歌の本番の前に、会場の音響さんとの打ち合わせで伝えておきたいこと
「会場の音響さんと打ち合わせがあると言われたけれど、何を話せばいいの?」 「PAさんに伝えることがわからなくて、不安になる」 「むずかしいことばで聞かれたら、答えられないかもしれない」
発表会やコンクール、地域のイベントなどで歌うとき、本番の前に会場の音響さんと打ち合わせをすることがあります。はじめてのときは、何をどう伝えればいいのか、とまどうお父様・お母様や、大人の歌い手の方もいらっしゃると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌の本番の前に、音響さんとの打ち合わせで伝えておきたいことをまとめました。打ち合わせの前に用意しておくこと、その場で伝えたいこと、伝え方のコツまで、専門のことばをなるべく使わずに紹介します。
はじめにお伝えしたいのは、音響さんは、歌い手の声を客席にきれいに届けるために、手を貸してくれる方だということです。くわしいことばを知らなくても、「こんなふうに歌いたい」という思いを、自分のことばで伝えればだいじょうぶです。
音響さん(PAさん)との打ち合わせとは
音響さんは、会場の音をととのえる方
音響さんは、マイクで拾った声や、伴奏の音の大きさをととのえて、客席に届ける役目の方です。会場によっては「PAさん」とよばれることもあります。PAは、スピーカーなどを使って音を大きくして届けるしくみのことです。
また、歌っている人が自分の声や伴奏を聞きやすいように、ステージの上の音もととのえてくれます。
打ち合わせは、歌い手と音響さんのすりあわせ
打ち合わせでは、どんな曲を、どんな形で歌うのかを音響さんに知ってもらいます。音響さんは、その話をもとに、マイクや音の大きさの準備をします。
打ち合わせの形は、会によってちがいます。
- 本番の前に、会場で音響さんと直接話す
- 前もって、紙や用紙に書いて主催者に出しておく
- 教室の先生や主催者が、まとめて伝えてくれる
発表会では、教室の先生が窓口になっていることもあります。自分から音響さんに話してよいのか、先生や主催者を通したほうがよいのか、先に確かめておくと安心です。
打ち合わせの前に用意しておくこと
曲の情報を紙にまとめる
打ち合わせの時間は、かぎられていることがあります。その場で思い出しながら話すより、伝えたいことを紙にまとめておくと、短い時間でも落ちついて伝えられます。
- 曲名と、歌う順番
- 伴奏の形(ピアノの生演奏か、音源か)
- マイクを使うかどうか
- 曲の始まり方と、終わり方
- 歌い手の名前と、お子様の場合は年れい
同じ紙を何枚か用意して、音響さんにわたせるようにしておくと、話がすすみやすくなります。
伴奏の音源を使うときは、とくにていねいに
伴奏の音源を流してもらうときは、伝えることがふえます。
- 音源をどんな形でわたすのか(主催者の決まりにしたがう)
- 曲の前に、音のない部分があるかどうか
- 曲のどこから流してほしいか
- 曲が終わったあと、音を止めるタイミング
音源は、本番の前に自分でも一度通して聞き、ちゃんと最後まで流れるかを確かめておきます。予備をもっていくと、もしものときも安心です。伴奏音源の用意のしかたは、こちらの記事でも紹介しています。伴奏音源はどうする?歌のコンクールでカラオケが使えない理由と、5つの用意のしかた
自分の歌い方をふりかえっておく
打ち合わせの前に、自分の歌をふりかえっておくと、伝えたいことが見えてきます。
- 静かに歌うところと、強く歌うところの差は大きいか
- 声を長くのばすところや、急に大きくなるところはあるか
- 曲のとちゅうで、立ち位置を動くことはあるか
こうしたことを知っておくと、音響さんは、声の大きさに合わせて音をととのえやすくなります。
音響さんとの打ち合わせで伝えたいこと
曲の始まり方と終わり方
曲がどのように始まり、どのように終わるのかは、音響さんにとって大切な情報です。
- 伴奏から始まるのか、歌から始まるのか
- 歌い手がおじぎをしてから始めるのか
- 伴奏が終わってから、しばらく余韻を残すのか
「おじぎをして、顔を上げたら伴奏を流してください」のように、始めるきっかけを具体的に決めておくと、本番であわてずにすみます。
マイクの使い方
マイクを使うときは、使い方を伝えます。
- 手に持つのか、スタンドに立てるのか
- スタンドの高さ(お子様の背の高さに合うか)
- 声が小さめなのか、大きめなのか
- マイクを使わずに歌いたい場合はそのこと
お子様の場合、スタンドの高さが合わないと、歌いにくくなることがあります。背の高さに合わせてもらえるか、聞いておくと安心です。子どもがマイクで歌うときのコツは、こちらの記事にまとめています。子どもがマイクで歌うときのコツ|持ち方・口との距離・はじめての発表会で気をつけること
自分に聞こえる音のこと
ステージの上では、客席に流れている音が、歌い手にはよく聞こえないことがあります。そのため、会場によっては、歌い手のほうに向けて、伴奏や自分の声を流すスピーカーが置いてあります。音響さんのあいだでは「返し」や「モニター」とよばれることもあります。
- 伴奏の音を、もう少し大きく聞きたい
- 自分の声も、少し聞こえるとうれしい
- 足元の音は、小さめでいい
このように、歌いやすさにかかわる希望を伝えておきます。会場の設備によっては、できないこともあります。そのときは、どうすれば歌いやすいかを、音響さんといっしょに考えてみてください。
声の響きの好み
マイクを使うと、声に響きをつけられる会場もあります。
- 会場の響きをいかして、自然な声で届けたい
- 少し響きをつけてもらうと歌いやすい
声楽や童謡など、マイクを使わない歌い方に近い曲では、自然な響きを希望することもあります。わからないときは、「この曲に合うようにお願いします」と、音響さんにまかせてもかまいません。
伴奏と声の大きさのバランス
ピアノの生演奏のときも、音源のときも、伴奏と声の大きさのバランスは気になるところです。「伴奏が大きくて、声がかくれてしまわないか心配です」など、気になることを正直に伝えておきます。伴奏と声のバランスについては、こちらの記事でもくわしく紹介しています。伴奏の音が大きくて声が聞こえにくいとき。歌と伴奏のバランスの整え方
打ち合わせで伝えるときのコツ
むずかしいことばは使わなくていい
音響さんの中には、専門のことばで話される方もいます。わからないことばが出てきたら、「すみません、それはどういうことですか」と、そのまま聞いてかまいません。
歌い手のほうから、むずかしいことばを使う必要もありません。
- 「伴奏がもう少し聞こえると歌いやすいです」
- 「最後の高い音が、とても大きくなります」
- 「さいしょの部分は、ささやくように歌います」
こんなふうに、自分の歌い方や気持ちをそのまま伝えれば、音響さんはそれを音の調整にいかしてくれます。
短く、順番に伝える
伝えたいことがたくさんあっても、一度に全部話すと、伝わりにくくなります。用意した紙を見ながら、曲の始まりから終わりまで、順番に話していくと伝わりやすくなります。
思いついた順ではなく、曲の流れにそって話すと、音響さんも頭の中で本番を思い浮かべやすくなります。
決まったことは、紙に書きこんでおく
打ち合わせで決まったことは、その場で紙に書きこんでおきます。本番の前に見返せるので、「何て言われたっけ」とこまらずにすみます。お子様が歌う場合は、お父様・お母様がメモの役をすると安心です。
当日、音を出して確かめるとき
打ち合わせの内容が合っているかを確かめる
会場によっては、本番の前に、実際に音を出して確かめる時間があります。打ち合わせで伝えたことが、そのとおりになっているかを確かめる時間として使いましょう。
- 伴奏は聞こえるか
- 自分の声は聞こえるか
- マイクの高さや位置はどうか
気になることがあれば、えんりょせずに伝えます。リハーサルや会場練習の時間の使い方は、こちらの記事にまとめています。リハーサル・会場練習のつかい方。短い時間で歌の何を確かめる?
本番中にこまったときの合図を決めておく
本番のとちゅうで、伴奏が聞こえなくなったり、音が止まってしまったりすることも、ないとはいえません。そんなときにどうするか、前もって決めておくと安心です。
- 音が止まったら、いったん歌を止めて待つのか
- 歌い手から、どのように合図をするのか
こうしたことを確かめておくだけでも、気持ちに少し余裕が生まれます。
打ち合わせのあとは、お礼のひとことを
音響さんは、たくさんの歌い手の音を、ひとつひとつととのえてくれています。打ち合わせが終わったとき、本番のあとには、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と、ひとこと声をかけましょう。
お子様にも、いっしょにあいさつをするように声をかけてみてください。歌は、たくさんの人に支えられてステージに立てるものだと、自然に感じるきっかけになります。
まとめ
- 音響さん(PAさん)は、歌い手の声を客席に届けるために手を貸してくれる方
- 打ち合わせの形は会によってちがうので、窓口を先に確かめておく
- 曲名、伴奏の形、マイクの使い方、始まり方と終わり方を紙にまとめておく
- 伴奏の音源を使うときは、流し始めと止めるタイミングをていねいに伝える
- 自分に聞こえる音や、声の響きの好みも、伝えておくと歌いやすくなる
- むずかしいことばは使わず、自分の歌い方をそのまま伝えればよい
- 決まったことはメモし、本番中にこまったときの合図も決めておく
- 打ち合わせのあとと本番のあとには、お礼のひとことを
音響さんとの打ち合わせは、はじめはきんちょうするかもしれません。でも、準備をして自分のことばで伝えられれば、安心してステージに立てるようになります。本番に向けて先生といっしょに準備をしたいときは、近くの教室をさがしてみるのもひとつの方法です。歌の教室さがし
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