子どもがマイクで歌うときのコツ|持ち方・口との距離・はじめての発表会で気をつけること
「発表会でマイクをつかうことになったけれど、うちの子、マイクで歌ったことがない」 「カラオケでは楽しそうに歌うのに、ステージだと声がとどかなかった」
歌の発表会や、地域のイベント、カラオケの大会などでは、マイクをつかって歌う場面があります。ふだん、おうちや教室でマイクなしで歌っているお子様にとって、マイクはちょっとふしぎな道具です。持ち方や、口との距離が少しちがうだけで、声の聞こえ方が大きくかわります。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールや発表会に出てきました。マイクをつかう会もあれば、つかわない会もあり、そのたびに「マイクがあると、歌い方も少しかわるんだな」と感じてきました。
この記事では、お父様・お母様に向けて、お子様がマイクで歌うときの持ち方、口との距離、スタンドマイクのとき、はじめての発表会の前にしておきたいことをまとめます。むずかしい機械の話はせず、おうちでできることを中心に書いていきます。
マイクをつかうと、なにがかわるの?
小さな声でも、とどきやすくなる
マイクは、声を大きくして、広い会場のおくまでとどけてくれる道具です。マイクなしだと、お子様の声は大人より小さく、会場のうしろの席までとどきにくいことがあります。マイクがあると、むりに大きな声を出さなくても、聞いている人に歌がとどきます。
これは、のどを守るうえでも、うれしいことです。マイクがあるときは、「さけばなくていいんだよ」と、お子様につたえてあげてください。
息の音や、口の音も大きくなる
いっぽうで、マイクは声だけでなく、いろいろな音もひろいます。
- 息をすう「すーっ」という音
- 「ぱ」や「ぷ」のときの「ぼっ」という音
- マイクをにぎりなおす音
- 服やかみの毛がマイクにふれる音
ふだんは気にならない小さな音も、マイクを通すと大きく聞こえることがあります。はじめてマイクで歌ったお子様が、自分の声の大きさにびっくりしてしまうこともあります。
自分の声が、いつもとちがって聞こえる
ステージの上では、スピーカーから出た自分の声が、少しおくれて聞こえることがあります。会場によっては、自分の声が聞こえにくいこともあります。これはお子様の歌がよくないのではなく、会場の音のひびき方によるものです。「いつもとちがって聞こえても、だいじょうぶ」と、前もって話しておくと安心です。
マイクの持ち方のきほん
にぎるのは、マイクのまんなかあたり
手で持つマイク(ハンドマイク)は、持つところ(にぎるところ)のまんなかあたりを、手のひら全体でやさしくにぎります。
- 先の丸いあみの部分は、にぎらない
- いちばん下の、はしっこだけを持たない
- ぎゅっと力を入れすぎない
先の丸い部分を手でおおってしまうと、声がこもったり、「キーン」という大きな音(ハウリング)が出たりすることがあります。かっこいいと思ってまねをしたくなることもありますが、まずはまんなかを持つ形をおぼえるのがおすすめです。
手が小さいお子様は、両手でもいい
大人用のマイクは、小さなお子様の手には大きくて、重く感じることがあります。片手で持つとふらふらしてしまうときは、両手でつつむように持ってもかまいません。
ただ、両手で持つと、ひじが体にくっついて、肩に力が入りやすくなります。ときどき、「肩をすとんと下ろしてね」と声をかけてあげてください。
マイクの向きは、口のほうへまっすぐ
マイクは、先の丸い部分が口のほうを向くように持ちます。下を向いていたり、ななめになっていたりすると、声をひろいにくくなります。
小さなお子様は、歌っているうちにマイクがだんだん下がってきたり、あごの下にいってしまったりすることがよくあります。「マイクは、口とおはなしするように」とつたえると、イメージしやすいようです。
口との距離はどれくらい?
めやすは「にぎりこぶし1つぶん」
マイクと口の距離は、マイクの種類や会場によってちがいますが、はじめは「にぎりこぶし1つぶん」くらいはなすのが、ひとつのめやすです。お子様自身のこぶしを口の前においてみて、その先にマイクがくるようにすると、わかりやすいと思います。
- 近すぎると、声がわれたり、息の音が大きくなったりする
- 遠すぎると、声が小さくなり、聞こえにくくなる
当日は、会場の方や先生が「もう少し近づけて」「少しはなして」と教えてくれることもあります。そのときは、その声にしたがってください。
大きな声のところは、少しはなす
歌の中には、大きな声で歌うところと、やさしく歌うところがあります。マイクを持って歌うときは、声の大きさに合わせて、距離を少しかえると、聞きやすくなります。
- 大きな声や高い声のところは、マイクを少しはなす
- やさしく小さく歌うところは、少し近づける
これは、なれてきてからでだいじょうぶです。はじめての発表会では、「同じ距離のまま歌いきる」ことができればじゅうぶんです。
息つぎのときは、少し横を向かなくていい
「息の音が入るから、息つぎのときはマイクをはなしたほうがいいの?」と聞かれることがあります。小さなお子様の場合、そこまで気にすると歌うことに集中できなくなってしまいます。息をすうときに口を大きく開けすぎないこと、あわてて「はっ」とすわないことを意識するくらいでよいと思います。
スタンドマイクのときは
高さを合わせてもらう
ステージに立てて使うマイク(スタンドマイク)のときは、マイクの高さが大切です。大人の高さのままだと、お子様は上を向いて歌うことになり、のどがつまりやすくなります。
- マイクの先が、口の高さか、少し下にくるように
- あごを上げずに、まっすぐ前を見て歌える高さに
多くの会場では、スタッフの方や先生が高さを合わせてくれます。自分でさわってよいか、だれが合わせるのかは、当日の説明を聞いておくと安心です。
マイクにさわらない、たたかない
スタンドマイクのときは、手でマイクをさわったり、スタンドをゆらしたりしないように気をつけます。歌いはじめる前に「あー、あー」と声を出してみたり、マイクをとんとんたたいてみたりしたくなるお子様もいますが、大きな音が出てしまうので、やらないようにつたえておきましょう。
手のおき場所を決めておく
ハンドマイクとちがって、スタンドマイクのときは手があいています。手をどうしたらいいかわからず、もじもじしてしまうお子様もいます。
- 体の横に、すとんと下ろす
- おなかの前で、軽く手を合わせる
- 歌に合わせて、少しだけ手をうごかす
どれでもかまいません。教室の先生に相談して、「この歌のときはこうする」と決めておくと、落ちついて歌えます。
はじめての発表会の前に、おうちでできること
まずは「マイクのかわり」で練習
おうちにマイクがなくても、練習はできます。
- ラップのしん、ヘアブラシ、丸めた紙などをマイクに見立てる
- こぶし1つぶんの距離をたしかめながら、1曲歌ってみる
- 鏡の前で、マイクが下がってこないか見てみる
おもちゃのマイクや、カラオケ用のマイクがあれば、それをつかうのもよいと思います。大切なのは、「マイクを持ったまま、さいごまで歌う」ことになれておくことです。歌っている間、ずっと同じ形でマイクを持っているのは、お子様にとって思ったよりたいへんです。
録画して、いっしょに見てみる
スマホでお子様が歌うところを録画して、いっしょに見てみるのもおすすめです。
- マイクが口からはなれていないか
- 肩が上がっていないか
- 下を向いていないか
見るときは、「ここがだめ」ではなく、「ここ、まっすぐ前を見ていてかっこいいね」と、よいところから話してあげてください。動画をつかった練習のしかたは、こちらの記事でくわしく書いています。動画をつかった歌の練習のしかた。お子様が楽しくつづけられるコツと注意点
本番の流れを、おうちで一度やってみる
はじめての発表会では、歌そのものより、「いつ出ていくの?」「どこに立つの?」がわからなくて、不安になるお子様もいます。
- 名前をよばれたら、歩いて出ていく
- 立つ場所で止まって、おじぎをする
- マイクを持つ、またはスタンドの前に立つ
- 前奏を聞いてから歌いはじめる
- 歌いおわったら、マイクをおろしておじぎをする
この流れを、リビングで一度やってみるだけでも、当日の安心につながります。本番で緊張しやすいお子様へのことばかけは、こちらの記事にまとめています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
当日に気をつけたいこと
リハーサルがあれば、声の聞こえ方をたしかめる
発表会によっては、本番の前にリハーサル(ためしに歌ってみる時間)があります。リハーサルがあるときは、マイクの距離や、スピーカーからの声の聞こえ方を、お子様といっしょにたしかめておきましょう。
声が聞こえなくても、歌いつづける
本番中に、マイクの音が小さくなったり、自分の声が聞こえにくくなったりすることも、ないわけではありません。そんなときも、「止まらずに、さいごまで歌おうね」と前もって話しておくと、お子様はあわてずにすみます。機械のことは大人がなんとかしてくれる、と思えるだけで、気持ちが楽になります。
のどに、むりをさせない
マイクがあると、声がよくとどくので、ついいつもより長く、何回も歌ってしまうことがあります。発表会の前の日や当日は、練習のしすぎに気をつけ、こまめに水をのんでのどを休めてください。
声のかすれが何日もつづく、のどをいたがるなど、気になるようすがあるときは、むりに歌わせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。のどの守り方は、こちらの記事でも書いています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
まとめ
- マイクがあると、小さな声でもとどきやすく、さけばなくてよい
- 息の音やマイクにふれる音も、大きく聞こえることがある
- ハンドマイクは、まんなかあたりをやさしくにぎる。手が小さい子は両手でもよい
- 口との距離は「にぎりこぶし1つぶん」がめやす。当日は会場の方の声にしたがう
- スタンドマイクは、口の高さに合わせてもらい、手のおき場所を決めておく
- おうちでは、マイクのかわりを持って1曲歌い、録画していっしょに見てみる
- のどにむりはさせず、気になるときはお医者さんに相談する
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