寝る前の歌を子供と。おやすみ前に歌う、しずかな歌の時間のつくり方
一日のおわりに、お布団の中で、お子様と小さな声で歌をうたう。そんな時間は、お子様にとっても、お父様・お母様にとっても、ほっとできるひとときになることがあります。
「寝る前に、子供といっしょに歌える歌を知りたい」 「寝かしつけのときに歌う童謡は、どんな歌がいいのかな」 「小学生になっても、寝る前の歌をつづけていいの?」
そんなお父様・お母様に向けて、この記事では、寝る前の歌の時間のつくり方をまとめました。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
ここでは、コンクールのための練習ではなく、おやすみ前に親子で歌を楽しむための工夫をお伝えします。寝る前に合う歌のえらび方、しずかに歌うコツ、幼児のお子様と小学生のお子様それぞれの楽しみ方を、やさしく紹介します。
赤ちゃんに歌う子守唄については、こちらの記事にまとめています。この記事では、もう少し大きくなった、幼児から小学生のお子様との寝る前の時間にしぼってお話しします。子守唄の歌い方。赤ちゃんに歌うときのやさしい声と、昔から歌われてきた子守唄
寝る前に歌う時間のよさ
一日のおわりの「合図」になる
寝る前に同じように歌をうたっていると、「この歌がはじまったら、そろそろおやすみの時間」という、ひとつの合図のようになることがあります。
おふろ、歯みがき、お布団、そして歌。毎日の流れの中に歌がはいると、お子様も、つぎに何があるかがわかりやすくなります。ただし、歌をうたえばすぐに眠れる、というものではありません。眠るまでの時間は、その日のようすやお子様によってちがいます。眠りのことで気になることがつづくときは、かかりつけのお医者さんに相談してみてください。
親子でゆっくり向き合える
昼間は、あれこれといそがしく、お子様の話をゆっくり聞けない日もあると思います。寝る前の歌の時間は、テレビやスマホからはなれて、お子様と向き合える時間にもなります。
歌のあとに「今日はどんなことがあった?」と、少しお話しするのもすてきです。
歌が「楽しいもの」として心にのこる
上手に歌うことを目ざさなくても、お父様・お母様のとなりで歌った思い出は、お子様の心にのこっていくことがあります。歌が「安心できるもの」「楽しいもの」として身近になるきっかけにもなります。
寝る前に合う歌のえらび方
ゆったりしたテンポの歌
寝る前は、元気にとびはねるような歌よりも、ゆったりと流れるような歌が合います。速いテンポの歌は、お子様の気持ちがもり上がってしまうこともあるので、昼間の楽しみにとっておくのもよいでしょう。
短くて、くりかえしのある歌
お布団の中では、長い歌よりも、短くておぼえやすい歌のほうが、お子様もいっしょに口ずさみやすくなります。同じ歌を何回かくりかえして歌うのもよい方法です。
夕方や夜、月や星が出てくる歌
夕やけや月、夜のようすが出てくる歌は、「もうすぐおやすみ」という気分にもつながります。窓から月が見える夜には、月の歌をうたってみるのも楽しいですね。
寝る前に歌いたい童謡・唱歌・わらべうた
ここでは、古くから歌いつがれてきた歌の中から、寝る前に合う歌をいくつか紹介します。どれも、ゆったりした気持ちで歌いやすい歌です。
童謡「夕焼小焼」
夕方、日がしずんで、そろそろおうちに帰る時間をうたった歌です。おだやかなメロディーで、一日のおわりの気分にぴったりです。
「今日も、いっぱい遊んだね」と話しながら歌うと、お子様もその日のことを思い出しやすくなります。
童謡「七つの子」
からすが、山にいる子どもを思って鳴く、というようすをうたった歌です。親が子どもを大切に思う気持ちがこめられていて、寝る前に親子で歌うと、あたたかい気持ちになれる歌です。
「からすのお母さんも、子どもが大好きなんだね」と、歌のようすを話してみるのもよいでしょう。
わらべうた「うさぎ」
月を見て、うさぎがはねるようすをうたった、古くからのわらべうたです。短く、音の動きもおだやかなので、小さなお子様でもおぼえやすい歌です。
月の明るい夜に、窓からお月さまをながめてから歌うと、お子様の印象にものこりやすくなります。
唱歌「月」
まるい月が出てくるようすを、明るくうたった唱歌です。くりかえしのことばが楽しく、お子様といっしょに歌いやすい歌です。
寝る前に歌うときは、元気よくというより、少しゆっくり、やさしい声で歌ってみてください。
唱歌「朧月夜」
春の夕ぐれ、かすんだ月がうかぶようすをうたった唱歌です。ことばが少しむずかしいので、小学生のお子様と歌うのに合っています。
知らないことばが出てきたら、寝る前にひとつだけ意味を話してみるのもよいでしょう。昔のことばの伝え方については、こちらの記事もどうぞ。童謡の昔のことばを子どもに伝える。意味のしらべ方と、気持ちのこめ方
手あそび歌「むすんでひらいて」
手をむすんだり、ひらいたりしながら歌う手あそび歌です。寝る前には、大きく動かずに、お布団の中でそっと手を動かすくらいにすると、気持ちが落ちつきやすくなります。
最後に手をおなかの上やお布団の上において、「おしまい」とするのもひとつの方法です。
しずかに歌うためのコツ
話すくらいの、小さな声で
寝る前の歌は、大きな声を出す必要はありません。お子様のとなりで話すくらいの、やわらかい声で歌ってみてください。お父様・お母様が小さな声で歌うと、お子様も自然に声を小さくしてくれることがあります。
テンポを少しずつゆっくりに
同じ歌をくりかえすときは、くりかえすたびに、少しずつゆっくりにしていくのもよい方法です。声も少しずつ小さくしていくと、歌の時間がおわりに向かっていくのが、お子様にも伝わりやすくなります。
部屋を少し暗くしてから
明るい部屋よりも、明かりを少し落とした部屋のほうが、寝る前の気分になりやすいことがあります。電気を消す前の、少しうす暗い中で歌うのもすてきです。
上手に歌おうとしなくていい
お父様・お母様の中には、「自分は歌がにがてだから」と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。でも、寝る前の歌は、上手さをくらべるものではありません。音がはずれても、ことばをまちがえても、だいじょうぶです。お子様にとっては、いつもの声で歌ってもらえることが、うれしいこともあります。
幼児のお子様と、寝る前の歌
毎日同じ歌から始めてみる
小さなお子様は、知っている歌がくりかえされることで、安心することがあります。はじめは、毎日同じ歌から始めてみてください。お子様が「今日はこの歌がいい」と言ったら、その歌をうたってあげましょう。
お子様の名前を入れてみる
歌の終わりに「おやすみ、ゆうくん」のように、お子様の名前をよんで、やさしく声をかけるのもよい方法です。歌のあとのことばも、寝る前の時間の一部になります。
歌わない日があってもいい
お子様がつかれていて、すぐに眠ってしまう日もあります。お話をしたい日もあれば、だまってくっついていたい日もあります。歌は「毎日しなければいけないもの」ではなく、その日の気分に合わせて、ゆるく楽しんでください。
小学生のお子様と、寝る前の歌
お子様に歌をえらんでもらう
小学生になると、学校で習った歌や、好きな歌ができてきます。寝る前の歌も、お子様にえらんでもらうと、お子様が自分から歌を楽しむきっかけになります。
ただ、元気な歌をえらんだときは、「寝る前だから、小さい声で歌ってみようか」と声をかけてみてください。
お子様に歌ってもらう日をつくる
ときには、お父様・お母様が聞き役になって、お子様に歌ってもらうのもすてきです。学校で習った歌を「教えて」とお願いすると、お子様もうれしそうに歌ってくれることがあります。
このとき、音程や声の出し方を直すのはお休みにして、「すてきな歌だね」「教えてくれてありがとう」と、聞かせてくれたことをよろこんであげてください。
交代で歌うのも楽しい
お父様・お母様とお子様で、ひとつの歌を交代で歌うのもよい方法です。ことばの区切りで交代すると、相手の声をよく聞くことにもつながります。
寝る前の歌で気をつけたいこと
のどがつかれているときは、むりをしない
お子様がたくさん声を出した日や、かぜぎみのときは、寝る前の歌はお休みにして、静かなお話の時間にしてもかまいません。のどの痛みや声のかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
歌でむりに眠らせようとしない
「早く寝てほしい」という気持ちが強くなると、歌の時間があせりの時間になってしまうこともあります。寝る前の歌は、眠らせるための道具ではなく、親子でほっとするための時間と考えてみてください。眠るまでの時間はお子様によってちがうので、ほかのお子様とくらべる必要もありません。
近所への気くばりも
集合住宅などでは、夜の声の大きさが気になる方もいるかもしれません。寝る前の歌は、もともと小さな声で歌うものなので、お布団の中でささやくように歌えば、まわりも気になりにくくなります。
まとめ
- 寝る前の歌は、一日のおわりの合図になり、親子でゆっくり向き合える時間になる
- ゆったりしたテンポ、短くてくりかえしのある歌、夕方や夜、月が出てくる歌が合う
- 「夕焼小焼」「七つの子」「うさぎ」「月」「朧月夜」「むすんでひらいて」などを、やさしい声で
- 話すくらいの小さな声で、少しずつゆっくり、上手に歌おうとしなくていい
- 幼児のお子様とは同じ歌から、小学生のお子様とは歌をえらんでもらったり、歌ってもらったり
- のどがつかれている日はお休みに。歌でむりに眠らせようとしない
小さな歌の時間から、お子様が歌を好きになっていくこともあります。おうちの歌のほかに、歌を楽しむ場をさがしてみたい方は、歌の教室さがしもごらんください。お子様が歌うことを好きになったら、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ