのしむこと」です。当たらなくても、まちがえても、まったく問題ありません。

音感をそだてるおうち遊び

1 音あてクイズ

家の中には、いろいろな音があります。お子様に目をとじてもらって、何の音か当ててもらいましょう。

  • ドアをしめる音
  • 水道から水が流れる音
  • 紙をくしゃくしゃにする音
  • スプーンでお皿を軽くたたく音
  • 手をこする音

「いまのは、何の音だったかな?」と聞くだけで、お子様はしっかり耳をすませます。お子様が出題する番をつくると、もっともりあがります。

2 高い・低い遊び

お父様・お母様が、高い声と低い声を出して、それに合わせて体を動かす遊びです。

  • 高い声のときは、つま先立ちで手を上にのばす
  • 低い声のときは、しゃがんで手を下へ
  • まんなかの声のときは、ふつうに立つ

声のかわりに、おもちゃのピアノや鍵盤アプリをつかってもよいです。高い・低いを、体ぜんたいで感じることができます。

3 まねっこ歌

お父様・お母様が、短いメロディーを歌って、お子様にまねしてもらう遊びです。

  • はじめは「らーらーらー」と、同じ高さで3つ
  • なれてきたら、「らー(低い)らー(高い)」と2つの高さで
  • お子様の名前をメロディーにして、よびかけるように歌う

お子様の名前を歌うと、とてもよろこんで返してくれることが多いです。お子様が考えたメロディーを、こんどは大人がまねしてみるのも、たのしい遊びになります。

4 大きい・小さい遊び

同じことばを、大きい声と小さい声で言ったり、歌ったりする遊びです。

  • 「おーきなこえで、こんにちは」
  • 「ちいさなこえで、こんにちは」
  • 少しずつ大きくしていく、少しずつ小さくしていく

ないしょ話のような小さな声も、遊びの中ではとてもたのしいものです。大きな声を出しすぎると、のどがつかれてしまうので、さけぶような声にならないよう、見てあげてください。

5 手びょうしリズムまね

大人が手をたたいて、短いリズムをつくり、お子様にまねしてもらいます。

  • 「タン・タン・タン」とゆっくり3回
  • 「タン・タン・タタタン」と少しかえてみる
  • 手をたたくかわりに、ひざをたたく、足をふみならす

リズムを聞いて、まねすることも、音をよく聞く練習になります。リズムのたのしさは、歌うときにも生きてきます。

6 音楽ストップ遊び

音楽を流して、お子様に自由に体を動かしてもらいます。音楽が止まったら、ぴたっと止まる遊びです。

  • 止まったときに、おもしろいポーズをする
  • 速い曲のときは速く、ゆっくりの曲のときはゆっくり動く
  • 音が小さくなったら、そっと歩く

音の変化に気づいて、体で反応する遊びです。きょうだいやお友だちといっしょにやると、とてももりあがります。

7 水の音さがし

コップやびんに、ちがう量の水を入れて、スプーンで軽くたたくと、音の高さがかわります。

  • 水が多いと、どんな音になるかな
  • 水が少ないと、どんな音になるかな
  • ならべて、高い順、低い順にしてみる

ガラスのコップは、強くたたくとわれることがあります。プラスチックの容器にする、大人がそばで見ているなど、安全には十分気をつけてください。

8 音さがしおさんぽ

おさんぽのときに、どんな音が聞こえるか、いっしょにさがしてみましょう。

  • 鳥の声
  • 風で葉っぱがゆれる音
  • 車や電車の音
  • 自分の足音

「いま、何の音が聞こえる?」と聞くだけで、ふだんの道が、音をさがすたのしい時間にかわります。家に帰ってから、聞こえた音をまねっこするのもおすすめです。

音感遊びをつづけるコツ

1回は短く、たのしく

小さなお子様が集中できる時間は、それほど長くありません。1回5分くらいでじゅうぶんです。「もっとやりたい」と言われるくらいで終わると、つぎもたのしみにしてくれます。

正解より、気づいたことをほめる

音あてクイズが当たらなかったときも、「よく聞いていたね」「おもしろい答えだね」と声をかけてあげてください。

  • 「さっきより、高い声が出せたね」
  • 「リズム、ぴったりだったね」
  • 「どの音がすき?」と、気持ちを聞いてみる

音に気づいたことを、たくさん認めてあげると、お子様は音を聞くことがもっとすきになります。

毎日の生活の中にとりいれる

特別な時間をつくらなくても、ふだんの生活の中で音感遊びはできます。

  • おふろで、まねっこ歌
  • 料理をしながら、音あてクイズ
  • 車の中で、手びょうしリズム
  • ねる前に、小さな声で子守唄

0歳から5歳ごろまでの、おうちの歌の時間のつくり方は、こちらの記事でもくわしくしょうかいしています。幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方

大人もいっしょにたのしむ

お父様・お母様が歌に自信がなくても、まったくだいじょうぶです。音がずれていても、いっしょにたのしそうに歌っている姿が、お子様にとってはいちばんうれしいものです。

年れいに合わせて、遊び方をかえる

同じ遊びでも、お子様の年れいや、そのときの様子に合わせて、少しずつかえていくと長くたのしめます。

  • まだ小さいうちは、大人が歌って、お子様は聞いたり体をゆらしたりするだけでよい
  • ことばが出てきたら、まねっこ歌やリズムまねを
  • もう少し大きくなったら、お子様が問題を出す役や、リズムをつくる役に

どの遊びも、「いつまでにできるように」と決める必要はありません。今日たのしかったことを、また明日もやってみる、そのくりかえしで十分です。

気をつけたいこと

大きな音にしすぎない

音楽を流すときは、音量を上げすぎないようにしましょう。とくにヘッドホンやイヤホンは、小さなお子様の耳には負担になることがあります。音楽は、スピーカーから、ほどよい音量で流すのがおすすめです。

むりにさせない

お子様が「やりたくない」というときは、むりにさそわなくてだいじょうぶです。音感遊びは、たのしいからつづくものです。気がのらない日は、大人がひとりでたのしそうに歌っているだけでも、お子様は自然と耳をかたむけています。

のどの様子も見てあげる

たくさん歌ったり、大きな声を出したりした日は、声がかすれることもあります。水を飲んで、声を休めましょう。かすれや痛みがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

ほかの子とくらべない

音をまねするのがとくいな子もいれば、リズムに合わせて動くのがとくいな子もいます。お子様それぞれに、すきなこと、とくいなことがあります。くらべずに、その子なりのたのしみ方を見つけてあげてください。

歌の練習につなげたくなったら

音感遊びをたのしんでいるうちに、「もっと歌いたい」「歌を習ってみたい」とお子様が言いだすこともあります。そのときは、遊びの延長のような、やさしい発声練習からはじめてみるのもよいと思います。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

まとめ

  • 音感は、高い・低い、大きい・小さい、速い・おそいなどを「よく聞いて感じる力」
  • 音あてクイズ、高い・低い遊び、まねっこ歌、リズムまねなど、おうちでできる遊びはたくさんある
  • 1回は短く、正解より気づいたことをほめる
  • 音量に気をつけ、むりにさせない。かすれや痛みがつづくときはお医者さんに相談する
  • 「何歳までに」とあせらず、お子様のペースでたのしむ

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