かわいい声の出し方。明るくやわらかい歌声になるコツ
「歌うとき、もっとかわいい声で歌ってみたい」 「アニメの歌やアイドルの歌を、かわいく歌えるようになりたい」
こんなふうに思ったことがある方は、多いのではないでしょうか。かわいい声というと、生まれつきの声だと思われがちです。でも、歌の中で「かわいく聞こえる」声には、ちょっとしたコツがあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌でかわいい声を出すための出し方にしぼって、お話しします。かわいく聞こえる声のひみつ、明るくやわらかい歌声のコツ、おうちでできる練習、そして、のどにむりをさせないための注意をまとめました。
大切なのは、むりに高い声や作った声を出すことではありません。のどに力を入れずに、明るく、やわらかく歌うことが、かわいい声への近道です。
かわいい声って、どんな声?
高い声だけが、かわいい声ではない
「かわいい声」と聞くと、高い声を思いうかべる方が多いかもしれません。でも、ただ高いだけの声が、かわいく聞こえるとはかぎりません。むりに高くした声は、かたく、きつく聞こえてしまうこともあります。
歌でかわいく聞こえる声には、たとえばこんな特ちょうがあります。
- 明るく、はずむような感じがある
- やわらかく、とげとげしていない
- ことばが、はっきり聞きとりやすい
- 声が軽く、重たく聞こえない
- 楽しそうに歌っているのが伝わる
つまり、かわいい声は「声の高さ」よりも、「明るさ」「やわらかさ」「軽さ」でできていることが多いのです。
自分の声のままで、かわいくなれる
声の高さは、人によってちがいます。低めの声の人でも、明るく軽く歌えば、かわいいふんいきの歌になります。自分の声をむりに変えようとしなくても、歌い方を少し工夫するだけで、ぐっと印象が変わることがあります。
かわいい声を出すための、きほんのコツ
ほほえむような顔で歌う
かわいい声のいちばんのコツは、顔の表情です。口角(口の両はし)を少し上げて、ほほえむような顔で歌うと、声も自然と明るくなります。
鏡の前で、ふつうの顔で「あー」と言ったあと、にこっとした顔で「あー」と言ってみてください。にこっとした顔のほうが、声が明るく聞こえると思います。
声を軽くする
かわいい声は、重たくない、軽い声です。おなかの底から力いっぱい出すよりも、ふわっと声をうかせるようなイメージで歌ってみましょう。
- 大きな声を出そうとしない
- 声の量を少しおさえて、やさしく歌う
- 音を「おす」のではなく、「のせる」ような気持ちで歌う
声を小さくしすぎると、息ばかりになって聞こえにくくなるので、ちょうどいいところをさがしてみてください。
息をやわらかく出す
息をいきおいよくぶつけると、声はかたくなります。息を、ふーっとやさしく流すような気持ちで声を出すと、声がやわらかくなります。
息の多いささやくような声とは、また少しちがいます。息と声のバランスをとりながら、やわらかさを出すことが大切です。ささやくような声のつかい方は、こちらの記事でくわしく書いています。ウィスパーボイスの出し方。息の多いやさしい声のつかい方と、のどを守る注意
ことばを、はっきり、かわいく
かわいい声の歌は、ことばが聞きとりやすいことが多いです。口をしっかり動かして、ひとつひとつのことばを、ていねいに歌ってみましょう。
- 「い」や「え」の音は、口を横に少し広げると明るくなる
- 「あ」の音は、口を大きく開けすぎず、ほどよく開ける
- ことばのはじめの音を、やさしく、でもはっきり出す
音の終わりを、ふわっとぬく
フレーズ(歌のひとまとまり)の終わりを、ぶつっと切らずに、ふわっとやさしくぬくように歌うと、かわいらしいふんいきになります。終わりの音を少しだけ軽くすることを、意識してみてください。
おうちでできる、かわいい声の練習
にこにこハミング
口をとじて、ほほえむような顔で「んー」とハミングします。顔の前のほう、鼻のあたりがじんわりひびく感じがあれば、とてもいい声です。そのまま、口をあけて「まー」「みー」と声を出してみましょう。
「ぽ」「ぱ」のはずむ練習
「ぽっぽっぽ」「ぱっぱっぱ」と、短く、はずむように声を出します。ボールがはねるようなイメージで、軽く出してみてください。声に、かわいい「はずみ」が出てきます。
好きな曲を、小さめの声で歌う
好きな曲を、いつもより少し小さめの声で、ほほえみながら歌ってみましょう。大きな声で歌うときより、声がやわらかくなるのがわかると思います。
録音して、聞きくらべる
ふつうに歌ったものと、ほほえんで軽く歌ったものを、スマホで録音して聞きくらべてみてください。どちらがかわいく聞こえるか、自分の耳でたしかめることができます。
かわいい声を出すときに、気をつけたいこと
作った声を、むりに出しつづけない
かわいい声を出そうとして、のどをしめつけたり、鼻にかかった声をむりに作ったりすると、のどがつかれやすくなります。のどがきゅっとしまる感じや、こすれる感じがしたら、いったん休んでください。
高い声を、むりに出さない
自分の声よりずっと高い声を、むりに出しつづけるのはおすすめしません。楽に出せる高さで、明るく軽く歌うほうが、のどにもやさしく、自然でかわいい声になります。
のどがつかれたら休む
長い時間、同じ声を出しつづけると、のどがつかれます。少し歌ったら、水をのんで休む時間をとりましょう。痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お子様の声は、とくにやさしく
お子様が「かわいい声で歌いたい」と言ったら、楽しくまねっこする程度にして、むりに高い声や作った声を出させないようにしてください。お父様・お母様が「にこにこして歌うと、かわいいね」と声をかけてあげるだけでも、十分だと思います。
かわいい声が合う歌、合う場面
かわいい声は、どんな歌にも合うわけではありません。歌によって、ちがう声のほうがよく合うこともあります。かわいい声が生きやすいのは、たとえばこんな歌です。
- 明るく、テンポのよい歌
- アニメやゲームの、元気な歌
- 動物や身近なものが出てくる、楽しい童謡
- 恋や友だちのことを、かわいく歌う歌
いっぽうで、しっとりした歌や、力強い歌では、かわいい声だけでなく、ほかの声のつかい方もできるとよいですね。ひとつの歌の中でも、明るいところはかわいく、落ち着いたところはやさしく、と歌い分けると、表現がゆたかになります。
声を明るくするための表情や口の形のことは、こちらの記事でもまとめています。声のトーンを明るくするには?表情と口の形でかわる、歌声のひびき
かわいい声でよくあるなやみ
かわいく歌うと、声が小さくなってしまう
声を軽くしようとすると、声そのものが小さくなり、聞こえにくくなることがあります。そんなときは、声の量をむりにふやすより、口をしっかり動かして、ことばをはっきり歌うことを意識してみてください。ことばがよく聞こえると、声が小さめでも、歌はちゃんととどきます。
子どもっぽくなりすぎる気がする
かわいく歌おうとして、子どもっぽく聞こえてしまうこともあります。そんなときは、ほほえむ顔はそのままに、音の終わりをていねいに歌ったり、ゆったりしたところでは落ち着いて歌ったりしてみましょう。かわいさの中に、少し落ち着きがまざると、大人の方でも自然なかわいい歌声になります。
はずかしくて、表情がかたくなる
ほほえんで歌うのが、はずかしいと感じる方もいると思います。はじめは、だれもいない部屋で、鏡を見ながら練習してみてください。なれてくると、自然と表情がやわらかくなっていきます。
かわいい声を、もっとみがきたいときは
おうちでの練習で、少しずつ声は変わっていきます。でも、自分だけでは、のどに力が入っているかどうか、わかりにくいこともあります。
もっとかわいい声をみがきたい、むりのない出し方を知りたいと思ったら、歌の教室で先生に見てもらうのもひとつの方法です。体験レッスンで「かわいい声で歌えるようになりたい」と伝えると、自分の声に合ったやり方を教えてもらえることが多いです。
まとめ
- かわいい声は、高さよりも「明るさ」「やわらかさ」「軽さ」でできている
- ほほえむような顔で歌うと、声が明るくなる
- 声を軽くし、息をやわらかく出すと、やさしい声になる
- ことばをはっきり歌い、音の終わりをふわっとぬく
- にこにこハミングや「ぽ」「ぱ」の練習で、明るくはずむ声をつくる
- 作った声や、むりな高い声を出しつづけない
- のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
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