子どもの歌の教室、はじめての1か月。通いはじめてからの流れと、おうちのサポート
「歌の教室に入ったけれど、うちの子、ちゃんとなじめるかな」 「レッスンのあと、家では何をしてあげたらいいの?」
お子様が歌の教室に通いはじめたばかりのころは、お父様・お母様も、わくわくする気持ちと、少しの心配が入りまじっていると思います。体験レッスンでは楽しそうだったのに、いざ通いはじめると「行きたくない」と言うこともあれば、反対に、家でもずっと歌っている子もいます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌の習い事は、さいしょの1か月をどうすごすかで、そのあとの続けやすさがかわってくると感じています。
この記事では、子どもの歌の教室に通いはじめてからの1か月にしぼって、だいたいの流れと、おうちでできるサポートをまとめました。教室や先生によってすすめ方はちがいますので、ひとつの目安として読んでみてください。
はじめの1か月は「なれる」ための時間
上手になることより、教室を好きになること
通いはじめの1か月で、歌が急に上手になることは、あまりありません。この時期にいちばん大切なのは、お子様が「教室って楽しいな」「先生がすきだな」と思えることです。
- 教室の場所や、ドアを開けるまでの流れになれる
- 先生の声や話し方になれる
- 人の前で声を出すことになれる
こうした「なれる」ことが、あとで歌をのばしていく土台になります。お父様・お母様も、はじめから結果をもとめすぎず、ゆったりと見守ってあげてください。
お子様によって、なれるまでの早さはちがう
すぐに大きな声で歌える子もいれば、しばらくはもじもじして、小さな声しか出ない子もいます。どちらがよい、わるいということはありません。はずかしがりやのお子様は、まわりをよく見ている子でもあります。その子のペースを大切にしてあげましょう。
1か月の流れ(目安)
1週目 教室と先生に会う
さいしょのレッスンは、あいさつや、かんたんな声出し、知っている歌を歌ってみるなど、お子様の今の様子を先生が知るための時間になることが多いです。
小さなお子様の場合、レッスンを見学できる教室もあれば、お子様だけで受ける教室もあります。どちらの場合も、終わったあとに「楽しかった?」と聞くより、「どんなことをしたの?」と、お子様が話しやすい聞き方をしてみてください。
2週目 姿勢や息のつかい方を知る
2回目、3回目になると、まっすぐ立つことや、息をすってはくことなど、歌うための体のつかい方をすこしずつ練習していくことが多いです。
- 足をかるくひらいて、まっすぐ立つ
- 肩の力をぬく
- 口を大きく開けて声を出す
歌をたくさん歌うより地味に感じて、お子様が「つまらない」と言うこともあります。そんなときは、「声を出すための体の準備をしているんだね」と、やっていることの意味をやさしく伝えてあげるとよいと思います。
3週目 1曲を少しずつ練習する
なれてきたら、1曲をえらんで、少しずつ練習していくことが多いです。童謡や、お子様の声に合った歌など、先生が今の声を見てえらんでくれます。
歌詞をおぼえる、音の高さをたしかめる、強く歌うところとやさしく歌うところを知るなど、1つの曲の中で、いろいろなことを学んでいきます。
4週目 ふりかえりと、次の目標
1か月たつころには、先生から「こんなところがよくなってきました」「次はここをがんばりましょう」といった話を聞けることもあります。気になることがあれば、レッスンの前後に、短く聞いてみてもよいでしょう。
ただし、先生も次のレッスンの準備があります。長くなりそうなときは、連絡帳やメールなど、教室できめられた方法で聞くのがマナーです。
おうちでできるサポート
練習は「短く」「楽しく」
おうちでの練習は、長い時間でなくてだいじょうぶです。はじめの1か月は、5分から10分くらいでも十分だと思います。
- レッスンで歌った曲を、1回だけいっしょに歌う
- 口を大きく開けて「あー」と声を出してみる
- 歌の動画や音源を聞いて、曲になれる
おうちでの練習時間の目安は、こちらの記事でもくわしくまとめています。歌の習い事、家での練習は何分がいい?時間の目安と、むりなくつづけるコツ
お父様・お母様は「先生」にならない
おうちで練習を見ていると、つい「音がちがうよ」「もっと大きな声で」と言いたくなりますよね。でも、はじめの1か月は、注意するより、ほめることを多めにしてあげてください。
- 「今日の声、きれいだったね」
- 「口が大きく開いていたね」
- 「先生に教わったこと、おぼえていたね」
できていないところを直すのは、先生のお仕事です。お父様・お母様は、お子様のいちばんの応援団でいてあげることが、何よりのサポートになります。
レッスンで言われたことを、いっしょにメモする
小さなお子様は、レッスンで言われたことをすぐにわすれてしまうことがあります。レッスンのあとに、「先生、なんて言ってた?」と聞いて、ひとことだけメモしておくと、次の練習のときに役立ちます。
- 「おなかから声を出す」
- 「さいごまで息をのこす」
- 「口を『お』の形にする」
小学生くらいになったら、お子様が自分でメモする習慣をつけるのもよいと思います。
持ち物とお休みの準備
通いはじめは、持ち物のわすれものも多くなりがちです。
- 楽譜や歌詞カード
- 水やお茶
- 連絡帳やノート(教室によって)
お休みするときの連絡の方法や、ふりかえレッスンの有無は、教室によってちがいます。はじめのうちに、教室のきまりを一度たしかめておくと安心です。
はじめの1か月によくあるなやみ
「行きたくない」と言う
通いはじめは、新しい場所に行くことそのものが、お子様にとって大きな出来事です。「行きたくない」と言うときは、理由をやさしく聞いてみてください。
- つかれていて、ねむい
- 先生にまだなれていない
- うまく歌えなくて、はずかしい
- ほかにやりたいことがある
理由がわかれば、レッスンの前にすこし休ませる、先生に様子を伝えるなど、できることが見えてきます。練習そのものをいやがるときの声かけは、こちらの記事も参考にしてみてください。子どもが歌の練習をいやがるとき。お父様・お母様の声かけと、楽しくつづける工夫
声が小さくて、心配になる
はじめのうちは、緊張して声が小さくなるお子様は少なくありません。おうちでは元気に歌えているなら、まずはそれで十分です。教室になれてくると、少しずつ声が出るようになることが多いです。
先生にも「家ではよく歌っています」と伝えておくと、お子様の様子をわかったうえで、レッスンをすすめてくれると思います。
のどがつかれていそう
小さなお子様は、楽しくなると、大きな声で歌いつづけてしまうことがあります。レッスンのあとに声がかれていたら、その日はおうちでの練習を休んで、のどを休ませてあげましょう。
声のかすれや、のどの痛みが何日も続くときは、むりをさせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
ほかの子とくらべてしまう
グループレッスンや発表会で、ほかのお子様の歌を聞くと、つい、くらべてしまうことがありますよね。でも、はじめた時期も、年齢も、声も、一人ひとりちがいます。くらべる相手は、1か月前のお子様です。「通いはじめたころより、楽しそうに歌っているね」と、その子の変化を見てあげてください。
1か月たったら、ふりかえってみよう
続けられそうかを、お子様といっしょに考える
1か月たったら、お子様と「教室どう?」と話してみてください。楽しいところ、むずかしいところを聞いておくと、これからの続け方を考えやすくなります。
- 先生とのやりとりを楽しめているか
- 通う日や時間に、むりはないか
- おうちで歌う時間がふえたか
もし、どうしても合わないと感じるときは、先生に相談したり、ほかの教室を見てみたりするのもひとつの方法です。
歌声を録音しておく
通いはじめのころの歌声を、スマホで録音しておくのもおすすめです。数か月たってから聞きくらべると、声の出し方や、歌い方の変化に気づきやすくなります。お子様にとっても、「前よりうまくなった」と感じられることは、大きな自信につながります。
まとめ
- はじめの1か月は、上手になるより「教室になれる」「先生を好きになる」ことが大切
- 1週目はあいさつと声出し、2週目は体と息、3週目は1曲の練習、4週目はふりかえり、という流れが多い
- おうちの練習は5分から10分くらいで、短く楽しく
- お父様・お母様は注意するより、ほめることを多めに
- 「行きたくない」と言うときは、まず理由をやさしく聞く
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
- 1か月たったら、お子様といっしょにふりかえり、歌声を録音しておく
教室での練習になれてきて、「だれかに歌を聞いてもらいたい」という気持ちが出てきたら、こどもの歌声グランプリに挑戦してみるのもよいと思います。オンラインの動画審査だけで出られるので、会場に行かなくても、ふだん練習している場所で歌えます。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、これからの練習の目標にもなると思います。こどもの歌声グランプリ