幼児の音感をそだてるおうち遊び。たのしく音に親しむアイデア集
「歌が好きな子だから、音感もそだててあげたい」 「でも、むずかしい練習ではなく、遊びの中でできることはないかな」
小さなお子様が歌ったり、音楽に合わせて体をゆらしたりしているのを見ると、こんなふうに思うお父様・お母様も多いと思います。
わたしは、息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌は、音を「よく聞く」ことからはじまると感じています。
この記事では、幼児の音感をそだてることにつながる、おうちでできる音感遊びをしょうかいします。特別な道具は、ほとんどいりません。「何歳までにやらないと」とあせる必要もありません。お子様のペースで、たのしく音に親しむことを大切にしてみてください。
幼児の音感って、どんなこと?
音感は「音をよく聞く力」
音感ということばを聞くと、「ピアノの音を聞いて、ドレミを当てる力」を思いうかべるかもしれません。でも、それだけではありません。
- 高い音と低い音のちがいがわかる
- 大きい音と小さい音のちがいがわかる
- 速い・おそいのちがいがわかる
- 聞いたメロディーを、まねして歌える
- リズムに合わせて、手をたたいたり体を動かしたりできる
こうした「音をよく聞いて、感じる力」も、ひろい意味での音感です。絶対音感と相対音感のちがいは、べつの記事でお話ししているので、ここでは遊びにしぼってお話しします。
遊びの中で、少しずつそだつもの
小さなお子様は、たのしいと感じることを、何度もくりかえします。その中で、少しずつ音に気づく力がそだっていきます。
音感遊びで大切なのは、「正解を当てること」よりも「音に気づくことをたのしむこと」です。当たらなくても、まちがえても、まったく問題ありません。
音感をそだてるおうち遊び
1 音あてクイズ
家の中には、いろいろな音があります。お子様に目をとじてもらって、何の音か当ててもらいましょう。
- ドアをしめる音
- 水道から水が流れる音
- 紙をくしゃくしゃにする音
- スプーンでお皿を軽くたたく音
- 手をこする音
「いまのは、何の音だったかな?」と聞くだけで、お子様はしっかり耳をすませます。お子様が出題する番をつくると、もっともりあがります。
2 高い・低い遊び
お父様・お母様が、高い声と低い声を出して、それに合わせて体を動かす遊びです。
- 高い声のときは、つま先立ちで手を上にのばす
- 低い声のときは、しゃがんで手を下へ
- まんなかの声のときは、ふつうに立つ
声のかわりに、おもちゃのピアノや鍵盤アプリをつかってもよいです。高い・低いを、体ぜんたいで感じることができます。
3 まねっこ歌
お父様・お母様が、短いメロディーを歌って、お子様にまねしてもらう遊びです。
- はじめは「らーらーらー」と、同じ高さで3つ
- なれてきたら、「らー(低い)らー(高い)」と2つの高さで
- お子様の名前をメロディーにして、よびかけるように歌う
お子様の名前を歌うと、とてもよろこんで返してくれることが多いです。お子様が考えたメロディーを、こんどは大人がまねしてみるのも、たのしい遊びになります。
4 大きい・小さい遊び
同じことばを、大きい声と小さい声で言ったり、歌ったりする遊びです。
- 「おーきなこえで、こんにちは」
- 「ちいさなこえで、こんにちは」
- 少しずつ大きくしていく、少しずつ小さくしていく
ないしょ話のような小さな声も、遊びの中ではとてもたのしいものです。大きな声を出しすぎると、のどがつかれてしまうので、さけぶような声にならないよう、見てあげてください。
5 手びょうしリズムまね
大人が手をたたいて、短いリズムをつくり、お子様にまねしてもらいます。
- 「タン・タン・タン」とゆっくり3回
- 「タン・タン・タタタン」と少しかえてみる
- 手をたたくかわりに、ひざをたたく、足をふみならす
リズムを聞いて、まねすることも、音をよく聞く練習になります。リズムのたのしさは、歌うときにも生きてきます。
6 音楽ストップ遊び
音楽を流して、お子様に自由に体を動かしてもらいます。音楽が止まったら、ぴたっと止まる遊びです。
- 止まったときに、おもしろいポーズをする
- 速い曲のときは速く、ゆっくりの曲のときはゆっくり動く
- 音が小さくなったら、そっと歩く
音の変化に気づいて、体で反応する遊びです。きょうだいやお友だちといっしょにやると、とてももりあがります。
7 水の音さがし
コップやびんに、ちがう量の水を入れて、スプーンで軽くたたくと、音の高さがかわります。
- 水が多いと、どんな音になるかな
- 水が少ないと、どんな音になるかな
- ならべて、高い順、低い順にしてみる
ガラスのコップは、強くたたくとわれることがあります。プラスチックの容器にする、大人がそばで見ているなど、安全には十分気をつけてください。
8 音さがしおさんぽ
おさんぽのときに、どんな音が聞こえるか、いっしょにさがしてみましょう。
- 鳥の声
- 風で葉っぱがゆれる音
- 車や電車の音
- 自分の足音
「いま、何の音が聞こえる?」と聞くだけで、ふだんの道が、音をさがすたのしい時間にかわります。家に帰ってから、聞こえた音をまねっこするのもおすすめです。
音感遊びをつづけるコツ
1回は短く、たのしく
小さなお子様が集中できる時間は、それほど長くありません。1回5分くらいでじゅうぶんです。「もっとやりたい」と言われるくらいで終わると、つぎもたのしみにしてくれます。
正解より、気づいたことをほめる
音あてクイズが当たらなかったときも、「よく聞いていたね」「おもしろい答えだね」と声をかけてあげてください。
- 「さっきより、高い声が出せたね」
- 「リズム、ぴったりだったね」
- 「どの音がすき?」と、気持ちを聞いてみる
音に気づいたことを、たくさん認めてあげると、お子様は音を聞くことがもっとすきになります。
毎日の生活の中にとりいれる
特別な時間をつくらなくても、ふだんの生活の中で音感遊びはできます。
- おふろで、まねっこ歌
- 料理をしながら、音あてクイズ
- 車の中で、手びょうしリズム
- ねる前に、小さな声で子守唄
0歳から5歳ごろまでの、おうちの歌の時間のつくり方は、こちらの記事でもくわしくしょうかいしています。幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方
大人もいっしょにたのしむ
お父様・お母様が歌に自信がなくても、まったくだいじょうぶです。音がずれていても、いっしょにたのしそうに歌っている姿が、お子様にとってはいちばんうれしいものです。
年れいに合わせて、遊び方をかえる
同じ遊びでも、お子様の年れいや、そのときの様子に合わせて、少しずつかえていくと長くたのしめます。
- まだ小さいうちは、大人が歌って、お子様は聞いたり体をゆらしたりするだけでよい
- ことばが出てきたら、まねっこ歌やリズムまねを
- もう少し大きくなったら、お子様が問題を出す役や、リズムをつくる役に
どの遊びも、「いつまでにできるように」と決める必要はありません。今日たのしかったことを、また明日もやってみる、そのくりかえしで十分です。
気をつけたいこと
大きな音にしすぎない
音楽を流すときは、音量を上げすぎないようにしましょう。とくにヘッドホンやイヤホンは、小さなお子様の耳には負担になることがあります。音楽は、スピーカーから、ほどよい音量で流すのがおすすめです。
むりにさせない
お子様が「やりたくない」というときは、むりにさそわなくてだいじょうぶです。音感遊びは、たのしいからつづくものです。気がのらない日は、大人がひとりでたのしそうに歌っているだけでも、お子様は自然と耳をかたむけています。
のどの様子も見てあげる
たくさん歌ったり、大きな声を出したりした日は、声がかすれることもあります。水を飲んで、声を休めましょう。かすれや痛みがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
ほかの子とくらべない
音をまねするのがとくいな子もいれば、リズムに合わせて動くのがとくいな子もいます。お子様それぞれに、すきなこと、とくいなことがあります。くらべずに、その子なりのたのしみ方を見つけてあげてください。
歌の練習につなげたくなったら
音感遊びをたのしんでいるうちに、「もっと歌いたい」「歌を習ってみたい」とお子様が言いだすこともあります。そのときは、遊びの延長のような、やさしい発声練習からはじめてみるのもよいと思います。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
まとめ
- 音感は、高い・低い、大きい・小さい、速い・おそいなどを「よく聞いて感じる力」
- 音あてクイズ、高い・低い遊び、まねっこ歌、リズムまねなど、おうちでできる遊びはたくさんある
- 1回は短く、正解より気づいたことをほめる
- 音量に気をつけ、むりにさせない。かすれや痛みがつづくときはお医者さんに相談する
- 「何歳までに」とあせらず、お子様のペースでたのしむ
おうちでたくさん歌っているうちに、だれかに歌を聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ