練習・発声のコツ

子供が歌うと怒鳴るような大声に。やさしい声に変えるコツと、のどの守り方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「うちの子、歌うといつも怒鳴るような声になってしまう」 「大声で歌うのはいいけれど、のどが心配」

歌が大好きなお子様ほど、気持ちが入って、つい大きな声になってしまうことがあります。元気なのはうれしいけれど、まわりの人の目や、のどへの負担が気になる。そんなお父様・お母様も多いと思います。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、子供が歌うと怒鳴るような声になるときに、なぜそうなるのか、どうすればやさしい声に変えていけるのかをまとめます。叱ってやめさせるのではなく、お子様が「この声も気持ちいい」と感じられるような、おうちでの工夫を中心にお話しします。

声が小さいお子様のなやみについては、別の記事にまとめています。今回は、その反対の「大声すぎる」お子様のお話です。声が小さい子が、のびのび歌えるようになるには。お父様・お母様ができること

子供が大声で歌う、怒鳴るように歌うのはなぜ?

「大きい声=上手」だと思っている

幼稚園や保育園、小学校では、「大きな声で歌いましょう」と言われることがよくあります。そのため、お子様の中には「大きい声で歌うほど、いい歌」と思っている子もいます。がんばって歌おうとするほど、声が大きくなり、怒鳴るような声になってしまうのです。

自分の声がよく聞こえていない

みんなで歌うときや、音楽を大きな音で流しているとき、自分の声が聞こえにくくなります。すると、自分の声をたしかめようとして、さらに大きな声を出してしまうことがあります。

気持ちが高まっている

楽しい、うれしい、わくわくする。そんな気持ちがそのまま声に出るのは、子供らしいすてきなところです。ただ、気持ちが高まると体にも力が入り、のどをしめつけるような声になりやすくなります。

声の出し方をまだ知らない

大きな声と、ひびく声はちがいます。でも、小さなお子様は、そのちがいをまだ知りません。のどに力を入れて、押し出すように声を出すしか方法を知らないこともあります。

怒鳴るような声を続けると、どうなる?

元気に歌うことは、わるいことではありません。ただ、怒鳴るような声で長い時間歌い続けると、のどがつかれやすくなります。

  • 歌ったあとに、声がかすれる
  • 話すときの声まで、がらがらになる
  • 高い音が出にくくなる
  • 音程が合いにくくなる

怒鳴るような声は、どうしても音程がずれやすくなります。のどに力が入ると、声の高さを調節しにくくなるからです。

声のかすれが何日も続く、のどを痛がる、声が出にくいなど、気になることがあるときは、歌の練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

子供ののどを守るための毎日のケアについては、こちらの記事にくわしくまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア

まずは、お父様・お母様の声かけから

「うるさい」「大きすぎる」と叱らない

つい「うるさいよ」「そんなに大きな声で歌わないで」と言いたくなるかもしれません。でも、叱られると、お子様は「歌うこと」そのものがいやになってしまうことがあります。

大声で歌っているのは、それだけ歌が好きだという気持ちのあらわれです。まずは、その気持ちを受けとめてあげてください。

「大きい」ではなく「やさしい」をほめる

声を小さくさせるより、「やさしい声」を見つけてほめるほうが、お子様には伝わりやすいです。

  • 「今のところ、やさしい声できれいだったね」
  • 「小さな声でも、ちゃんと聞こえたよ」
  • 「その声、ふわっとしていてすてき」

できたときにすぐ伝えると、お子様は「こういう声もいいんだ」と気づいていきます。

たとえを使って伝える

小さなお子様には、「声をやさしく」と言っても、ぴんとこないことがあります。そんなときは、たとえを使ってみましょう。

  • 「赤ちゃんがねているから、起こさないように歌ってみよう」
  • 「ちょうちょに聞かせるように歌ってみよう」
  • 「遠くの人に呼びかける声じゃなくて、となりの人にお話しする声で歌ってみよう」

イメージがわくと、お子様は自然に声の出し方を変えようとします。

やさしい声に変える、おうちでの練習

どの練習も、あそびの気持ちで、1回5分くらいでじゅうぶんです。

声の大きさあそび

声の大きさを「ねずみさんの声」「ねこさんの声」「ぞうさんの声」のように、3つくらいに分けてみます。お父様・お母様が「ねずみさん」と言ったら小さな声、「ぞうさん」と言ったら大きな声で歌います。

大きな声だけでなく、小さな声やまん中の声も出せると、お子様は声の大きさを自分で選べるようになります。ぞうさんの声も、怒鳴る声ではなく「ひびく大きな声」になるよう、のどに力を入れすぎないことを伝えてあげてください。

ハミングで歌う

口をとじて「んー」と、知っている歌のメロディをハミングしてみましょう。ハミングは、怒鳴ることができない声の出し方です。鼻や顔のあたりがむずむずするような感じがあれば、のどに力が入っていないしるしです。

ハミングのあとに、同じ気持ちで「まー」「むー」と声を出し、そのまま歌につなげてみます。

ささやき声から始める

はじめは、ささやくような小さな声で歌ってみます。つぎに、少しだけ声を足して、ふつうの話し声くらいにします。このように、小さな声から少しずつ大きくしていくと、のどに力を入れずに声を出す感じがつかみやすくなります。

ささやき声を長く続けると、かえってのどがつかれることもあるので、短い時間にしてください。

体の力をぬく

肩が上がっている、首に力が入っている、顔がこわばっている。怒鳴るような声になるお子様は、体にも力が入っていることが多いです。

  • 肩をぎゅっと上げて、すとんと下ろす
  • 首をゆっくり回す
  • あくびをするように、口を大きくあける
  • 手をぶらぶらとふる

歌う前に、こうした体ほぐしを入れてみてください。おうちでできる発声練習は、こちらの記事でも紹介しています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

自分の声を録音して聞く

小学生くらいのお子様なら、スマホで自分の歌を録音して聞いてみるのもおすすめです。「大きな声で歌ったとき」と「やさしい声で歌ったとき」を聞きくらべると、どちらが聞きやすいか、自分で気づけることがあります。

お父様・お母様は、「どっちが好き?」と聞いてみるだけでじゅうぶんです。答えをおしつけないことが大切です。

歌う場所や環境も見直してみる

音楽の音量を下げる

音楽をかけながら歌うときは、音量を少し下げてみてください。伴奏の音が大きいと、それに負けないように、お子様の声も大きくなりがちです。伴奏が小さくなると、自分の声がよく聞こえるので、大声を出さなくても歌いやすくなります。

部屋のひびきを利用する

お風呂場など、声がよくひびく場所では、小さな声でもよく聞こえます。「お風呂だと、小さな声でもきれいにひびくね」と声をかけると、やさしい声のよさに気づくきっかけになります。

家族もやさしい声で歌う

お子様は、まわりの大人の声をよく聞いてまねします。お父様・お母様がやさしい声で歌っていると、お子様も自然と声の出し方が変わっていくことがあります。上手に歌えなくても、だいじょうぶです。

学校や園でのことも考えておく

おうちでやさしい声になってきても、学校や園では「大きな声で」と言われることがあると思います。それはそれで、まちがいではありません。

お子様には、「大きな声で歌う場所もあるし、やさしい声で歌う場所もあるよ。どっちも出せるとかっこいいね」と伝えてみてください。どちらかひとつではなく、場面に合わせて声を選べることを目指すと、お子様もなっとくしやすいと思います。

先生にお願いしたいことがあるときは、「のどが疲れやすいようなので、気にかけていただけるとうれしいです」くらいの、やわらかい伝え方がよいと思います。

歌の先生にみてもらうのもひとつ

おうちでの工夫だけでは変わりにくいときや、お子様がもっと歌を上手になりたいと思っているときは、歌の教室で先生にみてもらうのもよい方法です。

先生は、体の使い方や息のすい方など、声の土台からていねいに教えてくれることが多いです。体験レッスンでは、大きな声をむりに出させないか、お子様のようすに合わせてくれるかを見ておくと安心です。

まとめ

  • 子供が怒鳴るように大声で歌うのは、「大きい声=上手」と思っていたり、自分の声が聞こえていなかったりするから
  • 怒鳴るような声を続けると、のどがつかれやすく、音程も合いにくくなる
  • 叱るより、やさしい声が出たときにほめる
  • 声の大きさあそび、ハミング、ささやき声から始める練習がおすすめ
  • 伴奏の音量を下げる、家族もやさしい声で歌うなど、環境も見直す
  • 声のかすれやのどの痛みが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する

やさしい声で歌えるようになると、歌のことばや気持ちが、聞いている人にもっと伝わりやすくなります。おうちで練習した歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリをのぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、お子様の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

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