カラオケの点数は高いのに上手く聞こえない?点数と「伝わる歌」のちがい
「カラオケで90点をこえたのに、友だちの反応はいまひとつ」 「100点に近い点が出るのに、録音を聞くと、なんだか上手くない気がする」
こんなふしぎな気持ちになったことはありませんか。点数は高いのに、聞いている人の心にあまりとどいていない。反対に、点数はそれほどでもないのに、聞いていて胸があたたかくなる歌もあります。
わたしは、息子といっしょにたくさんのコンクールに出てきました。人が審査をする場では、音程が合っていることはもちろん大切ですが、それだけでは伝わらないものがある、と感じてきました。
この記事では、カラオケの点数と、人が聞いたときの「上手く聞こえる」のちがいについて考えます。点数を上げる方法ではなく、点数が高いのに上手くないと言われるのはなぜか、そして「伝わる歌」に近づくための工夫にしぼってお話しします。採点で点数を上げるコツは、こちらの記事にまとめています。カラオケの採点で点数を上げるコツ。音程・リズム・抑揚・ロングトーン
カラオケの点数は、何を見ているの?
採点は「決まったものさし」で歌をはかる
カラオケの採点は、機械が決まったものさしで歌をはかるしくみです。くわしいはかり方は、機種によってちがいます。ただ、多くの採点では、次のようなところを見ていることが多いです。
- 音の高さが、メロディーに合っているか
- リズムが、伴奏に合っているか
- 声の大きさに、強弱があるか
- 声をのばす部分が、安定しているか
- ビブラートなどの歌い方の工夫があるか
どれも、歌にとって大切なことです。点数が高いということは、こうしたところがよくできている、ということでもあります。
機械には、はかりにくいものがある
一方で、機械にははかりにくいものもあります。たとえば、ことばがはっきり聞こえるか、声の色がその曲に合っているか、気持ちがこもっているか、といったことです。人が「上手だな」と感じるときには、こうした、はかりにくいところも大きくかかわっています。
点数は高いのに上手くないと言われるのはなぜ?
音程を合わせることに集中しすぎている
画面の音程バーを見ながら歌っていると、どうしても「合わせる」ことに気持ちがむきます。その結果、音は合っているのに、歌が平らに聞こえてしまうことがあります。聞いている人には、「正しいけれど、心に残りにくい」と感じられることもあります。
ことばが聞きとりにくい
音を合わせることに集中すると、口の動きが小さくなり、歌詞が聞きとりにくくなることがあります。採点では、ことばのはっきりさは見ていないことが多いので、点数は高いまま、ということもおこります。でも、聞いている人にとっては、何を歌っているのかわかることが、とても大事です。
強弱が「つけるためのもの」になっている
採点で抑揚を上げるために、決まったところで声を大きくしたり小さくしたりすることがあります。それ自体はよい練習ですが、曲の気持ちと合っていないと、聞いている人には少し不自然に感じられることがあります。
声の色が、曲に合っていない
明るい曲を、くらい声で歌う。やさしい曲を、かたい声で歌う。音程は合っていても、声の色が曲のふんいきと合っていないと、「上手くない」と感じられることがあります。
部屋の中と、録音とでは聞こえ方がちがう
カラオケの部屋では、エコーがかかっていたり、伴奏が大きかったりして、歌がきれいに聞こえやすいものです。でも、エコーの少ない録音で聞きなおすと、声のふるえや、ことばのあいまいさが目立つことがあります。点数が高いのに、録音を聞くと上手く聞こえないのは、このちがいも理由のひとつです。
人が「上手いな」と感じる歌とは
ことばがとどく
聞いている人は、メロディーといっしょに、ことばを聞いています。歌詞がはっきり聞こえて、その意味が伝わってくると、「いい歌だな」と感じやすくなります。
声に気持ちがのっている
うれしい場面ではあかるく、さみしい場面ではしずかに。声の色や息のつかい方に、気持ちがのっていると、聞いている人の心も動きやすくなります。歌に気持ちをこめる方法は、こちらの記事でも紹介しています。歌に気持ちをこめるには?歌詞の読みこみ方と、表情・声の色のつけ方
楽しんで歌っている
表情や立ち姿も、歌の伝わり方にかかわります。歌っている人が楽しそうだと、聞いている人も楽しくなります。少しくらい音がずれても、「この人の歌、好きだな」と思ってもらえることは、よくあります。
聞く人のことを考えている
だれに、どんな気持ちを伝えたいか。それを少しでも考えながら歌うと、歌い方が自然とかわってきます。点数を見ながら歌うときとは、ちがう歌になることも多いです。
点数と「伝わる歌」の両方を大切にする工夫
1回は採点なしで歌ってみる
同じ曲を、採点ありと採点なしで、1回ずつ歌ってみましょう。採点なしのときは、画面のバーではなく、歌詞のことばに気持ちをむけます。どちらが歌いやすかったか、くらべてみると発見があります。
録音して、エコーなしで聞く
スマホで自分の歌を録音して、聞きなおしてみましょう。できれば、エコーを少なめにして録ると、ふだんの声に近い形で聞くことができます。ことばが聞きとれるか、声の色が曲に合っているかを、聞く人の立場で確かめてみてください。
歌詞を、声に出して読んでみる
歌う前に、歌詞をふつうの話し声で読んでみるのもおすすめです。どのことばを大切にしたいか、どこで気持ちがかわるかが、わかりやすくなります。そのあとで歌うと、ことばの伝わり方がかわることがあります。
強弱は「気持ち」から決める
抑揚をつけるときは、「ここは点数が上がりそうだから」ではなく、「ここは気持ちが高まるところだから」と考えてみましょう。理由のある強弱は、聞いている人にも自然に伝わります。
口の形と表情を意識する
口をしっかり動かすと、ことばがはっきりしてきます。口角を少し上げると、声があかるく聞こえることもあります。鏡の前や、動画をとって確かめてみるのもよいですね。
人に聞いてもらう
家族や友だちに、「どこがよかった?」「ことばは聞きとれた?」と聞いてみるのも、ひとつの方法です。点数ではわからない、聞く人の感じ方を知ることができます。
「伝わる歌」になっているか、確かめるポイント
録音を聞きなおすときや、人に聞いてもらうときは、次のようなところを見てみてください。点数とはべつの、聞く人の目線でのチェックです。
- 歌詞を見ないで聞いても、ことばが聞きとれるか
- 曲のはじめと終わりで、声のようすに変化があるか
- サビで、気持ちが高まっていることが伝わるか
- 声の色が、曲のふんいきに合っているか
- 息つぎで、ことばが不自然に切れていないか
- 歌っているときの表情が、曲に合っているか
全部をいちどに直そうとしなくてもだいじょうぶです。まずは1つだけえらんで、次に歌うときに気をつけてみましょう。たとえば「今日は、ことばをはっきり伝える」と決めて歌うだけでも、聞こえ方がかわることがあります。
点数が少し下がっても、気にしすぎない
ことばや気持ちを大切にして歌うと、ときには点数が少し下がることもあります。でも、それは歌がわるくなったということではありません。聞いている人の反応が少しでもかわったら、それは「伝わる歌」に近づいているしるしかもしれません。
点数との、ちょうどよいつきあい方
点数は「練習の目安」と考える
点数は、音程やリズムを確かめるのに、とても便利な道具です。苦手なところがわかったり、練習の成果が数字で見えたりするのは、うれしいことですよね。ただ、点数がすべてではない、と考えておくと、気持ちがらくになります。
楽しむことを忘れない
高い点をとることに気持ちがむきすぎると、カラオケが楽しくなくなってしまうこともあります。点数がふるわない日があっても、「今日は気持ちよく歌えた」と思えたら、それでじゅうぶんです。
もっと深めたくなったら
「人に伝わる歌い方を知りたい」と思ったら、歌の教室やボイトレのレッスンで、先生にみてもらうのもよい方法です。ことばの伝え方や、声の色のかえ方など、自分ではわかりにくいところを教えてもらえることがあります。
まとめ
- カラオケの採点は、決まったものさしで歌をはかるしくみで、はかり方は機種によってちがう
- 点数が高くても、ことば、声の色、気持ちなど、はかりにくいところで差が出る
- 点数が高いのに上手くないと言われるのは、合わせることに集中しすぎていることが多い
- 採点なしで歌う、エコー少なめで録音する、歌詞を読むなどの工夫がおすすめ
- 強弱は、点数ではなく気持ちから決める
- 点数は練習の目安として、楽しく上手につきあう
人に伝わる歌い方をもっと知りたくなったら、近くの歌の教室やオンラインのレッスンをさがしてみてください。歌の教室さがしまた、人の耳で歌を聞いてもらいたいときは、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、点数とはちがう、自分の歌のよさに気づくきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ