かぜのあとの歌の練習。いつから、どのくらい歌っていい?
「かぜが治ってきたけれど、もう歌の練習をしてもいいのかな」 「コンクールが近いのに、声が出にくい。どうしたらいいの?」
お子様がかぜをひくと、熱やせきが落ちついたあとも、歌の練習をいつからはじめてよいのか、まよってしまいますよね。とくに発表会やコンクールが近いときは、あせる気持ちも出てくると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌を続けていると、体調をくずす時期は、どうしてもやってきます。そんなとき、いちばん大切なのは「無理をしないこと」だと感じています。
この記事では、かぜのあとに歌の練習を再開するときの考え方や、少しずつもどしていく方法をまとめました。ただし、のどや体の状態は、お子様によってちがいます。この記事は一般的な考え方の紹介です。お医者さんから話があるときは、かならずそちらを優先してください。
まず大切にしたい考え方
お医者さんの話を、いちばんに
かぜのあとに、のどの痛み、声のかすれ、せきなどがのこっているときは、まず、お医者さんの話を聞くことがいちばんです。受診したときに、「歌の習い事をしていて、練習を再開したい」と伝えておくと、その子の状態に合わせた話を聞きやすくなります。
- いつごろから声を出してよいか
- どのくらいの声の大きさなら、だいじょうぶか
- どんな様子があったら、もう一度受診したほうがよいか
こうしたことを、気になる範囲で聞いておくと、おうちでも判断しやすくなります。
「休むこと」も練習のうち
歌の習い事をしていると、1日でも練習を休むと、おくれてしまうような気持ちになることがあります。でも、体調がわるいときに休むことは、決してむだではありません。
のどがつかれているときに無理をして歌うと、かえって声が出にくい時期が長くなることもあると言われています。しっかり休んで、元気になってからもどるほうが、結果的に、よい声で歌えることが多いと思います。
練習を休んだほうがよいサイン
こんなときは、声を出す練習はお休み
次のような様子があるときは、歌の練習はお休みして、体とのどを休ませてあげましょう。
- 熱がある、体がだるそう
- のどが痛い、つばを飲むと痛がる
- 声がかすれている、声が出にくい
- せきがよく出る
- 話すだけでつかれてしまう
この時期は、歌うことだけでなく、大きな声でしゃべったり、さけんだりすることも、できるだけひかえるとよいと思います。
ささやき声にも注意
声を出さないように、ささやき声で話すお子様もいます。でも、ささやき声は、のどに負担がかかることもあると言われています。気になるときは、短く、おだやかな声で話すようにして、話す量そのものを少なめにしてあげてください。
再開を考えはじめるサイン
こんな様子が見られたら
お医者さんから特に止められていなくて、次のような様子が見られるようになったら、少しずつ再開を考えてもよいころかもしれません。
- 熱が下がり、ふだんどおりに元気に遊べている
- のどの痛みがなくなっている
- ふつうに話す声が、いつもどおりにもどっている
- せきが気にならなくなっている
ただし、「元気そうに見える」ことと、「のどが完全にもどっている」ことは、同じとはかぎりません。お子様は、歌いたい気持ちが強いと、多少の違和感があっても「だいじょうぶ」と言うこともあります。お父様・お母様が、話し声の様子などを、よく見てあげてください。
お子様の声を、よく聞いてみる
いつもの話し声とくらべて、声がひくくなっていないか、ガラガラしていないか、とちゅうでとぎれないかを聞いてみましょう。ふだんから、お子様の話し声や歌声に耳をかたむけておくと、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。
少しずつもどしていく練習のしかた
ステップ1 体と息から
いきなり歌いはじめるのではなく、まずは体をほぐすところからはじめましょう。
- 肩をゆっくり回す
- 首を、むりのない範囲でかるく動かす
- 鼻から息をすって、口から「スー」と長くはく
声を出さない練習でも、歌うための体の準備になります。
ステップ2 小さな声のハミング
体がほぐれたら、口をとじて、小さめの声で「んー」とハミングしてみましょう。高い音や低い音ではなく、話し声に近い、らくな高さで十分です。
ハミングをしてみて、のどにひっかかる感じや痛みがあれば、その日はそこでやめておきましょう。
ステップ3 知っている歌を、やさしく
ハミングが気持ちよくできるようになったら、よく知っている歌を、小さめの声で歌ってみます。
- 大きな声は出さない
- 高い音が多い曲は、まだひかえる
- 1回か2回歌ったら、休けいをはさむ
さいしょは、ふだんの練習よりもずっと短い時間にして、様子を見ながら、少しずつのばしていくとよいと思います。
ステップ4 ふだんの練習にもどす
やさしい歌い方で問題がなければ、少しずつ、ふだんの練習にもどしていきます。それでも、急に長い時間歌ったり、大きな声を出しつづけたりするのはさけましょう。
もどす早さは、お子様によってちがいます。「何日たったから、もうだいじょうぶ」と決めるのではなく、その日その日の声の様子を見て、判断してあげてください。
再開したあとに気をつけたいこと
練習のあとの様子を見る
再開してしばらくは、練習のあとに、声がかすれていないか、のどを気にしていないかを見てあげてください。
- 練習のあと、声がガラガラになっていないか
- 「のどがいたい」と言っていないか
- せきがまた出てきていないか
気になる様子があれば、練習の量をもとにもどすか、もう一度お休みしましょう。のどの痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
のどをうるおす
かぜのあとは、のどがかわきやすいこともあります。練習の前後や、とちゅうでも、水やお茶をこまめに飲むようにしましょう。部屋が乾燥しているときは、加湿器を使うなど、まわりの環境をととのえるのもよいと思います。冬の乾燥とのどについては、こちらの記事でもまとめています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
先生にも伝えておく
教室に通っている場合は、かぜをひいていたことを先生に伝えておきましょう。先生も、お子様の声の様子を見ながら、レッスンの内容を調整してくれると思います。レッスンをお休みするかどうか、まよったときも、先生に相談してみてください。
ふだんからできる、かぜの時期のそなえ
体調をくずしやすい時期を知っておく
季節のかわり目や、空気が乾燥する時期は、かぜをひきやすくなります。発表会やコンクールの予定を立てるときは、こうした時期もふまえて、練習の予定に少し余裕を持たせておくと安心です。
毎日の生活をととのえる
歌のためだけでなく、お子様の体のためにも、ふだんの生活をととのえておくことが大切です。
- しっかりねむる
- 外から帰ったら、手あらいとうがいをする
- 水分をこまめにとる
- つかれているときは、練習を短めにする
「調子がわるいときは、すぐに言ってね」と、ふだんからお子様に伝えておくと、早めに気づいて休ませることができます。
本番が近いときは
あせらず、できることを考える
発表会やコンクールの直前にかぜをひいてしまうと、お子様もお父様・お母様も、とてもあせってしまいますよね。でも、こんなときこそ、無理をしないことが大切です。
声を出せない時期でも、できることはあります。
- 歌詞を見ながら、頭の中で歌う
- 音源を聞いて、曲の流れを思いうかべる
- 歌詞の意味や、歌の気持ちを考える
こうした「声を出さない練習」も、本番に向けた大切な準備になります。
出るかどうかは、体を一番に考えて
体調によっては、本番に出ることそのものを考えなおす必要があるかもしれません。そのときは、お医者さんの話や、お子様の様子を一番に考えてください。お子様が「出たい」と言っても、のどや体に無理がかかりそうなときは、大人が止めてあげることも大切です。
会場で行うコンクールや発表会では、日程をかえることがむずかしい場合も多いと思います。一方で、動画で応募するコンクールの中には、応募の期間に幅があるものもあります。オンラインのコンクールのよさについては、こちらの記事でもまとめています。オンライン・動画で出られる歌のコンクール。よさと注意点
まとめ
- かぜのあとの練習は、お医者さんの話をいちばんに考える
- 熱、のどの痛み、かすれ、せきがあるときは、歌の練習はお休み
- 元気に見えても、話し声の様子をよく聞いてから再開を考える
- 体と息、ハミング、やさしい歌、ふだんの練習、と少しずつもどす
- 何日と決めず、その日の声の様子を見て判断する
- 再開後は、練習のあとの様子を見て、のどをうるおす
- 痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
- 本番が近くても、無理をしない。声を出さない練習もできる
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