練習・発声のコツ

子どもの歌声が小さいときは?楽しく声を出せるようになるおうちの工夫

更新日:2026年11月4日 ・ 書いた人:うみ

「もっと大きな声で歌って」

学校や習い事で、お子様がそう言われてしまうことはありませんか。お父様・お母様も、つい同じことを言ってしまうこともあると思います。

でも、「大きな声で」と言われるほど、かえって声が出なくなってしまうお子様もいます。

この記事では、息子をたくさんの歌のコンクールに連れていったわたしが、声が小さいお子様が、楽しく声を出せるようになるための工夫をまとめます。

声が小さくなる理由はいろいろ

まず知っておきたいのは、「声が小さい」の理由は、お子様によってちがうということです。

はずかしい、自信がない

いちばん多いのは、気持ちの理由です。「まちがえたらどうしよう」「みんなに聞かれるのがはずかしい」と思うと、声は小さくなります。

歌詞や音に自信がない

歌詞がうろおぼえだったり、音がよくわからなかったりすると、自然と声は小さくなります。これは、声の問題ではなく、「まだおぼえきれていない」ということです。

声の出し方がまだわからない

小さなお子様は、まだ「歌うための声の出し方」を知らないこともあります。話す声と歌う声は、少しちがいます。

もともと、しずかな声の子

声の大きさには、生まれもった個性もあります。しずかでやさしい声は、それだけでひとつの魅力です。

体のこと

声がかすれる、のどがいたいなど、体の調子がかかわっていることもあります。声のようすが長くかわらないときや、気になることがあるときは、耳鼻科で相談してみてください。

まずは「安心して歌える場所」をつくる

声を出すためにいちばん大切なのは、お子様が「ここなら安心して歌える」と思えることです。

  • まちがえても、わらったり注意したりしない
  • 歌っているときは、スマホを置いて聞いてあげる
  • 歌いおわったら、「いい声だったね」と伝える

家が「歌っていい場所」になると、お子様は少しずつ声を出すようになります。

楽しく声が出る遊び

やまびこごっこ

お父様・お母様が「やっほー」と言ったら、お子様も「やっほー」と返す遊びです。遠くの山にとどけるつもりで、少しずつきょりをはなしていきます。「とどく声」を、遊びながら体でおぼえられます。

動物やおばけのまねっこ

「ねこの声」「ふくろうの声」「おばけの声」など、いろいろな声のまねをしてみます。高い声、ひくい声、やさしい声、元気な声。声にはいろいろな出し方があることに、自然と気づけます。

名前を呼ぶゲーム

となりの部屋にいる家族の名前を、歌うように呼んでみます。「お母さーん」と、メロディをつけて呼ぶと、話す声から歌う声へ、自然につながります。

好きな歌を、まずは口ずさむ

むずかしい曲より、お子様が大好きな歌から始めましょう。アニメの歌や、保育園・幼稚園で歌った歌など、なんでも大丈夫です。好きな歌なら、声も自然と出てきます。

「大きな声」より「とどく声」

声が小さいお子様に、ただ「大きな声で」と言うと、のどに力が入って、どなるような声になってしまうことがあります。これは、のどにもよくありません。

めざしたいのは、「大きな声」ではなく、「とどく声」です。

  • 体をまっすぐにして立つ
  • 口を少し大きくあける
  • 遠くの人にとどけるつもりで歌う

この3つを意識するだけで、声はぐっとひびくようになります。

発声のかんたんな練習は、こちらの記事でも紹介しています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

体をほぐしてから歌う

声が小さいお子様は、緊張で体がかたくなっていることもあります。歌う前に、かんたんな体ほぐしをしてみましょう。

  • 肩をぎゅっと上げて、ストンと落とす(3回くらい)
  • 両手を上にのばして、大きくのびをする
  • 首をゆっくり左右にかたむける
  • 口を大きくあけたり、とじたりする

体がほぐれると、息がたっぷり入るようになり、声も出やすくなります。遊びのように、家族みんなでやるのがおすすめです。

息を「長くはく」練習

声は、はく息にのって出てきます。息が短いと、声もとぎれとぎれになってしまいます。

  • ろうそくの火を、ゆっくり長くふくつもりで「ふー」とはく
  • ティッシュを1まい顔の前にもって、ゆれつづけるように息をはく
  • 「すー」という音で、何秒つづけられるか家族でためしてみる(くるしくなる前にやめる)

遊びの中で、息を長くはくことになれていくと、歌うときの声も安定してきます。

どの遊びも、1回に長くやる必要はありません。お子様が「もっとやりたい」と言うくらいで止めておくと、つぎの日も楽しく取り組めます。のどがいたいときや、声がかれているときは、声を出す遊びはお休みにしましょう。

歌詞と音に自信をつける

歌詞や音に自信がないと、声は小さくなります。

  • 歌詞を、まず声に出して読む
  • 音源を聞きながら、小さな声でいっしょに歌う
  • おぼえたら、音源なしで歌ってみる

「知っている」「おぼえている」という自信は、そのまま声の大きさにつながります。

さけたい声かけ

  • 「声が小さいね」(できていないことばかり伝わる)
  • 「もっと大きな声で」(どなる声になりやすい)
  • 「〇〇ちゃんはもっと出てるよ」(くらべられると自信がなくなる)

かわりに、こんなことばをかけてみてください。

  • 「今のところ、よく聞こえたよ」
  • 「お母さんのところまで、とどいたよ」
  • 「やさしい声で、すてきだね」

できたところを見つけて、具体的に伝えるのがコツです。

人前で歌う経験を少しずつ

家では声が出るのに、人前だと小さくなるお子様もいます。そんなときは、聞く人を少しずつふやしていきましょう。

  1. お父様・お母様の前で
  2. 家族みんなの前で
  3. おじいちゃん・おばあちゃんにビデオ通話で
  4. 動画にとって、だれかに見てもらう

緊張しやすいお子様への声かけは、こちらの記事にまとめています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること

曲えらびでも、声は出やすくなる

お子様の声の高さに合っていない曲は、声が出しにくく、どうしても小さくなります。

  • 高すぎる音や、ひくすぎる音が少ない曲
  • テンポがゆっくりすぎない、明るい曲
  • お子様がすきで、歌詞の意味がわかる曲

こうした曲をえらぶと、声が自然と出やすくなります。習い事をしているときは、先生に「この子の声に合う曲」を相談してみるのもいいですね。曲えらびの考え方はこちらにまとめています。童謡コンクールの曲のえらび方。年れい別のおすすめと、さけたいえらび方

少しずつの変化を楽しむ

声は、1日や2日で大きくかわるものではありません。何週間、何か月とつづけるうちに、少しずつかわっていきます。

ときどき、お子様が歌っているところを動画にとっておくのもおすすめです。あとで見くらべると、「前より声が出ているね」と、お子様といっしょに成長をたしかめられます。目に見える変化は、お子様の自信になります。

声の大きさより、その子の声のよさ

コンクールでも、声がとても大きい子だけが評価されるわけではありません。やさしい声、すんだ声、気持ちが伝わる声。審査員は、その子ならではの声のよさにも耳をかたむけてくれます。

声が小さいことを「なおさなきゃ」と思うより、「この子の声のよさは何だろう」と考えてみてください。お子様の声のいいところが見えてくると、親の声かけもかわってきます。

まとめ

  • 声が小さい理由は、気持ち、歌詞や音への自信、声の出し方などいろいろ
  • まずは、家を「安心して歌える場所」に
  • やまびこごっこや、声のまねっこで、楽しく声を出す
  • めざすのは「大きな声」より「とどく声」
  • できたところを見つけて、具体的にほめる

人前で歌うのがまだはずかしいお子様も、おうちでとった動画なら、いつもの声で歌えることがあります。こどもの歌声グランプリは、動画1本で応募でき、全員に講評が届きます。お子様の声のよさを見つけるきっかけに、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ

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